四葉宮家に生まれた一人息子。両親と姉がおり、幸せな家庭で暮らしていた。
少々子煩悩だが、決して盲目なわけではない父親、子供のことを思い、締めるところはしっかりと締めてくれる母親…そして、ブラコンの気がある、弟思いで温厚な姉。
────そんな生活が崩れたのは、彼が小学１年生の時。
旅行先で両親が押し付けられた謎のアミュレット。
その中に住んでいた3匹のレネゲイドビーイングが、家族の意識を塗り替え、乗っ取った。
家族になりすましたレネゲイドビーイング達。その違和感に気付き、真実を知ってしまった彼は、深い絶望と殺意に包まれる。
その衝動が彼の内に眠るレネゲイドウィルスを呼び覚まし、彼をオーヴァードへと押し上げた。
覚醒したその手で家族を”終わらせ”た彼は、自分と同じような思いをする人たちを減らすべく、レネゲイドビーイングの抹殺に繰り出した。

小学校に入る前のこと。
彼の６歳の誕生日パーティーの記憶。
自分の身長くらい大きなケーキに、プレゼントボックス。
蝋燭を吹き消せば、三人の拍手が聞こえてくる……
彼が最も幸せであった時であり、決して忘れてしまうものではない。
────が、長年の活動により、その思い出は擦り切れ、今では家族の顔はおろか、名前すらも思い出せなくなってしまっている。