ゆとシートⅡ for AR2E - ゆと工公式鯖

セルクレフ - ゆとシートⅡ for AR2E - ゆと工公式鯖

“不死身の”セルクレフ

プレイヤー:水樹

メインクラス
ウォーリア
サポートクラス
サロゲート
称号クラス
ゴールドナイト
種族
アルカード
年齢
23
性別

成長点

使用
2646
残り
0
総計
2646
キャラクター
レベル
23
HP
+23=241
MP
141
フェイト
14
/使用上限: 4
能力
基本値
能力
ボーナス
クラス修正
メイン/サポート
スキル
能力値 スキル
判定
+ダイス数
筋力 38 12 1 13 13+2D
器用 33 11 1 1 13 13+2D
敏捷 9 3 1 4 4+2D
知力 10 3 3 3+2D
感知 9 3 3 3+2D
精神 33 11 1 12 12+2D
幸運 11 3 1 4 4+2D

ライフパス

出身地
アースラン
出自
騎士
境遇
逃亡
目的
贖罪
装備品 重量 命中
修正
攻撃力 回避
修正
物理
防御力
魔法
防御力
行動
修正
移動
修正
射程 備考
右手 召喚具:テュルソス(戦闘開始時はダガー) 9 28 -1 至近
打撃/召喚具/片効果1
パッシブ。装備者が使用するHP回復を行う「種別:ポーション」のアイテムの効果に+【精神】する。
効果2
ムーブ。装備者が行う攻撃のダメージに+[この武器の「攻撃力」]する。この効果はメインプロセス終了まで持続する。1シーンに1回使用可能
左手 フェイムシールド 11 17 2 -1
盾/片
頭部 剣神の兜 8 -2 9 2
装備者が「種別:召喚具」の武器を装備しているときに有効。パッシブ。装備者の【物理防御力】に+5、【魔法防御力】に+3する。
胴部 S1セレスチャルアーマー 12 12 5
対抗:スリップのクリスタル
補助防具 トリックマント 4 5
「タイミング:メジャーアクション」のスキルによる武器攻撃ダメージ+2D
装身具 豪傑の証 1
パッシブ。装備者が行う武器を使用した命中判定の達成値に+1し、さらに装備者の【物理防御力】に+5する。
合計 武器 20/38 0 0 28 0 -2 43 9 -2 0
防具 25/38
戦闘 命中
判定
【器用】
攻撃力 回避
判定
【敏捷】
物理
防御力
魔法
防御力
【精神】
行動値
【敏捷】
+【感知】
移動力
【筋力】+5
スキル
4 36 2 1
ダイス数修正 1 1
1 3 15 7
ダイス数修正
合計+ダイス数 18+3D 67+2D 2+3D 60 29 5 18

特殊な判定

スキル その他 合計+ダイス数
トラップ探知(【感知】) 3 +2D
トラップ解除(【器用】) 13 +2D
危険感知(【感知】) 3 +2D
エネミー識別(【知力】) 3 +2D
スキル その他 合計+ダイス数
アイテム鑑定(【知力】) 3 +2D
魔術判定(【知力】) 3 +2D
呪歌判定(【精神】) 12 +2D
錬金術判定(【器用】) 13 +2D

スキル

取得元 分類 名称 Lv タイミング 判定 対象 射程
コスト
使用条件
ブレイバー ぶちかまし 1 メジャーアクション 自動成功 単体 至近
対象を10mまで移動もしくは離脱させる。封鎖されている場合は移動を行うことはできない。
ブレイバー 太陽 5 メジャーアクション 命中判定 単体 武器 4
対象に武器攻撃を行う。その攻撃で1点でもHPダメージを与えた場合、あなたのHPを30点回復する。クリティカル:ダメージロール増加
ゴールドナイト 金輪 3 《太陽》 自動成功 自身 4
《太陽》と同時に使用する。《太陽》のHP回復量に+[SL×5]し、 HP回復と同時にあなたの受けているバッドステータスをSL個まで回復する。
シーフ ワイドアタック 1 メジャーアクション 命中判定 範囲(選択) 武器 4
対象に武器攻撃を行う。その攻撃の対象が2体以上の場合、ダメージに+[SLx2]する。
ウォーリア スマッシュ 1 マイナーアクション 自動成功 自身 5
ダメージ増加を行う。白兵攻撃のダメージに+【筋力】する。メインプロセス終了まで持続する。
ルイネーター トランス:ロングアーム 1 マイナーアクション 自動成功 自身
EPを1点消費。エンゲージしていない対象にも白兵攻撃を行うことが可能となる。その攻撃の命中判定に+SLし、「射程:10m」となる。この効果はシーン終了まで持続する。
ミリタント バスタースイング 1 レガシー 自動成功 自身 6 打撃使用
武器攻撃で対象に1点でもHPダメージを与えた場合、対象を5m以内の場所に移動させる。この時、エンゲージから離脱させることもでき、封鎖の影響も受けない。対象をどの方向に移動するかはあなたが決定する事。この効果はメインプロセス終了まで持続する。
ウォーリア ボルテクスアタック 1 効果参照 自動成功 自身 シナリオ1回
武器攻撃と同時に使用する。その攻撃を「対象:単体※」に変更、ダメージに+[CLx10]する。
ブレイバー 歴戦の勘 5 効果参照 自動成功 単体 視界 シナリオSL回
あなたのみが対象として選択された攻撃の命中判定がクリティカルした場合に使用する。 そのクリティカルを打ち消す。対象は通常どおり、出目を合計して達成値を算出すること。
ミリタント ヒーリングストライク 1 DR直前 自動成功 自身 7 打撃使用
武器攻撃のダメージロールの直前に使用する。HP回復を行う。その攻撃で対象に1点でもHPダメージを与えた場合、メインプロセスの終了時にあなたのHPを【精神】点回復する。
ブレイバー カバーリング 1 DR直前 自動成功 単体 至近 2 防御中1回
対象にカバーを行う。行動済のときでもカバーを行うことができ、未行動のときにカバーを行っても行動済にならない。
ウォーリア カバームーブ 3 《カバーリング》 自動成功 自身 4 シーンSL回
《カバーリング》と同時に使用する。《カバーリング》を「射程:至近」から「射程:20m」に変更する。ただし、このスキルを使用してもあなたが移動することはない。
サイバーオーガン ハーデンボディ 1 DR直後 自動成功 自身 5 防御中1回
ダメージ軽減を行う。あなたがダメージを受けるダメージロールの直後に使用する。そのダメージに-【筋力】する。
ゴールドナイト 聖盾 5 DR直後 自動成功 自身 シナリオSL回
魔法攻撃、特殊攻撃のダメージロールの直後に使用する。ダメージ軽減を行う。あなたが受ける予定のHPダメージに-30する。《大盾》とは同時に取得できない。
サイバーオーガン リブート 1 戦闘不能 自動成功 自身 シナリオ1回
フェイト1点消費。あなたが戦闘不能になった直後に使用する。戦闘不能を回復し、【HP】を1点まで回復する。あなたが未行動だった場合、行動済にはならない。 このスキルを使用するシーン、あなたは他の「タイミング:戦闘不能」のスキルを使用できない。
ミリタント リバースライフ 1 戦闘不能 自動成功 自身 シナリオ1回
TPを全て消費、戦闘不能を回復し、【HP】を【消費したTP】点にする。あなたは行動済となる。
種族 クリムゾンミスト 1 戦闘不能 自動成功 自身 シナリオ1回
あなたの戦闘不能を回復し、【HP】を1点にする。また、あなたは行動済となる。
ルイネーター アンデッドライフ 1 戦闘不能 自動成功 自身 シナリオ1回
EPを3点消費。戦闘不能を回復し、【HP】を1点にする。なお、あなたは行動済となる。
グラディエーター クラン=ベル・スタイル 1 効果参照 自動成功 自身
ラウンド進行終了時に使用する。【HP】が[【最大HP】/2]点未満の場合、【HP】を[【最大HP】/2]点にする。また、戦闘不能から回復した場合も、【HP】を[【最大HP】/2]点にする。
シーフ ランナップ 1 セットアッププロセス 自動成功 自身 3
戦闘移動、あるいは離脱を行う。ただし、あなたのいるエンゲージが敵キャラクターに封鎖されている場合、離脱を行うことは出来ない。
種族 エターナルシャドウ 1 セットアッププロセス 自動成功 自身
あなたは[暗闇]の影響を受けるものとして扱う。この効果はシーン終了まで持続する。
ルイネーター ナイトロード 1 セットアッププロセス 自動成功 自身
明度1~2の効果を受けている場所にいる時に使用可能。EP2点消費。明度1~2の効果を受けず、あらゆるダイスロールに+1Dする。 この効果は明度1~2の効果を受ける場所から離れるか、シーン終了まで持続する。
ゴールドナイト 不屈の勇将 3 イニシアチブ 自動成功 自身 シナリオSL回
《勇将》の効果中に使用可能。フェイト1点消費。【HP】をあなたの【最大HP】の50%まで回復する。
サロゲート チェンジコール 1 イニシアチブ 自動成功 自身 6 召喚具装備、シーン1回
使用する際に「種別:召喚具」の武器からひとつ選択せよ。あなたは装備している「種別:召喚具」の武器をすべて失い、選択したアイテムを装備する。このアイテムはシーン終了時に失われる。
ミリタント ウェポンタクティカル 1 効果参照 自動成功 自身
ラウンド進行の開始時と、10の倍数のラウンドの開始時に使用する。あなたは既に取得しているTPをすべて失い、 [SL×3+2]点のTPを取得する。ラウンド進行の終了時、あなたが得たTPはすべて失われる。
種族 ナイトウォーカー 1 パッシブ
メイキング
自身
[暗闇]によるペナルティを受けない。明度のルールを採用している場合、明度2以下のペナルティを受けない。また、[暗闇]の影響がある場所にいる間、攻撃のダメージに+1Dする。
ウォーリア シールドスラム 1 パッシブ 自身
白兵攻撃のダメージに+[盾の重量]する。
ブレイバー 白夜 1 パッシブ 自身
《太陽》の「効果」を「その攻撃で1点でもHPダメージを与えた場合、あなたのHPを30点回復する。」に変更する。(適用済)
ブレイバー 勇将 2 パッシブ 自身
あなたのHPが【最大HP】の半分(端数切り捨て)以下の場合に有効。【物理防御力】と【魔法防御力】に+[SL×5]する。
シーフ バタフライダンス 1 パッシブ 自身
回避判定+1D
サロゲート アームズマスタリー:召喚具 1 パッシブ 自身 召喚具使用
武器を使用した命中判定+1D
サロゲート アンリミテッドアームズ 1 パッシブ 自身
マジックアイテム以外の武器に有効。あなたが装備している武器に「種別:召喚具」を追加する。ただし、その武器を装備から外すと、追加された「種別:召喚具」は失われる。
ルイネーター エングレイブド 2 パッシブ 自身
プリプレイに[SLx3+1]点のEPを取得する。
ゴールドナイト 打撃の達人 5 パッシブ 自身 打撃使用
打撃を使用した武器攻撃のダメージに+[SL×4]する。
ゴールドナイト パラディオンマスター 1 パッシブ 自身
あなたが《パラディオンI》でフェイトを消費してダメージ軽減を行う場合に有効。 あなたは1点多くフェイトを消費したものとして扱う。
ゴールドナイト ファイティングロウ 1 パッシブ 自身
武器を使用した命中判定の達成値に+[SL+1]する。
ゴールドナイト マイティスラッシュ 1 パッシブ 自身 盾装備
白兵攻撃の命中判定に+2、ダメージに+[SL×3]する。
ゴールドナイト 守備隊形 1 パッシブ 自身
あなたがメインプロセス中移動を行わなかった場合、次のあなたのメインプロセスが開始するまで有効。あなたの【魔法防御力】に+10する。
一般 パラディオンⅠ 1 効果参照 自動成功 自身
あなたがダメージを受けるダメージロールの直後に使用する。ダメージ軽減を行う。【幸運】以下のフェイトを消費。消費したフェイト1点ごとにそのダメージに-5する。
一般 パラディオンⅡ 1 効果参照 自動成功 自身
《カバーリング》と同時に使用する。フェイトを1点消費。1回のメジャーアクションでの複数回の攻撃や、カバーを行うことが出来ないスキルを使用されていても、あなたは《カバーリング》を使用できる。
一般 パラディオンⅢ 1 パッシブ 自身
《パラディオンⅠ》の「効果」を「ダメージ軽減を行う。【幸運】以下のフェイトを消費。消費したフェイト1点ごとにそのダメージに-5する。」に変更する。(適用済)
一般 瞑想 1 メジャーアクション 自動成功 自身 シナリオ1回
フェイト2点消費。あなたが既に使用した「使用条件:シーンSL回」のスキルの使用回数を1回回復する。
一般 径行 1 ムーブアクション 自動成功 自身
フェイト1点消費。《体当たり》《入れ替え》《引き寄せ》《引き戻し》《ぶちかまし》を同時に使用する。 この効果によってそれらのスキルがムーブアクションで使用可能になる。
一般 シニスター 1 セットアッププロセス 自動成功 自身 シーン1回
取得時にあなたの「分類」に「分類:妖魔」を追加する。HP回復を行なう。 フェイトの使用上限以下のフェイトを消費。消費したフェイト1点ごとにHPを[CL×2]点回復する。
一般 フックダウン 1 クリンナッププロセス 自動成功 自身 3 シーン1回
「種別:ポーション」のアイテムを1個使用する。
一般 即応 3 効果参照 自動成功 自身 シナリオSL回
あなたが未行動の場合に有効。あなたが攻撃によってダメージを受けた場合に使用する。その攻撃が行われるメインプロセス終了後、 あなたは即座にメインプロセスを行う。このメインプロセスでは必ずメジャーアクションで攻撃を行わなければならない。(スキル、パワー可) メインプロセス終了後、あなたは行動済となる。
一般 スティグマ 1 効果参照 自動成功 自身 シナリオ1回
判定を行った(スキルやフェイトによる振り直しも終了した)あとで使用する。フェイトを1点消費。その判定の達成値に+1Dする。
一般 射撃殺し:打撃 1 パッシブ 自身 打撃装備
「種別:短剣、弓、魔導銃、錬金銃、錬金術、暗器」を装備しているキャラクターに対する命中判定に+1Dする。
一般 射撃殺しⅡ 1 パッシブ 自身 打撃装備
射撃攻撃に対する回避判定に+1Dする。
一般 トレーニング:筋力、器用、精神、幸運 4 パッシブ 自身
筋力、精神、幸運基本値に+3
一般 マシンリム 1 パッシブ 自身
あなたの「分類」に「分類:機械」を追加し、【筋力基本値】【器用基本値】【敏捷基本値】に+1する。
一般 ゴッデスブレス 1 パッシブ 自身
武器攻撃ダメージ+2
一般 バイタリティ 1 パッシブ 自身
【最大HP】に+CLする。
一般 ベアアップ 1 パッシブ 自身
スキルに対するリアクションとして行う【精神】判定に+1Dする。
一般 マシンアーマー 1 パッシブ 自身
あなたの「分類」に「分類:機械」を追加し、【物理防御力】に+2、【魔法防御力】に+1する。
一般 イミューンウェイト 1 パッシブ 自身
装備している防具の「移動修正」が0未満の場合、「移動修正:±0」に変更する。
一般 レガシーサイン 1 パッシブ 自身
レガシークラスへのクラスチェンジ解放。

スキルLv合計[62/62] / 一般スキルLv合計[23]

携帯重量/携帯可能重量
35 / 38
所持金
80 G

携行品・所持品

HHPPx2 2
GHPPx2 2
GMPPx2 2
万能薬x5 5
強心丹 3
HMPPx5 5
蘇生薬 1
理力符:光、闇x2ずつ 4
転移の呪符 1
耐毒符 1

冒険者セット 5

戦士の環 1
武器攻撃ダメ+1、物防+1
免罪の証 1
召喚具による武器攻撃ダメ+2
金色徽章 1
物防+2、魔防+2
リムブースト・メタル 1
物防+2、魔防+2

所属ギルド
―――
ギルドマスター
―――

コネクション

関係
ファルディオ 敬意、庇護
ファフネイア 信頼、助力
エルーシア 感謝、応援
セルジオ 仲間、悪友?
ソフィア 仲間、好意?
カシリナ 信頼、相棒

容姿・経歴・その他メモ

各話のあらすじとか活躍とか
出自、境遇、目的

アースランからやって来た敗残兵――それが、彼の出自だった。

もともとは、名のある戦士団に所属していた。しかし、ある日突然の魔族の襲撃によって戦士団は壊滅。無惨な戦場で、彼はただ一人、生き残ってしまった。
以来、戦場に立つたびに足が震えるようになり、恐怖に心を蝕まれるようになった。やがて彼は耐えられなくなり、故郷アースランの地を後にする。

逃げるように辿り着いた異国アルディオン。そこで彼は、日銭を稼ぐために冒険者として生きる道を選ぶ。
冒険者として剣を振るう日々。だが、不思議なことに戦場のような恐怖は感じなかった。命の奪い合いというよりは、生きるための営みに近い戦い。だからこそ、戦場で培った技を迷いなく発揮できた。
いつしか彼は、仲間たちの間で一目置かれる存在となっていた。

ファフネイアとの出会い(CP開始前)


ある日、仲間と共に依頼を終え、街への帰路についていた彼は、道中で魔獣に襲われている一人の竜族の冒険者を目にした。
その名はファフネイア。
誰とも組まず、危険な依頼ばかりを請け負う孤高の存在。
その振る舞いから、他の冒険者たちの間では畏怖と嫉妬の入り混じった感情を抱かれ、自然と距離を取られていた。

その日も、彼女を見かけた仲間たちは関わらないよう目を逸らし、街への帰路につこうとしていた。
だが、彼は見てしまった。
魔獣の猛攻を前にファフネイアが傷を負う瞬間を。明らかに致命傷だ。

「……くそっ!」

気がつけば彼の体は、魔獣と彼女の間に飛び込んでいた。
彼の乱入に、他の仲間たちもしぶしぶ後を追い、戦闘に加わる。
「助けは不要だ」と叫ぶ彼女の言葉を無視して……

魔獣を討伐し、彼女に応急処置を施していた時のことだった。
ファフネイアがぽつりと訊ねる。
「……どうして私を助けたの?」
彼は少しの間、言葉を探すように黙ってから、こう答えた。
「誰かを助けるのに、理由なんているのかい?」

―――嘘だ。
本当は、ずっと理由を探していた。
戦場から逃げ出した自分が、それでも生きていていいのだと言える理由を。
自分を許すための――言い訳を。

その時、彼の言葉を彼女がどう受け取ったのか、それは分からない。
ただ、それ以来――ファフネイアと彼らは共に行動するようになった。

盗賊団の殲滅、ソフィア加入(1話あらすじ)

ある日、セルクレフたちは「盗賊団に奪われた積み荷を取り戻してほしい」という依頼を受けた。
どうやら隊商が襲撃され、生き残った商人が、どうしても積み荷の奪還を望んでいるらしい。

依頼を受けた一行は、盗賊団のアジトへと向かう。
そしてその場で、思わぬ人物と鉢合わせた。

寝所からふらりと現れたのは、乱れた衣服をまとったアルカードの女。
盗賊団に囚われていた娼婦だろうかと警戒を強めた矢先――彼女は魔導銃をこちらへと向けてきた。

慌てて武器を構え直したセルクレフたちは、その場にいた盗賊ごと一気に鎮圧。
形勢が逆転すると、盗賊団の連中は蜘蛛の子を散らすように逃げていった。

気づけば、現場には女一人が取り残されていた。
どうやら仲間に見捨てられたらしく、急に涙声で命乞いを始める。

「荷物持ちでも雑用でも、性処理道具でもなんでもやるッスから!
 お願いッス!あたしも冒険に連れてってほしいッスよ〜!」

なぜかセルクレフに擦り寄ってくる女。
しまいには半裸のまま地面に頭を擦りつけ、必死に懇願する同族の姿に、流石のセルクレフも同情してしまった。

「……わかった、わかったから頭を上げろ!
 俺が悪者に見えるだろ!? しかも色々見えてる!まずいところまで見えてる!!」

こうして、よく分からないままに、彼女はセルクレフたちの仲間に加わることになったのだった――

ソフィアの夜這いと抱けない理由(2話以降、どっかの閑話)

宿の部屋に深夜の静寂が満ちる中、セルクレフは重たい鎧を脱ぎ、粗末なベッドに身を横たえていた。
つかの間の安らぎ、だがそこに、まるで決まり事のように扉の隙間から忍び寄る、馴染み深い気配が一つ。

「兄貴、起きてるッスか?」

囁くような声と共に、布団の隙間からするりと滑り込んできたのは、仲間に加わって間もない女――元盗賊のソフィアだった。
茶色の髪が夜の灯に揺れ、肩口のあいた衣装から白い肌がのぞいている。
その艶やかな装いに、セルクレフはすぐに察した――今夜もまた、ソフィアは“そのつもり”でやって来たのだ。

「ソフィア、またか……」
「いい加減、折れてもいい頃じゃないッスか? 兄貴も男ッスよね?」

小悪魔のように笑うソフィアに、セルクレフは息をつく。これまで何度も拒んできた。けれど、その拒絶の理由を、自分でもうまく言葉にできないままに。
しかし今夜、彼はついに観念したように、そっとソフィアの肩に手を添えた。

「……わかった。今日は、お前の勝ちだ」
「マジッスか!? やっと落ちたッスねぇ~」

嬉々として身を寄せるソフィア。だが、セルクレフが彼女を抱こうと手を伸ばした、その瞬間――
突如、脳裏に焼きついた光景がフラッシュバックした。
血まみれの戦場。崩れ落ちる仲間たち。そして――恋人の最期。笑顔のまま、骸となったあの女性の顔が、ソフィアのそれに重なる。

「……っ!」

全身を戦慄が駆け抜け、セルクレフは後ずさり、ベッドからずり落ちる。目を見開き、青ざめ、口を押さえて――そして、堪えきれず、床に手をつき、胃の中身を吐き出す。

「っ!?大丈夫ッスか!?デニス!!……っ!!」

思わず漏れたソフィアの声に、彼女自身がハッとする。その名は――かつて、彼女が愛した男の名だった。盗賊団の前頭領。だが晩年、病に蝕まれ、こうして血を吐くこともあった。セルクレフの姿に、デニスの幻影が重なったのだ。

「……悪い。すまん……」

息も絶え絶えに謝るセルクレフを、ソフィアは黙って背中をさすり、冷たい水を差し出した。
やがて、落ち着きを取り戻した夜更け。ベッドに座りながら、セルクレフはぽつぽつと語り出した。

「……昔、部隊にいた女がいた。……恋人だった。あの戦いで、全部……失った。だから……お前を抱こうとした瞬間、彼女の顔が浮かんで……身体が……勝手に……」
「……そういうこともあるッスよ、兄貴。ドンマイドンマイッス」

ソフィアは笑ってみせた。いつもの軽い調子。でもその瞳の奥には、セルクレフの痛みに寄り添うような静かな優しさがあった。
セルクレフは、ふと問う。

「……さっきの“デニス”ってのは、誰なんだ?」
「ああ、それッスか。昔好きだった男ッス。盗賊団の頭やってて、兄貴とちょっと似てたッスよ」
「似てた……?」
「でも、デニスはもっと自信満々だったッスねぇ。女抱こうとして吐いたりしなかったし……やっぱ似てるってのは気のせいッスかも?」

ソフィアがニヤリと口元を歪めると、セルクレフは苦笑を返した。
重たい過去を共有したせいか、今夜はもうそういう雰囲気ではなかった。

「今日は……やめとくか」
「そッスね。いいッスよ。無理するもんでもないッスし」

そうして部屋を出る間際、ソフィアは振り返り、肩越しににやりと笑って言った。

「あたしを抱けそうになったら、いつでも言ってほしいッス。兄貴なら、いつでもウェルカムッスよ」

その言葉にまたしても苦笑いを返すことしかできず、ソフィアも今はそれで十分と感じたのだろう。

「またくるッスよ〜あたしで女に慣れるッス」

戸口に残った笑みは、どこか冗談のようで、どこか真実めいていた。

夜が再び静寂に包まれる。だがその静けさには、二人の過去と、触れ合い損ねたぬくもりの名残が、確かに残っていた。

水ポチャは生存フラグ(10話エピローグ)

ファフネイアの内に眠る〈竜の力〉を狙い、襲いかかってきた魔族。激闘の果て、五人の冒険者たちはついに勝利を掴んだ。
だが、力尽きた魔族は、最期に呪詛のような声を絞り出す。

「……ファフネイア、哀れな竜王女よ……貴様の国は……もはや滅びの運命を逃れられぬ……」

瀕死の魔族が吐き出した言葉。それはファフネイアの心を揺さぶるには十分だった。
一瞬だけ――ほんの刹那の動揺。しかし、それは魔族にとって十分な隙だった。

「ファフネイア様、お下がりください!」

執事の叫びも虚しく、魔族は最後の力を振り絞り、鋭利な刃のような舌を彼女へ伸ばす。
だが――その一撃が彼女に届くことはなかった。

「させるかっ!!」

直前まで瀕死の重傷を負っていたセルクレフ、彼がその身を盾にして飛び込んだからだ。
血飛沫が舞う。しかし、彼の顔に浮かんでいたのは痛みではない。決意だった。

「死なせない、誰も……俺の目の前でっ!」

その瞬間、足元の岩盤が突如崩れ始める。
彼の体はファフネイアを庇った勢いのまま、断崖の縁へと滑り込んでいった。

崩れ落ちる岩の中、セルクレフは咄嗟にファフネイアを上へと突き飛ばす。
代わりに、自らは暗く深い谷底へと落ちていった――
視界の端で、仲間たちの姿が小さくなっていく。

(……みんな、あとは任せた)

そう心の中で呟き、口元に微かな笑みを浮かべたまま、彼は谷底の川へと沈んでいった。
白く泡立つ激流が、セルクレフの身体を容赦なく呑み込み、彼の意識を闇の底へと引きずり込んでいく――

王子たちとの合流、王国編への導入(15話)

激流に打たれ、岩に叩きつけられながらも、セルクレフの命の灯は消えてはいなかった。
意識の狭間を何度もさまよいながら流されていったその身を、救い上げたのは――王子ファルディオ一行だった。

か細い二対の腕が、川から瀕死の重戦士を引き上げる。
その身に癒しの術が施され、しばしの後、セルクレフはかすかにまぶたを開いた。

息を吹き返した彼は、満身創痍の体をどうにか起こし、目の前に立つ四人に深く頭を垂れる。

「……助けてくれて、ありがとう。まさか、また生き延びるとは思っていなかった……」

互いに名を名乗り、簡単な自己紹介を交わす一行。
だがその最中、王子ファルディオの名を聞いた瞬間、セルクレフの目に驚きの色が浮かぶ。

「ファルディオ……ファフネイアの弟か?」

――姉上をご存じなのか!?」

思わず前のめりになるファルディオに、セルクレフは静かに頷いた。
そして、自らの命を懸けてファフネイアを庇ったあの日の出来事を語り始める。

魔族の襲撃。
命を削るような激闘。
そして、魔族が死の間際に残した呪詛の言葉――

―――竜王国に滅びの運命が迫っている」

「あの崩落でもファフネイア達は無事だろう。そう信じている。だが、あの魔族の言葉が真実なら……君の国は、危うい」

その一言に、ファルディオの瞳が強く輝く。

「……ならば、なおさら姉上を探し出し、共に国へ帰らねばならない。滅びなど、させはしない!」

「なら、俺も共に行こう。ファフネイアや……ソフィアたち、仲間が心配だ」

死の淵から戻った男。
姉を追い、国を想う若き王子。
その旅に寄り添う聖女と魔法使い。

それぞれの想いが一つとなり、彼らは新たな旅路へと歩み出す。
竜王女ファフネイアとの再会を目指して――
そして、滅びの影差す竜王国を救うために。

ソフィア捜索(22話)


竜王国を襲った魔族の陰謀は、王国中枢にまで根を張っていた。
だが、ファフネイア、ファルディオ、そしてその仲間たちの尽力によって、
その計画は打ち砕かれ、国は滅亡の淵から救い出された。

けれども、それはほんの序章にすぎなかった。

「……まだ終わってはいないわ」
謁見の間、元王女であり、竜の力を宿す少女――ファフネイアが静かに口を開いた。

魔族との激戦の中、彼女の中で暴走した“竜の血”。
それは王国の力の象徴であると同時に、世界に破滅を招きかねない危うい存在でもあった。

「力を制御しなければ、この先……私は誰かを傷つけてしまうかもしれない」
その決意を胸に、ファフネイアは〈竜の試練〉を受ける旅に出ることを宣言する。

一方で、魔族が最後に吐き捨てた言葉――
「我らは各国に潜み、アルディオンを戦乱の火に包む」
その真意を確かめ、各地に潜む魔の手を摘み取るためには、情報と機動力が必要だった。

「ならば、我らは各国の動向を探る。姉上、試練の旅は任せてくれ」
ファフネイアの弟・ファルディオは、聖女アコ、魔法使いセルジオと共に“王子組”として動くことを提案した。

そしてセルクレフとカシリナ、ソフィアの“王女組”がファフネイアに同行する――はずだった。

「セルクレフ!!大変、ソフィアが……ソフィアが手紙を残していなくなったの!!」

控室の扉が勢いよく開き、弓を背負ったカシリナが駆け込んできた。
その手には、一通の封書が握られている。

「なに……?」

その場が凍りつく。カシリナが渡した手紙を開いたのは、執事セバスだった。
読み進めるうちに、その老いた声が低く呟く。

「……やはり、あの女は仲間に相応しくなかったのだ」
厳しい眼差しでセルクレフを見やるセバス。
しかし、セルクレフは黙って手紙を引き取り、目を走らせ――やがて、静かに言った。

「俺は……ソフィアを探す」

「理由は?」
カシリナが問いかける。セルクレフは少しだけ黙り込んだ。
答えは自分でもわかっていなかった。ただ、胸の奥に引っかかる何かがある。

「……はっきりとは言えないけど、放っておけなかった。仲間だから――かもしれない」

その声には確かな迷いと、けれどもそれ以上に強い意志が宿っていた。

一拍の沈黙。
そして、カシリナがいつもの軽口を忘れたような真顔で、まっすぐ彼を見据えた。

「なら、私もついていくよ」
その声は静かで、でも揺るぎなかった。

「カシリナ……」
「理由なんて、後からついてくるもんでしょ? あんたが“探さなきゃ”って思ったなら、それがもう理由でしょ」

照れくさそうに鼻を鳴らして、でも視線は逸らさない。
セルクレフは思わず口元をほころばせ、深く頷いた。

こうして、戦いを終えたはずの一行は、それぞれの想いを胸に、新たな道を歩き始める。
ファフネイアとセバスは“竜の試練”を目指す王女組。
ファルディオたちは戦乱の種を追う王子組。
そして、セルクレフとカシリナは、姿を消した仲間を追う影の旅へ。

ソフィア発見(30話)

ソフィアが一通の手紙を残し、セルクレフたちの前から姿を消した。
セルクレフとカシリナは彼女を追い、各地を転々とする旅の果てに、ようやくある街でソフィアの消息を掴む。
二手に分かれて街中を探すセルクレフとカシリナ。ついにセルクレフはソフィアを見つける、
しかし路地裏で見つけた彼女は、懐かしい口調で笑いながらも、どこか魂の抜けたような眼をしていた。

「兄貴にとってあたしって何ですか?」
「ねえ兄貴、あたしと一緒に行きませんか?どこか遠くの大陸にでも」

問いかけるソフィアに、セルクレフは一瞬心を揺らすが、やがて首を振る。

「それは……出来ない」

ソフィアは微笑んで肩をすくめる。

「振られたッスねぇ。まあなんとなくわかってたッスよ」
「結局あたしはあたしなんです。人に都合の良いソフィア・サドゥールなんですよ」
「あたしはあたしを持たないんです。それは誰かにとって必要が無いから」

その呟きに、セルクレフは黙ったまま視線を落とし、しばし言葉を探しているようだった。

「そうじゃ……そうじゃないだろ」
「俺は今までの旅を通して、少しずつお前のことを知っていったよ」
「それは俺にとって都合のいいお前を演じてくれてるだけあったのかもしれない」
「でも……お前は、お前がお前自身を必要としてもいいんだよ」
「なあ、ソフィア、お前のしたい事はなんなんだ、お前自身が望んでいることはなんだ。どうしてそうありたいと思うんだ、俺に……教えてくれよ……!」

その必死な問いにも、ソフィアはすぐには答えなかった。
ただ、俯いたまま、ぽつりと呟く。

「………誰かに、愛されたいんです」
「好きだと言ってくれた人が、愛してるって言ってくれた人が、あたしを置いていった。あたしは、そのとき全部置いてきたんスよ。心も、自分も」
「偽りの好きで誤魔化して、偽りの心を作って……あたしじゃない、あたしを作り上げて」
「……どうして、置いていっちゃったの、デニス……」

その名を口にした彼女に、セルクレフは言えなかった――「なら、俺が、お前を愛してやる」と。

どの口がそれを言う? 関係を迫ってきたソフィアを抱いてやることもできず、彼女を探し続けた理由すら曖昧な、情けない男が。
なぜ俺は……ここまで来た?
記憶が、過去が、胸をよぎる。

「前に話したよな。俺がアースランの戦場で負けて逃げ出した人間だって。アルディオンに流れてきて、冒険者になって……」
「それは、贖罪だった。生き残って、でも逃げ出した俺が唯一できることだったから」
「でも、今わかったんだ。俺は……俺が生きていてもいい理由が欲しかったんだ」

ソフィアが、わずかに目を見開く。

「……そこは、嘘でもいいから、あたしを愛してるって言って欲しかったッスよ、兄貴」

「……悪い。俺は、情けない男だ。お前の望むように“都合のいいお前”を必要としてやることはできない」
「だからこそ――お前は、俺たちの元に来るべきだ」
「“誰かの都合のいいお前”じゃなくて、“お前自身が必要とできるお前”を探すんだ。俺たちと一緒に」

ソフィアはかすかに笑った。

「なんとも都合のいい話ッスねぇ……まあ、いいッス。今は兄貴の言う通りにするッスよ。一人は、やっぱり寂しいッスから」

抱えた痛みも過去もそのままに。
彼らはまた歩き出す――けれど、それは何かを解決したわけではなく、ただ心の棚上げを続けただけ、逃避の続きでしかないのだった。

戦場への恐怖の吐露(36話)

軍の前線陣地。近づく戦の気配に、兵たちは口を閉ざし、ただ武具を整え、祈るように時を過ごしていた。

その片隅の幕舎の一つ、セルクレフは大盾の縁を丹念に磨いていた。
深い傷のひとつひとつに、過去の戦場の記憶が刻まれている。
そして、今また、ひとつの地が戦場になろうとしていた。

セルジオの故郷。親友の帰るべき場所が、火の海に沈みかけている。
それを助けようと、竜王国も戦に加わることを決めた。

そこへ、誰かが幕舎の布をくぐった。
姿を見せたのは、竜王国の若き王子――ファルディオ。

「……セルクレフさん、少し話せますか?」

その声に振り向いたセルクレフは、すぐに慌てたように手を下ろす。
だが、すでに遅かった。震える指先を、ファルディオの目は捉えていた。

「……あー、悪い。情けないとこ見せちまったな」

セルクレフは、苦笑いを浮かべた。
どこか開き直ったようでいて、それでもどこか悔しそうな、歯切れの悪い声だった。

「本当は今も、戦場が怖くて仕方ないんだ」

それは、重戦士の鎧を纏っていても隠せない、ただの一人の人間の声だった。

「それなのに……なぜここまで来たんですか?」

ファルディオの問いかけに、セルクレフはしばらく言葉を探すように黙り――やがて、静かに答えた。

「セルジオの故郷のピンチだ。俺一人だけ逃げ出すわけにはいかない」
「それに、皆と一緒ならきっと戦える、そう思ってたんだ」
「……けど……ダメだ。やっぱり怖いんだよ」

声は低く、どこか自分を叱るようだった。

「戦場は理不尽なんだ。どれだけ鍛え上げても、どれだけ備えても、絶対はない」
「敗ければ失うのは、自分か、仲間か。どっちにしても、変えようのない命だ」
「……俺は……怖いんだ……また一人生き残るのも、仲間を守りきれず死ぬのも」

その言葉は、過去の地獄を思い出させるように、空気を重くした。

ファルディオはしばらく何も言わなかった。
やがて静かにうなずき、目を伏せるようにして、そっと口を開く。

「……“皆と一緒なら戦える”、そう思っていたんですね」
「でも……それで守れなかったものがあるなら、きっと、その言葉はもう……あなたにとって救いじゃない」

セルクレフは言葉を返さなかった。
ただ顔をそらし、拳を握りしめるだけだった。

だからこそ、ファルディオは一歩、彼の前へと踏み出す。

「……だから、言い方を変えさせてください」

その声は強く、まっすぐで、そして――温かかった。

「仲間のため、とは言いません。僕のために戦ってください」

セルクレフの瞳が揺れた。
王子のその言葉は、ただの命令ではなかった。

「僕の盾として、前に立ってください。戦場で何があろうと、あなたの行いの責任は、王子たる僕が負います」
「失うものがあっても、誰かが生き残らなければ意味がない。その誰かが……あなたであってほしいんです」
「……だからもう一度、力を貸してください。セルクレフさん」

そう言って、ファルディオは手を差し伸べた。

セルクレフはその手を見つめる。
(……成長したな、ファルディオ)

初めて会った時、まだ頼りない少年にしか見えなかった。
助けられた恩を返すという理由もあったが、それ以上に、守ってやらなければという思いがあった。

けれど今、彼は王子として、自ら責任を背負おうとしている。

その姿に、感慨が胸に満ちる。
同時に、こんなにも成長した男に、情けない姿を見せてしまった自分が、少し恥ずかしかった。

その見栄が――手の震えを止めた。

「……責任を負う、か。王子らしくなったな、ファルディオ」

そう言って、セルクレフは彼の手を握る。
がっしりと、しっかりと、その手をつかんで、立ち上がった。

「なら、頼らせてもらおうか。俺はお前の盾となる」
「だからお前は、俺を使って皆を守ってくれ」

恐怖はまだ、消えていない。
だが、その結果を共に背負うと言ってくれる者がいる――
その事実が、確かに彼の足元を支えていた。

やがて、夜が明ける。血に染まる運命の夜明けの中、それでも彼らは――確かに、共に歩もうとしていた。

因縁の決着(38話)


戦火は都市国家エンリルを呑み込んでいた。
かつて小さくとも美しく栄えたその都市は、いまや瓦礫の影に火の粉が舞い、怒声と悲鳴が交差する戦場と化している。
地獄のような戦場で、竜王国の精鋭たちはこの戦争を仕組んだ黒幕と対峙していた。

四足の異形、半人半獣の魔族“殲虐”のズォルグ。
両腕に握る双斧は血と破滅をまとい、戦場そのものを喰らうかのような存在。

その姿を見た瞬間――セルクレフの全身が凍りついた。

(……ズォルグ……!)

この魔族は、かつてセルクレフが所属していた部隊を、たった一夜で地獄に変えた。
仲間を。恋人を。誰一人残さず――屠った。
自分だけが、醜く、生き残った。

胸の奥に根を張っていた恐怖が、一気に噴き出した。
呼吸が荒くなる。手が震える。喉が焼けるように乾く。

「うおおおおおおお!!!!!」

セルクレフは吼える。
恐怖に呑まれぬための咆哮だった。己を無理やりに奮い立たせ、盾を構え、大槌を握り締めて飛び出す。
今度こそ敗けない。今度こそ守る。
そう、己に言い聞かせながら。

ズォルグの力は凄まじかった。
双斧の一撃一撃が風を裂き、雷鳴を生む。
セルクレフは傷を受けながらも仲間を守る盾となり、なお前に出続けた。
しかし――限界は来た。

「……ッぐ……!」

斧が肩口から脇腹までを裂いた。
鎧ごと叩き割られ、肉を断ち、骨へ届く。
巨体が崩れ落ち、地面に転がる。
痛みが脳を焼き、視界がぐにゃりと歪む。誰かの叫びが聞こえた。誰かが自分を呼ぶ声がする。

(また……だ)

意識が遠のく中、かつての記憶がよみがえった。
仲間たちが倒れるあの光景。目の前で愛しい人の命が散っていった、あの時。
自分は……また一番に倒れて、仲間を残していくのか。
また……負けるのか。

(ごめん、皆……)
(不甲斐ない男で……情けない男で……)
(ごめん、ごめん、ごめん……!)

沈みかけた意識の奥に、ひとつの声が浮かんだ。

「……どうして、置いていっちゃったの、デニス……」

ソフィアの声だった。
いつもの軽口も、飄々とした笑顔もない。静かに俯き、虚ろな目で。掠れた声でぽつりとつぶやくその言葉。
―――その言葉が、セルクレフを呼び戻した。

――立たなきゃならねぇ)

呼吸が重く、身体が痛みを超えて軋む。

(……俺が死んだとして、誰かが悲しんでくれるのか……)
(わからない……ソフィアが悲しんでくれるかなんて……確信はない……)

けれど、もし。
ほんの少しでも。
ソフィアがまた、あんな顔をしてしまう可能性があるなら――

ギリ、と軋む音を立てながら地を這い、膝をつき、立ち上がる。

死ぬかもしれない。それでも構わなかった。
いや、死ぬわけにはいかないのだ。今だけは。

痛みが喉を突き上げる。血に染まった身体は限界を超えていた。
右手の大槌はずしりと重く、指の隙間から落ちそうになる。
左手の盾は、既に半壊し、握り手と下部しか残っていない。
鎧は破れ、肉が剥き出しになり、骨が露出している。

それでも、セルクレフは呟く。

「……つまり……いつも通りってことだ……」

これまでの旅でも、何度も死にかけた。
この程度で、自分が死ぬはずがない。

「……そうだ、俺は―――



ズォルグは勝利を確信していた。盾を失ったパーティは守りを欠き、やがて誰かが落ちる。崩れ落ちる瞬間を見届けるだけで良い。
だが。
風を裂く気配とともに、視界の端を影が駆けた。

「……ッ!?」

再び立ち上がる者などいないはずだった。
ズォルグの双眸が見たのは、満身創痍の男――セルクレフ。

「馬鹿な!?お前は死んだはずだッ!!」

咆哮とともに斧を振り下ろす。地を割り、天を裂く破壊の一撃。
しかしセルクレフは、それを――半壊した盾で正面から受け止めた。
ギリギリと軋む音が響き、盾が砕ける寸前で止まった。

「……俺は死なん……!俺は――“不死身”のセルクレフだッッ!!」

雄叫びと共に振るわれた大槌が、雷鳴のような一撃となってズォルグへ叩き込まれる。
それは、倒れる前よりもより強く。より鋭く。
それは――魂ごと、叩きつけるような一撃だった。

決戦を前にして情けねぇ奴

決戦を明日に控えた天幕の中、セルクレフはひとり、己の大盾を磨いていた。
すでに戦傷で刻まれた幾多の傷跡をなぞるように、布で丁寧に拭き上げていく。
油を含ませ、何度も何度も、すでに光沢を取り戻した面を擦る。
意味もなく。いや、意味を持たせたくて、何かしていないと落ち着かないのだ。

「……はぁ。ほんと、俺ってやつは」

ぽつりと漏らした声は、自嘲に満ちていた。

思い出すは、あの日―――
自分の寝床に、ソフィアが訪ねてきた夜のこと。

『次の恋が兄貴なので逃がさねぇ宣言しに来たんスよ』

言葉は軽妙。だが、その目には迷いがなかった。
あれは、まぎれもない“宣戦布告”だった。

その日から、彼女は変わった。
いや、元から大胆な女ではあったが――
その“宣戦布告”以降は、はっきりと矢印がこちらを向いていた。

朝は食事を作り、装備を磨く姿をさりげなく手伝い、
夜には隣に座り込んで意味深に笑いかける。
時にはそれだけで終わらず、
寝所に再び現れては、意味ありげにこちらの腰布に手をかけてきたりもして――

「ったく……どこまで本気なんだか……」

いや、本気なのはわかってる。
わかっているのだ。それでも。

答えを出すのが、怖かった。

彼女の気持ちを受け取ってしまったら。
この命を賭ける戦の先に、確かに“未来”が生まれてしまう気がして。
逆に、それを裏切る結果が来てしまったら――

「……ああ、もう。こんなにカッコ悪い男、いるかよ……」

トラウマなんてもうない。
かつての仲間を喪った記憶も、血と痛みも、もう過去だ。
そして、ソフィアだって――自分以上に酷い過去を乗り越えて、ここまで来た。
その全てが、今この時、すでに“整っている”。

あとは、自分の口から言うだけだった。
ほんの一言。
「好きだ」――それだけでいいはずなのに。

けれどその一言を、セルクレフは言えないまま、ついに明日の決戦を迎えた。

「……生きて帰れたら、言うからな。ソフィア」

小さく呟き、大盾を抱えた手に力を込める。
情けないと、自分でもわかっている。
けれど――それでも、前には進まなければならない。

この命が尽きるまでは。

それぞれのPC、NPCとの関係性、持っている感情
ファフネイア

3年間に及ぶ長い旅の始まりとなった人間。
旅を通して頼りにすると同時に、力になってやりたいとも思っている。
初めは自身の罪に対する贖罪として、後半は仲間として。

ファルディオ

危うく土左衛門となりかけてたところを助けてもらった。
王子としての責務を果たそうとしている点を尊敬しており、同時に庇護対象としても見ている。
他にはちょくちょく悪い遊びやくだらないことを吹き込んだり。

エルーシア

危うく土左衛門となりかけてたところを助けてもらった。
かなり怪我することが多いため、彼女の治癒にはかなり世話になっている。
王子との仲も気にしている。どちらかというと応援寄りで弟の恋路を気にする兄ぐらいの距離感。

セルジオ

危うく土左衛門となりかけてたところを助けてもらった。
王子含めて男三人になると急に馬鹿なことしだすかもしれない、もしかして悪友ポジか?

ソフィア

ひょんなことから仲間に迎え入れることになった仲間。
猛烈にアタックをされて参ってる。
雑な扱いをしてしまいつつも邪険に出来ないのは、満更でもないから?

終盤

ソフィアの"宣戦布告"以来、さらに激しくなったアタック。
セルクレフ自身もソフィアへの好意を自覚するようになっていく。
かつてのトラウマも克服したいま、彼女を受け入れてもいいと思っているが、
今までのスタンスから、中々それを言えずにいる。情けない

カシリナ

アルディオンに来たばかりの頃から組んでいる相棒。
冒険者としてはカシリナの方が先輩で、冒険者の作法は彼女に教えてもらった。
男女の感情はない。

履歴

PC名:セルクレフ
やりたいRP方向:一枚目と三枚目を反復横跳びする不死身男

性能

HP:242
防御力:60(70)/29(49) ※()内は守備隊形と勇将が乗った数値
行動値:5
移動力:19
回避性能:2+4D≒16 ※ナイトロード込み
切り札:(シナリオ回数制限スキル)
不屈の勇将、戦闘不能回復札4枚(HP半分まで回復)、ボルテクスアタック、テュルソス効果

命中:(攻撃役の場合)
18+4D≒32 ※ナイトロード、ロングアーム込み

ダメージ:(攻撃役の場合)
67+14+6D≒102 (射程:10m、5m強制移動) ※スマッシュ、ナイトロード、ナイトウォーカー、トリックマント込み

カバー性能:
カバームーブ3枚、パラディオン有

軽減性能:
ハーデンボディ 14点(防御中1回)
パラディオンⅠ [フェイト使用数]x5+5点

回復性能:
太陽+金輪 45点
ヒーリングストライク 12点
不屈の勇将 HP半分まで(HP121点、シナリオ3回)
シニスター [フェイト使用数]x46

レベルアップ履歴

CL 能力値上昇 クラスチェンジ
or フェイト増加
習得スキル
筋力 器用 敏捷 知力 感知 精神 幸運
1 +5 アルカード ナイトウォーカー
ウォーリア ボルテクスアタック カバームーブ カバームーブ
ブレイバー 歴戦の勘 歴戦の勘
2 歴戦の勘 太陽 カバーリング
3 歴戦の勘 太陽 スマッシュ
4 歴戦の勘 太陽 勇将
5 ぶちかまし 太陽 勇将
6 サイバーオーガン 白夜 太陽
7 ミリタント ハーデンボディ リブート
8 バスタースイング ウェポンタクティカル リバースライフ
9 ルイネーター ヒーリングストライク エングレイブド
10 トランス:ロングアーム エングレイブド アンデッドライフ
11 シーフ エターナルシャドウ ナイトロード
12 ランナップ ワイドアタック カバームーブ
13 グラディエーター バタフライダンス チェンジコール
14 サロゲート クラン=ベル・スタイル シールドスラム
15 ゴールドナイト アームズマスタリー:召喚具 アンリミテッドアームズ
16 打撃の達人 聖盾 パラディオンマスター
17 打撃の達人 聖盾 不屈の勇将
18 打撃の達人 聖盾 不屈の勇将
19 打撃の達人 聖盾 不屈の勇将
20 打撃の達人 聖盾 クリムゾンミスト
21 フェイト+3 金輪 守備隊形
22 フェイト+3 金輪 ファイティングロウ
23 フェイト+3 金輪 マイティスラッシュ

セッション履歴

No. 日付 タイトル 成長点 上納 ゴールド GM 参加者
キャラクター作成 2640 300,000
コネクション取得分 6
取得総計 2,646 0 300,000

収支履歴

エリンディル西方 解放 ::-100000

ダガー ::-10
フェイムシールド ::-30000
剣神の兜 ::-26500
S1セレスチャルアーマー ::-14800*2
対抗:スリップのクリスタル ::-400
トリックマント ::-6500
豪傑の証 ::-4200

戦士の環 ::-2500
免罪の証 ::-2500
金色徽章 ::-25000

冒険者セット ::-10
GHPPx2 ::-20000
GMPPx2 ::-30000
万能薬x5 ::-1500
強心丹 ::-300
HMPPx5 ::-1500
蘇生薬 ::-5000
理力符:光、闇x2ずつ ::-2000
転移の呪符 ::-1000
耐毒符 ::-1000
HHPPx2 ::-400
リムブースト・メタル ::-10000

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