レプラカーンも多く暮らしているというウルシラ地方のハールーン魔術研究王国の出身。両親は魔術師養成のための学び舎の講師として操霊術の教壇に立っている。パルジャニヤもその学び舎に入ることになったのだが、両親の才を受け継いだのかやはり操霊魔法の適性はあったようで成人になる少し前に高成績で卒業した。

ただパルジャニヤにはあるコンプレックスがあった。容姿である。
レプラカーンは、男性であれば立派で豊かな髭が生えている。しかし周りの男達が髭を蓄え始めても、パルジャニヤには全く生えてくる気配がなかった。そのせいで周囲から「女なのか？」とからかわれ、嫌がらせを受け…その上、ちょっと気になっていた女子からは「背は高いのに髭がないって…ふふっ」と笑われたことにより、パルジャニヤの心は深く深く傷ついたのであった。
それ以来自分の髭のない顔が強いコンプレックスとなり、外出や学び舎の中でさえも姿を消しながら生活していたため幽霊(ファンタスマ)とあだ名されていた。

コンプレックスを抱え鬱々としていたある日、姿を消して街へ出ると、広場の一角で聴衆に囲まれた吟遊詩人を見かけた。
のびやかで優雅な旋律、心を癒すような優しく甘い歌声、時に鼓舞するように力強く、時に踊るように軽やかな演奏、変幻自在の魅力的な音楽に感動した。
その日から、街に出かける度に吟遊詩人がいないか探してしまったり、帰り道や自室に居る時は常に歌を口ずさんだりしていた。歌はパルジャニヤにとってかけがえのないものになっていた。その様子を見ていた両親は、少しでも気晴らしになるのならと楽器を贈ってくれた。没頭している間は嫌なことも忘れられるのである。

そんな日々を過ごし、やがて学び舎を卒業してすぐのこと、パルジャニヤは両親と今後の進路について話し合っていた。
操霊術師としてさらに経験を積みゴーレムの錬成など各国の防御に貢献する、“知識の剣”で魔法の研究者になるなど仕事先については出来るだけ口を聞いてみるが…と両親は言うがどうにも歯切れが悪い。訝しみながらも真面目に考えようとした矢先、父の口から不意にこぼれた「髭さえあればなぁ…」という言葉を聞き、プツンと何かが切れた。
その言葉にパルジャニヤは激昂し、自室にこもり翌朝には家を飛び出していた。

家を出た後、姿を消しつつ放浪の旅。
路銀に困れば、村や街で吟遊詩人として稼ぐ。最初は稼げるお金は少なく、癖で姿を消したまま演奏したり歌を歌ってしまって不気味がられることもあったものの上達していくといつしか姿なき吟遊詩人(ファンタスマ・トロバドール)と云われ噂されるようになる。
3年経った今ではそこそこ食うに困らない程度稼げるようになった。幼少の頃に云われていた幽霊(ファンタスマ)の名で呼ばれるようになるとは皮肉なものだ、と落ち込む時もあったり。

冒険者として

冒険者としても身を置くようになったのは1年前。演奏だけではなく語り部としての技術もあげたいと思ったことがきっかけだった。屈託のない笑顔を見せるナイトメアの女戦士に引かれ、勇気を出して声をかけパーティーを組むことになる。屈託のない笑顔の正体はリルドラケンから生まれたナイトメアだったので、見た目や種族の偏見もなく明るい性格になった、という訳だった。そんな彼女と行動を共にしていたおかげで、姿を消すことなく、顔の半分さえ隠れていれば普通に人に話しかけたり会話を楽しむことが出来るようになった。まだ顔を見られるのは恥ずかしい。見ないで欲しい。


一人称：僕
二人称：きみ、あんた、〜さん
物怖じしない感じ。ズケズケいく。悪気はない。

エディン
呼び方：エディン

エディンとの出会い

ピュレ
呼び方：お兄さん、ピュレ

ロナ
呼び方：きみ、ロナ