設定・その他メモ

【キャラクター概要】
性格は明るめ、穏やか、マイペース、自我が強い。やりたくないことは基本的にやりたくないので、有無を言わさず笑顔で相手に押し付ける。
内実は非常に憶病で、弱い故に自身を正当化しようと自分に嘘を吐く。他人に嘘を吐いたことはない。

母親が妊娠中に吸血鬼に血を吸われたことで半鬼と化した存在で、産まれた時から半端者。
それでも母親は最初は育てようとして、しかし、十歳になると共に成長が止まったように見えるほどに緩やかになったのを見ると、姿を消した。

一人で生きるしかなくなり、家を出てあちこちを転々として、行く先々で見つけたコミュニティに所属して暮らした。
どのコミュニティも居心地は悪くなく、自らそこを出ようとは思わなかった。
コミュニティを抜ける時は、いつだってそのコミュニティが崩壊した時だった。仲間割れ、業血鬼に襲われて、理由は様々だった。
ただ、所属したコミュニティのすべてが、自分一人を残して壊滅した。
争いが起きるたびにただ怯えて、逃げて、隠れて、嵐のような暴力が、殺戮が、過ぎ去るのを待っていた。隠れた先が、積みあがった死体が崩れて作り出された、塵の中でも、震えることすら出来ずに死んだように隠れていた。

そうしてすべてが終わって外に這い出た時に目にするのは、瓦礫と血で染まった居場所で、塵越しに降り注いだ血で自らもまた血に濡れていた。

偶然が続けばいつかは必然となる。いつしか自分が、コミュニティを殺して回っていると噂が立つようになり、否定の言葉は意味をなさなくなった。
噂を信じずに受け入れてくれたコミュニティも、何度となく滅んで、それが続いたいつかになってようやく、SIDが業血鬼を追いかけてやってきた。
業血鬼とSIDの戦いの果て、争いが終わるの待って現れた自分に向けられたのは―――怪物を見るかのような瞳だった。
自分はただそこにいただけで、何もしていないというのに、それでもまるで怪物のように扱われるから、もしかしたら自分は、怪物なのかもしれない、と。
そう思うと少しだけ、自分一人が生き残る罪悪感が薄れるような気がして、息が出来た。

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