桐咲はなは、｜特異体《イレギュラーブリード》のオーヴァードだ。
特異体とは、本来のシンドロームとは異なる能力を扱える資質のことを指す。彼女の場合は、オルクスシンドロームのピュアブリードであるにも関わらず、ノイマンシンドロームのオーヴァードに匹敵する思考速度を備えている。
この稀有な才能は、元を辿れば対抗種によって生まれたものだ。
実験体であった彼女が対抗種に感染し、オーヴァードとして覚醒した時、対抗種は彼女の脳を蝕んだ。一度破壊された神経ネットワークはオーヴァード特有の再生能力によって再構築され、元よりも複雑なかたちに生まれ変わった。ノイマンシンドロームのオーヴァードにも似た”脳内回路”が作られたのである。
現在の彼女は、この脳内回路を利用してオルクスシンドロームの能力を制御している。

桐咲はなには、相反するふたつの噂がある。
一方では明るく和を好む女の子としての噂。一方では、冷酷無比な戦場の死神としての噂。
――このふたつの噂は、そのどちらも真実である。

今から2年ほど前。桐咲はなにはある変化が起きた。
全力でレネゲイド能力を使っている時に限り、意識が途切れることがあった。一時的に記憶が欠落することがあった。｜"戦場の踊り子"《クルーエル・クローリス》は高い戦果を上げて評価されたが、当の自分自身は何も覚えていない。そんなことが何度か起きた。
医療班の医師が彼女を調べ、異常の原因はじきに解明された。
彼女の脳を蝕み続けている対抗種が、ついに「桐咲はな」という自我そのものを侵し、破壊し始めたのである。意識が途切れている間は自分自身を見失い、破壊衝動のみで戦っていたのだ。
このまま戦い続ければ、いつか戻れなくなる時が来るかもしれない。医師が彼女に伝えたのは、そんな残酷な余命宣告であった。

その時から桐咲はなは変わった。彼女を変えたのは、「このまま消えたくない」というごく当然の恐怖であった。
花は散るからこそ美しいと言う人もいるが、彼女にはとてもそうとは思えない。
どんなに取り繕っても自分が一番大事なのだ。自分が何者でもなくなるのは怖い。自我のない災害になるのは恐ろしくてたまらない。
彼女の今の戦い方で、対抗種の侵蝕を抑えることは不可能だ。
目の前の問題から逃げて、他人に戦闘を任せることもできなかった。生来の善性と責任感がそれを許さなかった。
だからどうにかして、誰も傷つかないように争いを避けようとした。そうして苦心した結果が、今では彼女の代名詞となった「平和主義」である。平和的な解決を求めるのは、何より自分が消耗しないためなのだ。

桐咲はなを使う立場にあるUGN幹部たちは、もちろんこのことを知っている。
彼女をこのまま戦わせるべきかどうかは幹部それぞれに意見が分かれているようだが、今のところは彼女自身の「まだ前線で働きたい」という希望が優先されている。

ギリシア神話に登場するニュンペー（ニンフ）のクローリス
クローリスは風神ゼピュロスと結婚して花と春を司る女神になったニュンペーであり、ローマ神話の花女神フローラとも同一視される
"クルーエル・クローリス"で"残酷なる花女神"の意味

コンセプト：《神速舞踏》のポテンシャルを最大限引き出すアタッカー
《雨粒の矢》+《ダンシングシミター》の基本コンボに《神速舞踏》を6回(7回)使用して命中固定値60(84)を乗せる
対象単体で良い時は《ダンシングシミター》のみで殴る

ナイフ：購入6/《シュガーラッシュ》でのLV増加用
スタンガン：購入7/ダメージを与えた時に硬直、シーン1回
ショックバトン：購入15/ダメージを与えた時に放心、シーン1回
パイルバンカー：購入13/ダメージロール+10、シナリオ3回
大量のナイフを投げる演出が好きなので、ナイフ以外の武器を購入することがあるかは微妙

《シングインザレイン》をできるだけ高いレベルで取る
火力強化："強振のピアス"《鋼の顎》《塞がれた世界》《完全なる世界》《オーバーロード》など
防御：《隠された世界》など
情報収集強化：〈調達〉を上げる、"レクリエーションチケット"など