設定・その他メモ

平穏無事な家庭に産まれていた。…その時代の中では。
ありふれた幸福とありふれた不幸の中で…。
両親のように幸せな人生を歩むのだと…思っていたの。

人食いの化け物と出会うまでは。

私は一晩で家族を失った。
そんな私を助け、養ってくれた人もまた…人食いの化け物だった。吸血鬼というのを知ったのは…もう少しだけ後のこと…。

その人は私に、ヒトの道を外れても心まで外れたりはしないという見本を見せてくれた。
新しい家族になって…一生懸命彼らなりの世渡りの仕方も教えてくれた。
…彼の役に立ちたくて…私は同じ道を外れても人に寄り添う行き方を選んだ。

この職場に来たのはひどく最近だ。恩師の故郷を守るためだ。
…そこで出会ったのが…運命の人…。
不幸なだけなら運命なんて信じないと息巻いてた私の世界を一瞬にして塗り替えた朝陽さんとの出会い。
わかりきった別れの訪れる…。眩しい出会いだった。