容姿・経歴・その他メモ

if世界線の水無月 雪解というとある探索者の子供。20回近く継続して幾度も世界を救って自身の身体を脳以外全て義体と入れ替えられて何度も死を経験して最終的に半分人間をやめた壮絶な人生を歩んだ探索者の一人息子。

幼い頃からよく分からない存在と共に育ってきた。親は母親だけであり父親の姿は一度も見たことがない。母親曰く父親のことは知らない方がいいとのこと。いつもスケールのデカい視点で物事を見て来た母親にどこか人間離れしたものを感じ、あまり母親のことを理解できないと同時に疎外感を覚えていた。思春期になるとそういったことが原因でよく母親とぶつかることも多かった。


世界は案外脆くて、すぐに崩れ去ってしまうものだと母からよく聞かされていた。いつもの妄想だと思っていた。けれどあの日、世界はあっけなく壊れてしまって、いつもの日常はもう戻らなくなってしまった。


何が起こったのか何も理解できないまま崩壊する街から抜け出そうと走っていた時、近くに現れたアグレッサーに目をつけられてしまった。どうにか必死に逃げ回っていたがしばらくして瓦礫によって袋小路になっている場所まで追い詰められてしまう。そんな時目の前に母親である雪解が割って入った。「大丈夫…だから…絶対守るからね…」なんとか後ろにいる憶惟を守ろうと雪解はアグレッサーと激しく交戦したが、一人では歯が立たず力尽き瀕死の重傷を負ってしまう。

そんな時たまたま近くを通りがかった飛田と常夜の二人が駆けつけ、どうにか二人を救助することに成功した。それでも既に雪解は熾烈な戦いを経た結果再生が不可能な状態に陥っていたが、雪解は最後の力を振り絞って憶惟の頬を手で包みながら目を見つめ、そして額と額を合わせながら最期の言葉を遺した。憶惟がそれを聞き終えた後にひとまずまだ安全そうな場所まで二人を運び、飛田と常夜はまた戦場に戻っていった。
母が目の前で亡くなったその時、自身の中で何かが目覚めた感覚を覚え、それから憶惟はオーヴァードとなった。


憶惟はオーヴァードに覚醒した後、アトラスができてしばらく経ち、少しは生活が安定してきた頃からリストとして活動している。主に人助けを率先して行っており、新たに得たこの力を人々を守るために使うと決めた。そして呪いにも似た母からの言葉によって世界を守りつつ、どんなことがあっても生き続けることを目標にしている。リストとして活動していく中で何人か友人もでき、現在はそんな彼らと一緒に戦っている。



母は死に際にこんな言葉を遺していった。「どうかこの世界を……そこに住む人々を救ってやってくれ」、「たとえ世界がどうしようもなく悲劇に溢れていても、それでも生きてくれ」と。……それが一人息子に遺す言葉かよ。なんつー呪いの言葉を遺していきやがったんだよ。

ずっと昔、母はこんなことを言ってきた。「憶惟には私のように後悔して欲しくないんだ。だから、君の選んだ選択に自信を持ってほしい。だって、もしあの時ああしていればと思うよりもやってから後悔する方がまだマシだろう？」
……遺される側のことも少しは考えてくれよ。


この名前にはいつまでも覚えている、想っているという意味が込められている。

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