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ミルザ(スフバール聖鉄鎖公国) - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

ミルザ(スフバール聖鉄鎖公国)

基本取引価格:
知名度
形状
カテゴリ
製作時期
概要
効果

かんたんかいせつ

 西洋ファンタジー風江戸の町。
 飛行船が配備され、ユーシズ魔導公国とテレポーターが開通しているため、ウルシラ地方以外からの人の出入りも多く、ヒト・モノ・カネの動きが活発な大都市。
 北から北東部に渡る歓楽街には、吉原遊郭に当たる「月影楼げつえいろう」や、サプリメント インフィニットコロッセオで実装された〈無限の闘技場〉を簡略化した〈連環の闘技場〉が存在します。他にも、この地方では珍しく魔動機の姿が自然とみられるなど、公国において異彩を放っている都市です。半面、治安はセドに次いで不安定な面もあります。
 また魔神や蛮族などの脅威は健在で、周囲には古代魔法文明や魔動機文明時代の遺跡が多数眠っている。遺跡の探索や、魔神や蛮族退治の仕事が途絶えることはないでしょう。
 真面目な冒険シナリオから、遊郭でのエロまで大体何でも対応できます。

ミルザの解説

 スフバール聖鉄鎖公国の首都である公都ウルガと西端に位置する港町セドとの中間に位置するのがミルザです。交易路の保護と公都及び国境の守護、そして公国の商業・学問の拠点を担っています。

 人口は約4万人。豊かな街道とレナス河に面した大都市です。中心には侯爵家の居城がそびえており、政治と軍事の中枢を担います。その周囲には壮麗な騎士団本営と常備軍の駐屯地が広がり、領主を守る防衛線の役割も果たしています。さらに外側には商人や職人が暮らす町人地が形成され、市場や工房が集まり領内経済の活気を支えています。また、多くの神殿はこの町人地に設置されています。最も外縁には農村地帯があり、城下へ食糧や物資を供給しています。しかし食料自給率は低く、多くを輸入に頼っているのが現状です。

 積極的な投資と交易、人的交流により発展を続けてきたミルザですが、魔神たちとの戦いの最前線であることに変わりはありません。常備軍は約3,000名、そして精鋭である聖金剛騎士団が侵攻してくる魔神を殲滅し、時にはザムサスカ地方へ遠征し多くの戦果を挙げています。

 住民のほとんどが規律正しく、浮ついた雰囲気がないとされる公国において、珍しく活気と猥雑さを感じさせる都市です。そのため治安対策の一環として、歓楽街が北から北東部に集められています。
 北東部には領主公認の月影楼げつえいろうが設けられています。寝泊りも可能な飲食店を多数設け、天然の温泉を引き、限られた出入口を厳しく管理することで、都市の秩序を維持しようとしています。また、同じく北部には〈連環の闘技場〉という公営施設が存在します。魔法文明時代の遺跡を再利用したもので、当初は兵士の訓練に使われていましたが、現在は剣闘士や冒険者が生み出された魔物と戦い、人々がそれを観戦し賭け事に興じる一大娯楽施設と化しています。

 人の出入りが多い都市のためか、そこで働く人族も多種多様です。
 さらにはハールーン魔術研究王国やユーシズ魔導公国から持ち込まれた研究が暴走し、それを冒険者が解決する姿もたびたび見られます。

 また、近年のミルザの発展を象徴する2つの存在があります。
 一つは、侯爵家が独自のルートを通じて調達・改修している飛空船群です。
 魔動機文明時代に作られた飛空船のコアを冒険者を使い遺跡から発掘し、ハールーン魔術研究王国との連携によって稼働させることに成功しました。現在、侯都ミルザの外港には三隻の飛空船が常駐しており、交易と情報輸送、さらには緊急時の兵力迅速展開に活用されています。
 飛空船による交易は公国西部の経済を大きく潤し、遠方の国々との物資・技術交流を可能にしました。

 もう一つがテレポーターの再稼働です。
 古代魔法文明時代から魔動機文明時代においては、転移装置──テレポーターが設置され、遠方の地方との往来を可能にしていました。しかし、大破局の混乱とともにその多くは破壊、破損してしまい、現代では冒険者ギルド本部など、限られた場所でのみ稼働していました。
 これが近年、学者や魔動機師たちの手により、ミルザに設置されていたテレポーター1基の修復と安定化に成功します。再び稼働したテレポーターは、遠くブルライト地方のユーシズ魔導公国と接続され、南北を一瞬で結ぶ新たな交易路として蘇りました。
 これにより、各地から商人・学者・冒険者たちが集う賑わいを見せています。
 もっとも、現在稼働しているのはこの1基のみであり、他のテレポーターは今も故障したままで、転移先の調査すらろくに行われていないのが実情です。

 ですが、これらの成功は同時に大きな波紋を呼びました。これまで地上や海上輸送による商業網に利権を持っていた者たちからは、強い警戒と反発を招いています。また、公都ウルガの政庁と聖鉄鎖騎士団は、侯爵家の独自技術と影響力の拡大を強く警戒しています。なにしろ、テレポーターを運用すれば、中央の許可を経ずとも遠方と瞬時に連絡を取り合い、人員や物資を移動させることができるのです。侯爵家が保持する飛空船と合わせれば、事実上“公国随一の即応戦力”を擁するに等しいからです。これらは潜在的な独立志向として、密かに注視しているといいます。

人口分布

 公国平均より低いものの、およそ70%を人間が占めています
 とりわけ目を引くのは、レナス河沿いに暮らす多くのエルフたちの存在です。河川を利用した交易と運搬で栄えた彼らは、街の経済を支える重要な一角を担っています。中でも、外部との交流を好まず閉鎖的とされるミストエルフやスノウエルフの姿が見られるのは、この地ならではの特色といえるでしょう。
 また、ドワーフやリルドラケンの住民も多く、鍛冶屋や染物屋、細工師など、職人気質の個人商店を営む者が中心です。特筆すべきは、かつて忌避されがちだったダークドワーフの一部が、その優れた鍛冶技術を認められ、城下に居住を許されている点です。表向きは共に暮らしているものの、彼らに対してわずかな不信や警戒を抱く者は少なくなく、職人街の奥には静かな緊張が漂っているといわれています。

ミルザの歴史など

 かつてミルザは、公国西部を統べる行政の中心でもありました。しかし、今からおよそ150年前、ウェーバー伯爵家の急速な台頭により、セド太守の座を奪われたことでその地位を失ってしまいます。
 一時は衰退の兆しを見せたミルザでしたが、当時の侯爵が取ったのは力による奪還ではなく知と人を集める政策転換でした。ウルシラ地方のみならず大陸各地から招聘した学者や魔術師に研究施設と資金を与え、冒険者ギルドを誘致。古代魔法文明と魔動機文明時代の遺跡探索に力を入れ、「知の開放こそが未来を拓く」という新方針のもと、ミルザは学問と交易、そして冒険者活動の中心地として驚異的な再生を果たしたのです。

ミルザの軍事

 ミルザの常備軍は人口の1割を切る約3,000名。有事の際には、これに冒険者を兵力として加えます。
 そして聖鉄鎖騎士団及び聖黒鉄騎士団に次ぐ実力を持つと言われるのが、ミルザに駐留する聖金剛騎士団です。
 総勢150名程度で、50名ほどの飛行型騎獣を操る騎士がいるのは共通ですが、飛空船により全戦力を航空輸送できる展開力と、〈奈落の魔装具〉に偏らない充実した装備が特徴です。
 彼らは公国のいずれの地でも戦端が開かれればただちに駆けつけ、奈落の魔域や蛮族の侵攻を討ち果たす遊撃戦力として知られています。特にベイセやダールを越え、凍てつくザムサスカ地方にまで遠征し、魔神を討ち果たしてはその戦利品や遺物を持ち帰ることで名を馳せてきました。こうして得られた貴重な戦利品が侯爵領の財政を豊かにし、産業の礎を築いているのは言うまでもありません。
 しかしながら、練度と士気こそ高いものの、侯爵家の私兵としての側面が強く、公国への忠誠心に疑問を持たれています。また、魔神や蛮族を駆逐するものの領域を確保できていないことから、彼らの戦いは武勲と戦利品を獲るためとの批判も根強くあります。

 さらに、騎士団とは別に、魔動バイクを操る特殊部隊も存在します。彼らは軽量な魔動バイクで高速移動し、敵陣への強襲を得意としています。所属する戦士の多くはなぜかモヒカン頭で、「ヒャッハー!」と叫びながら敵を蹂躙し、倒した敵から戦利品を迅速に回収する任務も担っています。その豪快な戦法と圧倒的な機動力により、魔動バイク部隊はミルザ常備軍でも特異な存在として恐れられ、同時に噂されることも少なくありません。

ミルザの名所
白煌城はくこうじょう”リーゼンフェルト

 スフバール聖鉄鎖公国・ミルザの中心に位置する侯爵家の居城です。魔動機文明時代に建設され、長い歴史と高度な技術が融合した城郭で、白亜の外壁が太陽光を反射して煌めく様子からその名がつきました。
 城は高い石垣に囲まれ、戦略拠点としても優れています。内部には広大な議場を備え、有事の際には侯爵がここから領地全体を指揮します。城内の装飾は魔動機文明特有の精巧な細工が施されており、豪華な居室や書庫、武器庫、秘密の通路も備え、日常の居住空間と防衛機能が高度に両立しています。

豊穣の剣亭

 ミルザ東区に位置する冒険者ギルド支部です。時には騎士団からの依頼を受け、共同で事件に対処しています。
 特筆すべき点として、敷地内にはユーシズ魔導公国とつながるテレポーターが設置されており、公国とギルドで共同管理されています。これはテレポーターを平和利用するという意思表示であるとされていますが、ユーシズ魔導公国がテレポーターを利用した侵攻を企図した場合に冒険者ギルドを巻き込むためとも言われています。また、“豊穣の剣亭”には侯爵家が多額の出資を行っているため、実質的に私的利用が黙認されているとの噂もあります。

王立士官養成学校

 ミルザ南区に位置する王立士官養成学校は、公国の将来を担う士官候補生を育てるために設立された名門教育機関です。貴族・平民に関係なく、成績優秀なものは誰でも入学することができ、全寮制で厳格な教育が行われています。校舎には壮麗な大講堂や、歴代名将の書が並ぶ図書館、実戦形式の訓練が可能な演習場、魔法を学ぶ魔法研究棟などが整備されており、学生たちはここで日々、軍務に必要な知識と技能を磨きます。
 講師として卒業生や騎士団員、名のある冒険者が呼ばれることもあり、実戦経験者の講話や指導は将来の公国を背負う若者たちの糧になることでしょう。
 一方で貴族家同士の派閥争いが陰で進むこともあり、華やかさと緊張が入り交じる独特の空気が学校には流れています。

ミルザの歓楽街

月影楼げつえいろう

 ミルザ北東区に広がる月影楼は、昼と夜でまるで異なる顔を見せる街です。

 昼間、街は静かで整然としています。提灯は灯らず、通りには掃き掃除をする女将や下働きの姿があり、花楼の庭先では花や樹木が手入れされ、色鮮やかな衣装を纏った遊女たちが舞や歌の稽古に励んでいます。客引きの声や笑い声はほとんどなく、外から見れば普通の町屋や商店街の一角に過ぎません。しかし、この落ち着きは夜の喧騒への前奏であり、昼の準備こそが月影楼を夜の熱気へと導くのです。

 夜になると街は一変します。赤い提灯が灯り、香炉の煙と酒の匂いが混ざり合った路地には、歌声や笑い声、客引きの掛け声が響き渡ります。通りの両側には豪華な楼閣や小規模な花楼が軒を連ね、艶やかな衣装の女性たちが客を迎え、舞や楽、会話術に長けた彼女たちの振る舞いが、夜の街に独特の熱気をもたらします。高級な楼では冒険者や貴族階級、裕福な商人たちが一夜の慰めや社交を楽しみ、路地奥の小規模な館ではより直接的な快楽も提供されます。街全体は熱気と人間臭さに満ちた歓楽街として、昼間の静けさとは裏腹に生き生きと動き出します。

 さらに月影楼は情報の交差点でもあります。花楼の主人や芸人たちは、客の噂や貴族・商人の動向を把握しており、酒と笑い声の間に陰謀や密談が紛れ込むこともしばしばです。冒険者にとって、夜の月影楼は単なる遊興の場であるだけでなく、情報を得る重要な場でもあるのです。

連環の闘技場

 古代魔法文明時代の遺跡を利用する形で築かれた闘技場です。
 主役となるのは剣闘士や腕に覚えのある冒険者たちであり、彼らは闘技場の地下に安置された古代魔法文明時代のアーティファクト〈連環の投影機〉によって生成された魔物と対峙します。〈連環の投影機〉は様々な魔物を任意に生成できますが、生成された魔物は闘技場の敷地外では存在できません。かつては兵士の訓練場として利用されていましたが、およそ150年前、当時の侯爵家の方針転換によりこの遺跡は闘技場として整備され、ミルザでも屈指の娯楽と熱狂の中心地となりました。

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ミルザとスフバール聖鉄鎖公国の人々
“御側御用取次役”グロルザモン・カノー(ドワーフ/男/186歳)

「閣下? 閣下はいずこへ……また市中に出られたか!?」
 リーゼンフェルト侯爵家に古くから仕える老ドワーフのウィザードです。ドワーフとしてもかなりの高齢ですが、その長い年月にわたる研鑽は衰えを見せず、魔法の腕前は依然として一級品です。
 侯爵家に仕える執事や魔術顧問としての役割だけでなく、城内外で発生する魔法や異常事態の調査・対処も任されており、その冷静かつ確実な判断力は、若き侯爵も一目置くほどです。
 外見は頑強なドワーフの体格をしており、長く手入れされた灰色の髭と深いしわの刻まれた顔が、長寿と知恵を感じさせます。気難しい面もありますが、侯爵家や忠実な仲間に対しては揺るぎない信頼を寄せ、時には厳しく、時には温かく助言を与える頼れる存在です。
 侯爵が市中へ出ることに強く反対しており、度々城を抜け出す侯爵に頭を悩ませ、侯爵を探すなどの理由で自らも市中に出ることがあります。

“翡翠の守護者”セレスティア・ヘルツブルク(スノウエルフ/女/208歳)

「は~い、ママですよ~? うふふ、冗談ですわ♡」
 侯爵家に仕えるエルフのドルイドです。常に慈愛に満ちた穏やかな表情をたたえ、若者を見つけては母のような包容力で接しています。その存在は侯爵にも安心感と精神的な支えを与え、彼の未熟さや時折見せる衝動的な行動も優しく見守り、適切な助言や注意を与えることで家中の者たちにも安心感をもたらしています。
 魔法の腕前も非常に高く、特に防護や補助系の魔法に長けています。城内での警護や行政的な魔法運用、緊急時の防衛指揮などを担い、ミルザを陰で支える重要な役割を果たしています。
 外見は豊満でセクシーな体躯を持つエルフで、長い髪を束ね、穏やかな眼差しで周囲を包み込みます。
 領民の前に姿を現すこともあり、その温かさと気さくな立ち振る舞いから、城下町や農村の住民からも深く慕われています。小さな困りごとを気軽に相談できる存在として、侯爵家における精神的支柱であると同時に、民衆との架け橋としても重要な役割を果たしています。

“平等の騎士”タデウス・ウォーカー・エイゼン(人間/男/36歳)

「執政官ウォーカー・エイゼンである。神妙にいたせ!」
 ミルザの治安を司る南町執政官です。貴族や騎士階級だけでなく商人や農民、冒険者に対しても平等に接するため、民衆からの人望は厚く、彼の元には管轄外の辺境の村からも陳情に訪れる者が絶えません。
 侯爵からの信任は厚く、侯爵家直属の隠密や独自に抱える諜報員を指揮し、治安維持の枠を超えて貴族や他国の使節の不正にも目を光らせています。その公平かつ徹底した監視により、都の裏社会に対する牽制力は絶大です。
 一方で、その厳格な取り締まりや公平な姿勢に反発する盗賊や、侯爵家による重用を妬む貴族・官僚からは暗殺や失脚工作の対象となることも少なくありません。そのため、必要に応じて侯爵と共闘し、策略や権謀渦巻くミルザの政局を生き抜いています。

“M組大番頭”タツゴロ(リルドラケン/男/140歳)

「魔神共に好き勝手させるかってんでい!」
 ミルザには有事の際に市民が素早く避難出来るよう、また事件や火災などに対処できるように、ABCの文字を当てはめた26組の部隊があります。その中の「M組」リーダーがこのタツゴロです。
 タツゴロは街の安全を守る正義感の強い人物で、卓越した体術と消火・救助の技術で、火災や事故、蛮族や魔神の襲撃に際しても市民を守り抜きます。その義理堅さと市民思いの性格から、街の人々に広く知られ、慕われています。
 タツゴロは、侯爵が身分を隠して街に出る際、その正体を知る数少ない市民の一人でもあります。冒険者たちが街で依頼や調査を行う際には、情報提供や案内役として協力することもあり、火災現場や襲撃現場では冒険者と共に救助や防衛にあたることもあります。また、街の様子を日常的に見聞きしているため、陰謀や事件の兆しを察知し、冒険者たちに助言を与える情報源となることも少なくありません。
 義理を重んじ、弱きを助け強きを戒めるその性格は、正直で信頼できる人物として、冒険者たちの行動に密かに支えとなる存在です。
 意外な特技として、非常に歌が上手いことも知られています。

“赫き華の大司教”エレオノーラ・カメリア(メリア長命種/女/93歳)

「どれだけ困難な道であろうとも、歩みを止めるわけにはいかないのです」
 ミルザに在る“導きの星神”ハルーラの神殿の神殿長にして最高司祭を務めるツバキのメリア長命種です。黒く艶やかな髪は自然に編み込まれ、頭には冬でも鮮やかに咲く椿の花が咲いています。穏やかで慈愛に満ち、どこか物憂げな表情が印象的です。
 信徒たちから慕われる神殿長である彼女は、かつては聖金剛騎士団の一員でした。現在も魔神討伐の援護にあたるため、たびたび騎士団の遠征に同行しています。その際は【ディヴァイン・ウォー】の魔法を行使し、兵士たちの戦力を底上げすることで魔神の駆逐に協力しています。ですが、それでもなおザムサスカ地方から魔神を駆逐できていないのが現状です。
 彼女は数ヵ月に一度、一月程姿を見せなくなることがあります。密かにザムザスカ地方へ遠征している、騎士団時代に受けた戦傷の後遺症で寝込んでいる、想い人と逢瀬を楽しんでいるなど、様々な噂があります。中には【コールゴッド】を行使し、命を代償として強力な魔剣を生み出しているというトンデモ説すらあります。失われた命はドルイドの魔法【プラントリグロウ】によって即座に回復できるため矛盾はありませんが、神殿は荒唐無稽な噂話として相手にしていません。

“護国の竜の主”ゲルク・ラングハイム(人間/男/39歳)

「この私に恥をかかせるとは、必ずや復讐してやる……」
 ラングハイム子爵は、公国南部に領地を持つ貴族です。全身を宝石で飾り立てた悪趣味な装いで知られ、その派手さと裏腹に実力は伴いません。
 彼の家は150年前、地方一帯を荒らしまわった人食い竜(レッサードラゴン)を、初代当主が【誓約(ギアス)】のアーティファクトを用いて調伏したことで名を上げました。以後、その竜は“護国の竜”として伝えられています。しかし、子爵自身には大した技量もなく、竜を従わせているのは先祖の遺した【誓約(ギアス)】の効力にすぎません。
 十年前のザムザスカ地方からの魔神侵攻では「護国の竜の主」として英雄視されましたが、実際に戦ったのは竜であり、本人は安全な場所から命令を出していただけでした。このため、公国の騎士団、特に誇り高い竜騎士たちからは深く軽蔑されています。
 最近では〈彗星の大皿〉にかかわる事件で竜が暴走し、若き侯爵ジュリウス・リーゼンフェルトによって一撃で鎮められました。以来、彼は侯爵に深い恨みを抱き、「いずれ血まみれの簒奪者を失脚させてやる」とさえ語っているのです。
 それでも彼は今もなお、「護国の竜の主」を名乗り、宴と虚栄にまみれた日々を送っています。彼の実力を知る者たちの間では、その身を着飾る宝飾よりも、いずれ鎖を断ち切る竜の怒りのほうが注目を集めているようです。

“導きの女公王”リジヤ・アルゲエーヴァ(人間/女/16歳)

「にぎやかな街ですが、それ故に魔神に心の隙を突かれやすい」
 スフバール聖鉄鎖公国の、まだ幼さの残る公王です。
 小柄ではかなげな少女ですが、魔神や“奈落”の影響力を感じ取る特殊な力を持つ公王家の血統を色濃く受け継いでおり、臣下臣民からは信仰にも近い敬愛を受けています。
 “導きの星神”ハルーラの司祭でもあり、優れた神聖魔法の使い手でもあります。また、“奈落”の気配をより敏感に察知するため、加えて国民の様子を見るために、しばしばお忍びで場外を散策することもある様です。
 時折足を延ばしては、公都からミルザへも来訪しており、密かに聖鉄鎖騎士団から聖金剛騎士団へ捜索依頼が出されることもあります。
 騎士団はもちろん、冒険者の活躍にも期待しており、その支援は手厚い事でも知られています。

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