かつて蛮族領域で高位バジリスクの高級奴隷として、数多の美男美女エルフとともに使用人として育った。
　同じ境遇の仲間たちとお互いに励ましあいながら生きてきたが、ある日主人によって自分以外が殺されてしまう。
　茫然自失の中、「お前は選ばれたのだよ、この私に」と拍手とともに告げられた。
　いわば主人による最高の従者(コレクション)に選定されるための使用人の蟲毒であり、マリア以外は不要だったから殺したのだと主人は言う。

　魔眼の力で石にして保存する前にひとつだけ願いを叶えようという主人へと、マリアは『一度世界を冒険してみたい』のだと告げる。
　かくして『このことを秘密にした上で5年後に帰還しなければならない』という誓約を魔法によってかけられ、期限付きの自由の旅に出ることになった。

　その胸にいつかみんなの仇を討つという強い思いを抱いて。

　その両腕は誰かを慈しみ、何かを作り出し、抱きしめるためのもの、と定義している。
　故に戦いにおいてもマリアは両腕を他者を傷つけるために使おうとはしない。

　本当は蹴ることも好きではないし、そもそも暴力を振るいたくもない。
　それでも『倒すべき相手』といつかまみえるその時に備えてマリアは戦いの技術を磨いている。

　・アガペ・アンサス(うぶき)と同室。傍に誰かがいるという安心感から夜少しはしっかり寝られるようになった。自らの言語化できない感情をたまに声に出してくれるのでありがたいと思っている。とてもかわいい。
　・基本的に他者を呼び捨てはしないが、ギルドマスターであるリュクス・ウェア(ラゼフ)のことは立場があるので呼び捨てにしている。
　・ヴィンセント・ヨウ(翡翠)には懐かれており、朝起きられずに寝過ごすと起こしてもらうこともある。
　・ステラ＝カデンツァ・アルクトゥルス(ウサギ(雑食))のことはかわいい子だと思っているが、サブマスターのルオン・タナトライル(朝霧)が目をかけているのは知っているので軽率な抱きしめは我慢している。
　・エスティーナ・ミシェリア・ジブリール(因幡)とは偶然の社交ダンスを経て、各々に抱えているものがあることをなんとなく察しながらも、互いに真相まで踏み込むことなく交流を続けている。
　・パルシー・ハスミー(ハスターの刺身)は純朴ないい子だと思っているが、どこかおっかなびっくりな対応をされているのでいつか親交を深めるためにお茶会を開いて、それに誘いたいと思っている。
　・フルシダ・イーヴストン(ふくたけ)とルオン・タナトライル(朝霧)はケンカ友達のような関係性であると思っており、自分もあんな感じに他者と軽妙なやりとりができれば、と少し憧れている。
　・フィリップ・ユーティア(秋雨)はいろいろと気が回るが故の苦労人であると見ており、たまにねぎらうために抱きしめてあげたいが意外とチャンスがない。というか、隙がない？
　・パルラータ(いくさだこ)は信仰と優しさの中に憂いを帯びた悲しさを湛えた人という印象。
　・ダスト・スフィリ(駄作)は研ぎ澄まされた刃、放たれし銃弾たろうと己を定義しようとしているが、個人的にはそうあって欲しくないという願いを籠めて見ており、日常的な会話をもっとしたいと思っている。あと、かわいい。