きつめの容姿で近寄りがたい雰囲気があるが、話せば気さくでさっぱりとした性格であることがわかる。
　しかし、魔族及び妖魔に関しては話が通じないレベルで嫌悪しており、その時は冷酷無比な殺戮者の顔を見せる。
　基本的に難しいことを考えるのは苦手であり、人族の敵をすべて殲滅することに命を懸けている。同時に自身の地頭の悪さも理解しており、味方に知恵者がいる場合は指示に従い目の前の魔族を逃せるだけの自制心を持っている。

出自：狩人

　郊外に隠居していた養父の家の側に捨てられていた捨て子。
　本当の親は終ぞ見つからず、自立できるように養父から狩りの技術を叩きこまれた。
　当時、幼い彼女は疑問に思うことはなったが、ただの狩りの技術にしては対人を想定したものが多かった。
　養父が自身の過去をほとんど話さないことから、養父は国を追われる立場または要人ではないかと推測した。
　その推測はおおよそ当たっており、真実を知ったその日が今生の別れとなった。

境遇：義理の親

　別れは突然だった。ベルリール軍の将にあたる人間が養父を訪ねて来て、養父は戦争に駆り出されることになった。
　ぐずる彼女に養父は大事にしていた皮衣を託し、過去を話す。彼は国の暗部で秘密裏に国に害になりそうな人間や成り代わった妖魔を処理する仕事をしていたと明かす。隠居していたのは次の仕事までの長い休暇だったと・・・
　その後、聞こえてくる噂を総合すると此度の戦争の裏に魔族がおり、人間同士を争わせていたらしいことがわかった。
　養父は帰ってこなかった。ネスリンは今でもこの戦いが終わったのは、養父が魔族を見つけ出し、痛手を負わせたおかげだと思っている。

目的：復讐

　終戦後、魔族・妖魔狩りを生業とする冒険者として各地を転々とする。
　報酬の内容を吟味せず、妖魔や魔族が関わってるとされる依頼は片っ端から片づけて行った。
　養父は自身の使命に準じただけだと頭ではわかっている。だからと言って唯一の家族であった養父を奪った奴らを許すことは到底できなかったのだ。
　エリンディル大陸で妖魔の動きが活発になっていると聞けば、一も二もなく船に乗り、腕や足を負傷すれば機械化し、病魔や呪詛に侵されれば大金を積んででも治療してまた討伐に出る姿は、周囲から見たら狂人にしか見えなかった。
　彼女の性質から固定のギルドを組むことは少なく、たまたま同じ依頼を受ける冒険者のギルドに一時的に加入するということを繰り返している。
　すべてはこの世から魔族を根絶やしにするために・・・その過程でいくら人の血が流れようと彼女は躊躇することはないだろう。

「あんたが今回の協力者？短い間だけどよろしくー」
「サバイバル技術はお父さんに叩き込まれたからね。野営準備苦手なら手伝おうか？」
「魔族と融和？ありえないでしょ。そんな腑抜けたこと言うやつは魔族より先に射殺してやる」
「また逃げるのか魔族！何度蘇ろうと那由多の彼方まで追いかけて滅ぼしてやる！」
「人間が邪悪化したのが妖魔でしょ？じゃあ、魔族や妖魔に与する人間は妖魔と何が違うの？」

・ベルリール王国の片隅で養父にサバイバル技術や暗殺術を教わる。
・終戦後。冒険者となり、アルディオン大陸各地で魔族狩りに励む。
・エリンディル大陸で魔族の活動が活発化しているとの話を聞き、海を渡る。
・新天地での活動の中でアゼルと度々行動を共にすることがあった。魔族に対する考え方や実力から、気心置ける友人と思っている。
・本人は無頓着ではあるが、魔族・妖魔の討伐を延々と繰り返した結果、名のある冒険者として挙げられるほど神殿に貢献している。