ややバカ。つんけんしてるけど身内には激甘。
物心つかない頃にF家の子供と取り替えられたスプリガン。当然F家と血は繋がっていない。

M本人はF家の子供だと完全に思いこんだまますくすくと育ち幸せな幼年期を過ごす。
ある時家族に見られていないところでMは巨人化してしまう。なにか自分が他の兄弟とは違うとさすがに理解したが、まだスプリガンについて知らず、もやもやした思いを抱えたまま過ごす。
家族のことは大好きではあるが、自分が異物なのではないかという不安を抱え続けることとなる。

両親はMがスプリガンであることにすぐに気づいたが、ほかの子供たちと同じだけの愛情を注いで育てて、本人には特に伝えなかった。
兄妹は、アホの三女以外は全員が察していたが、Mを排斥する者はだれもいなかった。
イチゴが大好きで目が無い。幼い末妹のRがよくイチゴのおやつを分けてくれた。Rには別の味のお菓子をお返ししていた。

そんな中、8歳頃に図書館でスプリガンについて知る。スプリガンの特性である子供の取り替えについて学んだ時、すべてを理解してしまった。
一時は激しく絶望し、乱心のままに家出してしまう。
道中怪我をして泣きながらうずくまっているところ長兄がすぐ探し出して連れ戻してくれた。
尊敬する長兄は、帰り道おんぶしてくれながら何度も、Mが長兄にとって大切な家族なのだと語り掛けてくれた。

この日から、Mは少しだけ自分のことを肯定的に捉え始めた。
完全に後ろめたさが無くなったわけではないが、長兄のおかげで心が軽くなった。少なくとも家族の前では明るく振る舞えるようになった。

ほかの兄姉に触発されて冒険者として活動し始めるも、あまり強いわけではなかった。
巨人化能力は普通に使う。仲間を守るときはついつい巨人化してしまう優しさがある。後先考えてないともいう。

ある時から、両親に恩返しするため、本当の子供(Mと入れ替えられた人間の子供)に会わせてあげようとこっそり画策する。
なんだかんだ家族への後ろめたさとコンプレックスは拭えていないため、見つけてくるまでは帰らない！と勝手に決意。
他の兄姉の行方不明が相次いだため、兄弟を探しに行くのも兼ねて旅に出るが、自分と入れ替えられた子供も兄姉も見つけれなかった。

頑固で一生懸命なのでしばらく探し続けていたが何せヒントが無い。仕方なく数年経って家に帰ると家には誰もおらず、愛する末妹の書置きがあった。
誰も家に帰らなかったこと。両親が既に亡くなってしまったこと。末妹も家族を探しに旅に出てしまったことを知る。
再びMを深い絶望が襲う。ついに自分は両親に恩を返すことができなかった。それどころか親の死に目に会えなかった、最悪の親不孝者になってしまった。
しかしいつまでも落ち込んではいられない。くすぶるのは今日でやめだ……と明くる日も明くる日も想い続け、へたれなMはやっとのことで立ち上がった。
愛する兄姉と妹を探すため、自分と入れ替えられた子供を見つけ出して真実を伝えるため、再びMは出発した。

ただ、自分が家に居なかったせいもあって家族が離散したのではないかという後悔を拭えない。
そしてまた、いまだに入れ替えられた子供が見つけられていないという罪悪感によって兄妹に顔向けできない。
自分は日の当たる場所にいられない人間だ。もっと立派な人間になって胸を張れるようになってから、家族再開できるよう努力をしよう。そうだ、そこに自分が含まれていなくてもいい。
愛する家族同士を引き合わせることが自分にできる最大の恩返しだ。

こうして｜マッハ＝フルパワ《M・F》ーこと｜モント＝フレミール《M・F》は名前と顔を隠し生きていくことに決めた。
まずは妹がいると書置きに書いてあったハーヴェスへ。
なんてかっこいいことは言ってみたが、まずは日銭を稼ぐところからだろうか。


一人称：オレ
二人称：オマエ
口調：素はつんけんした感じです。正体を隠してる時は豪快なヒーローみたいな口調を頑張ってします。テルミィに対しては変身ヒーローのように振る舞って「かっこいい！」と思ってもらいたくて頑張ります。

『家族探し』
依頼文：家族を探して欲しい。特徴はとてもかっこいい兄姉と可愛い妹。
報酬：一人頭100G

もぬけのからになっていた実家を目の当たりにしたマッハは、空鯨亭に家族探しの依頼にやってきた。依頼を出しがてらアイシャと意気投合しかけたものの、妹・Rの姿を唐突に発見してしまい、狼狽のあまりフードをかぶってユパ様みたいなポーズで空鯨亭の窓ガラスを割って外に逃げ出してしまった……。
やっぱり気になってこっそりとRの後をつけたマッハだったが、ウルフ達を火炎放射で一掃する姿に戦慄と一種の劣等感を覚えた。

妹は……思ったより強かった……
もうぜんぜんものすごくとんでもなくありえんほど強かった……

ロジーナにガラスの弁償を請求されて借用書にサインした。働かねばならない。居合わせたシスターのテレスに少し話を聞いてもらい、悩みが軽くなった気がした。

その後、暴れるヨウムを捕まえようとするテルミィと面識を持つことができた。
頑張れ！！！！　デカくて強い兄になるために！！！