容姿

　『レギュラス・グレーヴ』。灰を被ったかのような短髪に、光を吸い込むかのような濁った黒眼を持った彼は、己の魔力を拳に乗せて戦う、気性の荒いアビスボーンである。

経歴

人物像

　性格は酷く粗雑乱暴。話しかけてきた相手には大抵の場合威圧で応え、態度の悪いそれだった時にはノータイムで拳が出ることもある、まさに狂犬の如き性分をしている。
　レイを相手にした時は特にそれが激しくなり、対面した際はまず蹴りをかますと本人も豪語している。
　現在は〈漆烏の庭籠〉に所属し、冒険者としての活動を行っている。

　幼い頃から、彼は浮浪児であった。アビスボーンの忌子であるからと5歳の頃に家を追い出され、金を稼げる年齢でもないので生きるために盗みを覚えた。そして大人たちに捕まっては、地獄の如き責苦を喰らう。それがレギュラス・グレーヴの日常であり、生き抜くための唯一の道であった。
　そんな時、彼は一人の師と出会った。真語魔法をこよなく愛する、とある一人のハイマンの女性。彼女は行き場を無くしたレギュラスを拾い、真っ当な道に行けるように彼を自らの弟子とした。寝食を与え、読み書きを教え、魔術の面白さと奥深さを教える。そんな師の姿に、レギュラスはいつしか希望を持ち始めていた。
　彼女の元で立派な魔術師となり、いつか一介の冒険者となる。そんな日を夢想し、彼は幸福な日々を送り続けていた。

　──『彼女』が来るまでは。

　15になったある日、師のハイマンは再び＂誰か＂を拾ってきた。
　美しい銀髪を泥土で汚した、柘榴色の瞳を持つ少女。それが、後の憎き弟弟子……もとい妹弟子であった。
　師は間も無く彼女も引き取り、レギュラスと同じように魔術を教えた。
　──異常な成長速度だった。記憶喪失だったせいなのか、あるいは元から＂そういう素質＂があったのか。とにかく彼女はその才能を開花させ、レギュラスが10年かけて覚えたものをひととせのうちに修得し、一気に彼の力を超えていった。

　気に食わなかった。
　自分と同じ境遇なのに。自分と同じ野良犬なのに。
　どうしてそんなに、｜自分《おれ》と違う。

　そんな｜蟠《わだかま》りを抱え耐えきれなくなってしまったのか、彼は16の時に師の元を去った。
　しかし地図もなく師の側を離れた彼は、間も無く途方に暮れてしまう。
　幾年ぶりの飢餓に苦しむ中、レギュラスは一人の男と出会った。
　それは、老いた拳闘士であった。
　なりふり構っていられなかった彼は、寝食を提供してもらう代わりに、彼の持つ拳を後代に継承することを約束した。
　レギュラスは彼の元で過ごす中で、拳の扱い方を学んだ。その才能は瞬く間に成長し、少し経つうちにそこらの冒険者を軽く超えるほどまでに成長した。彼もまた、＂そういう素質＂があったのである。
　ひたすら拳を打ち続ける中で、いつしか憎悪の理由すら忘れた彼は、＂彼女＂と同じようにたった2年で第二の師の元を去った。
　いつか、彼女に打ち勝つために。
　自分は優れているのだと、証明するために。

※魔物知識の内訳は（知名度／弱点）。魔物知識判定に成功していない場合は（ー／ー）とする。
※参照は基本的にモンストラスロアのページを表記

所持成長Pt

2

生来アビスカース

>>「古傷の」

HPを回復する効果（休息による回復を含む）を受けた場合、その回復量が1点減少する。