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ヴァンダーファルケ騎士領

三国の緩衝地帯となるアヴァール平野に建国されたばかりの新興国。
東西両端を険しい山岳地帯に塞がれた地域で、豊かな森林資源と肥沃な平野が広がっている。
牧歌的に聞こえるが、実際にはこの地域は魔境が点在し、魔獣をはじめとする危険な生き物が数多く棲み着いている。
しかし、周辺国家の思惑から大きな戦役が起きないため、意外にもこの地域に住む人口は少なくない。

ハンマーフェルド伯爵領

魔境が点在する無法地帯と隣接していることや、領土を拡大した結果としてエストルンド領と国境を接することになり、常に剣戟の音が絶えることがない。
そのため、武を奨励する気風が強くあり、戦える者は低い身分の生まれであっても高い地位に就ける。
北方に良港を持ち、水産資源にも恵まれている。
東西の陸路の要衝地を押さえていることから、交易により大いに栄え、経済大国として知られている。
ただし、豊かな財政と精強な騎士団の存在は頼もしいと同時に脅威でもあり、周辺諸国との関係は常に微妙な緊張状態にある。
ここ数代の領主は賢明で、うまく舵取りしながら諸国との関係を良好に保っているが、表ではともかく裏では陰謀が常に脈動している。

エストルンド辺境伯領

この地域で最も古くからある大国だが、近年は有力領主の独立などで力を落としている。
それでも東西に広い領土を有していること、素晴らしい穀倉地帯を有していることから、地域での発言力の大きさは群を抜いている。
緩衝地帯への侵攻は、ハンマーフェルドへの牽制の意味が強く、さほど熱心ではないらしい。
むしろ、かつての領土だった北方の領主との敵対関係に国力を傾けているため、むしろ緩衝地帯の存在を好意的に捉えている節がある。
ハンマーフェルド領との関係は今のところは良好だが、東進してきている同国への警戒は緩めていないようだ。

ハンザ諸侯連合

緩衝地帯南側にある複数の領主が盟約を結んで外敵に対抗するという体制を採っている地域。
古くは1つの大きな領土だったが、さらに南方にある元宗主国から独立した経緯がある。
各領主の考え方はバラバラで、全体として武断的な風潮が強い。
どの領主も伯爵には届かないが有力な子爵という勢力で、これは魔法師協会による匙加減だろうと思われる。
元宗主国との小競り合いが絶えず、この国も緩衝地帯の維持には好意的だが、領土を増やして伯爵位を得たいという欲望は常にある。

【各国の思惑】

3つの大国それぞれに思惑はあるだろうが、共通しているのは緩衝地帯の一定の治安維持が必要だという見解だろう。
ロードは人々を混沌から守らねばならないが、緩衝地帯に住む人々は自国民ではなく、さらには軍の派遣は他国を過敏に反応させる可能性がある。
取るに足らない程度の勢力を緩衝地帯に泳がせることで、そこに住まう人々が見捨てられているわけではないと感じられるように仕向けたいと言ったところか。
無論、自分たちの手に余るような勢力に成長しようとすれば、容赦なく叩き潰しに来ることが予想される。

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