コールサイン"LK-03'"。
複合思考インプラント計画『天啓』プロトタイプ、『ディザイア･ディザイナ』の試験運用担当者です。同時にチームブリッツ第二世代の初期メンバーの一人でもありますよ。
普段はイタリア支部の直轄に入ることが多いですが、本部からの日本への増員に合わせて異動になりました。上は結構渋ったみたいですがね。
何しろ、本部戦力の中でもそう多くない｢マスターキラー｣の名を戴いていますから。

『ディザイア･ディザイナ』は、所謂クリエイトアイテムのコントロールに重点を置いたインプラントです。自身のイメージから作り上げた武器を徹底的に制御下において、戦闘中にも変幻自在の扱いが可能になる様に自身の思考領域を拡張する。つまり、イメージの増大と武器へのダイレクトなフィードバックが可能になっているという事です。
その上、クリエイトアイテムとは一心同体。自身の手足のように扱えます。私の四刀流はこれ故に成立する特殊な物なのですよ。

現在はインプラントの試験運用部隊として扱われているチームブリッツですが、元来第1世代はそういう目的の部隊では無かったと聞いています。
そもそも私達は訳ありでUGNに所属している訳ですが、その中でも『天啓』でのプログラムに抵抗が薄かった(あるいは抵抗意識がない時期に接触した)人物が配属されているというのが正しい認識ですね。
ですが、基本的な考え方はUGNの理念とそう変わりませんよ。私達にとってはチーム･ブリッツが日常の象徴そのもの。だからこそ、非番やリフレッシュ期間に同地域配属のメンバーがいれば、時間を共有する事が多いのです。
いくら変な物埋め込んだって言っても、所詮は人の子ですからね。

私の戦いの基本は、右の雷太刀と左の氷太刀を使った二刀流です。普段の戦いはこれで十分に対処できますよ。
真骨頂はこれに加え、氷太刀の出力を調整して左に追加で二本…砂太刀と鋼太刀を持ち、計4本の刀を使用した四刀流での戦いになります。
これは『ディザイア･ディザイナ』の性質を使用した｢微調整｣｢感覚修正｣、そして雷太刀にセットされたインテリジェンスサポートの全てをフルに活用した剣術で、どれ一つ欠けてもいけない、私にのみ実現可能な四刀流という事ですね。

雷太刀(ライタチ)はUGN秘蔵の秘密兵器が一つ、｢ブレードオブアデプト｣を俺用に調整した太刀です。
インテリジェンスソードとしての性質はそのまま、インプットしているデータにはブリッツの白刃戦メンバーのものを追加していますよ。

氷太刀(ヒタチ)は主戦武装の一つ。クリエイトウェポンの氷でできた刀です。長さは状況によって調整できますよ。
左で振る刀として使う他、受けの際に使用する上、推進力として使う事もあります。四振りの刀の中で最も器用な刀と言えるでしょうね。

砂太刀(サタチ)、鋼太刀(コウタチ)は四刀流で戦う際に抜く姉妹刀です。
この二本をを抜く時は氷太刀を小さめに設定し、左で三本握ります。この二本はほぼ同様の性質、そして三本握る際のバランサーとしての役割がありますよ。握りを調整する事で安定化し、やっと四刀流のスタートラインに立てるという事ですね。

そもそも私が秘密兵器を扱うのは、ゾディアックウェポン-03の代替品として割り当てられているからです。そもそもの受領予定者は私だった。ですが、『思双』を取り入れたジークの方が適性が高いことが判明してからはバッサリとその話がなくなってしまった。
ハッキリ言えば反対だった。そもそも来歴も判然としない上に、FHと接触したことが分かってはいた。

受領の話がなくなった後、わざわざ私にゾディアックウェポンと剣の使い方を教わろうと声をかけて来たのが彼だった。
つまり…お互いに納得するためにも後悔を残さないためにも、ジークという男が考えて選択した事だっていうのが理解できる様になるまでは、しばらく時間が必要でしたがね。
そうやって二刀流の剣術と03の発展開発が行われて、受領者はジーク以外にあり得ないと、そう思えるようになったのですよ。

今では私の雷太刀に組み込まれたデータは、同じ戦い方をベースにしたジークのフィードバックが大いに役に立っています。その上、『ディザイア･ディザイナ』の四刀流の開発にも付き合って貰いましたからね。

私の両親はオーヴァードでしてね。私が10になった頃にジャーム化して、それ以来顔を合わせる事は無かった。恐らくこれからも。
その時の私は、不自然さに気づいてしまった。例えば、両親がふと居なくなってから周囲に見知らぬ人が増えた事とか、妙に注意深い人がいる事だとか。そして、両親の失踪をまともに取り合う人がほとんどいなかったことが決定打でした。

物事には原因があるっていうのは、子供の頃の探偵ごっこで身に付けたようなことで。頭の中混乱させたまま家の中を駆けずり回って探したものです。
それで見つけた。私の知らない、もう一つの世界に足を踏み入れていた証拠を。
だから私は、私自身を覚醒させる事が真相へたどり着く方法だと理解し…目論見通りになった訳です。

まぁ、私に出来る事と言えば…戦いで不幸を増やすくらいのものですがね。

｢私と違って実体武器とクリエイトウェポンの両方を扱う、ブリッツでも有数の戦闘力を持つ『四刀流の剣士』ね。実際に見た事は殆ど無いけど…経験と実力、その双方が備わっていると良く分かるわ｣ - "勝利の鐘"
｢キコにはかなり世話になったからな。俺の分離二刀流はキコ直伝の創剣二刀流がベースなんだ。今やそれを上回る四刀流にまで発展してるがな…｣ - "Z-03"
｢誰よりも矢面に立ち、誰よりも求道者としての精神を持とうとする。彼は強いですけど、戦いの事だけを考えて戦っているわけではないと思います。理想に生き、理想であろうとする人…みたいな印象です｣ - "附鏈條"
｢実際に会った時の感じ、普段と非常時の落差が凄いんだよね。特に戦闘中のオーラ的なのとか。こういう人が一人いるって思えるだけで違うし、実際スッゴイ頼りになるんだから｣ - "深秘の徒花"