本名はシレンシオ・コルデ。

ブルライト地方の人間とエルフが暮らす村に、人間の夫と子供2人で慎ましくも幸せに暮らしていた。
静寂という意味をもつ名前の通り、落ち着いた淑女として村では知られていた。

しかし突然の蛮族の侵攻により、幸せな平穏は脆くも崩れ去り、小さな村は抵抗する間も無く蹂躙される。
夫と子供を無残に殺され、自身も蛮族の手にかかって片眼を失ったが、運良く逃げ出すことができた。

死に物狂いで逃げ出して、振り返れば村は真っ赤に染め上げられ、何もかもが炎に包まれていた。愛する夫とささやかな式を挙げた小さな教会も、子供達と遊んだ小川のほとりも、なにもかもが揺らめく陽炎の中に消えてしまった。

逃げて、逃げて、逃げた先に辿り着いたのがミリッツァ神殿だったのは、天啓だったのかもしれない。
神殿に保護され、短くない時間をかけてようやく心身を癒した彼女は、シレンシオという名を捨ててシスターとして勤めることになる。

もはや私の思い出は、あの陽炎の先で蜃気楼のように消えてしまった。
であればこそ、あの幻を忘れまい。
復讐に燃えるこの心に、もはや静寂が訪れることはなく。
あの蜃気楼と果てた思い出を、復讐を、決して胸から絶やさぬように…。

蜃気楼《ミラージ》と名を変えた彼女は、同じような境遇を持つ神官と共に孤児院に配属された。

この手で復讐を果たしたいと願ってはいたものの、村を襲った蛮族は彼女が療養している間に冒険者によって討伐された。

以来、弱者を蔑ろにするものへの怒りや憎しみ、愛する者を失った喪失感、自分で仇が討てなかった無力感など、そういった感情を心の奥底に封じ込め、「シスター・コルデ」として、沢山の子供の面倒を見ている。

たとえミリッツァ神の御言葉を聞くことはできなくとも面倒見の良い彼女は孤児院の誰からも愛されている。
ミリッツァの教義に則り、弱者を守るために魔道機術の技術を磨くうちに、いつしかいっぱしの銃使いと成長していた。
今では、孤児院の維持費を稼ぐため、シスターとの二足の草鞋で冒険者稼業にも精を出している。

普段は穏やかな微笑を浮かべているものの、もし弱者を虐げる悪が目の前に現れたなら、それの額に風穴を開けるまで、決して逃す事は無いだろう。

年表
20歳　結婚
25歳　死別・ミリッツァ神殿で保護
~31歳　療養→シスターに
35歳　ミリッツァ孤児院に配属

一人称：私
二人称：あなた、〜さん、〜ちゃん、〜くん
物腰柔らかく、丁寧な言葉遣い

シーリィ
呼び方：シーリィちゃん

カルロ
呼び方：カルロくん

カエリィ
呼び方：カエリィさん

タルーガ
呼び方：タルーガさん