ミウの父親はシュラハト・シュワルツである。彼は偉大な冒険者であり操霊術師であったが、12年前、妻のイルザ・シュワルツと共に村を蛮族から防衛した後失踪。その後消息を絶ったため、直前に預けられたオリヴィエの下、ミウは人間と同じように育つ。

奪われ、騙され、利用され──しかし彼ら(シュワルツ夫妻)はそれでも優しく、強かった。確かな思いを未来に託し、二人の魂は寄り添うように還っていった。

『おやすみなさい、パパ、ママ』

魔動機文明時代に編み出されたこの並列魔導術は、イルザによって再び現代に確立された。それを(知らず知らずのうちに)受け継いだミウは、両親譲りの膨大な魔力と、オリヴィエ譲りの精密な魔力操作とを無意識に組み合わせることで、秘伝の極致に達していた。

「え？　ここに書いてあるじゃないですか、魔力の『増幅』と『分配』……ってあれ？　前読んだときには確かに……」
ミウ・シュワルツ談

自身の扱う並列魔導術の継承・発展のためユーシズで個人的に研究をしていたところ、七色のマナからヘッドハンティングされてんやわんやで特任准教授というポストについている。とはいえ人に魔法を教えるのは少しだけ苦手(本人談)なため、彼女の言っていることを理解できる学生はほとんど存在しない。担当講義は落単者続出で有名だが、様々な面で有名となっている彼女の授業を受けたいという学生は後を絶たず、毎学期初回の授業で『並列魔導術の応用論』にサインを貰おうとする学生の列ができるのが恒例行事となっている。

オペラさんはプリーストなのに前衛も務めてくれるすごい人です。私は神聖魔法も使えないですし前に立って戦うこともできないので、同じエルフとして尊敬します。私も皆さんの回復ができるように神聖魔法の勉強をしようかな、神聖魔法はアンデッドによく効くらしい、し……。

ロアさんはいつも前線で魔物を豪快になぎ倒していきます。私にもあれくらいの力があれば……なんて、そんなことを思ってしまうこともあるくらい、かっこよくて。最初の頃はロアさんのいう「にゃー」がどんな意味なのかよく分かりませんでしたけど、お勉強をしたら「にゃー♪」って感じで分かるようになりました。

ロアさんととても仲のいいライナさんは、常にパーティ全体のことを把握していて、何か問題が発生した時も冷静に対処してくれます。戦闘で魔物を的確に狙撃する姿もとても頼りになって、一緒に戦ってて安心できます。……今度お願いして銃を触らせてもらおうかな。

ハヴィさんはいつも元気で前向き、私たちのパーティを引っ張ってくれます。その前向きさと、自分より何回りも大きい魔物の攻撃を華麗に躱すその姿にいつも元気を貰えます。私の魔法で、ハヴィさんを援護してあげられればいいんですけど……もっと勉強したら何かしてあげられるようになるのかな。

ミーチャさんは私が知らない世界のことをたくさん知っていて、そのお話を聞くたびにすごくわくわくします。全く知らない言語があって、触れたことのない世界があるなんて、小さい頃は想像もできなかったな。魔術師としてもとても優秀で、付け焼刃の私なんかとは比べ物にならないくらい強いです。……もっときちんと習っておくべきだったかも。

マイさんは妖精さんと仲良しで、色々と不思議な魔法をつかって私たちを助けてくれます。以前はマイさんのことはあまり分からなかったんですけど、カクレザトで過ごしたことで少しは理解できるようになった……といいな。それにしても、カクレザトであった人たちは本当にすごかったな。私も早く、早く、強くならなきゃ。

モネさんはいつも最前線で魔物の攻撃を受け止めてくれます。他の前衛の皆さんと一緒に後衛の私たちを守ってくれるおかげで魔法に集中することができるので、感謝してもしきれません。……身長が高い人ってかっこいいな、私もまだ伸びるかな。

……嫌い、です。

絶対に私が見つけてあげるからね。

まだまだ力が足りない。今この瞬間にも動き出しているかもしれない。私が、何とかしないと。私が、終わらせないと。他の誰でもない、私が――。私がやらなくちゃいけない、できるよね。弱い私。

最近謎の頭痛がすることがあるんですけど、オペラさんの神聖魔法をかけてもらうとすっごく楽になるんです。結局頭痛の原因は分からないんですけど……。バトルソングを歌っている時のオペラさんはすっごく綺麗で、戦闘中なのに少し見とれちゃいそうになっちゃいます。今度お願いしたら聴かせてくれたりするかな？

私たちの頼れるリーダーです。私はPTの他の皆さんに比べて一人で適切な判断をすることが苦手なので、リーダーとして私を、私たちを引っ張って行ってくれるロアさんは本当にかっこよくて。……私も、あんな風になりたいって思います。まずは、胸を張ってリーダーについていけるように、置いていかれないように、頑張らなきゃ。

ライナさんには、どうやら複雑な出自があったみたいです。初めて知った時はびっくりしましたけど、かといって私があまり気にしすぎるのも良くないですよね。ライナさんにとって、ロアさんが、そしてこの場所が『家族』と呼べるものになっていければいいな。

ハヴィさんを見ていると、やっぱり自分はまだまだだなって思います。私よりずっと小さいのに、前に出て戦う勇敢さがあって、皆を鼓舞してくれる明るさがあって。そういうところを見ていると、私も頑張ろうって思えるんです、恥ずかしくてあまり言う機会が無いですけど……。あ、ハヴィさんの故郷にもいつか行ってみたいな、綺麗な石がたくさんあるらしいし。

私たちが一緒に行動するようになってしばらく経ちましたが、ミーチャさんと過ごしているとそれだけで新しい発見がたくさんあって本当に楽しいです。それだけじゃなくて、なんだか一緒にいるだけで落ち着けるような気がして……少し、小さいころのことを思い出しちゃってるのかもしれません。うう、子供っぽいところを見せないように気を付けないと。

マイさんの使う魔法は相変わらず私にはさっぱりですけど、PTの皆さんをそれぞれ的確にサポートしていて私も見習いたいなあっておもいます。私、戦闘では迷惑をかけてばかりだし……。あ、マイさんには色々お酒のことを教えてもらいました。今までお酒って飲んだことなかったんですけど、すっごくおいしくて。いっぱいお礼を言わないとですね。

モネさんはすごくしっかりしてて、細かい気づかいがとっても上手なので、私もよく助けられています。うう、これじゃほんとに子供みたい……。なんだか最近マイさんと揉めている？ところをよく見る気がします。仲がいいのに越したことは無いんですけど、喧嘩するほど仲がいいっていう言葉もありますし。でも、いったい何が原因なんだろう……？

最近お酒デビューしました。お酒にも色々種類があって、私にはまだ全然分からないんですけど、どうやらマイさんに教えてもらった限りでは『度』っていうものが強いほどすごいお酒なんだそうです！この間グランゼールのお酒屋さんで飲ませてもらったのはたしか……ええと、25度だった気がします。それでもすっごくおいしくて、ふわふわってなって、とにかくすごかったです！これからも色々なお酒が飲めるといいなぁ……♪

最近、背中の傷がよく痛むようになった。どうしてだろう。この傷ができた原因と何か関係があったりするのかな。

この本には私の知らなかった、お母さんにも教えてもらってない魔法がたくさん書いてある。魔力の方向性とか、環境が魔力に与える影響とか、今まで意識したことが無かった話も。……この本を全部理解できたとき、私はちゃんと一人でも戦えるようになるのかな。ううん、弱気になってちゃだめだよね。……二人を起こさないように少し明かりを弱くして、今日はもうちょっとだけ頑張ろう。

この間、オペラさ……ちゃんにぼーいふれんど(？)さんがいることが判明しました。なんだかすっごく大人です……。いつか私にもそんな人ができるのかなぁ、なんて。オペラちゃんみたいな気遣いもできてかわいい立派な女の子になれれば、素敵な王子様に出会える……のかも？

ロアちゃんはやっぱり頼れるリーダーさん！……だと思ってたんだけど、思えばいっつもちょうちょを探しているような気もするし、少し怪しいところもあるのかも。すっごくライナちゃんと仲が良くて、二人が一緒に居るところを眺めているとなんだかほのぼの……いやどきどき……？

そういえば、ライナちゃんってたくさんお酒を飲んだらどうなるんだろう？　うーん、すっごく気になる……酒場にいる冒険者さんたちみたいにすっごくハイテンションになったりするのかな、見てみたいかも。私はあんまりそういう感覚は分からないんだけど……。

ハヴィちゃん、雷を怖がってるよね、やっぱり。制御のせの字も分からないときにスパークに巻き込んじゃったり、ハヴィちゃんには悪いことをいっぱいしちゃってるなあ……。でも、雷ってかっこよくて綺麗でとってもいいと思うんだけど。雷で幻想的な光景を作り出す魔法とかがあったらいいのに。

最近みーちゃんにおすすめの本を教えてもらうようになってから知識の幅が広がってきた気がしてとても嬉しいです。たまに、色々な意味でよく分からない本もあるけど……。あんな知識もこんな知識も、全部魔力の考え方に応用できるんだよね。って、魔法のことばっか考えちゃってるなあ……楽しいからいいけど。

この間マイちゃんと行った酒場がすっごくいいところだったんです！　とってもおいしいお酒がたくさん飲めたんですけど、マイちゃんったら私の英雄譚を大声で……。流石にあの時は私も怒りました、それはもうぷんぷんになって……あれ？　どうしたんだっけ？

この間モネちゃんに「あんまりマイと酒場歩きばかりしてると良くないですよ」と言われました。皆そうですけど、特にモネちゃんは心配しすぎな気がします。私だってもう子供じゃないんだから、お酒の飲み方くらい分かるもん。それは、たまーに羽目を外しすぎちゃったりするけど……。

ニポンシューは正義です！

もう、無理はしない。でも、我慢もしない。だって私は『ミウ・シュワルツ』だもん。