皇桐華
プレイヤー:ルア
- 年齢
- 19
- 性別
- 女
- 星座
- 獅子座
- 身長
- 157
- 体重
- 50
- 血液型
- B型
- ワークス
- 放浪者
- カヴァー
- 音楽クリエイター
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- キュマイラ
- ウロボロス
- HP最大値
- 32
- 常備化ポイント
- 6
- 財産ポイント
- 1
- 行動値
- 4
- 戦闘移動
- 9
- 全力移動
- 18
- 魔術ダイス
- 2
経験点
- 消費
- +66
- 未使用
- 0
ライフパス
出自 | お父さんもお母さんも私がやりたいと言ったことは喜んで応援してくれたのに、こんなことになって... | |
---|---|---|
安定した家庭 | ||
経験 | あの時、私は死んだはずだったのに...どうしてこんなことに | |
死と再生 | ||
邂逅 | "皇キラリ"にいまだ自分を投影してしまう | |
自身 | ||
覚醒 | 侵蝕値 | どうしてあのまま死なせてくれなかった。こんな力手に入れたってもうあの人に合わせる顔もないのに... |
死 | 18 | |
衝動 | 侵蝕値 | アハハ...こんな世界もうぶっ壊れてしまえばいい!私がぶっ壊してやる! |
破壊 | 16 | |
その他の修正 | 前回終了時浸食率91 | |
侵蝕率基本値 | 34 |
能力値
肉体 | 5 | 感覚 | 1 | 精神 | 2 | 社会 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シンドローム | 3+1 | シンドローム | 0+1 | シンドローム | 0+2 | シンドローム | 1+0 |
ワークス | 1 | ワークス | ワークス | ワークス | |||
成長 | 成長 | 成長 | 成長 | ||||
その他修正 | その他修正 | その他修正 | その他修正 | ||||
白兵 | 射撃 | RC | 交渉 | ||||
回避 | 1 | 知覚 | 1 | 意志 | 1 | 調達 | 2 |
知識:クトゥルフ | 1 | 情報:噂話 | 2 | ||||
情報:裏社会 | 1 |
ロイス
関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Dロイス | 野獣本能 | ― | |||||
シナリオロイス | 元の世界 | 懐旧 | / | 不信感 | 元の世界...戻りたいとは思うけど...。 | ||
曽根杏奈 | 執着 | / | 悔悟 | ....曽根さん。まさか別の世界で会うなんて...でももう関わらない方がいいのかな...? | |||
水鳥ヒスイ | 好奇心 | / | 不安 | この子のおかげで厄介ごとを回避できたから助かったな。 | |||
エウレカ | 親近感 | / | 嫉妬 | アイドル...小さくてきれいで可愛い。あの日テレビで見た子を思い出したよ。 | |||
福来壱茶 | 連帯感 | / | 不信感 | 私と同じ、元の世界から巻き込まれたようだね。元の世界に無事戻れるといいんだけど...彼だけでも | |||
ジョン・風林火山・ハロウズ | 感服 | / | 脅威 | どっしりと構えててかっこいいな。これが貫録ってやつね。 |
エフェクト
種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
(LV)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
螺旋の悪魔 | 1 | セットアッププロセス | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ||
自身へ暴走付与。付与したラウンド中、ウロボロスエフェクト関連での攻撃Lv×3追加。 | |||||||||
完全獣化 | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 6 | ― | |
【肉体】ダイスLv+2個追加。素手以外の道具使用不可。 | |||||||||
鷹の翼 | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ― | |
飛行状態になる。ドッジダイスLv個追加。 | |||||||||
破壊の爪 | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ― | |
「命0/攻Lv×2+8/ガ1/至近」武器作成。 | |||||||||
知性ある獣 | 1 | マイナーアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ― | |
完全獣化時も道具使用可能。 | |||||||||
極限暴走 | 1 | 常時 | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | リミット | |
「オーヴァードに1点でもHPダメージを与えた時」を「暴走を受けた時」と読み換えられる。 | |||||||||
背徳の理 | 3 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 3 | ― | |
ーヴァードに1点でもHPダメージを与えた時、ウロボロスエフェクト関連での判定ダイスLv×2追加。 | |||||||||
破壊の渦動 | 2 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 5 | ― | |
オーヴァードに1点でもHPダメージを与えた時、装甲無視を付与。シナリオ中Lv回。 | |||||||||
原初の赤:マルチウエポン | 1 | メジャーアクション | 〈白兵〉〈射撃〉 | 対決 | ― | 武器 | 3+1 | ― | |
二つの武器ステータスを合計して攻撃可能。達成値を5-Lv減。 | |||||||||
コンセントレイト:ウロボロス | 2 | メジャーアクション | シンドローム | ― | ― | ― | 2 | ― | |
クリティカルLv減。 | |||||||||
原初の灰:万軍撃破 | 1 | メジャーアクション | シンドローム | 対決 | シーン(選択) | 視界 | 7 | 120% | |
対象及び範囲変更。シナリオ1回。 | |||||||||
傍らの影法師 | 1 | メジャーアクション | ― | 効果参照 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
自身の影を立体化させ、人間や動物の姿に変えて付き従わせる。 | |||||||||
死の眼光 | 1 | メジャーアクション | ― | 自動成功 | 単体 | 至近 | ― | ― | |
殺意のこもった視線で相手を恐怖させる。 | |||||||||
至上の毛並み | 1 | 常時 | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | ― | ― | |
コンボ
一寸の極み
- 組み合わせ
- 「Dロイス:野獣本能」+「螺旋の悪魔」
- タイミング
- セットアッププロセス
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 8
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- 100%未満
- 100%以上
手引
- 組み合わせ
- 「完全獣化」+「鷹の翼」+「破壊の爪」+「知性ある獣」
- タイミング
- セットアッププロセス
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 14
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
<一寸の極み>からチェーン処理A
シーン1回のみ発生
切甲
- 組み合わせ
- 「極限暴走」+「背徳の理」+「破壊の渦動」
- タイミング
- セットアッププロセス
- 技能
- ―
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 8
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
<一寸の極み>からチェーン処理B
シーン1回のみ発生
シナリオ2回
浦波
- 組み合わせ
- <一寸の極み>→<手引>+<切甲>
- タイミング
- セットアッププロセス
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 30
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- 100%未満
- +9
- +13
- 100%以上
- +11
- +18
<天狗抄>と兼
装甲無視
天狗抄
- 組み合わせ
- <一寸の極み>→<手引>+<切甲>
- タイミング
- セットアッププロセス
- 技能
- 回避
- 難易度
- 自動成功
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 30
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- 100%未満
- +4
- 100%以上
- +5
<切甲>と兼
乱剣
- 組み合わせ
- 「コンセントレイト:ウロボロス」+「原初の赤:マルチウエポン」
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 対決
- 対象
- 単体
- 射程
- 武器
- 侵蝕値
- 6
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- 60%未満
- 5+9
- 8
- -5
- +18
- 80%未満
- 5+10
- 8
- -5
- +18
- 100%未満
- 5+11
- 8
- -5
- +18
- 100%以上
- 5+14
- 7
- -4
- +23
<切甲>状態を前提
漸釘截鉄
- 組み合わせ
- <主行動1>+「原初の灰:万軍撃破」
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 白兵
- 難易度
- 対決
- 対象
- シーン(選択)
- 射程
- 視界
- 侵蝕値
- 13
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- 120%以上
- 5+14
- 7
- -4
- +23
- 130%以上
- 5+15
- 7
- -4
- +23
- 160%以上
- 5+19
- 6
- -3
- +28
120%以上のみ使用可能
シナリオ1回
武器 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 命中 | 攻撃力 | ガード 値 | 射程 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
日本刀 | 5 | 白兵 | 〈白兵〉 | -1 | 5 | 3 | 至近 |
経験点計算
能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用 |
---|---|---|---|---|---|---|
0 | 5 | 191 | 0 | 0 | 196 | 0/196 |
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
0-59 | 60-79 | 80-99 | 100-129 | 130-159 | 160-199 | 200-239 | 240-299 | 300- | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ダイス | +0 | +1 | +2 | +3 | +4 | +5 | +6 | +7 | +8 |
Efct.Lv | +0 | +0 | +0 | +1 | +1 | +2 | +2 | +2 | +2 |
容姿・経歴・その他メモ
履歴 ベース
悪夢
コポ...コポ...と水の様な音と人の話し声が聞こえてくる。
『..間先生.......シュはもう消滅....よ...で,,,。』
『なる...。では、そろ....覚ましますかね。皇桐華さん?』
...あの声が聞こえてから一体どれくらいの時間がたったのだろうか。突然視界が明るくなり、思考が戻ってくる。
『お久ぶりです、皇桐華さん。まぁ、色々と疑問が湧いてくるでしょうが...。そうですね、説明をする前にあなたの今の姿を見ていただいた方が話が早いかもしれません。』と鏡の前に案内される。
鏡に映った皇桐華には、禍々しい程に黒い翼と、誰もが見惚れてしまうような純白な翼が大きく背中から広がっていた。また、右手は猛禽類の足のような凶暴な見た目へと変化していた。
「なに...これ?なにこの姿...というかどうして、私生きて...?」状況を呑み込むことできず、皇桐華は意識を再び失ってしまった。
『あらら、駄目でしたか...。』
再び皇桐華が目を覚ます。
「さっきのは...夢?」
『いいえ、夢なんかじゃなく、現実ですよ?そう、あなたが曽根杏奈さんによって殺されてことも...ですよ。』
「...曽根さん!そうだ!曽根さんに会いに行って謝らないと..」と思い、動こうとしたときに拘束されていることに気が付く。
『あぁ、そうだ。あなたのことは拘束させていただきました。さっきのように気絶されたり、逃げられたりしても面倒ですのでね。...それにそんな姿で会いに行ってどうするおつもりで?』
その言葉を聞いて皇桐華は思い出す。自分の身体に起こった変化に...。
(あぁ、そうだ。確かにそうだ。こんな醜い姿で会いに行ってどうするっていうんだ...。それに曽根さんに殺してと頼んだのは私なのに、どんな顔をして会いに行ったらいいのだろうか...。もう会わない方がいいかもしれない。)と、皇桐華は自分の思考の中に沈んでゆく。
沈みゆく思考の中でぽつりと一言だけ零れ落ちる。
「どうか、曽根さんにはこんな姿になったことを伝えないでください...。」
男は、ふぅと一息つき、
『それくらいはいいでしょう。さてと、やっとおとなしくなっていただけたようなので実験の続きをしましょうか』という声も聞こえていなかった。
「儀間さん...なんの為にこんなことをするんですか?」
ずっと持っていた疑問を桐華は口にする。
『そうですね。学者としてこの様な興味深いことを放ってはおけないという理由と、とある人に頼まれたのでその前の実験も兼ねてますね。まぁ、本当にあなたが生き返るとは思ってもみませんでしたが...。』
「とある人?では私をあのまま死なせてくれなかったのも、こんな姿になってまで生き長らえてるのもその人の所為というわけですか...。
『....まぁ、そういうことになるかもしれません。』
「そうですか。その人の所為で...。」
生きる意味
桐華が目を覚まし、儀間の実験を受けてから1年が経とうとしていた。
桐華は何度も暴走を何度もさせられ、1年前とは見た目や性格が変化してしまっていた。
(はぁ、やはり何度考えても駄目ですね。こんな姿でアイドルになれるはずがない...それに曽根さんにも会えるわけがないですからね...こんな醜い姿で,,,。さてこれからどうやって生きましょうか。)
『おはようございます。今日はぐっすり寝れたようで...では、今日も始めましょうか』その声が聞こえると同時に、桐華の身体の中の血がざわつき、オーヴァードの力の制御が効かなくなる。
「毎回毎回そんな確認なんて取らなくていいよ。私には拒否権が無く、断っても強制的に始めるだから。」
『1年前とは見違えるような方になられましたね。』
「絶対いつかアンタらを殺してここから出てやりますよ。」
そう言い桐華は自身の手足に力を入れ、拘束具を引きちぎろうとする。
バキンッという大きな音が聞こえたのは、その行為の直後であった。
実験を行い、見守っていた科学者たちは一斉に逃げ出そうとしている。
「ハハ..アハハ...遂にこの時が来ましたね。アンタらを皆殺しにして、ここを潰し、アタシは自由になるんだ。そのための力はアンタらがアタシに与えてくれましたからね。」
桐華は自分の欲望のままに研究所の職員を殺して回り、実験器具や装置、建物自体も破壊した。最後にその研究所の所長のような男を殺そうとしたときに、
『こんなことをして何になるんですか?あなたはこれから先何のために生きるのですか?』と問われた。
「生きる意味...ですか...。馬鹿言わないでくださいよ。アンタらの所為で無くなっちゃいましたよ...。まぁ、手始めに私をこんなことに巻き込んだ例の人でも探しましょうかね...。サヨウナラ」と、男の胸部を貫く。
大きな左右非対称な翼を広げ、目的地も定めないまま空をただよい、新たな住処を探し始める。
時間が経過するにつれて、思考が正常に戻ってくる。
「生きる意味か。そんなモノ...そんなの、こんな状態でどうやって探したらいいんですか...。こんなことになってどうやって決めたらいいんですか...あはは...。」と呟き、彷徨い続けた。
「ねぇ、私これからどうしたらいいかな,,,。」
自分で作り出した影法師に問いを投げかけるが返答はない。
「......。こんな姿になっちゃって、頼れる人なんて誰も...。」
「やっと...爪や翼は何とかしまうことができるようになったけど、やっぱり感情が昂っちゃうと駄目だな...。でも、そろそろ普通の食べ物も食べたいし。数か月間鳥やらを食べてたけどもう限界だね...。じゃぁ行ってくるね。」
見たことのあるような返答をしない影法師たちに言葉を放ち街へと向かう。
「あ、テレビだ。」
街を歩いているととある放送が桐華の目に留まる。
『新生アイドル!本日19時から**ドームでライブをします!!!是非見に来てください!』
「アイ...ドル.....。なんだ...あんなことが起きても結局時間とともに薄れていくのか...。」
(なんで私はこんな目に合っているのに...。)
そのニュースを見ると桐華の心がざわめき始める。
「ダメ、早くここから立ち去らないと...。」
そう気づいた時にはもう遅く、桐華の身体から大きな翼が現れる。
周囲の人々はその様子を見て、悲鳴や罵声などを桐華に向けて放つ。
「あ...やっぱりそういう反応になりますよね....。」
大きな翼を動かし、桐華は街から立ち去った。
「ハハ...。あぁ、だめですね。ちゃんと制御できるようにならないと..。」
奈落へと
「そろそろ食糧もなくなってきちゃったな....。お金、稼がないと。ふぅ....さすがにもう大丈夫。よし、行こう。」
久しぶりの街へと歩みを進めた。
履歴
End Black
(...なるほど、私が誰かに殺されないと意味がないと...。さて、どうしたものですかね...。ずっとこの状態のままっていうのも続かないでしょうしね。だったらもう、いっそのこと)
「曽根さん。今まで一緒に悩んでくれたり、楽しんでくれたり、時には叱ってくれたり、私と一緒に世界一を目指してくれて本当にありがとうございました。こんな凝縮された日々、曽根さんと一緒じゃなきゃ絶対味わえなかったです。ほんとに、ほんとに楽しかったんです。でも...あはは、私が生きてると駄目っぽいですね。曽根さん、最後に凄く大きなわがままになっちゃいますが、私を殺してください。なかなか酷いこと言っちゃてるかもですね。でも、曽根さんに殺されるなら私は納得が...いえ、曽根さんじゃないと嫌なんです!だから、どうか...」
桐華がそう言うと、曽根は口を開き「......」と答える。
「もうっ!曽根さん最後の最後にそれ言っちゃうんですか。ありがとうございます。私も曽根さんが大好きです!!!!」
その言葉を聞いた後、曽根は皇に拳銃で狙いをつけ安全装置を外し、引き金を引く。
バンッ 一つの銃声が白鳥ドームに木霊し、皇桐華はその場に倒れ伏した。薄れゆく意識の中、泣き崩れる曽根に向かってパクパクと口を動かす。(曽根さん,,,本当は曽根さんと...世界一のアイドルに...)その思いは声にならず、曽根に届くことはなかった。
scene IN-1
皇 桐華は混濁する。
自分がどこにいるのか、何をしていたのか、今はいつで、何を為すべきなのか。次第に、曖昧になっていく。
まるで、深海に徐々に沈み込むように。
ふとした拍子に、皇桐華は気付く。
決して大きくはないが、耳障りに目立つ気泡の浮かぶ音。自分の近くで、時折弾けているように感じる。それに…人の声。
「脳波照射…反応なし。メモリーフィッシュ、確認できません。」
「…儀間先生、彼女からは完全にメモリーフィッシュが消失し、女王体でもなくなったと断定できます。」
「より強いウイルス原体であるシンドローム能力をあえて与えることで、シンドロームにメモリーフィッシュを体内で完全に駆逐させる作戦は成功…すべて想定どおり、そう言うわけですね。なるほど、素晴らしい。」
「では、そろそろ目を覚まして差し上げましょうか。彼女のためにも、ね」
あぁ、気分良く寝ていたのに…そんな、ある種の不快感を得るかもしれない。皇桐華の意識は、徐々に自我を持ち始めた。
「さて…お久しぶりですね、皇さん。ご気分は如何です?」
突如、皇桐華の視界は開ける。瞬間、皇桐華の意識は目覚める。
「気分?気分って一体...?だって私はあの時死んだはず....
儀間...さん...?どうして?なんで私生きて?どうなってるんですかこれ。」
「混乱されているようですね。無理もないでしょう。
…そうですね、百聞は一見にしかず。まずは、あなたの今を見ていただきましょう。」
そう言って、目線の先の姿見を指差した。
ーそこには、漫画やドラマでしか見たことがないような、近未来的なカプセルが映し出される。その中に封じられた謎の生物は、禍々しいまでの漆黒の翼と見惚れるほどの純白の翼が、対をなすように大きく背中から広がっている。生物の右腕は猛禽類の足のように力強く、凶暴な爪を携えており、その他は可憐な少女のようにか細くアンバランスであり。おおよそこの世の物では無い、酷く不気味な存在に感じられた。
そして、何より。
その謎の生物の顔は、皇桐華であった。
私の今?
「....なに、これ?これが私なの?こんな...こんな...なんで....
こんな姿になってまで生きないといけなかったの?どうして...」
目の前の光景は、かつて華々しいステージの上で、美しく歌い踊っていた自身の姿とは、遠くかけ離れたものであった。
「…さて、どこからお話したものでしょうか。そうですね、まずは…」
儀間は言葉を紡ごうとする。しかし、聞こえない。理解ができない。貴女は、目の前の事象を処理することができない。
心の底からの、現実そのものへの拒否反応。あまりにも受け入れ難く、全身の毛が逆立つ。
こんなことになるほど私、悪い事したかなぁ...?あはは...これからどうやって生きていったらいいの...。曽根さん....。
悲しみか、あるいは絶望か。皇桐華は、誰にも届かない声を震わせる。地鳴りを想起させるほどの振動。空気の共鳴、それは衝撃となって、研究所全体を揺らす。
「これは…能力の暴走!?」
「まさか!?これほどの短期間で、ここまで能力との親和性が!?」
「ま、まずい!儀間先生、避難願います!」
「ふむ…もともと影響されやすい、ということでしょうか。侵蝕状況があまりにも…何にせよ、興味深いですね。」
「はぁ...はぁ...もうこんな世界....なくなっちゃえばいいのに。」
「睡眠弾ッ!射撃許可ッ!」
「うっ.....もういや....たすけ......ねさん....」
”何か”が自身の皮膚に当たる感触。助けを求めて呟く声。それを最後に、また皇桐華の意識は、深い海の底へと沈んでいく。
scene IN-2
ー再び、皇桐華は目を覚ます。
今度はカプセルの中ではないものの、異様に無機質な部屋に横たわっていた。
「ここは?さっきの場所とはだいぶん雰囲気が違うけど...そうだ...手は?もとに戻ってる?そもそもさっきのは現実なの?夢だったのかな。
それに、私は...あの時曽根さんに撃たれて死んだはずなのに...。」
あらためて手を見つめた時に、貴女は気付くだろう。自分が大きく頑丈な手枷、足枷に繋がれていることに。また、それらの鎖は壁に埋め込まれ、自身の身体の自由は制限されていることがわかる。
「なんでこんなものが私の手足に?逃げるわけないのに...だって、こんな姿じゃもう曽根さんに会えっこないもん...。」
その時。壁に掛けられた大型モニタから、聞き覚えのある声が聞こえる。
「ご不便をおかけしていることは謝罪しましょう。しかし、どうか理解していただきたい。我々も致し方なく貴女を拘束しているのです。」
「致し方なく?そんな申し分けなさそうな拘束具じゃないんですけど。」
「まさか。我々は常に、貴女たちのために計らっています。」
「その上でなおのこと拘束しているのは…ある意味、貴女自身のせいであるとも言えます。」
「私の所為?私が何したって言うんですか。もしかしてさっきの夢のことですか?」
「夢?…さて、貴女の仰る”夢”とは、いったい何のことでしょう?」
「私の身体がおかしかったんです。翼や爪みたいなのが生えてたんです。」
(こんな悪夢...夢じゃないならなんだって言うんですか)
「良いか悪いか…あるいは、そのどちらでもあるのか。僕には判断しかねますが。」
「貴女がここにいることも、翼や爪も。全てが現実の話です。以前のような夢の中では決してないのですよ。そう、それはつまり…2025年12月25日。かつて貴女が自分を撃ち殺させたことも。全て現実に、過去に起こった事実です。」
「...ッ。なるほど、全部本当のことなんですね....。なんで私を生き返らせたんですか?なんであのまま死なせてくれなかったんですか?」
それに...曽根さんは...」
「話せば長くなり過ぎますので、簡潔にまとめるなら…実験が目的です。貴女が生き返ったことは、その副産物に過ぎない。勿論、生き返る可能性も考慮こそしていましたが…半信半疑でしてね。」
「二言目には、曽根さんのことですか。…やはり、気になりますか?自分へ引導を渡した人物のことが。」
(気になるに決まってる...だって曽根さんは...)
「うん...。あんなひどい事をお願いしちゃったんだもん。きっと恨まれるかも....ですね...。今更会いに行ってもどの面下げてって感じですよね...。」
''自身に降りかかっている現実に精神は追いついていない。しかし、なぜか皇桐華の脳内はハッキリと思考を行っていた。
「実験ですか。きっと聞いても教えてくれないんでしょうが、一体なんの為に...こんな、こんな実験なんてしてるんですか...。」
「貴女が現状をどれほど理解できるのか次第ですが。病原体の根絶を目的とした実験ですよ。我々の目論見は、既に概ね成功したと見られています。あとは、副産物の"処理方法"さえ確立されれば…と言った段階ですね。」
「あぁ、そうそう。曽根さんですが…とりあえず、ご存命ではありますよ。ただし…お会いになるのは、困難を極めるでしょうね」
「これは我々の責任でもありますが。なにせ、彼女を世紀の大犯罪者に仕立て上げさせて頂きましたから。すべては、メモリーフィッシュの根絶のために。それを曽根さんも理解してくださっていると思いますよ。」
「そう...なんですね..。」
(私が殺してくださいなんてお願いしちゃったから....。どうしようこれから曽根さんの人生がめちゃくちゃになったら....。)
「彼女は既に、社会的な死を迎えました。かつて、幽谷きらら…いえ、メモリーフィッシュに操られた深町氏のようにね。」
「いや、もしかしたら…曽根杏奈としての自我を保ったまま、犯行に及んだわけですから…彼女の精神状態たるや。我々には計り知れませんね。僕としても、頭の下がる思いです。」
「....。」
(私が、私なんかが泣く権利なんてないや....。だってこれは私が頼んだせい....。私がメモリーフィッシュに感染したせいなんだから...。)
「とはいえ…僕も、貴女をいたずらに傷付けたくて、このような事実を伝えているわけではありません。僕もまた、秘密組織の人間。曽根さんと会話する方法は幾らでもあります。」
「諸事情で、貴女をここから出すわけには行きませんが…可能な限り、計らいましょう。何か、お望みのことがあれば。」
「じゃあ、私が生きていること、こんな姿になってしまったことは曽根さんに伝えないでください。...私を忘れてしまった方が曽根さんにとってもきっと....きっと...良いでしょうから...。」
「………。そうですか。貴女方がそう望むなら、僕から言うことは何もありません。いいでしょう。」
儀間は大きく溜め息をつく。それが、彼のどんな心情を示すものであるのか。皇桐華には見当もつかない。
時間にしてみれば、ほんのわずかな沈黙。しかし、この一瞬の静けさでさえ、貴女の最期の時を思い返すには充分過ぎるほど長いものであった。研究室での愚かなやり取り、ドーム控室での攻防、幕開け前の舌戦、夢の中での最終決戦…そして。曽根との最後の対峙。
これまでの記憶を呼び起こすほど、当時の恐怖が蘇ってくる。そして、その恐怖の代償さえも、貴女は徐々に取り戻してしまう。
【システムメッセージ】
皇桐華は心因性難聴を再発する。
(嫌な記憶...本当は思い出したくない...でも私はこの記憶から目をそらしちゃだめだ...絶対に...一生。)
「あれ?耳が?」
モニタ越しに、儀間が話を続けていることは理解できる。ただし…貴女には途切れ途切れにしか、聞こえなかった。
「いいですか?これから貴女には、その力を完全に制御できるようになっていただきます。そうでもしなければ、曽根さんに会うどころか、普通の生活に溶け込むこともできませんからね。」
「現在の姿については…もちろん、我々もここまでの変化は想定していませんでした。しかし、生命としての理も超え、生き返られた代償とも言えます。諦めろ…と表現するのはいささか乱暴ですが、それでも何とかしなければならないのも事実でしょう?」
「必要なのはまず、薬物の投与による暴走状態の制御…そして、皇さん自身によるコントロールです。これに貴女は、生涯向き合わなければならない。…まぁ、それは彼女も同様ですが。」
「曽根さんに会う?普通の生活に?...はは、こんな身体関係なく、私には普通の生活なんて到底...」
今の皇桐華に対し、儀間の話がどれほど届いていたのかは定かではない。
「え?曽根さん...?曽根さんに何をしたの!!ねぇ!曽根さんに何かしたのだったら私、私、あなた達を許さない。」
(もし、あの人たちが曽根さんに何かしていたら...私は....この力を使ってあの人たちを....)
「曽根さんに…我々が、危害を?ハハハ…そんなことはしませんよ。"我々からは"ね。」
「しかし、先ほども少し言いましたが…我々にもある種の罪悪感はあります。つまり…例えば、彼女が生命としての終わりを望むとしたら。我々は迷わず『助力』するでしょうね。」
「そうですか...。」
「しかし…何が起こっていたとしても。これをまさか…"悪"とは呼べませんよねぇ?そういうことですよ。」
「そうですね。曽根さんの方から申し出があったら....悪なんて言えません...私が。」
「でも、本当に曽根さんからの申し出かどうかは私にはわかりません...あなたから言われたら尚更ですが...。私はまだあなたを信用はできませんからね。」
「同じく、証明のしようはありませんね。いやいや、歯痒いものです。本心ですけどね。」
「…では、ある程度はご納得頂けたようで。始めましょう…まずは、侵蝕を下げる投薬から。非常に強い痛みを伴いますが…耐えて頂きますよ」
「わかりました。これくらいの痛みなんてどうってことないですよ。」
「どうせ、拒否してもやるんでしょう?だったら早く始めてください。」
儀間が後方へ合図を送る映像を最後に、モニタは消える。直後、スプリンクラーが作動し、液体を雨のように部屋中へ撒き散らした。
これが、先ほどから話に出ていた薬だろうか。そう考えることができたのも束の間だった。襲い来る激しい痛みに、堪らず貴女は絶叫する。
「あ、あ、あああああああああああああああああ。これッくらいで....音を上げたりなんか...しませんよッッ。」
数えきれないほどの投薬を繰り返しても、激痛に慣れることはない。能力の制御を試しながら、時に能力の暴走を繰り返しながら。貴女は苦痛の日々を過ごすことになるだろう。
「がっ....う、...あぁぁぁ....。これくらい身体的な痛みなんて.....。」
もう、なにをするべきかもわからないまま。
過去の栄光との差を、噛み締める。
もう、どこへ向かうべきかもわからないまま。
道を示してくれた人も、もういない。
その絶望感を、分け合えるような誰かもいない。
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