アラフォー経産婦初恋引きずり姐さん。PLとしても会心の出来となったPCです。

「おう、いらっしゃい。ジャ〇プ買いに来たんだろ？あれはすぐ売れちまうからな、あんたの分取っといたよ」

「私はUGN・N市支部長の弧遊原ナギサだ。好きに呼んでくれて構わないよ。……ひとつだけ、許可できないあだ名があるけどね。ま、今の私を見て思いつくあだ名じゃないから……気にしなくていい」

「おばさんなのはまあ事実だけどね、本人に言うもんじゃないよ。正しきゃ何言ってもいいと思うんじゃないよ」

「生憎不器用なもんでね、これしか能がないのさ！」

一人称:私
二人称:あんた
誕生日は6月7日。母親大会記念日

UGN・N市支部長。N市はいくつかあるため、あえて区別する必要があるときは「書店支部」と呼称している。
N市書店支部は規模こそ大きくないものの、優秀な人材が揃っており他の支部から応援要請が来ることも多い。
ナギサの功績(詳しくはコードネーム欄)からUGNチルドレンの教育を任されることも多く、規模のわりに知名度が高い。
そんな支部をまとめ上げているだけあり、弧遊原ナギサは姉御肌で懐の広い女傑である。
過去に幾度もの悲劇に見舞われ何度も折れかけた心は、それでも立ち上がってきたことで強靭なものになっている。
一方でそうした過去の喪失を忘れられないタチでもあり、無数の傷を抱えたまま気を遣わせないよう笑っている面もある。
お節介焼きでもあり、他人の悩みを放っておけない性格だが、その助言には実体験に基づくもの、あるいは自己を反面教師としたようなものも含まれる。

好きなものは支部のみんな、本、娘、ひなた。嫌いなものは他者(特に子供や恋する若者)を踏みにじる者、ジャーム。
好物はお茶、柿の種、サラミなど。嫌いな飲食物は酒類全般。
過去のトラウマから酒は嫌いだが、元はよく飲む方だったのでつまみだけが好みとして残った。
趣味は読書と《機械の声》でバイクを操縦してのツーリング。

青みがかった紫の髪をポニーテールにまとめ、顔の左半分に入れ墨。この入れ墨は荒んでいた18歳の頃に入れたもので、後悔はしているが消せもしないのでいっそトレードマークと開き直っている。
ノースリーブのブラウスと黒のタイトスカートを好んで着用している。右の太ももには黒い謎リング。意味はない。
180㎝という長身に加えて胸も大きく、贅肉もあまりない弩級のスタイルを誇る。
だが、自己肯定感が高くないのと他者にモテようという気が欠片もないことが理由で容姿を誇ることはない。

ざっくばらんな姉御肌。
一見すると竹を割ったようなさっぱりした性格で悩みもなさげに見えるが、あれこれ背負いこんでしまうタイプで実は結構危ういところもある。
それを見せないのも大人の仕事だと思っているが。
かつて覚醒時に娘を亡くしていることもあってか身内に大して情が深く、すぐ他人を庇ってしまう。
そのせいで防具が買うなり壊れていき、頻繁に買い直している。
これでも案外ロマンチストなところがあり、他人の人間関係(主に恋愛)にお節介を焼いたりもする。
なお本人にあまり恋愛経験がなくほとんど漫画の知識であるため役にはあまり立たない。
恋愛対象は女性。もうアラフォーなのに、実らなかった高校時代の初恋を引きずっている。

他者への支援と他者の守護に向いている。
領域内の味方に、ナギサの故郷である小さな港町の日差しと潮風を届け強化させる。
曰く、「ロクな思い出のないふるさとだけどね、あの暖かい日光と心地いい風だけは忘れがたいのさ」とか。
また、領域内の空気を圧縮して壁を作り一定範囲の味方を覆ったり空気の流れを利用して敵と味方の間に割り込み、攻撃から味方を庇うことも出来る。

他者への支援に特化したレネゲイド特性、己の身を顧みず他者の盾となる精神性。
そういった性質から、彼女はエージェント時代未熟なオーヴァードとの合同任務が多かった。
チルドレンの教官のような｢教え、矯正し、導く｣のとはまた違う、｢護り、支え、導く｣大人の姿。
あるいはオーヴァードとしてではなく、人間としての｢大人｣の姿と言うべきだろうか。
合同任務に当たった若年オーヴァードの多く(全てではない)は彼女の献身によって救われた。
そんな彼女の影響を受けたオーヴァードはジャームになりにくく、日常を捨てずにいられるものが多いのだという。
故に｢日向への導き手｣。人知れず戦う怪物たちを、せめて少しでも陽の差す方へ手を引く存在と賞賛された。
ナギサ自身は最初にこの名を聞いた時、そんな大層なものじゃないと笑った。また守りきれなかったオーヴァードたちのことを思い出し手を強く握った。
そして、遥か過去の淡い初恋を思い起こさせるような名前に驚いたという。

出身はギリギリ関東にある港町。
物心ついた時から母親はおらず、父子家庭で育つ。
喘息持ちで体が弱く引きこもりがちな幼少期を送った。
一方性格は明るく、友達も多い方。
しかし小3で幼なじみの親友・日向路陽光がいじめに遭い、それから彼女を庇ったことで自身もいじめられるようになった。
いじめに耐えきれなくなり陽光が転校してからもナギサへのいじめは続いた。それ以来彼女とは会っていないが、化け物(オーヴァード)と化した今では会ってもしょうがないなと諦めている。
幼なじみで、親友で、そして初恋の人だった。あるいは今も。
親との関係は小さい頃はそう悪くなかったものの、成長するごとに父の視線が娘を見るものから女を見るものへと変わっていくのを感じて距離を置くようになっていた。そのためいじめのことも相談できず、高校中退後逃げるように上京し1人暮らしを始めたため実質的に絶縁した。
本人曰く、｢私を女として見てたと言うよりは、あれは私を通して母さんの面影を見てたんだと思うけどね。結局私を娘として見てなかったのは同じさ｣とのこと。
上京後は何年か職を転々としながら無気力に過ごしており、未成年ながら酒に溺れ、ふと気づけば路地裏で酔いつぶれているような生活を送ることになる。
ただ父から逃げただけで目的も生き甲斐もなく、人生で最も荒れた時期だった。顔の入れ墨もこの時入れたが、なぜ入れたのかは酩酊していてよく覚えていない。
そのうちに危険なグループに目をつけられ、薬と酒で前後不覚にされた上で散々弄ばれた。
今でもその事がトラウマになっており、その反動と先述の初恋を引きずっていることもあってロマンチックな｢ちゃんとした｣恋愛に強い憧れを抱くようになった。
さらにその時のグループの誰かとも分からぬ子を妊娠してしまうが、ナギサは子に罪はないと産むことを決意。20歳であった。
元々病弱な上に酒と薬で弱っていた体や費用面などの問題を数多く抱えていたものの、なんとか無事産むことが出来た。
産まれた娘をミナトと名付け、大変ながらも喜びに満ちたシングルマザーになる。

それから10年後。とあるジャームが通学バスを襲い、ミナトは死んだ。
ちょうどナギサが娘をバスに乗せ、見送るところだった。
同じ場所にいたママ友たちがワーディングで意識を失う中、彼女だけが立っていた。
強い怒りが彼女のレネゲイドを目覚めさせた。
しかしナギサは戦闘などしたこともない人間だった。
彼女にできることは、その体で他者を庇い護ることだけ。
UGNの部隊がジャーム対処のためやってきた時、ナギサはジャームに幾度となく殺されリザレクトを繰り返しながら、まだ息のある子供やママ友たちにその凶刃が向かないよう必死で立ち回っているところだった。

UGNに引き取られ、オーヴァードとしての生を手に入れたことでその時守った人々ともまた疎遠になった。
娘が死んだことでママ友たちとのつながりもなくなった。
体を張って守った相手と会えなくなるジンクスを自嘲しながら、化け物(オーヴァード)になったにも関わらず攻撃能力に恵まれず、他人を戦わせる技術と他人の代わりに殴られてやる技術ばかり身につく己の不器用さを呪いながら、ナギサはUGNエージェントとして活動した。
この頃、母がオーヴァードであったことが発覚。
UGNのデータベースに名前があり、起源種は彼女の遺伝だったことが判明。
ただし、既にジャームと化してUGNに抹殺されたことも分かった。
これを機に、好きではなかった父の姓ではなく「弧遊原」という母の旧姓を名乗るようになった。

オーヴァードに目覚めてから6年後。多くのものを守ろうとし、失い続けた弧遊原ナギサはUGNの支部長となった。
今願うことは、もう大切な部下や友人を失いたくないということ。
そしてもし叶うなら、今からでも……いや、なんでもない。
私は主人公にはもうなれっこないんだ、甘酸っぱいロマンスは若いヤツらの役目。私は体を張ってハッピーエンドのお手伝いをするだけさ。
……そう、思ってはいるんだけどね。

父の姓は「駈間(くま)」。
弧遊原姓は単に名乗っているだけではなく、公的な手続きによって変更している。UGNのコネも使っているので、通常の手続きは多少すっ飛ばしているが。

カヴァー：本屋店長

昔は病弱であまり外出できなかったことから、読書が趣味であった。
色々あって精神が乱れている時も漫画や小説に心を救われた経験があるため、本好きである。
そんなこともあって支部を｢弧遊原書店｣という本屋に偽装しているが、半分くらい職権乱用である。
本屋としての仕事も本気でやっており、UGNのことを何も知らない従業員もいる。
地域密着型の本屋として、近くの大型商業施設にある書店とは別の需要がありそれなりに繁盛している。
1階が本屋、2階が事務所(という名の支部)となっている。

ある事件の折、共闘したH市のエージェント・渡辺織とは不思議なシンパシーを感じていた。
それはずっと忘れられない初恋を抱えたまま大人になった者として、オーヴァードとそうでないものの境界により苦しむ者として……過去に消せない大きな瑕を抱え、それでも歩み続ける者としてのものだった。
彼女と言葉を交わしたこと、非オーヴァードの恋人を持つ部下の存在……そういったものに背中を押され、弧遊原ナギサの止まった時間……失ったはずの初恋は、また動き始めている。
そして…………その時は、密かに近づいている、のかもしれない。