コールサイン"Z-03"、読みは｢ゾディアックサイン・ジェミニ｣だの、｢ズィー・スリー｣だの場所によって変わる。
本名の方はアレだ、日本人には長いだろうからジークとかでいい。
複合思考インプラント計画『天啓』プロトタイプ、『思双』の試験運用担当者に抜擢されたチルドレンだ。
現在は配属先のチーム・ブリッツを離れ、エージェント活動を実施中。
主任務は『思双』の試験を兼ねた最前線での戦闘/諜報活動になる。
オマケにゾディアックウェポン-03の運用まで任されているから、ホントに使い倒す気満々って事だな。
少なくとも教練はいい評価で終えてるし、なるようになるさ。

現在のチーム・ブリッツは訳アリでUGNに拾われてるチルドレンの運用部隊だ。
主任務は前線での試験データ収集と事案解決になるが…まぁ、体のいい尖兵みたいなもんだから、あんま扱いはよくない。
他にも『天啓』のインプラントを入れられてた奴はいるから、俺だけって訳でもないし気にはしてなさ。
たまにメンバー逢った時にはゆっくりしたいモンだけどな。

その前に『思双』に関してざっくり説明しようか。
こいつは思考領域を常人の二倍近くまで拡張して、常人をはるかに超える瞬間的判断力を与える目的で開発された。
…まぁ、その思考領域をフルに使えるのは相当に頭のおかしなな奴だと思うが。そのおかしい奴が俺なんだな。
もう一個住み着いてる"ビサイド"が状況に応じて思考のサポートをしてくれる。所謂《戦闘用人格(デュアルフェイス)》に分類される奴だが、おかげさまでゾディアックウェポン-03もフルパワーで扱えるって訳だ。

ゾディアックウェポン自体、普通に使用しても十分な能力を発揮できるように作られているが、03は更に一工夫、細かな細工がされている。
大剣の内側に強いレネゲイド干渉を受けている暴れ馬の太刀が仕込まれていて、所謂｢リミッター解除モード｣みたいなモンが用意されているんだ。
こいつは普通に扱えばオーヴァードでもコントロールするのが難しい。試製段階のテストで何度も破損したって聞いてる。
俺がコレを扱えるのは、『思双』…"ビサイド"がレネゲイドの調和調整を行うことで、俺自身が普通に戦える状況を作ってくれているからだ。
後はハヌマーンとブラックドッグの身軽さで一気に詰める。それだけだ。

アレははっきり言って正気の沙汰じゃない構造をしてる武器だな。
開発した連中は03(Gemini))に準えて、二振りの武器を内包させた。

その二振りの結合状態が靁釼(ライケン)"ポルックス"だ。これがデフォルトの状態になる。この状態であれば、レネゲイドを内包したただの大型実体剣に過ぎない。扱う度にやや感応するが、それほど問題にはならないだろう。

そして分離…"ポルックス"のリミッターを解除して、外装を鞘、内装を太刀と捉えて抜き放つと、鞘部分は霆刄(テイジン)"アルヘナ"、太刀は靇剱(レイケン)"カストル"として独立稼働するようになる。

"アルヘナ"は、いわば"カストル"の拘束具みたいなもんで、レネゲイドに一定の指向性や抑制を与えるために開発されている。が、それを悪用することで武器として機能するようになる。
"カストル"が収まっていた部分に手を突っ込む形で握り、銃に似た形で扱う。本来の扱いに意識の集中を持ち出すことで、より明確に指向性を与えて戦闘に運用する。それがこいつの扱い方らしい。無論、刃の部分は実体剣だから振り回しても十分な効果が発揮できるハズだ。各所のフィンは廃熱ではなく、フィルター、及び過剰な活性レネゲイドの放出に使っているそうだ。

"カストル"は太刀とは言った物の、こいつには刃に相当する部分がない。物理的にはな。
高密度のレネゲイドを生成して、疑似的に刃を作り出す…それによって武器として機能する訳だ。当然、破壊力は折り紙付きといっていい。
その代わりと言っていいのか分からないが、こいつはコントロールが極めて難しい。そもそも刃が出せない、出力調整を間違えてぶっ壊す、干渉がキツすぎて武器に引っ張られるetc…どうも開発陣もこいつの調整には難儀したみたいだ。
最終的に"アルヘナ"というリミッターをかけて、適性の高い者に運用を任せる…それでこいつの運用役に俺がアサインされた訳だな。

ウチは貧乏だったが、UGNに協力する一家だったから能力については上手い事コントロールが効いてるつもりだ。んで、訓練やらなんやら含めてUGNには長い事世話になってる。
だからこそ、連中にとっては狙い目だったんだろうな。当時の記憶が曖昧でよく思い出せないが、任務中に《戦闘用人格(デュアルフェイス)》になったはずだ。地脈の奔流だったか？なんかそんな感じだった気がするが。
以降は住み分けが上手くいってなかったんだが、そこに『思双』の話が入ってきたんだ。上手くいったもんだよホント。
そういやあん時も日本での任務だったか。次は妙なことが起きなきゃいいがね。

趣味とかはあんまないな。たまにレトロゲー触る程度かな？
あ、でも一生に一回やってみたいのはあるよな。ペンタゴンのプログラムに落書きする奴。

｢ブリッツ2世代組の草創期メンバーだから信用はしているけど。あの余裕ぶった表情と独特の言い回しはちょっとムカつくわ。おまけにタラシときた。近い関係の人間としては本当にフクザツよ｣ - "勝利の鐘"
｢接したばかりの人は"変な奴""厄介者"みたいな印象かもしれないですけど、本音は優しくて気遣いもしてくれる人だって知ってますから。案外世話焼きさんなんだと思いますよ？｣ - "附鏈條"
｢悪い人だよね。…嘘だって。でも気安いクセにいつも飄々としてるのは良くないと思いまーす｣ - "深秘の徒花"
｢私の一番弟子にして最も信頼する友…そして、今なお共に切磋琢磨する最高の相棒ですね。ジークがいなければ、今の私も無いくらいには影響を受けているという事です｣ - "LK-03'"

Q.外国人だよね？なんで日本で普通に会話できてるの？
A.カンニングができるから。
…というのは半分冗談で、本部共通語の米英語は基本として、各国支部への派遣が多いブリッツのメンバーはマルチリンガルが普通だ。問題を多く抱える地域での活動を想定して、プラスでクロドヴァ、ロシア、日本語等が基礎習得になる。無論、派遣前に再履修なんかもするがね。

Q.両親はどうなったの？
A.さあ？俺が知らない間にどっか行っちまったから、覚えてないよ。家族として過ごした期間の事も覚えてないからな。

Q."ビサイド"とは何があったの？
A.任務記録通りなら、日本への派遣時に"ハッチェリーセル"へのアプローチをかけて、実験中に高侵蝕領域(滞留レネゲイドが活性状態、オーヴァードを居るだけでも強く侵蝕する)となった研究室から脱走を試みた"ビサイド"を吸い込んだ…という事になっているわね。ジークに関しては妙な話しか聞かないし、大体は情報操作の産物と見てるけどね。 - "勝利の鐘"