少女が生まれたのは土の中、そこから芽吹く形で少女は生まれることになる。
初めて見た景色は森の中、大きな大樹達の近くで1人意識が芽生えた。
周囲には誰も居らず困惑する。
分かる事は自分の力でこの世界を生き抜かなければならない事だけだった。

彼女は1人で森の中で暮らし始めてから6年の月日が経過した。
その森は恐ろしいほどに何も無かった。
近くにあった湖から水分を、畑のような跡地から作った麦をパンにしてずっと過ごしてきた。
沢山ある木々からは果物が成る事は無かったのを不思議に思いながらもそれでも魔物に襲われること無く過ごしてきたのだ。
だがそんな暮らしも終わりを迎える。
ある日そこに旅をしていた一座が彼女を発見する。
彼等が彼女を保護したことで一人暮らしは終わりを告げたのだ。

3年の月日が経過して彼女は少しずつ成長をしていく。
初めは会話すらままならなかった物の少しずつ言語を覚えていき妖精語や交易共通語を覚えていった。
親となってくれた一座の皆に囲まれてすくすくと成長していきいつしか彼女の笑顔で周囲も明るくなっていく。
そうしてウルシラ･ブルライト･コルガナ･ランドールと主要な地方を巡っていきながら過ごしていったのだ。

やがて旅をしていた一座も1つの地域に定住を行っていく。
その地域では丁度大きな事件が起きて復興が必要な地域だった。
何でも領主が暗殺されてその住まいも火災によって消滅したとのことだった。
そこで旅をしていた一座もその復興を手伝いながら残された民達に外の商品を流通させていくことになったのだ。
そこで少女も1人の人族として生きていくことになる。
この時に初めて彼女は自身の名をミア、オーレリーズの姓名を名乗るようになった。

彼女は冒険者になるまでに多くの職場を転々とすることになる。
人手が特に足りないときにその補填を行っていく形で過ごしてきた。
その中で彼女は1人のアルヴの青年の担当となる。
何でも片腕を失ってしまったらしい、手術自体は成功したがリハビリの為の人手が足りないとのことだった。
そこで彼女はその青年に彼から求められた時に魔力を分ける事とリハビリの手伝いを行った。
その後は彼の元に現れた1人の女性が共に暮らしていくことになり、彼が退院した後に今度は孤児院での子供達のお世話をすることになる。
そこに居た1人の赤子は話すことが出来ずに泣くことも出来ないので誰かが常に様子を見る必要があったのだ、そこでメリアである私に白羽の矢が立てられる。
彼女の成長を見守りながら必要な時に手助けを行っていく日々、彼女に話させるのは苦しいと拒絶されたので文字を使って会話を行っていくことを薦めた。
こうして彼女の世話をしながらも他にも生活の保護が必要な子供の世話の為に家政婦としての仕事も行っていく。
その間彼女は別の家政婦の人と過ごしていった。
いつしか彼女が成長してまたあの時のアルヴの男性が彼女を引き取りに来るまで育てていくことになる。

13歳になったときに私はユーシズ魔法学園で過ごす事になる。
きっかけは何だったのだろうか、家族に護身術を学ぶように薦められた事がきっかけだったはず。
様々な手段があったのだが私は魔動機術を学んだ、他にも練体に関しても少しだけ学んだ、学園で過ごす中で色々な人と交流を深めることになったのだが恥ずかしいあだ名もその時に付けられた。

宿舎で成人して卒業する。その後はどんな事をして過ごそうかと悩んでいた頃に悪漢に絡まれることになる。
困っていた私を助けてくれたのはハイマ・レルゲルというエルフの女性だった、悪漢に対して華奢な身体でどう見ても体格で劣って居るのにそれを何ともせずに撃退していく姿に、私は初めて胸の奥が暖かくなる。
この感情の名前を私はまだ知らない。
けれどこの人の側に居たらもっと新しいことを知れるんじゃ無いかと思ったのだ。