由来・逸話

アストロラーベは、主に太陽や月などの位置測定や予測などの天体観測に用いられる、平面状の小型アナログ計算機器です。
メーターとしての機能を持つ中空状の円盤と、各種計算ごとに異なる役割を持つ複数個の平らな金属板で構成されています。
また、その裏面には様々な役割の目盛りも内包されており、これらの組み合わせで、現在時刻の計算や、三角測量による目標物の高さや距離の計測に応用することもできます。
精密機器ではありますが、制作者によって特殊な防護魔法も施されており、経年劣化や衝撃へある程度の耐性もあるようです。

オリジナルの制作者は、古代魔法文明時代の魔法王ディオス＝カストル（通称、星見の魔法王）であり、完全な状態のものは、現在までに累計5個が発見され、"ソラーグの流れ星"たちがそれぞれ1個ずつ所有しています。
星見の魔法王がこの機器をどのように活用していたかは未だ謎に包まれる部分も多いですが、判明した機能から推測するに、地図の製作や天候の予測にも活用していたものと思われます。

受益者のシンボルとしての権能も内包しており、一部の森羅魔法はもちろん、星辰魔法の恩恵を受けることもできます。
動力を持たないことから、手間さえかければ複製品を作成することも理論上は可能です。
しかし、オリジナルのような測量の正確性や耐久性の担保が複製品では困難を極めます。
星見の魔法の探求者であり、現在の星見のアストロラーベの所有者ピピッチ・ヌヌイィは、木彫りによる複製品ではこれらの測量機能は潔くすべてオミットし、あくまで受益者のシンボルとしての機能のみに焦点を絞ったようです。