【アルバート魔剣抜刀術】
(ノトス地方)- 入門条件
- 50名誉点
ランズマン家は魔動機文明時代初頭から頭角を現した魔剣鍛冶師の一族であり、初代アルバート=ランズマンは祭器(第三世代)にも匹敵するほどの魔剣を生み出すことができたと考えられています(もちろん、それはただの言い伝えですが)。
アルバートは元々ケルディオン大陸を旅していた流浪の剣士であり、剣の腕はいいものの、エルフにあるまじき怪力で戦いの途中にいくつもの武器を壊してしまう欠点がありました。そんな彼は偶然訪れた街で、のちに彼の妻となる鍛冶師と出会います。彼女は人間の女性で、鍛冶師としてだけでなく冒険者としても名を馳せた魔法使いでした。彼女はアルバートの剣を見てその戦い方や彼の故郷の剣に興味を持ち、魔法と剣を組み合わせた魔法剣の製作を提案しました。アルバートは最初こそ乗り気ではなかったものの、彼女の熱意と才能に押し負けて共同作業を始めることになり、二人は試行錯誤しながら互いに惹かれ合っていきました。そして、長い道のりを経て完成したのが【ランズマン・ブレード】と呼ばれる魔剣です。
この魔剣は魔法の力を増幅させて広範囲へ影響を及ぼす特殊な刀です。ただし、その代償に剣自体は非常にもろく、一度使えば破壊されてしまうという欠点がありました。簡易的に武器を生み出す技術を取り入れる必要があったものの、武器を乱雑に扱ってしまうアルバートの剣術には最適と言っても過言ではなく、それから彼の剣は驚異的な強さを見せました。
アルバートと彼女はその後も様々な冒険に挑み、強敵と戦うことで魔剣の扱いを極めていきました。しかし、2人はその強さを買われて徴兵されてしまいます。当時隣国であったイルクーツ帝国との大戦が勃発し、街は恐慌の渦に包まれることとなりました。アルバートは国のため人々を守っていたものの、敵の猛攻に耐えられず敗戦が目前へと迫っていました。そこでアルバートは彼女に別れを告げ、魔剣を手に敵陣へ突入することを決意しました。彼は自分の命と引き換えに【ランズマン・ブレード】の力を開放させ、大爆発を引き起こしたのです。その爆発の余波はノトス地方西部全域まで影響を及ぼしたと伝えられています。
最愛の人を失った彼女はその後、国を離れ流浪の旅を再開しましたが、かつての笑顔が戻ることはありませんでした。しかし、人々を救った彼の剣は伝説となり、彼女が出会った人々や弟子たちは、その技術を絶やさぬように受け継いでいきました。
この流派は現在も存続しており、ランズマン家の子孫や門下生たちによって伝えられています。彼らはいつの日か、再びランズマンの伝説が復活することを信じています。
【アルバート魔剣抜刀術】
流派装備
この流派では、カードホルダーと一体化した刀の鞘が伝わっています。この流派の求める戦える鍛冶師として、必要な要素を全て兼ね備えているとされています。
美しい装飾が施された鞘は、一部の門下生にファッションとしても親しまれており、この流派の存在以上に有名なものとなっています。
名称 | 知名度 | カテゴリ | 価格 | 概要 |
---|---|---|---|---|
〈ホロウシース〉 | 9/14 | 装飾品:腰 | 1,000 +30名誉点 | 【アルバート魔剣抜刀術】の秘伝《窮地の鼠は神速より疾く》を使用可能にする。〈アルケミーキット〉を兼ねる |
〈マナフリント〉 | 6/10 | 冒険道具類(消耗品) | 300 | 《贋作はやがて真理に至る》のMPを軽減する |
秘伝
この流派には伝えられていませんが、【ランズマン・ブレード】を持つキャラクターは、《贋作はやがて真理に至る》が必要な前提を無視して各種秘伝を習得することができます。
《贋作はやがて真理に至る》
- 必要名誉点
- 20
- タイプ
- 常時型
- 前提
- 【インスタントウェポン】
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 特殊な武器を現出させることができる
- 効果
秘伝習得者が主動作で賦術【インスタントウェポン】(⇒『Ⅲ』204頁、『MA』177頁)を使用したとき、現出させる武器に特殊効果を与えることができます。この効果を使用した【インスタントウェポン】は、Aランク以上のマテリアルカードを消費しなければならず、カテゴリは〈ソード〉に限定されます。また、現出時に1dを振り、以下の表に応じた魔法の効果が「抵抗:必中」で武器の装備者に与えられます。表の結果を確認したあとで対象を決定することも可能です。このとき、秘伝使用者は指定されたMPを強制的に消費させなければならず、消費できない場合、この秘伝の効果は受けられません。すでに装備者が受けている効果が指定された場合も、同様にMPを消費しなければなりません。属性を付与する効果については、「属性を付与する魔法」(⇒『MA』64頁)の原則に従って、同じ属性の効果しか適用されません。
この武器によって与えられる効果は秘伝使用者の意思では解除できず、強制的に解除することもできません(【パーフェクト・キャンセレーション】などにより武器自体が消滅した場合は特殊効果も同時に消滅します)。また、この特殊効果はあくまでも武器によってもたらされたものであり、装備者が変更されれば、元の装備者が受けた効果は消滅し、新たな装備者が同様の効果を受けます。この武器とほかの武器を2つ以上装備している場合でも、そのすべてに特殊効果が適用されます。1d 発生する効果 参照 消費MP 1 【ファナティシズム】 『Ⅰ』255頁、『MA』79頁 3 2 【ファイア・ウェポン】 『Ⅰ』256頁、『MA』80頁 4 3 【アイシクル・ウェポン】 『Ⅱ』163頁、『MA』81頁 5 4 【ソニック・ウェポン】 『Ⅲ』151頁、『MA』84頁 8 5 【スペル・エンハンス】 『Ⅰ』258頁、『MA』80頁 3 6 【ヘイスト】 『Ⅲ』150頁、『MA』83頁 18
《姿なき運命に抗え》
《姿なき運命に叛け》
- 必要名誉点
- 20
30
- タイプ
- 主動作型
- 前提
- 《贋作はやがて真理に至る》
《魔法拡大/確実化》《姿なき運命に抗え》
- 限定条件
- なし
- 使用
- ―
- 適用
- ―
- リスク
- ―
- 概要
- 特殊効果の種類をある程度制御する
- 効果
主動作として【インスタントウェポン】を使用します。賦術判定に成功した場合、《姿なき運命に抗え》では、特殊効果を決定する1dを2回振り、任意の出目を採用できます。複数を対象にする場合、それぞれごとに1dを2回振ることができます。《姿なき運命に叛け》では、サイコロを振らず、任意の特殊効果1つを選んで適用することができます。複数を対象にする場合、それぞれごとに特殊効果を選択します。
この秘伝の特性上、《贋作はやがて真理に至る》での【インスタントウェポン】しか、実質的な効果はありません。
《窮地の鼠は神速より疾く》
- 必要名誉点
- 50
- タイプ
- 独自宣言型
- 前提
- 《贋作はやがて真理に至る》
- 限定条件
- 〈ホロウシース〉
- 使用
- ―
- 適用
- 1回の賦術
- リスク
- なし
- 概要
- 【インスタントウェポン】で現出した武器で即座に攻撃する、C値-1
- 効果
この秘伝は、主動作で【インスタントウェポン】を、秘伝使用者のみ対象として使用するときに宣言できます。
賦術判定に成功したら、現出した武器を即座に装備し(〈ホロウシース〉に収納されている状態で現出し、例外的に「武器の持ち替え」によって装備します)、その武器を用いて近接攻撃を行います。攻撃が命中したら、クリティカル値を-1してダメージを算出します(この効果でクリティカル値が7以下となることはありません)。この攻撃に対して《両手利き》などの、追加で何らしかの行動を許したりする特技や秘伝は全て無効です。
武器を装備する手が塞がっている場合、その武器は〈ホロウシース〉に収納されたままとなり、近接攻撃は行えません。