ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

エリカ・グラシエス - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

銀雪の御令嬢(ギンセツノフラウ)エリカ・グラシエス

プレイヤー:ルンバ

私は取り戻す
地位も名誉も、貴方の心も」

種族
人間
年齢
17
性別
種族特徴
[剣の加護/運命変転]
生まれ
冒険者
信仰
“妖精神”アステリア
ランク
センチネル
穢れ
0
8
11
11
6
8
9
9
12
8
成長
2
成長
1
成長
6
成長
7
成長
17
成長
12
器用度
16
敏捷度
17
筋力
26
生命力
27
知力
40
精神力
31
増強
増強
増強
増強
増強
2
増強
1
器用度
2
敏捷度
2
筋力
4
生命力
4
知力
7
精神力
5
生命抵抗
15
精神抵抗
16
HP
60+2=62
MP
107+2=109
冒険者レベル
11

経験点

使用
90,000
残り
0
総計
90,000

技能

フェアリーテイマー
11
コンジャラー
10
セージ
9
エンハンサー
5
ソーサラー
4

戦闘特技

  • 《魔法拡大/数》
  • 《武器習熟A/スタッフ》
  • 《武器習熟S/スタッフ》
  • 《魔力強化Ⅱ》
  • 《ダブルキャスト》
  • 《魔法拡大すべて》
  • 《ルーンマスター》
  • 《鋭い目》
  • 《弱点看破》
  • 《マナセーブ》

秘伝

  • 【戦域魔導術アンナマリーア】
  • 【戦域魔導術ベロニカ】
  • 【スノウメン】
  • 【フロストフィールドⅠ】
  • 【エレメントスワップ】
  • 【シバリング・レゾナンス】
  • 【フロストフィールドⅡ】

練技

  • 【ストロングブラッド】
  • 【メディテーション】
  • 【アンチボディ】
  • 【ビートルスキン】
  • 【スフィンクスノレッジ】

判定パッケージ

セージ技能レベル9 知識 16
魔物知識
+2=18
先制力
0
制限移動
3 m
移動力
17 m
全力移動
51 m

言語

会話読文
交易共通語
魔法文明語
妖精語
汎用蛮族語
神紀文明語
魔神語
シャドウ語
ドラゴン語
巨人語
ノスフェラトゥ語

魔法

魔力行使
基準値
ダメージ
上昇効果
専用
ソーサラー技能レベル4 真語魔法 +2=13 13 +2 知力+2
コンジャラー技能レベル10 操霊魔法 +2=19 19 +2 知力+2
ウィザード最大魔法レベル4 深智魔法 +2=19 19 +2 知力+2
フェアリーテイマー技能レベル11
使用可能ランク14
妖精魔法
+2=20 20 +2 知力+2
技能・特技 必筋
上限
命中力 C値 追加D
《武器習熟S/スタッフ》 3
武器 用法 必筋 命中力 威力 C値 追加D 専用 備考
[魔]マナスタッフ[打] 2H 3 +1=1 13 12 3 魔力+1
[魔]「死に近い」ソーサラースタッフ[打] 2H 10 +1=1 20 12 3 魔法行使判定+2 真語・操霊魔法の行使判定をさらに+1 一切の戦闘準備を行うことができない
[魔]ブラックロッド[打] 2H 10 +1=1 20 12 3 魔法行使時の消費MP-1
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
技能なし 26 0
防具 必筋 回避力 防護点 専用 備考
ソフトレザー 7 3
合計: すべて 0 3
装飾品 専用 効果
[魔]叡智のとんがり帽子 魔物知識判定+2
[魔]ラル=ヴェイネの観察鏡 ✔HP 魔物の弱点値を4点低いものとする
[魔]ラル=ヴェイネの金鎖 「装備部位:その他」を得る
[魔]ロッセリーニの調声器 【古モルガナンシン王国式戦域魔導術】秘伝を使用可能にする
背中 ウェポンホルダー改 武器や盾を背中に保持できる
右手 [魔]知性の指輪 知力を+1、壊すと+13
左手 [魔]叡智の腕輪 知力を+2、壊すと+14
[魔]勇者の証:心 能力値の成長をある程度制御する
[魔]雪月花の宝石飾り ✔MP 〈妖精使いの宝石〉6、または3種2個ずつを飾って使える
[魔]カトレアの花冠 妖精魔法射程+10m
[魔]ラル=ヴェイネのマナリング ダメージ魔法のダメージを+2、〈魔法の発動体〉を兼ねる
所持金
4,019 G
預金/借金
0 G / 0 G

所持品

消耗品
アイテム名個数効果
冒険者セット1背負い袋、水袋、毛布、たいまつx5、火口箱、ロープ10m、ナイフ
保存食(1週間分)1干し肉、ドライフルーツなど
魔晶石(5点)55点分MP消費を肩代わりできる
陽光の魔符1生命抵抗力判定に+1のボーナス修正。サイコロを振った後に使用可能
[魔]ロッセリーニの印形絵具4〈ロッセリーニの魔法印〉を描くのに消費
常備品
アイテム名個数効果
[魔]ロッセリーニの魔導筆1魔法の発動体、〈ロッセリーニの魔法印〉を描く
宝石ケース1妖精魔法を使用可能にする
装備品
アイテム名個数効果
[魔]レインボーリング1さまざまな色の光を発し、周囲を照らす
その他
アイテム名個数効果
アビスシャード12アビス強化に使用可能

名誉点
145
ランク
センチネル

名誉アイテム

点数
冒険者ランク500
【古モルガナンシン王国式戦域魔導術】入門0
ロッセリーニの調声器0
ロッセリーニの魔導筆0
【ダイケホーン双霊氷法】入門0
発動体(ソーサラースタッフ)専用化100
雪月花の宝石飾り専用化100
【オルフィード式蒸発妖精術】入門0
ラル=ヴェイネの観察鏡専用化100

容姿・経歴・その他メモ

容姿

癖毛と意志の強そうな瞳が特徴的な銀髪碧眼の美少女。
155cmと人間の女性にしては少し小柄である。
体のラインを出さないために常に厚着で隠している。

経歴(概要)

【経歴表】
・許婚がいる(いた)
・決して手放せない小物がある
・守りの剣を手に持ったことがある
【冒険に出た理由】
・名声を得るために

ユーシズ魔導公国の貴族家に生まれる。
彼女は幼くして魔法の才能を遺憾なく発揮し、その優れた容姿も相まって、瞬く間に貴族の間で評判となった。
その評判を聞きつけた貴族からは様々な縁談が持ち込まれ、親の意向で大貴族の嫡男と婚約することとなる。
やがて成長した彼女は、許婚に相応しい花嫁となるため、魔法学園『七色のマナ』に入学、学業に勤しんだ。
生来のストイックな気質から学園内でも優秀な成績を収めるが、それをよく思わなかった他の貴族の子女たちに妬まれ執拗な嫌がらせを受けることとなる。
しかし、彼女は決して屈することはなく、毅然とした態度を崩さなかった。
その事実が嫌がらせをエスカレートさせる要因となってしまったのだろう。遂には守りの剣を盗んだ犯人に仕立て上げられ、強制退学、勘当を言い渡された上に、許婚からも婚約を破棄されてしまう。
彼女は不当に奪われた自分の地位と名誉を取り戻し許婚と復縁するため、冒険者となることを決意したのだった。

経歴(詳細)
婚約破棄

「お前との婚約は破棄させてもらおう!」
進級祝いの晩餐会。壇上のゴットハルト様の激声が会場中に響き渡る。
突然のことで少々気圧されてしまったが、先ずは彼の真意を質さなければなるまい。
「ご冗談はおよしになってください。皆の目もあるこのような場で——」
「冗談であるものか!お前が守りの剣を盗んだことはとっくに調べがついている!」
あんまりな言い分についカッとなりかけたが、淑女らしく努めて冷静を保ちながら答える。
「それこそ有り得ませんわ。何を根拠にそのようなことを仰っているのでしょう」
「これを見てもまだそのようなことをほざけるか!」
そう言って彼が掲げたのは一枚の書類。それは先日私の誕生会でいただいた贈り物の数々をまとめた一覧だった。
それのどこが根拠になるというのだろう。皆目見当もつかない。
「それがどうかいたしましたか」
「この後に及んで見上げた根性だな。
もういい連れて行け」
すると、いつの間にか私の傍らに立っていた騎士たちに腕を強く掴まれる。
「っ!ちょっと貴方たち!今すぐその汚い手を離しなさい!」
私が腕を振り解こうとすると、騎士の一人が下卑た笑みを浮かべて言った。
「どうやらまだ自分の立場がわかってないみたいだな」
途端に背中に走る衝撃。床に倒れ伏したことを認識する間も無く頭に鋭い痛みが走る。
髪を掴まれ引き摺られているのだ。
「い、痛い!やめて!」
騎士は私の叫びを無視して出口に向かって引き摺っていく。
なんで私がこんな目に。助けを求めて涙の滲んだ目で周囲を見渡す。
「誰か助け——」
私は絶句した。そこには嘲るような笑みを浮かべた学友たちの姿があったのだ。
***
「国で保管されていた守りの剣の一つを盗賊ギルドを通じて盗ませ、商会からの献上品という名目で不当に入手。
蛮族やそれに与するものと共謀していた可能性有り」
後から聞いた私の罪状はこのようなものだった。
何者かに嵌められたと気づいた時にはもう何もかもが手遅れだった。
私は現実から目を背けるように、暗い独房の中、遠い過去に思いを馳せる。

「君、この家の子だよね?みんな探してるよ」
次々と持ちかけられる縁談に辟易し庭園に身を隠していた私に声がかかる。
背後を見やれば、自分と同じ年の頃であろう美しい少年が立っていた。
身なりからしてうちの屋敷に訪ねてきた何処ぞの貴族の子供だろう。
「あなたも大人たちの味方なのね。
一人にさせてちょうだい」
「う〜ん、それは少し違うかな。
どう、一緒に遊んでみない?」
輝くような笑みが眩しくてつい目を逸らしてしまう。
「嫌よ。一人の方が楽しいもの」
「それは君が人との遊び方を知らないだけだよ。
僕についてきて!」
少年は私の手を取り、強引に塀の外へと連れ出した。

それからは夢のように楽しい時間を過ごした。
市井にはそれまで私が見たことのないものが溢れていて何もかもが新鮮だったのだ。
気づけば日が傾き始め、屋敷に戻ることになった。
楽しい時間が過ぎたことを惜しんでいると、彼は露店で手に入れたペンダントを取り出した。
「今日の冒険の戦利品だ!
君にあげるよ!」
礼を言って受け取る。安物のペンダントだったが、夕焼けの光を受けたそれは何故だかとても美しく見えた。

後日私の元に新しい縁談が持ちかけられた。
なんでも相手はこの国でも片手で数えるほどしかいない公爵家の嫡男だという。
当然そのような相手からの縁談を断れるはずもなく、私の意志を差し置いて話はトントン拍子で進んだ。
そして、初めての顔合わせの日。不安を胸に公爵邸に足を踏み入れた私を出迎えたのは、あの日の少年——ゴットハルト様だった。

「おい、起きろ」
不躾な声に意識を戻される。
どうやら沙汰が下される時が来たようだ。
***
法廷を後にする。当てもなく道端を歩いていれば、一台の箱型馬車が私の傍らに停まった。
誘うようにドアが独りでに開く。
「無事なようで何よりだ」
「お久しぶりです。お兄様」
馬車に乗り込むと見知った顔が一つ。長兄のエトムントお兄様である。
「して刑はどうなった」
「市井に下るだけでよいそうです。
本来なら極刑でもおかしくありませんでした。全てお兄様が取り計らってくださったお陰です」
そう告げると、お兄様はほっとしたような、それでいて泣き出しそうな顔をした。
「すまない...父上は今回の件への関与を否定するのに手一杯でな。
私ではこの程度の事しかしてやれなかった」
「わかっております。私のためにお兄様が危険を犯してまで助けてくださったことも」
「お前は強いな...」
お兄様は私に向けて一瞬微笑みかけると、改めて表情を引き締める。
「では最後に父上からの伝言だ。
『今回の件は足元をすくわれたお前の落ち度だ。
よって、本日でもって当家との絶縁を言い渡す。
以後、お前に何があろうとも一切の関与はしない。
自分の身は自分で守れ』
...以上だ」
「ありがとうございます、”閣下”。
それでは失礼いたします」
馬車を降りる。ドアが閉まる直前、お兄様の啜り泣く声が聞こえた。

確かな足取りで街の大通りを歩く。
これから私に一切の関与はしないとお父様は仰った。
あのメッセージは一見突き放すようでいて、自分の為したいように為せというお父様なりの激励だろう。
ならば私はどうするのか。答えは明白だった。
「もう一度ゴットハルト様のお側に」
不意に口を吐いて出た言葉。それが私の偽らざる本心であり、答えだ。
彼への想いが今なお変わらないことを掌に握りこんだペンダントが教えてくれる。
しかし、今の私にできることはあまりにも少ない。あんなことがあった後では学園にも戻れない。
それに、これから命の危機に見舞われることも一度や二度ではないだろう。
——力が必要だ。それも全てを取り戻せるだけの大きな力が。
目前に迫った大きな建物を見上げ、決意を新たにする。

「冒険者登録をしに来たわ」
扉を開けてそう高らかに宣言した。
こうして私は冒険者になった。

魔法使いとしての原点

私が五つの頃だっただろうか。
ユーシズの街に数年ぶりに雪が降った。
降り積もる雪に心踊らせて屋敷の外に出てみれば、ユーシズの街並みは雪化粧に包まれ、普段とは趣の異なる様相を呈していた。
私は雪遊びも忘れて、思わずその場に立ち尽くしていた。目の前に広がる銀色の景色にすっかり心を奪われてしまったのだ。
これが私の心象風景。そして魔法使いを志したきっかけだ。

あの景色をもう一度。そう願った私は、雪に関わる魔法について調べることにした。
すると、程なくして一つの魔法に行きついた。都市国家ダイケホーンに伝わる双霊氷法だ。ディガッド山脈の極寒の環境の中、迫り来る外敵を退けるために発明されたその魔法は、成り立ちはどうであれ私の望みを叶えうるものだった。

魔法を習いたいとお父様にねだると、お父様はとても驚いた顔をした。当然だ。何故なら、当時の私は両親の言いつけの通りに振る舞い、我儘を口にすることなど決して無かったからだ。
お父様はハッとした後、私の我儘を快く受け入れてくれた。かくして私は家庭教師に魔法を教わることになった。今思えば、跡取りでもない娘にまで魔法の家庭教師をつけるなど、お父様は大層懐を痛めたはずだ。それでも私の我儘を叶えてくれたのは、ゴットハルト様との婚約を見越してのものだったのだろう。お父様の先見の明にはいつも感服させられてばかりだ。

魔法の修行が始まってからほどなくして、私は大きな壁にぶつかった。私には妖精と心を通わせる素質がなかったのだ。妖精との協力関係で成り立つ妖精魔法において、これはとても致命的だった。妖精の望みを知ること、そしてそれに応えることができなければ、彼らの力を借りるなど到底できないからだ。
一方で操霊魔法の習得は順調だった。操霊魔法は妖精魔法と比較するととても体系立てられていて、知識を深めることが魔法の上達に直結する。元々勉学が苦ではない私にしてみれば、やればやるだけ上達することができたのだ。実際、家庭教師からも操霊魔法を専門的に学ぶか、真語魔法も合わせて深智魔法の使い手を目指した方が良いと言われたこともある。しかし、それでも私は操霊氷法を、そして妖精魔法を諦めることができなかった。それは偏にあの銀の世界こそが私の原点だったからだ。

数年かけても妖精魔法が一向に上達せず諦めを感じ始めた頃、ゴットハルト様と偶々お茶をする機会があった。
「どうしたの?具合でも悪いのかな?」
「いえ、ただ少し悩んでることがありまして…」
彼の心配げな表情を見ていると、私は悩みを打ち明けなければという思いに駆られた。
「———ということがありまして、このまま妖精魔法を諦めようかと…」
気づけば魔法を学び始めてから今までの苦悩について全て彼に話してしまっていた。
「そっか…それはとても辛いことだよね…」
ゴットハルト様は私のことを気遣い、親身になって話を聞いてくれた。
こうして心に閉じ込めていた気持ちを口にすることができたのも偏に話し相手が彼だったからなのだろう。
少し心が軽くなったような心地がして、ようやく自分の中で諦める決心がついた時、彼が徐に口を開いた。
「う〜ん、だったら今までやったことのないことを試してみたらどうかな?
今日こうして僕だけに色々話してくれたみたいにさ」
「今日みたいにですか?」
「そうそう。例えば、君はあんまり自分の事とか話さないだろ?
だったら逆に、自分からそういう話を妖精に話してあげるのはどうかなって思うんだ」
今までの修行をよくよく思い返してみる。
言われてみれば、私はこうあらねばならないという見栄がいつも心にあって、妖精と話している間もどこか一線を引いてしまっていたような気がした。
「ぜひ試してみたいと思います。ご助言感謝いたします」
私はその場を後にすると妖精たちの元へと急いだ。

それから私は妖精たちと話をした。話題は主に今まで人に話してこなかったあれやこれやについてだ。
「私はね。雪が好きなの。雪が降ると、普段の景色が違って見えるでしょ?
まるで銀の世界に迷い込んでしまったみたいに」
私がそう水と氷の妖精たちに告白すると、彼らは大いに喜んだ。
「あなたは何が好きなの?是非教えてもらいたいわ」
この日、私は初めて妖精と”対話”することができた。

以来、妖精は私にとって唯一無二の友だ。在し日の思い出と共に、今もこうして側にいる。

厚着の理由

「また大きくなってる…」
鏡に映る自分の姿を見て、私はどうしようもなく憂鬱な気分になった。
体型の変化のせいで、ただでさえ元の数が少ないというのに、着ることのできる服がまた減ってしまったのだ。
去年の夏に奮発して買ったドレスも、半年前に買ったお気に入りの外套も、もうとっくに着こなせなくなってしまっていた。
それもこれも全部、この無駄に大きくなってしまった胸のせいだ。
大きな胸が好きな男性が一定数いて、同性の中にも大きな胸への憧れがあるということは勿論私も理解している。しかし、それで「はい、良かったですね」とはならないのがこの問題の辛いところなのだ。

少し考えてみてほしい。胸の大きい女性は、大きなサイズの服か伸縮性の高い服をよく着ている。それは何故か?
答えはその二つしか選択肢が無いからだ。
大きすぎる胸は服の選択肢を大きく狭める。態々少数派のために寸法を合わせた服を売る服屋は少ない。そして、全ての服をオーダーメイドするわけにもいかない。
こうして狭めに狭められた選択肢の中で、二択を迫られるわけである。
しかし、どちらの選択肢にも欠点がある。大きなサイズの服は胸の形を隠せる反面、腰回りまで大きく作られているため、寸胴のようなシルエットになってしまう。一方で、伸縮性の高い服は、腰回りのシルエットを美しく見せられる反面、どうしても胸の形が強調されてしまう。要は、周囲にふくよかな印象を与えるか、いやらしい印象を与えるか。胸の大きな女性はそのどちらかを許容しなければならないのだ。

私はどちらかといえば大きなサイズの服を着る側だ。
元とはいえ私は貴族の子女。だからこそ決して下品な印象を持たれることがあってはならないためだ。
しかし、ふくよかだと思われるのもいささか癪なものだ。なので、私は一手間を加えることで、あまり人にふくよかな印象を与えないようにしている。
その一工夫とは普段から厚着をしておくこと。常日頃から厚着しておけば、寸胴なシルエットにも厚着をしているからという言い訳が立つだろう。
それ故に、私は夏の日でも長袖にローブと肩掛けを羽織る。勿論そんな格好でいればあまりの暑さに汗が滲む。
しかし、背に腹は変えられない。青い血とはその有り様で気高さを示すもの。なればこそ、時にはこうしたやせ我慢も必要なのだ。

学園での彼女

乾いた音が階段の踊り場に響き渡る。
周囲の者たちは皆目を見開いている。
無理もないことだ。何故なら新入生が上級生の横っ面を引っ叩いたのだから。
「こちらの方に謝罪なさってくださいまし」
そう言い放ったのは件の新入生、エリカさんだ。
その態度には上級生に対する畏れなど微塵も感じられなかった。
「い、痛い!何してくれてるの貴女!」
「そのようなことは今はどうでもよいのです。疾く謝罪なさってください」
「貴女ねえ!誰に手を出したかわかっているのかしら!?」
「それは勿論。コルネイユ家のアイリーン様でございますよね」
「そ、そうよ!なら、わかってるんでしょうね!?
この私に不敬な態度を取るということはコルネイユ家をコケにしたも同然なのよ!?
貴女のお家程度いくらでも———」
「家名を上げるからには、それ相応の覚悟がある、と。そう考えてよろしいのですね?」
「うっ…!」
それっきりアイリーン様は黙り込んでしまった。

「エリカさん、だよね?助けてくれてありがとう」
アイリーン様が去ったのを確認した後、私はお礼を伝えることにした。
「いえ、お礼には及びません。私は当然のことをしたまでなのですから。
貴族ともあろうものが寄ってたかって一人の生徒をいじめていたのですもの。止めて当然でしょう?」
「い、いや!でも上級生、それも上級貴族様相手に喰ってかかるのはあんまりオススメしないよ!
あっ!助けてもらった身でこんなこと言うのも何様だって話だよね!ハハハ…」
「ご忠告痛み入ります」
あまりにも出来た返答に、私にはまるで目の前の少女が絵本に出てくる気高いお姫様のように見えた。
「はえ〜」
「私の顔に何かついておりますか?」
「い、いやいや!なんでもないよ!?」
「左様でございますか」
思わず必死に否定してしまったが、それで変なやつだと思われてないだろうか。
う〜ん、恥ずかしい…
私はとりあえず強引に話を変えることにした。
「ところで、こうして助けてもらったのも何かの縁だし、自己紹介でもしておこうか。
私はエマ。見ての通りの二年生だよ」
「エマ様ですか。よろしくお願いいたしますね。
それでは私からも。改めまして、エリカと申します。以後お見知り置きを」
「お噂はかねがね。よろしくね!」
「エマ様は私のことをご存知だったのですか?」
「いやもうそれは有名だよ!あのゴットハルト様の許嫁だって」
「左様でございますか。ここまで知れ渡っているとは少し想定外でした」
そう答えると、エリカさんは少し考え込むそぶりを見せた。
「どうしたの?」
「いえ、大したことではございません。…ただの杞憂のはず」
「ならよかった!
じゃあ、これから私は講義があるから。またね!」
「ええ、またお会いいたしましょう」
その日、講義室に向かう私の足取りはいつもより軽かった。

それから数週間が過ぎた頃だろうか。信じられない噂が私の耳に入ってきた。
曰く、エリカさんが婚約者の威を借りて威張り散らしている、と。
「そんなことは絶対にないよ!」
私はそう強く周囲に訴えかけた。しかし、噂は広まり続ける一方で、誰もその誤りを正す事などなかった。
そして、漸く私は気づいた。皆信じたいことや面白そうなことばかりを信じ、事実に目を向けようとはしないのだと。
「エリカさん!」
「あら、エマ様。ご機嫌よう。どうなさいまして?」
心配になって駆けつけると、彼女は変わらない様子でそこにいた。
「あ、うん。こんにちは!じゃなくて!大変だよ!エリカさんの悪い噂が流れてるんだよ!」
「そのお話、詳しくお聞かせ願えますか?」
***
「———ってことなの」
「なるほど。そのような噂が」
「こんなの絶対おかしいよ!みんなに話を聞いてもらって噂を止めよ?」
「いえ、それには及びません」
「なんで!?理由も無いのに悪く言われてるんだよ!?」
「おそらくですが、この噂は私のことを疎ましく思っている貴族の子女が流したもの。
現状噂という形しか取れないのであれば、これ以上私に実害が及ぶことはないでしょう」
「でも、ここはゴットハルト様に頼んで———」
「それだけはなりません。それでは相手の思う壺だからです」
「でも!でも!」
尚も食い下がろうとする私に、エリカさんは微笑んで言った。
「ご心配ありがとうございます。エマ様。私は大丈夫です。
最近は妖精学科の講義で外に出ることが多くなっているので、そのような噂一つに煩わされることもないでしょうから」
「そう、なの?」
「はい。ですから私のことはご心配なさらないでください」
「そこまで言うなら。…うん、わかったよ」
口では納得しておきながらも、私は内心どこかで不安な気持ちを捨てきれなかった。
そして、その不安は最悪の形で的中することとなったのだった———

翳り

私は常にあの方の背中を追い続けて生きてきた。
私が暗闇にいても、太陽のように照らしてくれる素敵なお方。
それこそがゴットハルト様だ。

いつからか、ティダン神とシーン神のように、私たち二人も対等なパートナーでありたいと考えるようになった。
故に、彼と並び立つため、また彼に足りない部分を少しでも補えるようになるため、今日まで私は努力を重ねてきたつもりだ。

今日は夏季試験の結果発表の日。私たち一年生にとっては初めてのイベントだ。
試験の順位を確認することは、己の現在地点を知るにはうってつけだろう。
私は朝支度を済ませると早速学園へと向かった。

「おはようございます。ゴットハルト様」
「ああ、おはよう。エリカ」
校門近くでゴットハルト様と落ちあう。昨日のうちに一緒に確認しに行こうと約束していたのだ。
「それで、今回の試験、どれくらい自信があるんだ?」
「記述は大方解けましたが、実技に関しては判断基準が不明瞭で計りかねますね」
「やはり不安要素はそこか」
「ゴットハルト様はどうなのでしょうか?」
「どうだろうか。とはいえ、一位以外を取るつもりはない」
「ご立派です。ですが、元より私もそのつもりですのでご用心を」
「生憎と私はこのような勝負事で負けたことがない」
「承知しております」
「それに、私は父上の記録に挑戦するつもりでここに入学を決めた。
そう易々と一位の座は渡さないさ」
「お父様は卒業までずっと一位を取られていたのですよね?」
「ああ、父上はいつでも私の目標だ」

二人で話しながら歩いているうちに掲示板の前に辿り着く。
私たちは新入生でありながら、組み分け試験で飛び級しているので、学年としては三年生にあたる。
また、私は妖精魔法と操霊魔法、ゴットハルト様は深智魔法をそれぞれ学習しているのだが、在籍としては操霊魔法学科となっている。
そして、私たちは三年生の学年色である黄色の貼り紙、それに操霊魔法学科の紋章が記された順位表の元へと向かった。
その頂点に刻まれた名前は———私のものだった。
その次にゴットハルト様の名前。どうやら大差で私の点数が上のようだった。
「エリカ、私の完敗だ」
「ゴットハルト様…」
「いや、これも実力ということだろう。
余計な言葉は受け取らないでおこう」
「はい」
やっと、ゴットハルト様にふさわしいだけの存在になることができた。
私の胸に達成感が満ちる。
「まさか君が黄本を使って勉強していたとは。
でなければ、この点数差に説明がつかないからな」
「え?」
不意にゴットハルト様から信じられない言葉が投げかけられた。発言の真意がわからない。
黄本とは学生間で流通している過去問のことであり、学園非公認の代物だ。
ゴットハルト様と競い合うにあたり、私はそのような物を利用したことがなければ、利用するつもりもない。
そのため、私は咄嗟にゴットハルト様の言葉を否定する。
「そのようなものは使っておりません。今まで身につけた知識でもって試験に臨んだまでです」
「どうだかな?」
「私がそのような不公平な行いをするとお考えなのですか?」
「…」
すると、ゴットハルト様は黙り込んでしまった。
思えば、この頃から少しずつゴットハルト様は変わられてしまったのかもしれない。

夏季試験以降、ゴットハルト様はどこかやる気を落とされてしまった印象で、授業に出席しない日すらあった。
許嫁として、また対等なパートナーとして、彼を何度か咎めたのだが、まるで改善は見られず、終いには私とのお茶会や勉強会の予定まで辞退されるようになった。
当然の結果として、進級試験の際には、ゴットハルト様の順位は7位にまで落ち込んでしまっていた。

「また一位か。止まることを知らないな。君は」
ゴットハルト様はどこか平坦な調子で私を称えた。
「何故、研鑽を怠られたのですか?」
あまりの彼らしくない行動に私は思わずそう聞き返してしまった。
「君の眩さには敵わないな」
「答えになっておりません」
「それ以上詮索してくれるなよ」
「…わかりました」
ゴットハルト様はそれだけ言うとどこかに姿を消してしまった。
「———月が太陽よりも輝くなぞ」
去り際に何か言葉を発していたようだが、私の耳には届かなかった。

性格

自分にも他人にも厳しいストイックな性格。それ故に周囲の反感を買い、孤立しがちである。
元許嫁のことを今でも想っており、幼い頃に彼からもらったペンダントを大切にしている。
貴種の女性はサラサラの艶髪であるべきだと思い込んでおり、自身の癖毛が密かなコンプレックスになっている。

言動

一人称は「(ワタクシ)」。
自身の生まれを悟られぬよう、お嬢様言葉を封印して無愛想で相手を突き放すような言動を心がけている。
しかし、体に染み付いた貴種の作法と一般市民の言動についての理解不足故に、その立ち居振る舞いからは気品がダダ漏れである。
周囲から訳ありのお嬢様だと噂されていることに彼女自身は気づいていない。

ファイトスタイル

支援・妨害系の魔法を得意とし、学園で培った知識と経験からそれらを状況に応じて的確に行使することができる。
その一方で強力な攻撃手段はあまり持ち合わせていないのだが、自分の魔法に絶対の自信があるためにその威力を過信している節がある。その過信が命取りにならなければよいが…

関係
呼び方印象
ピルスくんとてもいい子。癒し枠
秋葉さん敵と斬り合いながらも気品を失わないその姿に密かな憧れを抱いている
アレクセイもっと胸を張ればいいのに。仕事は確か
シュヴァルツ言動は緩いが、何か譲れない芯のような部分のある人
チェスター冒険者の中では珍しく好感の持てる男性。ギャンブル癖さえなければ...
ノミエールさんつかみどころの無い不思議な子。魔法の腕は確か
ホルスくん優秀な子だけど道を踏み外さないか心配
フーライトさん遠慮なしにこちらの事情に足を踏み入れてくる常識知らず。今後の動向に要注意

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 3,000 1,200 0
1 2022/10/15 ウルフ討伐 1,120 1,022 11 精神
ルンバ エリカピルス夕月ホルスチェスター
2 2022/10/21 地下水道の影 1,610+50 1,252 13 知力
ルンバ ピルス夕月ホルンメルヴィン
3 2022/11/3 稀によくある大量発生 1,320 1,075 15 生命
敏捷
スエコ 夕月ノミエールエリカフーライト
4 2022/11/13 騒然!コロロポッカの森 1,980 2,820 20 生命
スエコ アレクセイエリカチェスターホルス
5 2022/11/17 敗北は苦い 3,260 1,500 15 器用
精神
ルンバ アンシェラリルテットメルヴィンホルンエリカ
6 2023/4/3 廃墟の亡霊 4,000 4,560 27 筋力
知力
精神
たき レーナピルスエリカ
7 2023/4/8 アイエエエ!ニンジャナンデ 3,500+50*2 3,300 27 精神
みざえる エリカメアヴィアホルス
8 2023/4/23 バルバロス・ハウス 5,710 9,458 62 器用
知力
精神
ルンバ ギステルドアンシェラチェスタームー
9 2023/4/29 胎動する蛮族 6,520 10,531 60 生命
知力×3
スエコ アレクセイエリカメルヴィンシルク
10 2023/5/6 ジリ貧ファイト 7,850 11,200 99 筋力
生命
知力
みざえる リルテットエリカ夕月
11 2023/5/14 魔導公のお膝元 9,100 16,900 128 筋力
筋力
生命
知力
精神
ルンバ ノミエールシュヴァルツホルンケルザー
12 2023/5/21 迷い込んだ"ネズミ"たち 8,630 15,000 60 筋力
知力×2
精神
スエコ チェスターアレクセイジルダ
13 2023/5/28 森の民 10,610+250 20,000+3,118 145 筋力
生命
知力×3
精神
ルンバ レーナアンシェラエリカメアヴィア
14 2023/6/1 森の洞窟v 10,710 19,800+9,713 109 生命
知力×3
精神
たき ピルスエリカメルヴィン
15 2024/3/31 宝石たちの家 4,000 13,000 35 精神
精神
スエコ ノミエール秋葉ジルダ
16 2024/4/20 大魔闘技場 3,000+3,000+530+150 25,000+3,300 119 知力
精神
スエコ チェスターシュヴァルツエリカ
トレジャードロップ:熊の爪
取得総計 90,000 173,749 945 45

収支履歴

武器・防具・加工

【購入】メイジスタッフ::-110
【売却】メイジスタッフ::55
【購入】マナスタッフ::-6800
【購入】ソフトレザー::-150
【購入】アビス強化::-8000
【購入】ブラックロッド::-22500

装飾品

【購入】宝石ケース::-100
【購入】妖精使いの宝石LV1~2*4::-50*4
【売却】妖精使いの宝石LV1~2*4::25*4
【購入】知性の指輪::-500
【購入】知性の指輪*2::-500*2
【購入】知性の指輪*2::-500*2
【購入】知性の指輪*2::-500*2
【購入】知性の指輪::-500
【購入】叡智の腕輪::-1000
【購入】妖精使いの宝石LV3~4*4::-100*4
【売却】妖精使いの宝石LV3~4*4::50*4
【購入】妖精使いの宝石LV5~6*4::-150*4
【売却】妖精使いの宝石LV5~6*4::75*4
【購入】妖精使いの宝石LV7~8*3::-200*3
【売却】妖精使いの宝石LV7~8*3::200/2*3
【購入】妖精使いの宝石LV9~10*3::-250*3
【購入】妖精使いの宝石LV9~10*1::-250*1
【購入】とんがり帽子::-3000
【売却】とんがり帽子::1500
【購入】叡智のとんがり帽子::-12000
【購入】勇者の証:心::-10000
【購入】ロッセリーニの調声器::-1000
【購入】妖精使いの宝石LV7~8::-200
【購入】ウェポンホルダー改::-5000
【購入】ラル=ヴェイネの観察鏡::-20000
【購入】カトレアの花冠::-20000
【購入】雪月花の宝石飾り::-1200
【購入】妖精使いの宝石LV9~10*3 ::-250*3
【購入】ラル=ヴェイネの金鎖::-7500
【売却】妖精使いの宝石LV9~10*7::250/2*7
【購入】妖精使いの宝石LV11~12*6::-300*6
【購入】妖精使いの宝石LV13~14*6::-350*6
【購入】ラル=ヴェイネのマナリング::-40000
【売却】熊の爪::6000/2

アイテム

【購入】冒険者セット::-100
【購入】魔化された樫の枝*2::-50*2
【購入】黒曜石の盾(小)::-150
【購入】柘榴石の活力(小)::-200
【購入】血肉の赤鉄(小)::-100
【購入】魔晶石(5点)*2::-500*2
【購入】魔晶石(5点)*4::-500*4
【購入】ロッセリーニの魔導筆::-2000
【購入】ロッセリーニの印形絵具*4::-100*4

借金・預金

チャットパレット