容姿・経歴・その他メモ

マスクをつけたアビスボーンの男
奈落で生まれたとされており、生まれた時には既に母しかおらず、母からの愛情を受けていたものの、母は3歳の時他界。
その後は、母方の親戚を転々としたが、親戚たちはハザンを厄介者扱いしており、長く住むことはなかった。
20を超えた頃、彼は1人で暮らすようになった。冒険をすることもあれば、肉体労働をしていたこともあった。
そんな折、世話になっていた親戚の1人が他界したことを知った。
ハザンは胸に少しばかりの哀愁を覚えたため、その親戚の家に向かった。
当然歓迎はされなかった。だが、ハザンは冷たくなった、当時の育ての人を見て思った。

『恨みがない訳ではない。だが死せるものには安らかなる安息の地が必要だ』

そう思ったハザンは墓を作ることを決めた、
せめて自分を厄介扱いしながらも育ててくれた者たちを迎えるまでは。そう決心した。
それだけじゃなかった、彼は幾度も出会いがあったが、それ以上に喪失の方が多かった。その喪失した心を文字通り埋める必要があったからだ。

1人、また1人と、親戚が他界するのを見て埋めていった。埋めていた場所は母を埋めた場所の隣や前といった、なるべく母の近くへと埋めていった。親戚の家族からは気味悪がられていたが、5人埋めたあたりで、ハザンも50を超えていた。残っていた親戚は1人。既に齢も90を超えているだろう。ハザンはこれが最後か…と心で思った、だが喪失を埋めるにはまだまだ足りなかった。

ある日、親戚の家族がハザンの下へやってきた。もうベッドから起き上がることも出来ない自分の母がハザンに会いたいと。
医者からは覚悟はしておいてくださいと言われ、今夜。峠だそうだ。

親戚はこう言った。
「アンタは……もう自由やで……」

その言葉を聞いたハザンは
「今まで…ありがとう。」

そう言い、親戚は旅立った。
母を含め7人。墓に眠った。
定期的な管理が必要と思い、彼は墓へと向かっている。

すると、1人の少年に会った。
少年に何をしていたかと問うと、少年は孤児でここが墓なのも分からないと言う。だが、ハザンのことは遠くから見ててわかっており、寂しそうなおじさんと言った。
ハザンは少年を特には何もしなかった。だが、少年は毎日来ていた。

面白みもないだろうと答えても、少年はおじさんが頑張ってる姿を見るのが楽しいというのだ。

おかしな少年だと思った。
だが、それでも少年と会話していくうちに、少しづつだが心の喪失も収まっていく。
そしてあることに気づく。自分が死んだ時誰が自分を埋めるのだと。
結婚するつもりはない。親戚の家族もこれ以上自分から関わる必要も無い。そうなると誰かに埋めてもらう必要がある。
そんなことを考えていたある日、少年がこう言った。

「おじさんは、ここの墓で眠るの？」
「……ああ。」
「…おじさん。良かったら俺がやろうか？」
「ここまで話した俺たちの仲ってことで！」

屈託のない笑顔だった。断る気を全く寄せ付けなかった。
ハザンは思わず承諾した。だが悔いはなかった。きっと少年なら本当にやりきってくれるだろうと思ったからだ。
そしてその時名も無き少年にハザンの名を与え、2代目ハザンとして自分が死す時役目を託すという。
ボロボロの服にカラスマスクと良い格好をしている訳では無いが、本人曰く、母が奈落で着ていたものを改造しているのだそう。カラスマスクは自身の目を隠すという目的もあるんだそう。
基本的に真面目で忠実な性格であるが、警戒心などが高く、初対面時などは気配を探ることがある。気配の察知に関しては彼はその人間の強さから交友関係、性格といった部分まで全て察知できるため、彼に隠し事はほとんどできないらしい。
若人に希望を見いだしているため、彼からすれば若人は彼自身にとっても未来であると認識しており、人一倍気にかけるらしい。

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