補助動作はその場に応じて使い分け。回避メインなので気防陣は自分にはヒールスプレー覚えるまでは使わない。魔法使ってくる相手いたら使う。
練技はMP13+5点ﾏﾅﾁｬで練技3種を2セットまで使用可能。
変幻自在を覚えているので宣言特技は2回使用可。

初手FA時

1.《一撃万破･鉄砂崩拳》を2回で防護点を破壊。
2.《ディスラプト》+ <追加攻撃:蹴り>を2セットで打点を出しつつ2体の敵を引き付け。
3.《一撃万破･鉄砂崩拳》+《ディスラプト》同時宣言で防護点破壊+挑発＋FA蹴り＆追加攻撃。

2R以降

1.《ディスラプト》+ 《鎧貫き》+<追加攻撃:蹴り>で打点を出しつつ1体挑発。
2.《ディスラプト》+ 追加攻撃《ディスラプト》で2体挑発。
3.《一撃万破･鉄砂崩拳》+《ディスラプト》同時宣言で防護点破壊+挑発。

ディスラプト中は対象からの回避成功でカウンター！
(+4以上なら)ブレードスカートで追加カウンターも！

☆暗視

暗闇ペナルティを受けない。

☆獣性の発露

生来武器として<爪>と<牙>を持つ。猫／人のどちらの姿でも使用可能。
受け身判定を冒険者Lv+敏捷Bで行えるようになる。

☆猫変化

主動作で猫から人に人から猫の姿に変化出来る。消費MP3。
猫変化時、『部位:耳』と『部位:首』以外の装備はその場に落ちる。変化時間の制限時間はない。

☆Lv6強化

完全に「種族：人間」の姿に化けられる（耳は人耳に、尻尾が消える）
でも猫好きな主人様に可愛がって欲しいので普段は猫耳と猫尻尾が出ている。

✘Lv11強化

本人が認識した他人（「種族：人間」に限定）して化けられる。

《鉄砂拳響》(※1)
　<鉄砂拳>による近接攻撃を“1回だけ”行う。この秘伝による攻撃は、〈追加攻撃〉を発生させない。
　キャラクターは地面に自分の足で立っていなければならず、飛行､浮遊､搭載､転倒などの状態では使用不可。
　この攻撃が命中した場合､ダメージ決定時に「キャラクターのグラップラー技能レベル」を追加で加算。
《一撃万破･鉄砂崩拳》(※2)
　この秘伝は《鉄砂拳響》によって攻撃をおこなうときのみに宣言可／クリティカルが発生しない。
　攻撃が命中したら、まず対象の防護点を「破壊」し、減少させる。その後にダメージ計算を行って、ダメージを適用。
　対象の防護点が２／３(端数切り上げ)になります。「１」ないし「２」点が下限（魔物データキャラ相手）
《ディスラプト》(※3)
　この攻撃を宣言時、与ダメ-4。この攻撃が命中した部位は次の1回の近接攻撃を秘伝使用者に強制する。
　回避に成功した場合、再度与ダメ-4で攻撃があたったものとしてダメージを算出。

外見

人間形態では身長152cm／40kgくらい。着物を改造した忍装束を兼ねたものを着ている。
忍らしく軽量で細身だが生家の事情（身体増強術等）により身体能力が高く発育がある方。筋力はない。
猫形態は白い毛並みをした猫。仮面は『小鳥遊』の家で使用していた時のもの。何故か捨てられなかった。

装備

鎖分銅、苦無、手裏剣のような軽量の獲物を扱う。
アルフレイム大陸に渡り、格闘術・闇狩技法・賦術・練技を学ぶ。格闘術を主武器として戦うようになった。忍者であることは呪いでも誇りでもあるが、大事なことは武器ではなく主人様を守護ること。故に忍具は手離した。

呼び

一人称は「寧々」／主人様→「｜主人様《あるじさま》」／氷見津 直→「直殿」／業嗣　宗煙門→「業嗣殿」
冒険者の同僚等、他の人は大体「～殿」（様はかしこまりすぎと指摘が入った。今は主人様だけ）

口調・口癖

常時敬語かつ従者のような口調
「はい、主人様！」「寧々、お側に」「黄泉路様に仕える忍び、寧々にございます」

目標

主人様を支え続けること／(主人様が行くなら)アルフレイム大陸へ訪れてみること(達成！)／｜生家の呪縛《トラウマ》の忘却

大切

主人様！！

特技

早着替え(猫→人で必要なので)／料理・洗濯・荷物整理など／偵察・斥候

好き

主人様／どちらの形態でもいいので主人様に撫でてもらうこと／美味しい食事／平和／散歩

趣味

料理・洗濯・主人様の身の回りの世話／(主人不在時の)日光浴と昼寝／身体を動かすこと

嫌い・苦手

主人様に仇為すもの／猫の姿(服も装備もなく守護り辛い)／幽世（魔域）／生家／泳ぎ（泳げない）
(4.追加)魔神／精神攻撃

内面動機

主人様への貢献／(主人様を通した)検非違使としての正義／無邪気な依存／生への執着→主人様への奉仕

性格

細々とした世話焼きに幸せを感じる主人様全肯定系忠犬(猫だけど)忍者女子。従者というか秘書みたいな感じ。
忍者(諜報員)なのである程度の交渉や会話術は会得していてコミュニケーション能力も良好。最優先が主人様なだけ。

その他

実家から逃げ出す前には増強術、身体操術や技術を叩き込まれるばかりで、精神抑圧訓練を十二分に行えていない（寧々を苦しませるためにも訓練は行われていたため）。よって我慢強くはあるものの心を殺しきる技量がなく、精神面は相応に脆い。
忍者は主のための道具であるという理屈のみ飲み込みつつ、忍の道を"抜け"てからは主人様の流儀に慣れてしまい情が強い。非情と非道を実践し続けられないため揺さぶりに滅法弱く、主人様への感情が関わる精神面の揺さぶりは相性最悪。
また、お酒は好物だが1～2口程度ですぐにダウンしてしまう主人様が寝てしまった時の介抱要員。そのためにお水もたくさん持ち歩いているし非力でも主人様くらいは抱えて運べる。
主人様を寝かせた後にこっそり近くで丸くなっちゃうのは御愛嬌。
なお寧々当人は｜酒精《アルコール》には滅法強い。忍者だし……家庭（実家）の事情で。
自らが主人様の役に立てるものが忍の技術とその流れで得たものであることと、しかしその家と道を捨てているのにまだ忍のつもりで居ることから、『忍』としての自己矛盾を抱えている。

[龍骸諸島での経歴]
瀕死で気絶していたところを拾ってもらい、拾ってくれた人に忠誠を誓い仕えるようになった抜け忍。
忍の家に生まれ素質も非常に高かったが、生まれの事情により周囲とは明確な扱いの差があり、自分にだけ課される苛烈な修行に心が耐えきれずに脱走した。
元の家の姓は『小鳥遊』。しかし"抜け"たため姓を捨て、ただの『寧々』となった。

生家を出てから当てもなく旅をしていたある日、野宿中に幽世に飲み込まれる。猫の姿で隠れていたが、十数日を経て幽世が祓われた時には体力の限界で気絶していた。そこをとある侍の男に拾われて助けられる。
助けてくれた男に恩返しを願い出、事情を伝えたところ承諾してもらい仕えることに。寧々が仕えることとなったその男――『黄泉路』の姓の同音異字姓を授かる。『｜夜見路《よみぢ》 寧々』となり、男のことを｜主人様《あるじさま》と呼び慕うようになった。
『｜夜見路《よみぢ》』の姓は夜目の効く化け猫としての生まれを活かし、夜目の効かない人間である自分を守護して欲しいという言葉を受けて、その意味合いをもたせたもの。故に（主人様の）『夜路を見張る者』（心の中で）自称し、姓にもなった『｜夜見路《よみぢ》』を自分の大事なお役目としている。

普段は「黄泉路様に仕える忍び（あるいは従者）の『寧々』」と名乗る。『夜見路』の姓は主人様にいただき、主人様とだけ交わした大切なもの。これを知るのは主人様だけで良い。

懐が広く優しい主人様が何より大事。邪魔をしない程度に可能な限りたくさんお世話を焼こうと奮闘している。
家事修行が趣味で特に料理に力を入れている。野営時も主人様には美味しい物を食べて元気でいて欲しいため。

お酒好き(下戸)な主人様のためにお酒と多めの水を持ち歩いている。

龍骸諸島経歴表 経歴表ダイス＆協力する理由ダイス

[6,6]

[将軍家の御落胤だと両親に告げられた]
代々化け猫の忍を輩出し重用されている一家に生まれた。
しかし寧々は偉～い人のお手付きにより生まれた落胤の身であり、立場も扱いも悪かった。

[6,3]

[アルフレイムへの強い憧れがある]
忍としての教育を受ける最中にアルフレイム大陸の事を知る。現実逃避気味に憧れを抱いた。
漠然とここではないどこかへの救いを求めるようになる。

[5,6]

[幽世に迷い神隠しにあった]
ある日激化する忍修行に心が耐えきれず脱走。しかし野宿中に幽世に巻き込まれてしまう。
単身では幽世を祓う術はなく、猫の姿で隠れ潜み続けていた。

協力する理由

[4,2]

[役に立ちたくて]
限界を迎えた頃に幽世が祓われる。衰弱して気絶していたが主人様に発見され拾ってもらい、介抱される。
その優しさに驚き、抜け忍であることの身分を明かし、恩返しを申し出ると受け入れてもらえた。

グラ9、スカウト9、ダクハン5、アルケミ4、マギ2、エンハ3(ここまでで52500)
→ダクハンは4で大乱獲、5で魔生法
→このあとはグラ10→11

生命>精神>>>>器用=敏捷>>知力>>>>筋力

◇Lv11:防具習熟S／非金属鎧 or 超頑強

[買い物]
＊蝙蝠の耳飾り(3500)
＊機械仕掛けの指(7080)
＊多機能ブラックベルト(3000)
＊金鎖とﾃﾞｨｽﾌﾟﾚｲｻｰｶﾞｼﾞｪｯﾄ→指輪で能力調整
・操りの腕輪＋エルエレナケープ

[いつか欲しい]
☆千変万化の衣
☆影王の深靴(劣化品でも)

　「死」の足音を聞いた。
　赤い霧に覆われた幽世に迷い込んだ上に、祓う術はない。
　死にたくなくて、猫の姿に戻って、ずうっと隠れ伏す他なかった。
　空腹の限界で意識が遠のいた時、己の生はなんだったのかと悔やんだ。

　それでも、また目は醒めた。あの赤い霧はなく、見上げれば家屋のような天井と草地よりも柔らかい布団の感触。
　どうやら死んではいなかったらしい。
　
　すぐ傍に人の気配があり、思わず飛び上がって警戒した。
　近くに居て、自分の姿を見ていたのは――どこか感情というものを遠くに置いたような、億劫そうにこちらを見つめる男だった。
　
　ただ、その時の表情一つで、害のある人ではないと確信し……変化して人の形を取った。
　男の眉がわずかに動いたのには気付いたが、言葉はまだなかった。
　恐る恐る語りかける。
　
「貴方様が……私を助けてくださったのですか？」
「俺が祓った幽世で、お前が倒れていたのを拾ったまでだ」

　敵意も悪意もない凛とした声が、耳に心地よく染み入ってくる。
　気付けば、意識が失くなる直前まで苦しめられた飢えと乾きが消えていた。
　寝かされていた所のすぐ近くには、水と米、そして布が目に入る。きっと気を失っていた寧々に少しずつ研ぎ汁を与えて生かしてくれたのだ。そうまでして……この男が助けてくれたのだろう。

　「何故」――その言葉が喉まで出かかった。あの家では姉達以外の全てが敵だった。家を出てからは誰にも頼れなかった。
　誰かにこうしてもらったことは初めてだった。けれど、今まさに男に救ってもらったという事実だけがある。
　外にはこのような方も居るのだ、そう思えた途端、不思議と心が暖かくなった。

「名を寧々と申します。此度のご慈悲、感謝申し上げます」
「いや、気にするな。俺は俺で勝手をしたまで。幽世に迷い込んだようだが……お前はどこの者だ？」

　そう言われ、ぽつぽつと言葉を紡ぐ内……気付けば、すべてを話していた。
　生まれた家のこと、忍びの家の出であること、そしてそれらを棄て、行き倒れたこと。
　男は一言も口を挟むことなく、静かに聞き届けてくれた。

　その姿を見て自然と、言葉の結びで頭を下げて｜希《こいねが》っていた。この恩に報いたいと。傍に置いて、忍びとしての自分を使って欲しいと。

　果たして、その願いは聞き届けられた。
　『黄泉路』と名乗ったその男と同じ音で『夜見路』……家名を捨てたただの寧々に、男を守護する者としての姓を授かった。
　心からの忠誠を誓うと共に、仕える主の名も聞いた。

「黄泉路様。その御名はなんと申されましょうか」
「名か。名は……棄てた」
「棄て、た……？」
「だがお前が明かしたように、棄てる前の名で良ければ教えよう――」

　そうして、告げられた名を心に刻み、しまい込んだ。
　姓を棄てた者、名を棄てた者。その奇妙な縁は、一刻にも満たない会話の間で寧々が生きてきた全てを覆した。

「ありがとう存じます。これより夜見路 寧々、｜主人様《あるじさま》の夜路を見張る者として、お仕えいたします」


　誓いを立てて以来、主人様の傍に居させていただくことになった。
　主人様は常に堂々と立ち振る舞うが、反面細かい所には頓着されないようで支えがいがあった。

　忍びの家に生まれ、それを棄て、しかしそれしか知らなかったが故に一人では生きていけなかった。
　そんなとき、忠誠を誓って仕えることの出来る誰かがいるだけで、心が軽くなる。

　あの時、主人様に拾っていただけなければ間違いなく死んでいた。
　だが、死にかけなければ拾っていただけなかったかもしれない。
　
　あの出会いが、生きる意味を見出させてくれた。
　今の寧々にあるのは、ただ一つ――｜主人様《あるじさま》の傍に在ることだけだった。

　簡素な病衣はまるで死装束のようでした。
　結っていない黒髪は艶もなく身体にまとわりついていて、怪談として語られるような幽女と見紛うほど。手足もすっかり痩せ細ってしまっていて、これで寝台から立ち上がれているのが奇跡でなければなんなのでしょう。

　もう出ないはずの涙で視界を滲ませ、寧々はその姿を捉え続けました。死の淵より帰ることのできた、静葉姉様のお姿を。

　手は貸せません。ただ見届けるしかありません。
　姉様が緩慢な動作で主人様に身体を向け、足を揃えて膝をつき、五指を地に並べます。これ以上ないくらい腰を曲げ、地に着くように深々と頭を下げる――そう、徹底的に躾けられたあの姿。
　おそらく体の節々が急な可動で痛むことでしょう。たったこれだけの動作に呼吸が乱れ、身体が震えているのですから。

　痛ましくも懐かしいその姿を見届けながら寧々は。
　生きていてくれて、よかった。
　そう思うばかりなのでした。

　♢

「気が済んだのなら面を上げろ。それと……寧々。寝かせてやれ」
「……はっ」

　気が済まなかったのか、あるいは姿勢を戻す体力も尽きたのか。下げた頭をそのままにする姉様を助け起こし、抱え上げました。抵抗されることもなく、軽々と身体が持ち上がります。
　ずっと敵わなかった非力な寧々が、あの姉様をこうまで軽々しく扱えてしまえたことに驚かなかったと言えば嘘になります。厳しくも優しい方がこうまで……という哀しみすらよぎります。
　抱えた姉様をそっと寝台に横たえると、それを待っていたのか主人様が口を開きました。

「何を、どこまで覚えている」

　その直截な言葉に思わず姉様を見ると、枯れた体が強張ったようでした。ぎゅっと目を瞑り、答えるのを拒否しているようにも、必死に頭の中を掘り起こそうとしているようにも見えます。
　主人様も急かすつもりはないようです。問いを投げた後は壁に寄りかかり、虚空を見つめて言葉を待っておられるだけでした。答えるまで待つ、ということなのでしょう。
　寧々にはどうすることも出来ず、ただ姉様の枯れ木のような手を包み込み、見守り続けるのみでした。
　そうして、しばらく誰も口を開かないまま時が過ぎ、やがて姉様が掠れた声でぽつりと呟きました。

「貴方達と戦ったところまで全て、です」
「……そうか」

　その短い問答だけ交わすと、主人様はそれ以上何も言葉を続けませんでした。しん、と重苦しい静寂が再度訪れます。
　戦ったところまで全て。
　幽世を利用し、邪法に通じ、死者を黄泉帰らせ――。
　聡い姉様が何をどこまで考えたのかは、寧々には窺い知れないことです。
　
「姉、様」

　思わずそう呟くと、項垂れていた姉様の視線が此方を向いて。

「寧々。どうして、私を助けたの」
「うっ……」

　行き場のない――恨みすら籠もった自責と問いの視線と言葉が寧々に突き刺さります。
　確かに死して咎を受けるべきと考えるのが当然かも知れません。それだけの事をしておりますし、寧々が姉様の立場なら同じように死すべきであったとも思います。こうして助けられれば、同じ言葉を吐いたかもしれません。
　波打つ感情を整理できず、「どうして」に咄嗟に答えられないまま言葉に窮していると、助け舟が出されました。

「静葉」
「はっ」
「寧々の主人は俺だ。その俺が良いと言った」
「……では、何故」

　寧々への問いが矛先を変えました。
　しかし主人様はその眼光を真正面から捉え返します。

「義政殿に頼まれたからよ」
「っ……！」
「そういえばあの折、静葉は寝ていたか。先に断っておくが、義政殿は黄泉へと送り返している」
「…………」
「俺の言葉が信じられんか？　だが、この刀がその証になるだろう」

　主人様が腰に佩いた大太刀を手に取り、姉様の前へと突き出しました。あの幽世の中で渡された刀を。
　
「てっ……天断、刀」
「義政殿に託され、俺が継いだ。それが答えよ」
「…………」

　そう告げ、主人様は背を向けました。
　鷹見様の意志。そう告げられては返す言葉もないのでしょう。その刀は持ち主を選ぶと聞いています。担い手の隣に居た姉様がそれを知らないはずがない。つまり、主人様の手にある天断刀が答えそのもの。

「……養生しろ。自力で動けるようになればいずれ湊斗にでも送る。寧々、後の事は任せる」
「はっ。承知しました、主人様」

　退室するつもりだと察し、その命令に頷きます。そうして姉様には一度休んでもらおうとしたところで、姉様の手がぐいと動きました。

「ま、待っ……お待ちくださいっ！」


　掠れた声で懇願する声に、主人様は背を向けたまま立ち止まり、視線だけを此方に向けました。

「ありがとう、ございました」
「何への感謝だ、それは」
「天断刀が無事で……良からぬ者の手に渡らなくて。そうなっていれば、私は義政様に合わせる顔が」
「姉様……」

　今にも泣き出しそうな表情を見て、重ねた手に力が入ります。

「良からぬ。何か思い当たる節があるような物言いだが」
「……はい。義政様は……そう、あの時、龍京の東にある神薙の社で討たれました。その者は天断刀を狙って、だから義政様は私にその刀を預けて逃げろと……」
「…………」
「て、天断刀を狙って、ですか？　何者だったのですか？」

　思わずそう聞き返すと、姉様は憂いの表情で首を横に振りました。

「……わからない。栗色の髪の、女の侍だった」

　嫌な予感が、悪寒となって背筋を走ります。
　つまり、今担い手となった主人様はーー。

　一方、主人様は主人様で再び前を向き、背を向けたままで何やら考えておられるようです。
　ややあって、小さく息を吐く音が聞こえたかと思うと、そのまま主人様は部屋の戸に手をかけ。

「ここは龍骸の地より遠く離れた大陸よ。そのような手合いもここまで来ることはないだろう。気にせず休め」

　それだけを告げ、部屋を出ていかれました。
　後に残ったのは姉様と寧々だけ。
　自然と目が交差しますが、そこには何かを訴えるような強い意志が見えました。

「はい。主人様は寧々が必ずお守りします。姉様、今はお休みください」

　その言葉に姉様がゆっくりと頷き、いつかのようにそっと寧々の手を包み返してくれました。