ある日 ある夜 ある雨の日に、とあるヴァグランツに救われた。ボロボロの身体を修復してもらい、愛情持って育てられた。名前と存在意義を貰った。
護身おろか、戦闘手段を持たなかった己の存在を、主人を筆頭としたヴァグランツと冒険者の混合パーティーは、快く受け入れてくれた。
平和であった。彼らの帰り場所を整えることに尽力し、料理も掃除も洗濯も、支出管理や、最適な休息方法諸々の研究をした。
いついかなる時も皆、欠けることなく帰ってきた。自分はこの職が天職だったのだろう。
こんな日が続けばいいと思っていた

しかしある日 ある夜 ある雨の日に、主人を失った
奇しくも、主人を失ったのは出会った人同じ雨の夜だった──
目の前で、アレの凶刃に貫かれた主人に、当時、何も手段を持っていなかった己は、血だまりの中心で倒れている主人に駆け寄り、声をかけ続ける事しかできなかった。
主人が最も愛用していた武器も、海に落ちてしまった。

なんて
なんて
なんて
無力なんだ


彼は再び旅に出る。主人が最期に言った言葉を胸に
例え才能がなかろうと、例え荷が重かろうと
銃を持つと決めたのだ

ケルディオン大陸東側 マーガハルード地方の最東端にある要塞国家
マーガハルード地方にて唯一の都市国家。植物の侵攻から逃れた民が目指す要塞都市。その特性故老若男女多くの種族が集い生活する多民族国家。全ての民がこの都市の終末を受け入れ、それでも尚最期まで抗い続ける戦士達の国。僅かでも自分たちが生きた証を刻むため、今日も彼らは学び、戦い、笑いあう

　分かっている。主人(ジェーニャ)の命は瞬きの間であることくらい。
　この手は、あの人に触れるには些か無骨すぎやしないか。出来る限り左手の使用頻度を上げよう
ベレズエット…どうか、見守っていてくれ。当機体が動かなくなるまで。貴方には届かないだろうけど、貴方が目指したように、貴方が願ったように

覚醒
感度不調
視力部分一部損傷
右腕、左脚損失
現在地：不明（後にケルディオン大陸マーガハルード地方であることが判明）
気象：雨
大破原因不明
痕跡なし
記録媒体なし
当機体名称…不明

解明不能


私は
どうやら、とある冒険者と放浪者の混合パーティーに拾われたようだ

意識が不安定
損傷が激しい
ない、みえない、背が痛い

記録終了

パーティーの一員として家事全般を担うこととなった。
洗濯、掃除、購買、調節、修理、管理、調理……リスト制作必須
・卵は○○商店が安い
・穀類は直接商会から買い付け
・2番街大通りにて昼から市場が展開
・スパイスは保存に効果的。買い置き必須。商会で注文する

腕をもらった
主人が簡易義手を制作してくれた
具合は悪くない

記録終了



なぜ
わたしは
けがを
おっていたのだろうか

もうこの身は信頼に値しないだろう
私はいつか、いや、もしかしたらそう遠くない未来に彼らを裏切ってしまうかもしれない

彼ら彼女らに栄光があらんことを

栄光なき：最初の自動成功時強制振りなおし
醜悪な：　携行時　武具の見た目が悪く、魅力がない。売却する際、基本取引価格の4分の1の価格で売却する。さらに冒険者ランク（『Ⅱ』137頁）が1段階低いものとして扱われる。
死に近い：携行時　常に生死判定に「冒険者レベル」と同じ値のペナルティ修正を受ける。
悪臭放つ：　携行時　強い悪臭を放つ。所持しているだけで他のキャラクターに不快感を与え、隠密判定に-2のペナルティ修正を受ける。さらに冒険者ランク（『Ⅱ』137頁）が1段階低いものとして扱われる
つきまとう：携行時　この武具以外での回避力判定に-4のペナルティ修正を受ける。
差別の：装備時　特定の分類に対して与える物理ダメージ・魔法ダメージが2点減少する。分類→「動物」

彼方に瞬く幸福の夢/種子の影響：最大HP8永久減少 ※1シナリオ通過ごとに最大HP1減少
2章3話/謎ポーション：最大MP1増加
キメラティック・バレット：最大HP9永久減少

バトラー

見識判定

（知力）「Ⅰ」114

文献判定

（知力）「Ⅰ」115

家計知識判定

（知力度）対象の名前や容姿、家門、交友関係などから、その人の物がどんな家系なのかを知るための判定。貴族や偉人、権力者などの有名人であるほど目標値は低くなる。身分を隠していたり、貴族の隠し子であった利する場合は困難となる。一般的な平民相手には、殆ど意味のない判定

整理整頓判定

（器用度）部屋を掃除したり、整頓をしたりする判定。

統率判定

（精神力）部下に指示や命令を出し、それに迅速に実行させるための判定。訓練された部下への一般的な指示を出すのに判定は必要ないが、突発的な事態や複雑な状況、特に命の危険が予想される場面などでは、相応に達成値が必要となる。統率する人数が多くなれば、それだけ必要とされる達成値も高くなる

社交判定

（知力）上流階級などの知識人や権力者といった人々と、そつなく会話をするための判定。専門家には及ばないが、どのような話題でも話を途切れさせず、継続することが出来る。

作法判定

（知力度）状況に応じた礼儀作法を行える

→5Lvボーナス 作法判定に＋１

家政夫(ハウスキーパー)

料理判定

（器用度）食材や調味料を組み合わせ調理師、料理を作り出す

整理整頓判定

（器用度）部屋を掃除したり、整頓をしたりする判定

作法判定

（知力度）状況に応じた礼儀作法を行える

→5Lvボーナス 掃除整頓判定に＋１

理髪師(バーバー)

応急手当判定

（器用度）「Ⅰ」109

変装判定

（器用度）「Ⅰ」110

簡易外科判定

（器用度）目に見える傷など、切開や縫合で治すための行為

理髪判定

（器用度）髪を結ったり切ったり、髭を剃ったり眉を整えたり、化粧したりして、身だしなみを整える為の行為

学生(スカラー)(魔動機学)

見識判定

(知力)「1」P114

文献判定

(知力)「1」P115

博物判定

(知力) 所要時間10分(60ラウンド)：幅広い分野について深い知識を持っているかの判定。専門に問わずあらゆる分野の知識について判定を行える。ただし、専門家による判定よりも目標値が2～4高くなる(GM判断)　/ 専門分野判定(知力)所要時間10分(60ラウンド)：専門分野についての知識を活かす為の判定。技能習得者は専門分野を1つ定める。知識判定や病気知識判定などから選ぶんでも可。あるいは独自に設定しても可(鉱物学判定、歴史学判定、など) ただし、魔物の弱点は見抜くことが出来ない

　→LV5ボーナス 専門分野+1種 あるいは専門分野1種の反映に+2

“眠れる独眼竜”ニコ

情報屋（人間/男/42歳）
ギャングスタ10LV（・ファイター）
薄暗い路地裏を根城にしている情報屋
情報量を支払えば、必要としている情報を収集してくれる。
ニコに情報収集を頼んだ場合、翌日には結果を報告してくれる。急いで情報を集めてほしい場合は追加料金を支払うことで短縮可能。
顔見知り：重要度がさして高くない（1000Ｇ以下の）情報を収集してくれる。同時に情報取集を頼めるのは1件のみ

“葛山屋敷の主”クリマコ・デシ・モーテルセロ

ガラクタ屋（ハイマン/男/22歳）
インベンター11LV・リペアラー8LV（・マギテック・セージ）
街の郊外のぼろ屋敷に住み、壊れた魔動機械を修理したり、それを組み合わせて奇天烈な魔動機械を生み出したりしている自称“発明家”
クリマコには、オリジナルの魔動機制作や修理の依頼が可能。彼が作成した機器の大半が有益な効果を持つ反面、欠陥を持っている（1回の使用で壊れる等）
顔見知り：新開発した魔動機械を無料で貸し与えられ、実用実験を頼まれる。

あの夢から数か月。今のところ身体に以上なし
否──体力の衰えを若干感じなくもない。
ただ、この感覚が疲労の影響か、精神面の不調なのか、それとも──なのか 判別はつかない。
杞憂だと良い

もう眠たい

種子による生命力の消耗・搾取
一か月(1シナリオ)ごとに最大HPの減少

彼女の姿が見当たらない

心惹かれる“なにか”があったのか、あるいは“ひと”か。何れにせよ心は遙か遠く迄。風のように自由な彼女のことだ。一箇所に属し、留まるなど似合わぬだろう。彼女は生来の生き方を選んだだけ。誰がその人となりを咎めよう。

『坊主はそれでいいのか』

そうだな。マニングやニーマンスが憂いを帯びた顔をしていた。それは悲しい

『ちがう。おまえのこと』

他人の選択を否定するなど烏滸がましい
惹かれたものに手を伸ばす。それが彼女なのだろう。きっと

『綺麗ごと』
『変な顔』

見えていない癖に

風が頬を撫ぜる
この身体は重すぎる。地に縫い止めて疾風吹けどもビクともしない。

ナニかが喉までつっかえている。きっと吐き出してはならないものだ。

“主に逆らうなかれ”
“主人の存在こそが生きる全て”
“全部捨て去ってしまえばいいだろ？”


なに？
何かが混ざった

眼前にいるのは だれ


鼓動が早い
身体が熱い
頭が揺らぐ
吐き気がこみ上げる
指先が痺れる
無い手足が締め付けられる
視界が罅割れる

心臓の下を何かが蠢いていて、肉や神経を好き勝手に裂いてぶちぶちと引きちぎっているような痛み
声にならない叫びをあげながら、体の中心を暴れ回り喰い散らかす“ナニか”の暴挙を止めようと、蹲り、抱える

『ーー！』
『ー！？ ーー、』

遠くから声が聴こえる。
とおく、いや、ちがうか。この声はあの仔犬だ
其れに答える間もなく、視界は黒く染まっていった

アザの発現
心臓を中心に根が広がるような跡が徐々に拡がりゆく

ハナは克服した。

種に刻み込まれた限界を越え、美しく咲き誇る生を得た

それは、超越した存在に至ったのか、
神の恩寵か、受けられない神変か
奇跡の御業か、見えない祝福か
文明の技術か、触れられない霊異か
はたまた呪いなのか
詳細は語られぬ
しかし、事実はある。
ハナは今も尚美しく咲き誇っているのである。

人形は安堵し、尊び、慈しみ、ココロの底から祝福した

人形はようやく得たのだ。
消えない灯(あるじ)を
ようやく

█人目にて────

そのハナは途絶えた

至極当然のことである
種に刻まれた自然の理に逆らうことなどできるものか
ハナは夜を受け入れた

人形はわからなかった。りかいできなかった。
ハナを
自然を
己を

何故ハナは穏やかなのか
何故大地は愛する者たちを連れ去るのか
何故己は────

人形に名はない
故にであるか、
この胸に渦巻く靄にすら、名をつけることが出来なかった。
　彼女はあるべき場所に還ったことは喜ばしいこと？
　置いて逝くことが確定しているというのに何故主になった？
　また独りだ。どうせ何もできやしない
　　分からない　分かりたくもない　もう、どうでもいい
自然に愛されない者(ルーンフォーク)であった人形は
たった一輪の、小さな花を守るため
大樹のフリをする

その愚かさを讃え、
人は彼のことを

花守(はなもり)と呼んだ

「嗚呼、此の姿を見て動きが止まったな。矢張りお前は本物か」

「何故此の地(アルフレイム)にいるのか聞きたいとこだが……そうしかめっ面しなさんな」

「『何故その形をしているか』って？ 大変耳が痛い至極真っ当な質問だが私が聞きたいね。気が付いたらこの姿…こちらこそ御免蒙りたい」

「いい加減その銃降ろしてくれよ。争いはしたくない。我が本体に保存してある記録と酷似した特徴をもつ冒険者が花を守ってると聞き、この眼で確かめんと赴いた次第」

「『つべこべ言わず正体えを出せ』？ 嗚呼そいつは御最も。まだ名乗ってすらいなかった」


「お前なら分かるだろう。ベレズエット・リロードが名づけた銃の名を」
「我が名はレーゲン。レーゲン＝マスカレード」
「訳あって体を得た銃。主を探しに東西奔走する放浪者(ヴァグランツ)」


「同じ主に名づけられたモノ同士、引き金緩めて話そうや」

【手記に記録することが出来ません】
【当データは確定した未来となります】
【確定した未来である限り、不確定な未来を記す当手記に記すことは不可能です】
【よって、データは自動的に移行されます】
　　＊
　　＊
【データ移行が完了しました】

腹部が熱い

これが彼女を思い詰めさせた咎か

肺が灼ける

これが何もせずに受動的なままであった己に下された罰か

体重を支え切れない


ならば受け入れるいかあるまい
貴女が下したせん択であれば尚のこと

手先が痺れる



私はアナタのなに者かになれましたか？

汗が滲む




アカシ　きざめま　したか？

視界がぼやける



ああ　あなたとの　　や　そくを　　まだ　はたせ　いな

熱が喉を伝う






ど　かふり　えらな　で

呼吸が出来ない












「眩いあなたのまえでは」

何も知らない






「どのハナも、かすんで見えてしまうから」

何も見えない










何も言えない

https://youtu.be/qCrg_UVqjGs

──大開花は(フローリス･トライアンフ)は避けられぬ宿命であった──

目前の大樹に標準を合わせ、最早使えぬ脚を無理矢理奮い立たせる

　我が故郷は陥落した。しかしこの志は不滅なり
　例え砦が崩されようと
　例え王がその身を捧げようと
　例え街の大半が飲み込まれようと
　屈することなくこの大地に刻み付けよう
　我らが生きた証を

騎士は見据え、構える
後続の仲間に託す為

騎士は息を吸い、命を燃やす
燃ゆる巨木を灼き穿つ大砲の熱を一身に受け止める

騎士は呟き、微笑む
　我が道に果てはあり
　しかし君たちの路には光があるだろう
　前を向いて進め




騎士は───

https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/sw2.5/?mode=edit&id=X5Eyjj

【手記に記録することが出来ません】
【当データは確定した未来となります】
【確定した未来である限り、不確定な未来を記す当手記に記すことは不可能です】
【よって、データは自動的に移行されます】
　　＊
　　＊
　　＊
【データ移行が完了しました】

AD311年 魔神と森の使者による同時多発侵攻により
ある日 ある夜 ある雨の日に、
その都市は
予言のとおり、みどりにつつまれました 最後の砦であった蒸気機構都市は陥落した
“つた”がからんで 塀を乗り越え
“えだ”がはえて 象徴の城を壊し
“ね”をのばし 安寧の土地を飲み込み
“はな”がさきほこって 生きる民を蝕んだ

その都市はみどりにつつまれました
機械と人で汚れた地は
美しいみどりでいっぱいになりました
都市は歴史に切り捨てられたものたち(もえるようなみどり)に犯し殺し喰らい尽くされた
もう人なんかいません！ 人族は蔦で絞められ毒に倒れ
ここは、ケモノとムシとみどりのくに 魔獣や魔神が跋扈する大地に変貌した
すてきなすてきなみどりのくに
皮肉にも、蹂躙された大地は花々と緑溢れ、息を飲むほど美しかったのだ

ある日 ある夜 ある雨の日に
魂が満ち、花開く　　血も涙もとうに枯れ果てた
”種”は発芽した　　眼を閉じることは許されず眼前の光景を見せつけられる

これは愛だ　　俺はいつから間違えた？
母なる大地から離れ、苦難と絶望の世界に進まんとする我が子を守るため　　守ろうとするほど傷つける　
還っておいで　　手を伸ばせば歪めてしまう
おいで　おいで　　消えたい　終わらせたい

　変質した愛は民を蝕む　　誰も傷つけたくないのに
　抱くように潰し　　何も壊したくないのに
　謳うように飲み込んだ　　止まれとまれ、やめろ　
　──やはり、無知とは罪なのだ
＊
AD311
マーガハルード地方 都市ツェルニ 陥落

「嗚呼、此の姿を見て動きが止まったな。まだ自我が残っているか。幸いか…あるいは眠れぬ不幸か」

「……違う。残念ながら私は彼じゃない。お前と主の約束は我が本体に保持されてある。だからこそ否定が心苦しいのだが……優しい嘘をつける隙があればよかった。しかし慈悲をかけるにはお前は傷つきすぎた」

「すまない」

「お前なら分かるだろう。ベレズエット・リロードが名づけた銃の名を」
「我が名はレーゲン。レーゲン＝マスカレード」
「訳あって体を得た銃。主の元へ還る為東西奔走した放浪者(ヴァグランツ)」


「同じ主に名づけられたモノ同士、引き金締めて終わらせようか」