【背景設定】
　ある日、ランドール地方を本拠点に置くマーレフィン傭兵団は作戦行動中に1つの大きなシャロウアビスを発見しました。そこで傭兵団長フィンセントが地図を確認すると、そこは本来マーレフィン傭兵団の兵站補給ポイントとして寄るはずだったムーア村があるはずでした。フィンセントはムーア村の住民がシャロウアビス内に取り残されている可能性があることから、数名の熟練兵を連れてシャロウアビスへ侵入しました。
　シャロウアビス内部には多少地形や環境に変化が見られるものの、ムーア村の様相を色濃く残しており傭兵達は直ぐに要救助者の捜索に当たりました。しかし時は既に遅かったようで、既にシャロウアビス内には複数の魔神が闊歩しており、また多くのムーア村の住民は死体と成り果てた姿で発見されました。やがて傭兵達が蔓延る魔神を掃討し終わり、住民達の死体を回収していると一人だけ残息奄々な状態で横たわる妊婦を発見しました。妊婦は既に致命傷を負っており、フィンセントにお腹の子だけでも助けてほしいと帝王切開することを望みました。フィンセントは断腸の思いで妊婦の願いを叶えると、彼女の死体を仲間に任せて哀れな赤ん坊を腕の中に抱え込みました。
　数年後、その時の赤ん坊はマーレフィン傭兵団長フィンセント・マーレフィンの息子としてアドラス・マーレフィンと名付けられました。同時に戦力的にも人間性的にも立派な傭兵へとなる為の修行としてアドラスはフィンセントから冒険者となることを勧められました。数年前の事件を切っ掛けにランドール地方中に存在する数多くのシャロウアビスや魔神の問題を解決したフィンセントは、英雄と呼ばれるようになっており、アドラスもそんな父に憧憬の念を抱いていました。そんな父の勧めを断ることなく、アドラスは英雄に夢と憧れを抱いて冒険者の道を歩み始めました。

【PC外交友関係】
『フィンセント・マーレフィン(42)』　　　　『ディア「D-1A」(27)』
種族：人間　性別：男性　　　　　　　　　　種族：戦闘型ルーンフォーク　性別：女性
職業：マーレフィン傭兵団団長　　　　　　　職業：マーレフィン傭兵団副団長＆会計
関係：義理の父親(憧憬)　　　　　　　　　　関係：元教育係(畏怖)

　そういえば当方が冒険者になる前に、頼もしき仲間に出会ったことを綴らなければなりませぬな！まず当方は父の教えのもと、街に向かったのでありまする。その道中で大きな廃墟を発見し、どうせなら此処で野宿しようと立ち入ったのが始まりでありました。そして、ふらふらと探索している時に今の彼らと出会ったのでありまする。最初は住人かと思いましたが、実は当方と同じであると知ったのでございまする。
　あ！時にそこで、当方は不可思議な経験をしたのである！誰のものでもない声を聞き、そして今、当方の相棒となっている必殺の剣を手にしたである！あ、勿論、団から貰い受けた大剣は売ることなく今も此処に有りまする。えっと、それで、我らはその廃墟に蔓延っていた悪人共の悉くを斬り伏せ、こぼるとのマダナイ殿と云う者を解放したのでありまする。ちなみに、廃墟の悪を一掃した後に、当方と志を同じにするリリナ殿とメロウ殿に出会ったのでありまする。
　父も、団の仲間も。今は当方の知らぬ所で正義を全うしているのでございましょうか。当方も...一秒でも早く、父のようにならねばなりませぬな。

　はるしかで日記帳を買ってみたので、早速書いてみようと思いまする。きっとこれが当方の英雄譚になるのでございましょう。まず我らは父の言う通り、冒険者になったのである！それで初めて依頼なるものを受けてみたのでありまする。内容はキノコ狩りと悪党退治でありました。そこで我らはキノコ狩り場を荒らす悪者の奸計を凌ぎ、そして狂暴化した彼の者らとの激戦の末に、悪者の悉くを退治することができたのでありまする。残念ながらキノコはなかった故、楽しみであった「きのこしちゅー」が食べられなかったのは少し残念でありましたが......
　しかし！帰路につく頃、ファ...なんとかメリアの双子殿と出会い、帰る場所を失くしてしまった彼女らをはるしかまで送り届けてしんぜました！困っている者は分け隔てなく助けるのが英雄であると信じていまする故、きっと父も褒めてくれるでありましょう！正義こそが真善美であり、真善美こそが真理なのでありますから！
　そういえば、依頼主殿のことでありまするが、なんとキノコが食べられないと知って、悲しみのあまり暴徒と化してしまったのでござる。皆、難しい顔、怖い顔をしておりました。当方と同じ志を持つ、リリナ殿によって依頼主殿は鎮圧されたのだが、いやはや。食べ物の恨みとはやはり恐ろしいものでありまする......

　2日目と書き申したが、実際は何日も経っていることに留意して下され！さて今回の依頼は前回に関連したものとのこと！どうやら、或る集落が悪に飲み込まれようとしているらしく、その集落がある場所こそ昨日のキノコ狩りの場付近である故、その土地を少し知る当方らが選ばれたのでありまする。地理への理解度は戦勝への期待度と比例する。やはり父の教えは偉大この上なかろうぞ！
　して、当方らは早馬に跨り、早速その集落へと馳せ参じたのである。すると依頼主であるジャック殿と顔合わせをしたその瞬間、集落を狙う悪しき者共が襲撃をかけてきたのでありまする。無論、当方らの強き正義に勝る者無く、悪しき者共を降したのでありまするが！その後は......その集落の周りを探索したり、時折来たる悪人共を倒したりと忙しない一日であった！ちなみに当方、不寝番も致したのでありまする！傭兵団の頃は当方も夜闇の悪に慄きましたが...今はもう怖くはありませぬ！この成長に父も喜んでくださるでありましょうか...
　そう言えば、アルゴ殿...あっ！アルゴ殿は当方の友人であり仲間でありまする！して、そのアルゴ殿の様子が終始優れないのは何故でございましょう？疲労でも溜まっているのでありましょうか...？

　ここからがクライマックスでございまする！うぇっほん！...もう一人の仲間であるラナ殿の招集を受け、当方らは依頼主であるジャック殿と共に、ある部屋へと集合したのでありまする。どうやらアルゴ殿についての話だったようで......おっと、内容は難しい話だった故、当方が理解出来たか否かは...うむ。いわゆるご愛嬌というものでありましょう！とて、アルゴ殿の過去が本件に関わっていたということは、当方にも理解できたのでございまする。ラナ殿の真実に対する追究はアルゴ殿には耐え難いものだったようで、今までのその冷静沈着なアルゴ殿があんなにも取り乱すとは...当方、ビックリしたでございまする。
　その後、死人と化したアルゴ殿の旧友殿と相対したのでありまするが......気を持ち直したアルゴ殿により、その旧友殿は再び永久の眠りについたのでありまする。友の手で葬られたのである。きっと旧友殿も本望であったろうぞ。しかしこれで、アルゴ殿が再び前を向いて歩きだせるのであれば、友であり仲間である当方にとって喜ばしきことでございまる。
　父よ、団の仲間よ、どうか当方を見守っていてくだされ。きっと無辜の人々を救う、そんな偉大な英雄になってしんぜようぞ！そう、それこそ尊敬せし父のように！