本名ラウラ・ディ・トスカーナ。
ハーヴェスの建国に寄与した由緒正しいトスカーナ家の子として産まれた。女かつ末っ子であったこともあり、一族を継ぐことは期待されていなかったことから、家族から関心を向けられることなく幼少期を過ごす。
家にいる時は専ら本を読んで過ごす。魔動機文明時代に書かれたという子供向けの冒険物語が中心であったせいか、物語の結末がハッピーエンドでないと気が済まない性格になってしまった。
特にお目付け役もいなかったので、隙を見ては家を抜け出してゴダの森で野草採取や動物観察に勤しんでいた。現在の野伏としての腕はこの時に培われた。

10歳の時、いつものように家を抜け出して街をぶらついていると怪しい風貌の2人組がこそこそと動いているのが見えた。大きな屋敷から出てきたところであり、なにやら慌ていた様子だ。何かあったのかと2人を追跡することにした。しかし、子供の足で大人に追いつけるわけもなく見失ってしまう。
どうしたものかと立ち尽くしていると、何人もの衛兵に囲まれてしまった。どうやら衛兵は強盗を追っていたようであり、自分がその犯人だと決めつけられてしまい拘束されることになった。

聞いたところによると、強盗に入られた屋敷はトスカーナ家と対立している家系のものであったとのこと。トスカーナ家の人間がそのような犯行に及んだとすれば、一大スキャンダルとなるだろう。冷ややかな扱いを受けてきたものの、トスカーナ家の家紋に泥を塗るわけにはいかない。必死に濡れ衣だと主張した。
しかし、それが聞き入れられることはなかった。

絶望の最中、場違いに明るい声が聞こえてくる。顔を上げるとそこには鹿撃ち帽を被りコートを羽織った男性がそこにいた。ヴァグランツとして活動している探偵だと名乗った彼は、あれよあれよという間に犯行現場を調べ上げ、自分の濡れ衣を晴らすだけでなく犯人の2人組の男を見つけ出すことにも成功した。彼の披露する論理と推理の劇場を前に自分はただ聞き惚れることしかできなかった。
いつかこの人のような探偵になってみたいと心の底から思った。

謎を解き明かすと彼は礼を言う間もなく、去って行った。彼のもとで探偵としてのノウハウを学びたいと思っていたのに……。彼はヴァグランツとしても活動していると言っていた。いつか自分も力をつけて彼を見つけ出し、改めて礼を言わなければ。その日から必死に鍛練に励むことにした、

成人後、ハーヴェスにある探偵事務所を訪ね、そこで働くことにした。そこは〈始まりの剣〉級の冒険者が所属しているという。ここで探偵として、冒険者として経験を積み、彼を見つけ出す。そして、彼に匹敵するほどの存在になるのだ。

ちなみに冒険者として活動していることはトスカーナ家には知らせていない。その上知られると面倒ごとになること間違いなしなので、所長の勧めで偽名で活動することになった。ハララという名は以前読んだ探偵小説の登場人物から拝借した。

A-1-6 憧れる冒険者がいる
C-4-5 濡れ衣を着させられたことがある
B-2-6 本から大きな影響を受けたことがある

生まれた環境　61-62:貴族(都市)
その都市や国家の設立に寄与した伝統のある家門に生まれた。地位と権力を持ち、裕福で安定した生活と保障をされた将来があった。だが、優れた教育を受ける中、疑問と違和感も大きくなっていった。

貴族が冒険に出た理油　2:克己
家系と血筋に守られるのではなく、自らの力で生き方を見つけるために。