ノエルの日記帳
- 知名度
- 形状
- 革製のちょっと丈夫そうな日記帳
- カテゴリ
- 製作時期
- 概要
- 記憶をなくしてからのことが書かれている日記帳。 メモ代わりにも使われているようで、きちんと日付の書かれた記録もあれば、走り書きのような記録も見受けられる。 日記の内容は、その日食べたものから、何があったか、誰と出会ったのかなどなど、様々なことを書いている様子。 もしまた記憶をなくしてしまった時に困らないように、という意味でも日記をつけている様子。
- 効果
-
僕のこと
目覚めた時の話
目が覚めたら、全身が痛かった。知らない誰かが、僕のことを心配そうに見つめていた。
その人は、僕のことを助けてくれて、目覚めるまでお世話してくれてたみたい。
名前も何もわからないし、覚えてなくて、それを伝えたら、悲しそうな顔をされた。
どうして、そんな顔をするのか不思議だったけど、思い出せるまで、ここにいていいって言ってくれた。
サーカス団の団長さんをしてるって話を聞いた。団長は、家族だって言ってサーカス団のみんなを紹介してくれた。
名前を思い出せない僕に、ノエルって名前をつけてくれた。
どうして、そんなに気にかけてくれるのって聞いてみたら、ここにいるのは皆、いろいろな理由で、いろいろなことを抱えている子ばっかりなんだって、話してくれた。
それなのに、優しくしてくれる、優しくなれるのって、すごいなって思った。
他に、頼れる人も、頼る先もないから、しばらくお世話になることにした。
団長に言われて、メモを兼ねて日記を書くことにした。サーカス団の話
団長は、サーカス団の団長さん。
綱渡りが上手な人、手品が上手な人、猛獣さんと仲良しな人、火を吹ける人。
他にもたくさん、いろんな人がいる。
いろんな町を、5日くらい毎に移動していく、移動サーカス団。
僕は、そんなみんなと一緒に、自分の記憶を探す旅をし始めた。
………そんなに、どうしても、取り戻したいわけではないけど。
それでも、みんなが、思い出せる方がきっといいって、そう言ってくれたから。
だから、やってみようかなって思ったんだ。
1つだけ覚えていた、誰かとした、大切な約束の話を、したからかもしれないけど。
それだけは覚えていたのなら、本当にとっても大切は約束なんだよ、って、みんなが言ってた。
迷惑ばっかり、かけたくなくて…少しでもみんなのお手伝いがしたくて。
雑用をするって言ったら、気にしなくていいのにって笑って、でも、いろんなことを教えてくれた。
みんな、優しくて、暖かいんだ。
その優しさが、暖かさが、なんだか懐かしいって、そう思えた。大切な約束の話
記憶がなくても、1つだけ覚えていたこと。
僕は、忘れてしまった誰かと、どうしても忘れられないくらい、大切な約束をしていたみたい。
どんな人だったのかも思い出せないし、どういう意味なのかもわからないし、どうしてそんな約束をしたのかも、わからないけど…。
──答え合わせは、全部終わってからな。
──わかった。全部終わったら、だね。約束だよ?
そんな、約束。
答え合わせが何なのかも、何を終わらせるのかも、わからない。
けど……。
顔も何も思い出せない、その人との約束は、とてもとても、大切なものだってことだけは、間違いないって。
そう、思えるんだ。
君とまた出会えたら、僕は、記憶をなくす前の僕の名前や、僕自身のことや、君のことを、思い出すことが出来るのかな?冒険に出ることにした話
いつの間にか、団長に助けられてから2年が経った。
記憶をなくしてからの暮らしにもなれて、サーカス団のみんなとも、もっともっと仲良くなったんだよ。
でも、僕の記憶は中々戻らなかったし、記憶の手掛かりも見つからなかった。
もっと、いろんな人と関われるような、そんなことをするべきなのかもしれないって、そう思ったんだ。
迷惑をかけるかもって、そんな気持ちももちろんあるけど。みんなが、ちゃんと記憶、取り戻してって言ってくれるから。
だから、もっとちゃんと、自分のことを探してみようって思ったんだ。
ちゃんと、話をしたら、団長も、みんなも、僕のことを送り出してくれた。
いつでも会いに来ていいって、帰って来ていいって、言ってくれた。
ありがとう、見ず知らずの僕のことを助けてくれて。
ありがとう、何も知らない僕に、名前をくれて、いろんなことを、教えてくれて。
ありがとう、僕の、新しい家族になってくれて。
記憶が戻ったら、真っ先に、みんなの所に会いに行くよ。
僕は大丈夫、元気に過ごすよ。
だから、みんなも元気でいてね。