冒険者を夢見て故郷から[導きの都 ハーヴェス]に出てくるも、いざこざの末に後衛をケガさせてしまった責任を転嫁され、
リーダーにパーティからの追放を言い渡されてしまい現在途方に暮れている。
だが彼女はまだ知らない、、、運命の歯車がこの時廻り始めたことを。

一人で受ける最初の依頼にて[ハーヴェス外縁 東教会]に訪れた『ルーチェ』は、
依頼主である親切な神父「ドラウゼン・トロイ」が"ゾンビ"に成り果てた
かつてのリーダー「クライン」に殺害されるところを目撃してしまう。
2体の"ゾンビ"に襲われ絶体絶命のその時、棺より現れた記憶喪失の男「サンウザル・モルデカイザー」と共闘しこれを退ける。
安心も束の間、教会に訪れたギルドマスター「ウォーロック」により神父や「クライン」殺しの容疑で尋問を受けるが、
「ドラウゼン・トロイ」の身を案じたことが「ウォーロック」の心を打ち容疑を晴らすことができた。
その後ギルドマスターからの依頼として「ドラウゼン・トロイ」の管理する[無己の墓地]に巣食う墓荒らしの討伐を引き受けた。
墓所にて"ゴースト"と3体の"フーグル"から襲撃を受けるも、過去から解き放たれた『ルーチェ』はフェンサーとして、
「サンウザル・モルデカイザー」との見事な連携を見せて"墓荒らし"と"ゴースト"を討伐することに成功する。
ギルドに帰還した『ルーチェ』はギルドマスター「ウォーロック」から報酬を受け取る際に、
「ドラウゼン・トロイ」が神聖魔法による蘇生を拒否し、助からなかったことを伝えられる。
それともう一つ、棺桶に入る以前の記憶を失っている「サンウザル・モルデカイザー」と
共に冒険し様子を定期的に報告する依頼を受ける。
不憫が似合う少女はもういない、新生『ルーチェ』の冒険は始まったばかりなのだ！

【第Ⅰ章・完】

依頼の受けていないある日、『ルーチェ』は筋力のない自分でもダメージを出す方法を模索するために
[青空市場]や[武器屋]で装飾品や武器を見て回っていたが、苦労空しく成果を得られずにいた。
そんな時偶然迷い込んだ[怪しい路地]で[ベルガの鍛冶屋]と書かれた扉を発見する。
ノックをして声をかけても人が出てくる気配がないため、恐る恐る扉を開けてみると
〝扉をあけるな!!〟というけたたましい叫び声が飛んできた、同時に上から
黒い影が覆い被さってきたが間一髪回避して事なきを得ることができた。
どうやら用心棒の案山子だったようだ、声の主であるダークドワーフの「ベルガ」に事情を話すと、
冒険者としての不安定さを見抜かれ命を粗末にしないよう冒険者から身を引くことを勧められてしまう。
自身が冒険者になった経緯や教会地下での出会いによって変わったこと、更に上を目指したいことを話すと、
誰かのことを思い出した「ベルガ」が呆れながらも条件付きで手を貸してくれることになった。
その条件とは「ベルガ」が作成した秘具〔オフェンサーズ・ガントレット〕を用いて先ほどの案山子を倒して見せること
『ルーチェ』が引き受けると〔秘具〕の調整に3日ほど必要とのことで一度鍛冶屋を後にした。
～3日後、『ルーチェ』が鍛冶屋に訪れると〔秘具〕がルーチェ用に調整されていた。
案山子の攻撃を搔い潜り〔秘具〕を装備した右手で突きを放つと案山子の胸に直径5cm程度の穴が開く威力を発揮した。
〔秘具〕のあまりに凄まじい威力に絶句する「ベルガ」と『ルーチェ』、1分ほどの静寂の後「ベルガ」が
ぽつりぽつりと話始める、『ルーチェ』に似た娘が居たこと、その娘が冒険者としての功を焦ったことで命を落としたこと、
この〔秘具〕はそんな娘のために「ベルガ」があつらえたものだったこと。
フェンサーとしての確かな技量を示した『ルーチェ』に、「ベルガ」はこの〔秘具〕を売ってくれることになった。
『ルーチェ』は「ベルガ」の娘のことも背負っていく決意を密かに〔秘具〕を受け取ったのだった。
この後「ベルガ」に仲間を紹介するが、それはまた別のお話....

【幕間その１・完】

ある朝（悪夢）をみて飛び起きた『ルーチェ』が、宿[炭焼亭]の主人に急かされ部屋から出ようとすると部屋の扉が開かない。
どうやら魔法の力で扉に錠をされてしまったようだ、諦めて冒険者ツールのロープを使用して窓から外にでると
そこには仲間である「サンウザル」と偶然通りがかった魔法使い「カルボナーラ」がいた、
どうやら『ルーチェ』が閉じ込められている間に「サンウザル」に差出人不明の手紙が届いており
魔法文明語で書かれていたため、その解読に協力してもらっていたようだ。
手紙の内容から「サンウザル」と面識がある何者かが自身のいる[魔剣の迷宮]に呼び寄せようとしていたようだ。
不穏な気配を感じるも「サンウザル」の過去を知るための手がかりであることは間違いないため向かうことになった。
そこに前の依頼で知り合った「マルファ」とその知人「ドクトル」が合流し
[魔剣の迷宮]の攻略をギルドで受注する流れになった、のち共に｜迷宮攻略《アタック》を開始。
[三相の迷宮]内部には3つの試練が待ち受けていた、それらを全て突破し矢を中央の台座に納めると地下への入り口が開いた。
階段を降りていくとそこには見覚えのある女性が蛮族と戦っていた、が蛮族に一瞬の隙を突かれ深手を負ってしまった、
かばうを覚えていなかったことが悔やまれる。蛮族を打倒した後で、女性に歩み寄ると辛うじて息をしていた。
治療を行い助け起こすとその女性はやはり『ルーチェ』の元パーティメンバーである「リース」だった。
「リース」はあれから色々あってこの迷宮の攻略に訪れて敗北した結果、迷宮の主に番人として取り込まれてしまったという。
『ルーチェ』がパーティから追い出されたことに自責の念が無かったわけではなかったようで
「リース」は複雑そうな顔をしながらも迷宮の番人としての質問を投げかけてくる。
内容は『ルーチェ』にとって命題ともいえる〚なぜ冒険者を続けるのか〛であった。
その問いに対し、『ルーチェ』は少し考えこんだあと〚テクニカルな職業や晩成型の冒険者が自分のような目に逢わないため〛
と答えた。「リース」は満足したのか一行は先に進むことを許されたのだった。
先に進むと甲高い子供のような声で呼びかけてくる声がすると瞬時に「サンウザル」のことを呼びつけた者の正体がわかった。
その者は「Mr.ベイガー」という魔術師だった、かつての「サンウザル」に仕えていたようで今回の件は下剋上だったようだ。
一通り口上を述べると「Mr.ベイガー」は〔魔剣〕の力を解き放ち襲い掛かってきた。
〔三相の魔剣〕の力は恐ろしいものであったが何とか「Mr.ベイガー」を倒すことに成功した、
すると「Mr.ベイガー」の持っていた〔三相の魔剣〕が『ルーチェ』に向かって話しかけてきて、
魔剣の力と引き換えに世界の何処かにいる自分のきょうだいである2振りの魔剣を探しだすことを頼まれた。
『ルーチェ』承諾すると〔三相の魔剣〕改め〔”三相剣” トリス・クローバー〕は『ルーチェ』を主人と認め、
『ルーチェ』のものとなったのであった。ひと段落した『ルーチェ』が「サンウザル」の方へ向き直ると、
[謎の空間]から〔何か〕をもった「サンウザル」が出てくるところだった。
どうやら「サンウザル」が記憶を含むすべてを引き換えに得た特別な〔装飾品〕だったようだ。
謎の小妖精Mr.ベイガーを新たに仲間に迎え彼らの冒険はつづく、そこに通り道を残して。

【第Ⅱ章・完】

内容忘れそう