容姿・経歴・その他メモ

代々秘宝『サングイン』を守り続ける一族である餐供院(さんぐいん)家の末裔。
餐供院の家に生まれた子供は、八歳の誕生日を迎えた日に秘宝に触れる慣わしがある。
大半の者には何も起こらないが、数十年ごとに秘宝から力を授かる子供が現れると言い伝えられている。
で、贄子がよりによってその数十年に一度の子だったりした。なんてこったい。

餐供院家は明治時代より栄えた旧家であり、数多の慈善事業に多額の金銭を投じている。ＵＧＮのスポンサー業務もその一つ。
その繋がりで、力を覚醒(めざめ)させた贄子はＵＧＮに預けられチルドレンとして地獄のような……は言い過ぎか。まぁそんなふうな日々を送ったのだ。
スポンサーの家のお子さんなので、徹底的にスパルタで……と言うにはやや生温いくらいの環境だったそうだよ。

なおＵＧＮで過ごしている間に、餐供院家の家宝とされている『サングイン』って実はそこまで珍しくもないことを知ってしまった。
確かに一般の人々が知るような代物ではないが、『遺産』などと呼ばれる真の奇跡から産まれた財物と比較してしまうと、『サングイン』は一山いくら程度の物でしかないことを知ってしまった。
きっとこのこと知ったらショックだろうなー、と思うのでまだ両親達には打ち明けられていない。

餐供院家の邸宅は学園都市の端の方にあるので、車で送迎されるのを計算に入れても通学には結構時間がかかる。
そのようにお屋敷から車で送り迎えされてるお嬢様なので、なんか周りからはやや距離を置かれている。
彼女自身もコミュ力はあんまり高くないので孤高を気取っていたら、いつの間にか悪役令嬢扱いである。
別に何も悪いことしてないのに……

あんまりにも友達が出来なくてちょっと寂しいので、力を使って自分を褒め称える子たちを作ってみたりもした。
……虚しい。
いかなる時でも贄子を褒め称えてくれる取り巻きを見て、一般の生徒たちは余計引いて、さらに近づかなくなった。
オーヴァードの知識を持つ人々からは、可哀そうなものでも見るような目で見られている。

足は速いけど運動はあまり得意ではないので、体育の後の時間には教室中の空気を改善するようにしてみた。
これにより疲労の回復が早くなり、集中力も増すのだ。
そうしていたら贄子からはマイナスイオンが放出されていると噂になり、少しだけ周りからの扱いが良くなった。
そんな感じなので、最近は調子に乗って常に大気改善能力を発揮しているぞ。
常に力を発揮し続けるのは結構疲れるので、高濃度酸素の回復向上能力と差し引いてややマイナスなのは秘密だ。

コードネームは血塗れ帳(レッドノート)。
やや物騒な名だが、これは彼女が常に持ち歩いている書物の各所に血の染みが付いているところから名付けられた。
その本の正体はただのノートであり、ＵＧＮチルドレンとして教えられた内容を必死で書き残したもの。
特にエフェクトの発動のさせ方に関するページは何度も読み返していて、今でもエフェクトを使用する前にはこの本を開くのがルーチンとなっている。
本が血塗れなのはまだエフェクトの制御が甘く、ブラム＝ストーカーの力の触媒である血液を、必要以上に溢れさせてしまっているのが原因だ。

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