設定・その他メモ

御堂家の双子の次男として生まれた、ハズレの子。

兄様と同じく明るく素直な性格で、危なっかしいところがあり、裏稼業にはそこまで抵抗はなかった。
周囲とも仲良くやっていたが、兄様は特別で、兄様が本当は誰よりも優しく、だが周囲のために当主を務めようと頑張っていることを知っている。だから、兄様を一番尊敬していた。
兄様が当主になったらこの世界は優しくなるかもしれない。そのために、自分にできることは何でもしようと思っていた。

ある日父様が死に、兄様が当主になった。
周囲が変わってしまった。せっかく兄様が当主になったのに、兄様に冷たくなったようで。
とても大切に構ってはいるけれど、心が通っていないように思われた。
これでは兄様が寂しすぎる。
自分が支えられることはないかと、家の者に相談した先で――

――体をバラバラにされた。
叫び声はどこにも届かなかった。趣味が悪いことに、命を絶たないよう腕や足を切られた。
だが最後には、致命的な傷を受け、佐裏はその生を終えた。

気づいた時には生き返っていた。
たくさん実験されて、時空間を操れるように調整したそうだ。
そうして、兄様は当主から外れ、自分が当主を継ぐように言われた（ついでに血盟も結ぶよう）。
家の決定に逆らったら……いや、あんな実験をする奴らに逆らう者の気持ちが知れない。
兄様はボクの従者になってしまい、あの頃のように心を開いて話しをしてくれなくなった。
ボクはせめて、笑顔で。
兄様に仕事を振り、その裏で着々と計画を進めていた。願いを、叶えるために。

結局計画が明るみに出て、粛清されることになった。
兄様にありったけの恨み節をぶつけて、二度目……いやどうかな、何度目かな。
何度目かにして、完全に死んだ。

あの後はきっと、兄様が当主に返り咲いたんだろう。
兄様なら、優しい世界を作ってくれるよ。