行動値+23

サバイブ5 15/5
アンブレ1 23/23

スケイル5 15/15
52/42

攻撃力が27
20+20+20＝60
2D(基本)+6D＝21
108

鬼神有効で+12
クマ盾(15/10)200000、豪傑の証(5/0)4200、ブラックリング25000で残りで消耗品買う。

ある日、魔法薬の素材集めに出ていた時。近くで、戦闘音が聞こえた。
どうやら、冒険者と妖魔が戦っているらしい。

冒険者は自己責任の世界だ。ピンチに対し、都合よく助けられるようなことは望むべきではない。

だから、気まぐれだったと言っていいだろう。
彼らのことを救うべく、1発の魔法を放ったことは。

「―――無事か？」

「…悪いが、俺たちはここまでだ。次に会うときは敵同士。刺されても、憎んでくれるなよ」

竜王国は、周辺諸外国への侵略を続けていた。その事を責めるつもりはない。もとより、弱肉強食の大地だ。

―――だが、故郷が蹂躙されることを座して見ていられることなど、できようものか。

ファルディオは、エンリルを制圧する作戦に参加しなければならない。竜王国の王子として生まれてしまった以上、それは必然の理。
ほかの面々も、同じようにするようだ。

仕方がない部分もある。
俺たちは竜王国に所属する冒険者パーティーで、異端側であったのは俺の方だ。


だから、これはけじめなのだ。

竜王国を発つとき、何人たりとも追ってくれるなと忠告した。追ってきたら、その時は容赦なく斬る、と。
そんな愚かな者はいないと分かっていたが、そう言わざるを得なかった。

あいつらは良人なのだから。

竜王国の国境は静かだった。これから戦火に塗れるなどとは、想像できぬほど。

―――なんてことだ！

俺たちは、血で血を洗う戦いに身を投じた。

それが正しいことでないという本心に重い蓋をし、実際にかつての仲間と刃を交えた。
死にはしなかったが、本気で殺めるつもりで戦った。
それは、まごうことなき命のやり取り。

それに、奴らの仲間であった数多の者は、捨てるように斬った。もしかしたら、その中に、あいつ等と共に笑いあった者も居たかもしれない。この手は、既に血に濡れている。

それが、無用な争いだったなどと、今更そのようなことを告げられて、狂わずにいられようか！

エンリルは、手痛い犠牲を払いながらも、かつてのように竜王国と友人に戻ろうとしている。
それは修羅の道かもしれないが、平穏を求める多くの者のためにはさらなる犠牲を払ってでも進まねばならない道だ。

―――俺は、その道を進むことはできない。


剣を置き、エンリルから逃げるように去ったのは、その日の夜のことだった。

とある街で飲んだくれていた俺の前に、白髭の爺が立ちはだかった。

「貴様が、セルジオだな。ついてこい」

有無を言わさぬ圧があったが、そのような者に態々従う理由があろうか。
管に巻き、適当にあしらう心算だった。

―――その後、もとより崩れていた自尊を、粉々に砕かれたことは言うまでもないことだ。

塚原卜伝。そう名乗った剣聖は、何のためか知らず、俺に稽古をつけ始めた。

「来るべき時に備えよ。それが、一度折れた剣たる貴様にとって、必要なことだ」

すべてを見る眼。そいつはただそこに在るだけで、それでいて超然とした存在であることを、まざまざと実感させられる。

「一太刀。それだけでよい。見極めようではないか」

剣を抜く。それを振るう。

簡単な動作であれ、全てがそこに凝縮されている。

師は、そう語った。俺もそう思えるよう、技を磨いてきた。

長い沈黙。永遠にも感じるその時を破ったのは、白竜のほうだった。

「―――見事。」

竜王国、宰相。エンリル戦役の元凶であり、魔族の一員。

ファルディオは、奴を討つ切っ掛けを掴んだらしい。
しかし、それは罠だったのだ。

「来るべき時が訪れた。発つぞ、セルジオ」

師の言葉に、頷きで応える。

俺は、この日のために、態々折れた刃を拾い集め、熱して叩き、研ぎ続けてきたのだから。

その刹那の一瞬に間に合ったことこそが、生き永らえた意味であっただろう。

「―――無事か、ファルディオ」