セーリア大帝国の天魔神教(以後、魔教)の一般家庭に生まれた。
　しかし、その血筋は特殊なものだった。
　ネヴァーフやドゥアン、特殊なところでは、グライアイやジェルボアなんかの血も混ざっている。
　悲劇なのは天魔神教の開祖・始天魔の血が流れていたことだった。
　魔教内で開祖の血というのは尊ばれるべき、血だったが、数多な種の血筋を受け継いだ一人の女性が、当時の教祖と一夜を共にし、子供を授かった。
　その子供が王剣である。
　
　母親は錬金術を使用し、武器を作り出し、その武器を使って戦うのを得意としていた。
　なんでもルシス王国の特殊部隊「王の剣」に所属していたらしい。
　ルシス王国から逃げ出した母はその武術を息子に覚えさせながらも慎ましい生活を送っていた。
　
　しかし、そんなある日、悲劇は起こる。
　王剣が教祖との子供であることが、教祖の血族にバレてしまったのだった。
　
　結果、母は殺され、王剣もまた捨てられたのだった。
　
　が、記憶喪失のため、そんなことは知らないので、なんか身体が覚えてる技術を使って、好奇心の赴くまま旅をしている。

　記憶を失ってから居た場所は生活空間を確保した洞穴の中だったため…閉館修練(閉じ籠って一人で修行すること)をしている最中に走火入魔(内功が乱れ、心身がおかしくなった状態)になったのではないかと考えている。