ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

フォレスト - ゆとシートⅡ for SW2.5 - ゆと工公式鯖

枯れぬ生命森(ネス・カインド)フォレスト

プレイヤー:SubLeader

まずは話し合おうか」

種族
エルフ
年齢
46
性別
種族特徴
[暗視][剣の加護/優しき水]
生まれ
神官
信仰
“始祖神”ライフォス
ランク
ハイペリオン
穢れ
9
4
13
6
8
4
6
12
6
成長
16
成長
11
成長
5
成長
21
成長
37
成長
32
器用度
31
敏捷度
28
筋力
13
生命力
31
知力
62
精神力
51
増強
増強
増強
増強
増強
2
増強
器用度
5
敏捷度
4
筋力
2
生命力
5
知力
10
精神力
8
生命抵抗
20+2=22
精神抵抗
23+4=27
HP
76
MP
96+17=113
冒険者レベル
15

経験点

使用
274,000
残り
55,770
総計
329,770

技能

プリースト(ライフォス†)
15
レンジャー
15
ウォーリーダー
15
セージ
12
スカウト
9
アルケミスト
6

戦闘特技

  • 《魔法拡大/数》
  • 《魔法拡大すべて》
  • 《MP軽減/プリースト》
  • 《抵抗強化Ⅱ》
  • 《ダブルキャスト》
  • 《クイックキャスト》
  • 《キャパシティ》
  • 《先陣の才覚》
  • 《ルーンマスター》
  • 《トレジャーハント》
  • 《ファストアクション》
  • 《影走り》
  • 《サバイバビリティ》
  • 《不屈》
  • 《ポーションマスター》
  • 《縮地》
  • 《ランアンドガン》
  • 《鋭い目》
  • 《弱点看破》
  • 《マナセーブ》
  • 《マナ耐性》

秘伝

  • 《戦域魔導術アンナマリーア》
  • 《戦域魔導術ベロニカ》
  • 《戦域魔導術トルクワート》
  • 《古モルガナンシン王国式戦域魔導術入門》

賦術

  • 【クラッシュファング】
  • 【ミラージュデイズ】
  • 【パラライズミスト】
  • 【ヒールスプレー】
  • 【イニシアティブブースト】
  • 【マナスプラウト】

鼓咆/陣率

  • 【神展の構え】
  • 【怒涛の攻陣Ⅱ:旋風】
  • 【強靭なる丈陣Ⅰ】
  • 【陣率:効力亢進Ⅰ】
  • 【怒涛の攻陣Ⅲ:旋刃】
  • 【陣率:軍師の知略】
  • 【陣率:堅固なる布陣】
  • 【陣率:効力亢進Ⅱ】
  • 【怒涛の攻陣Ⅳ:輝斬】
  • 【怒涛の攻陣Ⅴ:颱風】
  • 【陣率:行使専心Ⅰ】
  • 【傷痍の見立て】
  • 【陣率:行使専心Ⅱ】
  • 【強靭なる丈陣Ⅴ:魔泉】
  • 【勇壮なる軍歌】

判定パッケージ

スカウト技能レベル9 技巧 14
運動 13
観察 19
レンジャー技能レベル15 技巧 20
運動 19
観察 25
セージ技能レベル12 知識 22
アルケミスト技能レベル6 知識 16
ウォーリーダー技能レベル15 先制 19
先制(知) +1= 26
魔物知識
22
先制力
26
制限移動
3 m
移動力
28 m
全力移動
84 m

言語

会話読文
交易共通語
エルフ語
汎用蛮族語
魔動機文明語
魔神語
神紀文明語
魔法文明語
地方語(コルガナ)
地方語(ランドール)
グラスランナー語
ノスフェラトゥ語
ドラゴン語
ソレイユ語

魔法/賦術

魔力行使/賦術
基準値
ダメージ
上昇効果
専用
プリースト技能レベル15 神聖魔法 26 26 +0 知力+2
アルケミスト技能レベル6 賦術 16
技能・特技 必筋
上限
回避力 防護点
技能なし 13 0
防具 必筋 回避力 防護点 専用 備考
バトラースーツ 10 1 魔法ダメージ-3
合計: すべて 1 0
装飾品 専用 効果
聖王の冠 回復魔法で威力表を振る時、1ゾロでも「魔力」点回復する
スマルティエのアイガード 純エネルギー属性の魔法ダメージ-4
ラル=ヴェイネの金鎖 その他
勇者の証・心
ロッセリーニの調声器 古モルガナンシン王国式戦域魔導術に必要
背中 野伏せセービングマント 回避や抵抗の失敗時に魔法ダメージ-4
光のシンボル ライフォスの聖印(専用化)知力+2
右手 正しき信念の指輪 精神抵抗+2
左手 叡智の腕輪 ✔MP 知力+2
多機能グリーンベルト 自然環境にいる状態になる
軍師徴章 ウォーリーダー技能に必要
軽業のブーツ 転倒しなくなる
アルケミーキット
所持金
39,195 G
預金/借金
150,000 G / 0 G

所持品

悪魔の血盤 1
冒険者セット 1
通話のピアス
月光の護符3個(+2)
陽光の護符3個(+2)
アンチマジックポーション3個
アウェイクンポーション5個
デクスタリティポーション
夢幻の薬1個
ロッセリーニの魔導筆
ロッセリーニの印形絵具
ロッセリーニの調声器
熱狂の酒
マナコート+
魔香水10個

マテリアルカード

BASSS
4
2
2
名誉点
547
ランク
ハイペリオン

名誉アイテム

点数
冒険者ランク700
ロッセリーニの魔導筆0
ロッセリーニの調声器0
装飾品専用化0
アイリス・ハーヴェスの貴重な友人(GMより)0
光のシンボル・専用化100
不名誉点相殺30
不名誉点
0
不名誉称号

不名誉詳細

点数
異端のライフォス信徒30

容姿・経歴・その他メモ

容姿:

約175cm 60kg 虚弱な印象を受けるエルフの青年
緑髪緑眼でメガネをしているが度は入っていない伊達メガネ。

性格:

人と対話することを好み、色々と達観気味な年若いおじいちゃん。

言動:

態度は柔和であり、声を荒げることは滅多にない。
争いを好まず対話で物事を収めようとする典型的なライフォス信徒であるが、
それが度を超えているため同じ信徒からは敬遠されている。
多くの場合、傷つけられればやり返してしまうのが性であるが、彼の場合はじっと耐えるのみである。
思慮深く知識が豊富だが、ひけらかさず相手の意志を尊重している。
以上の在り方から、彼を知ったり見聞きした人は彼を相談者として頼ることはあっても、友人としては人間味を感じず忌避する傾向にある。

戦闘スタイル:

深い知見からくる鋭い読みで相手に先手を許さない軍師であり、どのような大怪我も生きているのなら全快にできる神官。
戦闘嫌いの彼が導き出した戦闘をしない方法とは、相手に何もさせずに勝ち、戦意を喪失させることである。
そのため、彼は徹底的に相手の動きを読み、潰すために動く。
彼の恐ろしいところは他にもある。自身も盤上のコマとして考え、戦況を読み行動するところにある。
彼は必要とあれば自身さえも捨て駒にし、相手を討つだろう。
しかし、本質はやはり心優しき神官であり、相手の事情が分かれば傷を治してしまうほど甘い男である。

関係性:
トレ僕が知る誰よりも辛抱強い女性、一緒に頑張ろうね
ソルム優しい子、相手にわかるように喋られるといいかもね
ベニちゃん無理をしていないか心配になるくらい良い子、もう少し頼ってくれてもいいんだよ
お姫様(アイリス)期待してもいい?
サラーナ思考能力が乏しいけど根は真面目だし悪い子ではないね、僕らのリーダー
レフィ凄い力の持ち主だし、まともって感じだね
マティアス僕以上に高位の神聖魔法を使える英雄さん。あんなふうに強くなれたらと嫉妬するね。うちの子がお世話になりました。
ユリアンあの歳で知も武も兼ね備えたすごい子。受け答えもしっかりしてるし、くだらない事で怒らない。すでに心は練り上がりつつあるね。もう少し子どもしてもいいんじゃない?
カイサベニちゃんの親友?力を持っているけど恐怖する心も持っている。きっともっと優しくなれる
ティナ飄々とした態度だけどしっかり物事を考えているみたい。ゆっくり話をしてみたいね
フバル正しく力を扱える信用のできる大人
ノーラ少し言葉がきついけど悪い子ではないのはわかる。言葉もソルムよりは全然マシだしね
ルーネン子どもって扱いをするには力を持ち過ぎている
ユース君の姉は本当に正しいのかい?
経歴:
始まり:

「あなたのように優しくありたい」

その理想が運命を決めたのか、元々そういう運命だったのか。
ウルシラ地方セブレイ大樹海の近くの小さな村にて、神官の子として生まれた彼はとても賢い子であった。
人の問いに対してその人の求める答えを返し人が問題に直面すると誰よりも早く駆けつけた。
彼は多くの人に好かれ多くの人を好いた。
そんな彼が聖印を与えられるのは当然のことだった。
父は彼を祝福し、ライフォスの神託を与えた。

(生きてしまった):

彼がまだ10歳にも満たない子どもだった時である、蛮族が村を襲い彼も含めて多くの者が捕まった。
それは奴隷の日々の始まりを告げた。ランドール地方のどこかで、彼とその仲間たちは売られた。
弄ばれる仲間、何もできない自分、せめてもと彼は仲間たちに言い続けた
「きっと助けが来る」
しかしそんな者は現れなかった。
やがて奴隷たちの中で病が流行ると多くの者たちが命を落とした。
その中には彼の友達もあった。
友は最後に
「結局、助けは来なかったけど、お前の言葉は俺の救いだった。」
と告げた。

彼は自身が言い続けたことが仲間達の苦しみを長引かせあまつさえ殺したと自責の念に苛まれ、なおも生き続ける自身の体を呪った。

(生きなければいけない)

体は痩せ細り意識は朦朧としていたがそれでも奴隷として仕事をし続けたある日、馬車が大きく揺れると彼は馬車から落ちてしまった。
蛮族は彼が落ちたことを気にも止めずそのまま去ってしまった。
彼は思いがけず自由になれたがその心は暗いままだった。
もう生きている理由がないからだ。
友達を仲間を苦しめたのは蛮族だけではない、無理やり生きる気持ちを奮起させた自分のせいだったからだ。
失意の中森の中を歩いていると
「大丈夫?」
と声をかけられた。
声の主を見てみるとどうやら人族のようだ。
「大丈夫じゃないよ、もう」
そう言うと彼は倒れ込んだ。

目が覚めるとそこは民家のようだ。
先刻の人族がどうやら運んでくれたらしい。
何か話そうとしたが体は衰弱しきっており、話せるようになるにはかなりの時間を要した。
やがて身体が元気になっていくと、彼はその女性の話を聞いた。
話を聞くと彼女はトレといい、長命種のメリアで何年も仲間たちと森の中に引きこもっているようだ。
彼は事情を彼女に説明すると、彼女は彼をそっと抱き寄せ
「もう大丈夫よ」
と言った。

この日から2人の共同生活が始まった。初めこそ戸惑っていた彼であったが彼女の質素すぎる生活方法に驚き自身がしっかりしないとと家事全般をこなした。その生活の傍ら神殿に赴いたり、彼女が学んだドルイドの知識や考え、そして彼女の思いなどを聞いた。
やがて、ランドール地方での小競り合いが激化すると、二人は戦火を逃れるように南下し最終的にハーヴェス王国まで渡航して移住した。新天地でも二人は変わらず穏やかな生活を送っていた。

そんな生活を数年続け日々に余裕ができるようになった頃、彼は悩んでいた。
それは彼の蛮族や自身に対する恨みつらみや彼女の説く思想、そして同じライフォス信徒が説く教義が対立するからだ。
仲間達の悲鳴、理不尽に与えられた痛み、友の最後、今でも鮮明に思い出され眠れない夜も動けない朝もある。
ライフォス信徒たちは蛮族に攫われたことを話すと穢れた種族を滅ぼそうとすることは善いことだと説くが、トレは蛮族も人族もどちらも慈しむことが善いことだと説いた。
同じ信徒たちは実際に経験したわけではなくとも正しいこととして主張をし、彼は言いようのない孤独感と葛藤があった。
徐々に彼の心は追い詰められライフォス神殿にも次第に行かなくなり森を散歩するようになった。
そんな折であった、ライフォスから2度目の神託があったのは。

神は何も言わずに彼の言葉を待った。
彼は「ごめんなさい、あなたのようになれなかった。色々な人を傷つけました」
と自身が罪に思っている事を告白した。
神は「貴方は優しくそして賢い、どうか自分を責めないで、しかしその心性を失わないで。」
「そうすれば貴方の理想は叶う。どうか皆に調和を」
とまだ彼が道半ばであること、神の願いが伝えられた。
彼はこの日自身の生きる意味を知った。
彼はトレと話をし、他の神の信徒と交流をしたりライフォスについての意見交換をしたりした。

贖い(自罰):

やがて彼があらゆる知識をつけ始めたころ、
神官としての仕事である村を訪れた。その村は魔導機文明時代から人族との交流を絶っていたエルフの村で排他的なところも目立つがそれゆえに昔から続いているライフォスへの信仰が残っていた。
彼は見聞を広めるために村を訪れたが、そこで運命の出会いがあった。
ナイトメアの少年である。
少年は同年代からいじめられているようであるがやり返したり声を荒げたりせずただ受けるばかりである。
少年について神官に聞くと
「あれは穢れている、まだ外に出さないだけありがたいと思ってもらいたいもんだ」
と返された。
彼はどうすることが正しいのか悩み、村を離れるときにある決断をした。
ナイトメアの少年を引き取ったのである。
村の住人はもちろん少年も困惑したが、彼は
「きっとライフォスならこうするはずです」
と明け透けに言った。
これは村の住人たちの顰蹙を買ったが彼は気にせず少年を連れて行った。

一緒に歩き家が近づいてきた時、少年が口を開いた。
「なんで俺を助けた?ライフォスは穢れが嫌いなんじゃないのか?」
彼は
「僕が知ってるのは彼が蛮族さえにも融和をしようとした優しい神様ってだけだよ、僕はそんな彼の信徒だからね」
と答えると、少年はこの言葉に怒り始めた。
「じゃあ今まで俺が受けてきたのはなんだったんだ!」
「気持ちは分かるけど落ち着いて」
「お前に俺の何が分かるんだ!」
彼の不用意な発言は少年の逆鱗に触れ、少年は彼に殴りかかろうとする。
彼は動じずに
「殴りたければ殴れば?」
と少年を挑発する。少年は怒りに任せて殴り続けるが次第に疲れ、しばらくすると殴るのをやめた。
「なんで殴り返さないんだよ」
少年は疑問に思った事を口にした。彼は少年に殴られている間、一度も抵抗せずただ神聖魔法で自身の傷口を治すだけであった。
「今のは僕が悪いからね、簡単に"分かる"なんて口走ってしまったから」
「...っ」
「とはいえ殴り疲れたのなら僕のお願いを聞いてほしい」
「なんだよ」
「教えてくれないかい?君のこと、君の今まで、そしてこれからどうしたいのか」
「はぁ!?なんだよいきなり・・・」
「僕にも手伝わせてよ、君の人生を」
彼がそう言うと少年は困惑した。
少年の話を聞いてくれる者などいなかった。
少年の事に関心を持つものなどいなかったからだ。

少年は時に言葉を間違えながらも今までのことを伝えた。
両親も名前もないこと、これまで村の人間に見向きもされてこなかった事
ひとしきり話すと、彼はこのあとどうしたいか聞いた。少年は少し考える素振りを見せると、自由に生きたいと返してきた。
「なら手始めにうちにおいでよ」
彼は少年に手を差し出した。
少年は彼の手を取って家に入った。

(受け入れるもの)

少年にソルムという名前がつき、3人の生活に慣れたころ神殿でフォレストに関する噂が流れ始めた。
「ナイトメアを受け入れた」
別にライフォス信徒だからと言って絶対ナイトメアを容認しない訳ではないが、彼の場合は穢れをもつものさえも積極的に受け入れるのがライフォスであるという解釈のもとに引き取ったため、多くの信徒たちが彼を問い詰めた。
しかし彼はダルクレムと融和しようとした事、蛮族でありながら第一の大神となったミリッツァを例に出し、ライフォスの理想とは種族問わずの調和であると説いた。信徒たちは納得できない顔をしつつも言い返すことができず、すごすごと彼の周りを離れた。
彼の主張は翌日には広められ、穢れを容認するべきだと曲解された。
多くの信徒たちが彼を危険視し、長い下積みによって気づいた司祭の地位を奪われ、不名誉を被った。
しかし、彼は曲げる事なく理想を説きどれほど邪魔をされても続けた。

そんな中、ソルムは彼のことを心配した。
自分のせいで彼が困っている。そう思うが、自分が出来ることなどたかが知れていた。
そこでソルムはトレに相談すると、
「もっと彼と話してあげて。今日何があって、何を思って、何をしたか。」
「あとは、毎日のちょっとしたことでも"ありがとう"と"どういたしまして"は忘れないで」
ソルムは、トレに言われたことを愚直に守り、彼はソルム達との対話を支えに頑張った。

邪悪(対話を愛するもの):

しばらくしてソルムが仕事を受け持つようになったころ帰ってきた彼を出迎えると少女を1人連れていた。
ソルムに話を聞くと
「もし俺がフォレストに会えなくてあのまま村にいたら同じことをやっていたと思う」
とソルムが言うと、フォレストとトレはそれ以上何も言わず少女を迎えた。
少女は自責の念と境遇からいい子に振る舞っていた。
彼らは少女を気遣い、詮索せずに家族として振る舞った。
少女がやがて心を開くと、トレは少女にベニグスという名前をつけた。

ソルムがベニグスを連れてきたころ、神殿でのフォレストの悪い噂と実際のフォレストの印象が食い違い、新規信徒たちはどちらを信じたものか分からなくなっていた。
しかし、彼がアルヴと一緒にいたという話が流れ、彼もそれを認めたために穢れを容認するべきという曲解された主張がまた広まり、彼は神殿での居場所と立場を失い、異端の烙印を押された。
もう彼も自身の主張を言うのをやめた。

ベニグスもソルムと同じように悩みトレに相談した。
トレは前も同じことがあったわねと言いつつ、同じように教える。
ベニグスは、
「ありがとうはわかるけど、どういたしましてはなんで?」
「どういたしましては、貴方の"ありがとうを受け入れます"っていう言葉なのよ」
「...うん」
トレは、優しさを受け入れることをベニグスに教え、ベニグスはそれを理解した。
ベニグスは、彼に話をし、ありがとうを言い、どういたしましてを返した。
やがて、家族としてベニグス自身が彼らを受け入れられるようになると、彼の境遇を知り、自身の境遇を重ねて少し憐れむように言う。
「私と同じなんだね」
「同じなんかじゃないよ、似たような事かもしれないけど君の方が大変だったはずだ。どうか君の悲しみを大切にして欲しい」
彼はベニグスの発言に少し笑った後、諭すように伝えた。
ベニグスは少し驚いたような顔をした後、
「ありがとう」
「どういたしまして」

彼は、神殿での立場がなくなったため生活費に困るようになった。彼はソルムを誘いハーヴェス王国の冒険者として生活費を稼ぐことを決めた。

希望(期待してもいい?):

キャンペーンシナリオ後

国の一大事をおさめたフォレストたちはハイペリオンの称号を与えられた。
他の冒険者たちは英雄と呼ばれ称賛されることを喜んでいるのに対してフォレストの表情は曇っていた。
彼の中ではたとえ国を救うようなことでも人殺しなんてしたくなかったからだ。
「浮かない顔ね」
彼ら冒険者たちを徴用していた姫アイリスがフォレストに声をかけると
「さぁ、疲れたのかもしれないね」
と返した。
「ねえ、フォレスト。貴方の悪い噂は聞いていたわ。異端のライフォス信徒だって、穢れを容認する蛮族の手先だって、でも私が見てきた貴方は全然違ったわ。貴方は正しくライフォスの信徒だと私は思うわ」
「ありがとう、少しは気が楽になったよ」
アイリスの言葉に対してフォレストは少し安堵の表情を浮かべた。
「そういえば貴方はこれからどうするの?今回の件で神殿に戻れば元の地位以上になれると思うけど?」
「彼らと僕は反りが合わないから、戻るつもりはないかな、トレやソルム、ベニとゆっくりしながら冒険者でもするよ」
「そう、なら貴方に提案があるわ」
姫は彼にある提案をした。彼と正確には彼の家族とこのまま契約を続行することを。
「私はもっとこの国を良くするわ。人族も蛮族も少しでも多くの命を救えるように」 
「だから、貴方も手伝ってくれないかしら?」
フォレストはこの提案に笑顔で答えた。
「喜んで手伝うけどみんなにも聞いてみないと」
「他の人たちにはもう聞いたわ、全員フォレストがいいならって言ってたわよ」
フォレストは思いがけない返答に苦笑いすると
「なるほどね、ならこれからもよろしくお願いします、姫様」
彼は跪き、姫の手の甲にキスをした。
「あ、一つ条件追加してもいい?」
フォレストは立ち上がるとアイリスに告げる
「何かしら?」
「これからは駒じゃなくて友達でお願い」
姫は笑いながら
「呆れたわ」
と言うと
「それはどうも」
とフォレストも笑いながら返した。
2人の笑い声が重なる

まだ道半ばかもしれない。それでも、
「少しはあなたに近づけたかな」


贖い切れぬ罪(死にぞこなった):

堕ちた英雄-ルーネンオブザリベリオン後-

彼はアイリスを庇い、仲間であったユーステスから致命的な一撃を受けた。
右腕は吹き飛び、腹部の肉は抉れ、肋骨の骨は剥き出しになり、右上半身が壊死しかけるほどの大きな傷を負った。
幸い、その場にいたダリオンの神官にて強力な回復魔法を唱えられると、峠を越え息を吹き返した。
しかし、意識はすぐに戻らなかった。
また、確かに最上位の神聖魔法をかけられたが失った部位を治すことはできておらず、右腕は無く、腹には空洞が空いたままだった。
妖精魔法にて部位再生の魔法もかけられたが。何時完全に回復するかは分からなかった。
アイリスは、ルーネン姉妹を刺激しないように護衛を最小限しか連れて行かなかった。
しかし、それがルーネン姉妹に野心を抱かせ、彼に大怪我をさせることになってしまった。
アイリスは責任を感じ、自身の私室で彼の看病をした。
彼女は私室にて仕事をこなし、使用人に教わりながらぎこちなくフォレストを看病する。
そんな日が三日三晩続いた時、彼女は疲れから彼のベッドに伏す形で眠ってしまう。

しばらくすると彼が目を覚ます。
彼は腹のあたりに重みを感じ、目をやると、月明かりに照らされて眠るアイリスの姿があった。状況を整理すると、彼女が自分を看病をしたのだと思い至り、右手で彼女の頭を撫でようとする。
しかし、自分の右腕がないことに気づき狼狽える。
身じろぎをしようとすると、右側が足以外ほとんど動かず腹部からは激痛が走った。
どうやら自分が思っている以上に重傷なのだと理解すると、そんな自分を看病したアイリスに愛おしさを感じ、左腕でぎこちなく彼女の頭を撫でる。
しかし、上手く腕を動かせず彼女を揺さぶってしまう。
アイリスはその揺れで目を覚ますと、彼が起きていることに気づく。
「目を覚ましたのね」
アイリスは目に涙を溜めながら、笑顔を浮かべて彼を見る。
「ええ、おかげさまで」
彼は痛みに耐えながら起き上がり、笑顔を返す。
「無理はしないで、相当痛いはずよ」
とアイリスが彼の身体をいたわると、フォレストはその言葉に甘え、身体を寝かしなおす。

彼はアイリスにルーネンたちのことを聞いた。
アイリスは、メルクリーは死んで、ルーネン・ユーステスは終身刑を言い渡されたことを教える。
「ごめんね、姫様。僕らがもっと彼女たちを叱っていれば」
彼はアイリスにルーネン姉妹たちを放置したことを謝罪すると、
「これはあなたのせいではないわ。」
「それにあなたは孤児院の時にルーネンに叱ってくれたでしょ?」
「それでも彼女は自分たちの振る舞いを変えなかった。あなたの優しさに気づかなかった彼女の責任よ。」
「だから貴方に落ち度なんてないわ。」
とアイリスは告げる。
「ふふ、ありがとう。そう言ってもらえると少しは気が楽になるよ。そういえば、怪我はない?」
ユーステスの全力の一撃を受けた際、彼がアイリスを咄嗟に庇ったが、それでもとんでもない一撃であった。
彼はアイリスに怪我はなかったか聞くと、
「ええ、おかげさまで」
少し擦りむいたくらいよと返す。
二人はお互いに気遣い合うと会話が止まる。少しすると、彼は
「こんな高貴な人に看病をしてもらえるなんてね、人生分からないものだね。」
と笑うと、
「私もまさか貴方とこんなに仲良くなるとは思わなかったわ。貴方は最初、私の誘いを断ったのに。」
とアイリスが返す。二人はしばらくの間、半年前の出会った頃から今までの話に花を咲かせた。

やがて話題がつき、部屋が静寂に包まれると、
「看病をされるなんて昔のことを思い出すよ」
と彼が、トレと出会った頃のことを懐かしみ始めた。
「そういえば、貴方は昔はどんなエルフだったのかしら?せっかくだから知りたいわ。」
とアイリスが尋ねると、フォレストは自分の事を話した。


その話は、どんな物語よりも悲しく、救いの少ないものだった。むしろ、物語ではないからこそここまで救いがないのかもしれない。


「大変だったのね」
とアイリスは彼を優しく見る。
「でもそのおかげでトレやソルム、ベニちゃんに会えたし、貴女や仲間たちに会えたから...案外悪くないよ」
「それでも、その生き方は本心からそう思って生きているわけではないでしょ?言い聞かせているように見えるわ」
アイリスが鋭く指摘すると、
「...うん、本当はね、これは頭で考えた理想のライフォス信徒で僕の本心から行動しているわけではないよ。」
フォレストは隠していた本心を伝えた。
「本当の僕は"フォレスト"みたく素晴らしくないよ。でも人の顔色を見るのは得意だから上手くみんなを騙せているんだ」
と彼は強がって笑って言う。アイリスはそんなフォレストの笑顔を見ると、
「あなたの名前を教えてくれるかしら?」
と彼の名前をきく。
フォレストが不思議そうにアイリスを見る。
「貴方はフォレストではないんでしょ?」
「フォレストが理想のライフォス信徒なら今の貴方はそうではないはずよ。」
「だってフォレストは神様以外に自分の隠していた本心は伝えないんでしょ?」
とアイリスは、彼の話を理解して彼に疑問を投げかける。

彼は考える素振りを見せると、
「ネス・カインド」
と自身の名前をつげた。
「そう、ネスっていうの」
アイリスは何度かその名前を口づさむと、意を決したようにネスに話しかける。
「ネス、私は貴方にフォレストであることを強要しないわ。好きな方で居て」
「ネスでもフォレストでも貴方であることには変わらないでしょう。」
「それに私は貴方の友人なんだから、無理に嘘をつく必要なんてないわ」
とアイリスが言うと、ネスは笑顔になる。
それは、フォレストであった時にし続けた張り付いた笑顔ではなく、本心からの笑顔だった。

彼が起きてから数日がたった。アイリスは仕事の合間にネスと雑談していた。
ネスはアイリスに完全に心を開き、元の親切な性格とフォレストの信念を持った性格をアイリスに見せた。
アイリスは、そんなネスとフォレストの二面性を楽しみ、淡く恋をするのだった。

生まれ出た本音(幸せになってもいいのかな):

勇者シナリオ導入後

アイリスとフォレストは、ユリアン、ティナを送ったあと、二人きりになった。とてつもない気まずさがアイリスを襲う。
「悪かったわね、あなたを疑って」
アイリスは、フォレストを疑い、厳しい言葉をかけたことを謝罪した。
「あの状況ならどう足掻いたって僕が怪しいから仕方ないよ。」
「それにちゃんと疑ってくれて嬉しかったよ。事実から目を逸らさずにどんな相手でも疑える人、僕は好きだよ。」
彼はいつものように笑って返す。
「貴方って、やっぱりおかしいわよね。」
アイリスは呆れながら、彼を見る。
「一応聞くけど、それはフォレストとしての意見?、それともネスとしての意見?」
「両方だよ、姫様の疑いは正しいことだったし、僕は信頼とは疑えるってことも含めると思うから。」
「疑わないことは信頼ではなく盲信であり、相手に責任を押し付ける行為だからね」
ネスは言う。
「流石に人とは違った見方でライフォスを信じる神官は違うわね。でも貴方のそれも一種の盲信ではないの?」
「僕はこの考えの責任はいつでも自分で取るつもりだよ?それに別に自分の信仰を疑っていないわけではないよ。」
「なんならいつも疑っているよ。」
ネスは目を伏せながら続けて言う。

「正しいことはいつだって分からないものなんだ。」
「その状況では正しくとも、長い目で見れば間違いである可能性だってあるし、その逆もあり得る。」
「だからいつも疑い続けないといけないんだ。それは本当に正しいのかって」
「だからユリアンは止めて、ユーステスは止めなかったのね。」
「ユリアンには託すという行為の責任を、ユーステスには行うという行為の責任を教えるために」
「うん、何かをすれば必ずその責任を自分で取らないといけないものなんだ。そしてそれは自分で学ばないと意味がないから」
そう言うネスの顔が曇るのを、アイリスは見逃さなかった。

アイリスはネスの歯痒さに気づいていたのだ。
本当はユーステスの事や孤児院、そしてその外で魔法を他者に向けたルーネンを止めたかったはずだ。
けれど、それをしてしまえばユーステス・ルーネンは「誰かに止められる事」を前提にずっと行動し続けた事だろう。
誰も止めなければこれは良い行い、止められたら悪い行い、判断を他人に委ねた無責任な生き方を。
ネスとしてフォレストとして、ルーネン姉妹にそれを辞めさせたかったから自分が傷ついても彼女たちに行動を起こさせ叱ったのだ。
しかし、彼女たちは行動を顧みず、自分は正義だと疑わず、今度は私に剣を向け己が行為を正当化した。
あの時、貴方はどれほど辛い思いをしたんだろう。今までずっと、何度も何度も信じて、その度に裏切られて、それでも祈り続けて、、、

「姫様、どうしたの?辛いことでもあった?」
ネスに指摘されると、アイリスは自分が涙を流していることに気づいた。
「...ええ、とっても辛いことがあったわ。」
そう言うと、アイリスはネスに近づく。
「撫でなさい、いつもみたく優しく抱きしめながら」
アイリスが告げると、いつものようにアイリスはネスに背中を預けるように座り、ネスは彼女を後ろから抱きしめ、頭を撫でる。

彼には二つの側面がある。正しく優しいフォレスト、親切で優しいネス。
フォレストは、物事の正しさや正当性を考え、多角的に物事を見るため、忖度なく・貴賎なく判断し、発言し行動する。
ネスは、相手に寄り添うため、例え正しくなくても相手を想い発言し行動する。
フォレストなら自分で自分を慰める方法、他者に甘える方法を教えるであろうし、実際にその方法を聞いたこともあった。
ネスにお願いすれば大抵のことはやってくれるし、ほとんどの事を許してくれる。

彼は、全ての種族の調和を求めている。それは確かに本心ではあるはずだ。
でも、それをネスとして行うのではなく、フォレストとして行おうとするのは、彼自身ただの親切なエルフとしての想いでは成し得ないという事を理解してしまっているのだ。
どう頑張ったって全ての人を差別なく平等に扱うなど不可能であるはずだと彼も分かっているはずなのに、それでも理想のために人の身で、人の身では成し得ない想いを形にするために努力しているのだ。
その想いは尊く美しい事だが、この上なく不自由で生きる事に向いておらず、自殺願望に近しいとさえ思われる。

その時、アイリスはトレの言葉を思い出した。ネスがライフォスの神託を受けた時の事である。
ネスは、希死念慮まで追い込まれライフォスの神託を貰った。
これは神に仕組まれた運命なのだとアイリスは思うと、ライフォスが憎らしいとも思った。
しかし、そのおかげでトレやソルム、ベニグスは彼に救われた。
自分が徴用した冒険者や自分もそうだ。神殿の人達がフォレストに理解を示さなかったから会えた。
もしあの時徴用しようとしたのがフォレストでなかったらあそこまで看病をされなかったかもしれない。
ネスという名前を教えてくれるほどの関係になれていなかったかもしれない。
絶望が彼を多くの人を幸せにできる希望として育てたのだと、アイリスはそこまで考えると一つの疑問が浮かんでくる。

じゃあ、誰が彼を幸せにするの?

どれほど傷つけられても、どれほど裏切られても相手を信じた彼は多くの人を救い、幸せにしてきた。
しかし、彼に幸せを返した人はいれど、彼に幸せを与えた人はいるのだろうか。
ライフォスはネスの理想を叶えるためにこんな辛い生を与えた。
彼の理想通り、彼はとても優しくなれた。それこそ神様みたいに。
けれど、それだけでは彼は幸せになれない、なれていないのだ。
彼の思いを単なる親切として、ただの優しさとしてしか理解されていないのだ。
誰かが彼の優しさを理解し、受け止めなければネスもフォレストもいつか消えてしまうかもしれない。
...「ネスのこと、お願いしてもいいかしら?」
トレの言葉が思い起こされる。


アイリスは決心するとネスの方に向き直る。
「もうおしまいにする?」
とネスが聞くと、アイリスは彼を抱きしめ、彼の顔を自分の胸に押し当てた。
「ネス、顔を見ながら言うのは恥ずかしいからそのまま聞いて」
「私はね、この頃貴方を見ていると胸が苦しくなったり、呼吸が乱れたりしたわ。」
「私は貴方に恋をしているんだって、すぐに気づいたわ。だってこれほど私と対等に接してくれる人はいなかったもの。」
「でも、私は王族で貴方は普通のエルフ、報われない恋だと思って諦めていたわ。」
「だからせめて友人として貴方を精一杯幸せにするつもりだった。」
「でも、それじゃあ貴方はちゃんと幸せになれないって今分かったわ。」
そこまで言うとアイリスは、手を離し彼の顔を上げさせた。
「好きよ、ネス。」
そう言うとアイリスはネスに有無を言わさず口付けをするのであった。
唇と唇が離れると、少し沈黙が訪れる。
ネスは口を開いた。

「良いのかな、幸せになって」

そう言うとネスの目からは涙が零れ始めた。
思えば初めてのことだった。
自分のことを知らない他人と時間をかけて知人となり、心を通わせ友人となり、理解されこのように思いを告げられることは、
ネスにとって、フォレストにとって初めてのことだったのだ。

彼は、悲しみに暮れ理解を求める人達を救ってきた。
しかし、人々は自分が受け入れられると、それに満足しその先のこと、受け入れてくれた人を受け入れようとしなかった。
他者に幸せを与え続けた彼には、幸せを願われることはあれど、対等な存在として幸せを与えようとしてくれた他者はいなかったのだ。
アイリスは、そっといつも彼がしてくれるように抱きしめ、頭を撫でた。
やがて、安心したのかネスはそのまま眠りにつく。アイリスはそれを見届けると彼をベットに連れて行き、自分は仕事を行なった。

夜がふけ、そろそろ眠りにつこうと思うと、ネスが起きる。
「寝覚めはどうかしら?」
とアイリスがネスに聞くと、ネスは
「とても気分がいいよ」
「それで?」
「?」
「あの告白の返答よ」
とアイリスが顔を背けながら言うと、ネスはアイリスに歩み寄り唇を奪う。
「なかなか恥ずかしいね」
とネスは顔を赤くしながら言う。
「これからは恋人として一緒にいよう、アイリス」
とネスが言うと、アイリスも顔を赤くしながら答えるのだった。
二人の唇はまた重なり合う。

赦し(自分を許してあげて):

彼がアイリスと恋仲になった後、目に見えて彼が屈託のない笑みをあげることが増えた。
その様子をトレたちは喜び、それを与えたアイリスに感謝した。
しかし、ある日からまた影を刺すようになった。
浮かない表情をする時がまた増えたと、トレがアイリスに相談すると彼女らはネスに聞くことにした。
「幸せすぎてぼっとする事が多いだけだよ」
ネスははぐらかすように答えた。
アイリスもトレも深くは立ち入らず、その内に本人から話されるのを期待し、ただ
「話したくなったら教えて」
と伝えた。
しかし、その話を引き出したのは、アイリスでもトレでもなくピルスだった。
「何か、アイリスさんに思うところがあるんですか?」
「時々、変な顔をしてますけど、アイリスさんと一緒にいる時は特に変です。どうしたんですか?」
ピルスは、アイリスと一緒にいる時に特にネスの表情が曇ることに気づくと鋭く指摘した。
ネスは、またはぐらかそうとするが、ピルスはじっと真剣に彼の顔を見る。
期待してもいい...ピルスの言葉を思い出し、彼は
「最近、幸せだと感じることが増えたんだ。」
ポツリと話し始めた。
「でも、その幸せを感じるたびに思い出すんだ。攫われた時のこと、大切な友達を失った時のこと、みんなに理想を否定された時のこと、幸せと一緒に嫌なことも思い出すんだ。」
「僕は、怖いんだ。幸せになる事が。」
「僕は許せないんだ。僕自身が」
彼の語る考えは自罰的だった。
自分だけが生き残ったことを咎だと考え、生きる意味を知るまでのことを罪と思い、今まで生きてきた人生をそのための贖いとして捉えていた。
それ故に現状の幸せを受け止め切れていなかった。
アイリスは、少し呆れたように笑うと
「貴方らしいと言えば貴方らしいわね」
「でも、心外ね。私と結ばれているのにその幸せを噛み締めていないなんて」
「どうしたら、貴方は私からの幸せを受け止めきれるのかしら?」
少し怒気を混じらせながら彼女はネスに近づいた。
「僕にも分からないよ、だってこんなに幸せになった事ないんだから。」
「僕を愛してくれる人、好いてくれる人、対等に話してくれる人なんていなかったんだからさ」
ネスは少し哀しそうな表情で言うと、黙りこくる。
少しの重苦しい沈黙の後、
「なら、その幸せが当たり前になるくらい続ければいいんですよ」
ピルスは得意げな顔で言い放った。
「ネスさんが今の幸せを不安に思うのは、それが当たり前じゃないと思うからです。」
「なら、当たり前になっちゃえばそんな事思いません!」
「...というか、アイリスさんとネスさんってお付き合いしてたんですか?」
ピルスは不安そうにトレをみる。
「ええ、アイリス姫は私とネスとそういう関係よ」
「お母さんもそういう関係なんですか!なら大丈夫です!!」
「いや、何も大丈夫じゃないでしょ。よくよく考えてみると、凄い関係だな」
ピルスが自信満々に言うと、ネスが苦言を呈した。
「ピルスくんの言う通りね、望むところよ。貴方が自分の幸せを認めてあげられるまで、まずは続けるわ」
「...そのあとはどうするの?姫様」
「私からの幸せをしっかり受け取れるようになったら、今度はもっと二人を幸せにするわ」
「...僕抜きで話進んでない?」
「いいえ、貴方がいる事が前提の未来の話をしているわ」
「貴方も貴女も安心して私に幸せにされなさい」
アイリスは堂々と二人に言い放ち、少しした後赤面し、トレもネスも赤面する。

ピルスはそんな三人の初々しい情事を目の当たりにし、どうかこの人たちが幸せでありますようにと願い、笑った。

幸せ:

3人がより親しくなり、4つの季節を3度跨いだ頃、17歳となったアイリス姫の元には数々の縁談の話が持ちかけられていた。
彼女はネスたちを含めた従者たちに依頼する形で、多くの事業に乗り出した。王国困窮市民に対する慈善事業、王国兵の練兵と募集、はぐれ蛮族や人族の子の支援に、国内外の有名貴族や有力議会員などとのパイプ作りなど、この国の政治を安定させ、人々の暮らしを豊かにする為に邁進した。
それらが一定の成果を見せ、国内外問わずに、国王であるヴァイスと周辺諸国の有力者達、そして国内の有力者たちを繋ぐ橋架け姫として名を轟かせた。それ故に、その相手も多種多様ではあったが、皆が所属する世界において何かしらの地位に就いている有力者の子や有力者本人であり、人々もどのような方と結婚するのか語り草となっていた。
3人の関係を知る者は懇意にしている冒険者以外にはおらず、またネスはソルムやベニグスの時のように、アイリスに万が一でも悪い噂が立たないように慎重に付き合った。
トレはそもそも同性であり、またメリアである為に人々のそのような関心の外であり、特に考えずに振る舞った。
それでも下衆の勘繰りのようにネスとアイリスの関係を噂し、すでに姦通をしたものとしている物もあったが、二人は至って健全に付き合っていた。唇こそ重ねたが、それ以上は重ねなかった。
それは王女という立場を考えたものであったが、彼女の決意でもあった。
しっかりとこの国の地盤を固める事、その為にできる事をやりきることを彼女は決心した。しかし二人と男女の関係になってしまい万が一孕れば、十全に行動する事ができなくなる事を危惧した彼女は、二人にそこまでの関係になる事をまだ禁じ、二人もそれに納得していた。
そうやって事を成した彼女であったが、街で聞く噂の中にネスやトレと結婚するという話が出てこなかった事に少しの苛立ちを感じていた。
「それで?姫様はどなたを選ぶの?街の噂はそれでもちきりよ?」
「トレ、揶揄わないで。こっちとしては少し苛立ってるんだから」
アイリスは合間の時間にトレを呼び、少しだけ愚痴をこぼすのであった。
「ふふ、ごめんなさい。でも、嬉しくって。そういう話がしっかり出てきたし、貴女もそろそろ結婚しようと思ってきたって事でしょう?」
「...ええ、そうよ。私が必要だと思った事は貴女達のおかげで形になってくれたし、陛下の権力闘争も落ち着いて、皆が陛下を支持してくれているしね。」
「私が今出来ることは終えたと思うわ」
アイリスは少しだけ名残惜しそうに語りつつもその表情は晴れやかだった。
「...なら」
「ええ、3年も待たせて悪かったわね」
「私は嬉しいし、彼も喜ぶと思うわ。でも、どうするの?身分の違いを飛び越えるには障害が多すぎると思うわ。私は別種族であり同性だから家族を残せない。ネスには血筋がなく、その上神官、しかもただの神官じゃなくて、いわゆる悪い神官としてみんなに見られているわ。体裁が悪い私たちは王族や有力者たちに煙たがられるではないかしら?」
「そんな事言い始めれば私だって妾の子、肩身の狭さなんて今に始まった事じゃないわ。それにあなた達にその生きづらさを与えるつもりはないわ。」
「じゃあどうやって?」
「そうね、ここから先は貴女だけじゃなくて、ネスにも伝えたいから後日、二人で来てくれるかしら?連絡はいつもので」
アイリスは自身がつけている耳飾りを指差しつつトレに伝える。その表情はいつもの気丈さを示しつつもどこか柔らかだった。

後日、二人がアイリスの元を訪れると、改めて彼女からどうするつもりなのかを伝えられる。
「私が二人を受け入れる形だと、どうやっても遺恨は残ってしまうわ。例えその時は良くても、子どもが産まれれば継承権の問題が生まれて、権力を持ちたい者達がきっと利用しようとしてくるわ」
「うん、それは僕らも危惧しているところだよ。それに、僕には色々と悪い噂もあるし、最悪相応しくないという事で無理やり結婚相手を決められる事だってあるかもしれない。」
「ええ、だから逆にしましょう」
「...どういうことかしら?」
「私があなた達を受け入れるんじゃなくて、あなた達が私を受け入れるの。」
アイリスが示した3人で一緒になる方法は、アイリスが王位継承権を捨てて、2人の元へと降るというものであった。確かにそれであれば、アイリスも一般人という扱いになり政治的なしがらみからは抜け出せる。
「...君はこの国の宝だよ、アイリス。そんな君がこの国の英雄とはいえたかが一般人と結婚する為に政治的な価値を失うことを、果たして議会の面々や他ならぬ君の兄上は許してくれるかな」
「さぁね、でも2人と一緒になりたい思いは今更隠せないわ。それとも2人は、何かこの状況を打開できる案があるのかしら?」
「うーん、2人で考えた案だと陛下の度量次第かな」
「2人も何か考えてきてくれたのね、嬉しいわ。」
「私たちだって、貴女との未来をずっと夢見てきたのよ。いずれあたるであろう問題にくらい目を向けるわ」
「そう、なら陛下と個人的に話せる時間を作らないとね」
3人は何かしらのアイディアを持ちつつ、来るべきヴァイスとの話し合いについて思索を広げようとしていた。しかし、
「いや、その必要はない。俺自ら出向いてきた。」
訪問者は突然現れた。
「陛下?まだ公務の最中だったと思うのだけれど」
「ああ、いい。この場は兄として話をしに来たんだ。仕事は抜けてきた。」
嵐のようにアイリスの部屋を訪れると流れるように席につき、明け透けにそう語る。
「「こんにちは、陛下」」
「ああ、こんにちは。して、お前らがそうなのか?」
「ええ」「うん」
「そうか、2人はアイリスは幸せにする気はあるよな?」
2人はヴァイスの矢継ぎ早な質問に遅れることなく答えていく。
アイリスがあっけに取られていると、ヴァイスからさらに尋問のような形で2人に話が振られる。それは妹の将来を心配する兄の姿そのものであった。
「ではネス、お前はライフォス神の敬虔な信徒と聞く。ならば、その信仰心とアイリス、どっちが大切だ?」
ヴァイスは意地の悪い質問をネスに出す。アイリスは流石にやり過ぎだと言い返そうとすると、ネスが答え始める。
「...そこには優劣はないです。この信仰があったから彼女を助けられた。そしてここまでこられた。そして彼女が居るから、この信仰をより信じられるようになった。どちらも大切で、どちらがなくても僕はありません。だから、両方大切です。」
アイリスは自分の人生を神官として正しくあるために捉えていたネスが、自分のことをそこまで思っている事実に嬉しく思うと、ヴァイスの反応を確認する。ヴァイスはうんうんと頷き、どこか納得した顔をしていた。
「ふむ、神官に対して不躾な質問をして悪かった。だが、お前達の事はよく分かったよ。」
「それでお兄さんとして、私たちはどう映ったのかしら?」
トレがそう質問すると、ヴァイスはアイリスの顔をじっと見つめる。アイリスは2人の顔を見た後に意を決したように見つめ返す。ヴァイスはその顔を見て、少しため息をつく。
「うん、兄として結婚を認めよう。」
「けど、世間体というものもあるし、王としてこちらで色々と手引きさせてもらうぞ。」
ヴァイスは少し面倒そうに頭を掻きながらも、その表情はどこか嬉しそうだった。
「具体的には何を?」
「まずはお前らに爵位を与え、王族と結婚するに足る地位を持ってもらう。次にこちらから仕事を斡旋させてもらい、その仕事についている事にしてもらう。流石に冒険者と姫が結婚したって言うのはロマンがある話ではあるが、そうなってしまうとまた冒険者志望が殺到してしまうからな。最後に、アイリスは降下という形になり、その裁量権は殆どなくなるが、こいつの国内外に対する影響力はまだある。それ故に結婚したとしてもまだお前にできる仕事はしてもらう。これでいいな?」
国の幸せと妹の幸せを最大限考えた提案をすると、アイリスは少し畏まりながら兄に返答を返す。
「ええ、寛大な御心、痛み入ります陛下。」
「ふたりとも、アイリスの事をよろしく頼む」
ヴァイスはその振る舞いに少し寂しそうな顔をすると2人の方に向き直り頭を下げながらそう言う。
「何から何まで有難うございます。」
「その、そこまでしてもらっていいのかしら?」
ネスはヴァイスの配慮に感謝を、トレは疑問に思ってることをそれぞれ口にした。
「ああ、だってお前らはまだあの時に報酬を貰っていなかっただろ?爵位も仕事もその時にやった事にすれば良いだけだよ」
ヴァイスは彼らが英雄となった時の話を引き合いに出し、その時の褒賞がまだだった事からこのような形を取れることを告げた。
「うんで、侯爵の位をやるとして土地をどうする?」
「ならゴダの森を貰えるかしら?」
「あの森を?税なんて取れないが」
「私は森羅導師だし、自然には造詣が深いわ。あの森をしっかり管理できると思うの」
「そっちの方に家も構えていてね、土地の管理はしやすいと思うよ」
「そうか、まあ2人がいいならそれでいいか」
「議会の奴らには俺が言っとく。お前は荷造りでもしてろ。」
3人それぞれに話をつけるとヴァイスは部屋を後にした。
「気さくないいお兄さんだね。ちょっと心配な部分はあるけど」
「そうね、でも自慢の兄よ。」
「とりあえず、お兄さんのおかげでなんとかなりそうね。」
3人はヴァイスの理解を得られ、このまま議会の方にも話をつけてくれると言った彼の話を信じると安堵する。
「それでどうしようかしら、もうお仕事も地位の心配もなくなったわけだけど。」
「そうね、とりあえず諸々の処理をした後に私物をそっちに送って、って感じになりそうね」
「なら...」
「ええ、2人ともこれからもどうぞよろしくね」
アイリスはそう言うと、2人の頬にキスをすると笑顔で言う。
2人はその笑顔に笑顔で答えるのだった。

陽だまり:

 晴れて正式な仲となった3人であったが、周囲の反応は困惑と驚きを含んでいた。
まず、彼女の相手は国政に影響を与えうる者と噂をされていた事だ。
彼女はここ数年で多くの大物たちと人脈を結んでおり、これからもそれらを活用できるようにしていくと考えられていた。そのため、政財界の子息などがもっぱらアイリス姫のお相手とされていたのだ。
しかし、現実に彼女の相手となったのは神官のネスと森羅導師のトレである。これは大いに誌面を騒がせた。
なぜなら彼は、ハーヴェス王国の英雄の1人でありながら過去にはライフォス信徒たちに異端とされて神殿を追放されているからだ。
またトレに関しては、同性でありメリアであり隠遁者の森羅導師である。
これは多くの憶測を呼んだ。また、この機会を逃すまいと、ライフォス神殿の司祭たちはネスの事を

自分たちが問題思想を持つ彼を真っ当にした

として自分たちの信仰がより優位になるように仕向けた。
また、ゴシップ誌の方では過去のハーヴェス王国の英雄がした不祥事を引き合いに出し、この国を乗っ取るための下準備を始めたのだと書きたたかれた。

トレの方は、過去にハーヴェス王国の守りの剣を破壊しようとした蛮族と親しげしていた事が掘り返され、現在の国境問題である里の出身でもあってハーヴェス王国を破壊しようとしているのでは?と勘繰られていた。

このような事でハーヴェス国民を惑わせてはいけないと、アイリスは自身と今後生まれて来た自分の子どもたちの継承権の放棄を提言しており、ネスもトレも国の要職へはつかず、ゴダの森というハーヴェス王国の末端に位置する場所を領地として得た事などこれ以上、政治に関わるつもりはない姿勢を見せた。
人々は王女であったものの言い分に納得するもの、王女という身分を軽んじたと考えるもの、何かの陰謀を勘繰るものと様々だった。
アイリスはこれ以上は民に任せることにし、私物を彼らの家に運び、静かな時を過ごし始めた。

「どうしたの?ぼっとして」
アイリスが日当たりの良い場所でロッキングチェアを漕いでいると、トレが顔を覗き込みながら尋ねる。
「今までずっとお仕事を頑張って来てたから、いざこんなにゆっくり出来るとやる事が思いつかなくてね、物思いに耽っていたのよ」
「それはお疲れ様だったわね。でも、やる事はこれからいっぱい出てくるから今のうちに休んでおいた方がいいと思うわ」
「それは、どんな仕事かしら?」
「ふふ、いずれ分かるわ。だから、その時まではゆっくり休んでおいて」
「...ええ、分かったわ」
トレは思わせぶりな笑顔をアイリスに向けると、アイリスも肩の力を抜き陽の暖かさに包まれる。

「...リス、...アイリス」
「うーん...ネス?」
日が少し陰り始めた頃にネスに呼びかけられ目を覚ます。どうやら眠ってしまったようだった。
「よく眠っていたみたいだね」
「ええ、ここは安心出来るから」
「それは良かった。遅めのティーブレイクでもする?」
「お願いできるかしら?」
「承りました」
ネスはイタズラっぽい顔で笑いかけると、アイリスもつられて笑ってしまう。
すっかり無防備になってしまったと思う反面、その安心を与えてくれるこの家とお人よしの家族を愛らしく感じた。

充足:

アイリスがこの家での生活にも慣れてくると、今までの仕事に追われる生活から一変して、のどかでのんびりした毎日に流石に暇を持て余すようになった。初めは昼寝をしてみたり、少し家事を手伝ってみたりしてみたが、それをしても時間が有り余ってしまい、もはややる事を探す始末だ。
昔と逆になってしまったと少し笑いながら、今日もゴダの森を散策する。虫刺され対策に待たされたローズマリーの葉と熊よけの鈴、そしてもしも襲われた時のためのガンとマギスフィア、しっかりと準備をした状態で少しずつ森を探っていく。
遺跡や泉などをみつけたが、今日はどんな発見があるだろうか、すこし期待を膨らませながら散策する姿は冒険者のようだ。
小さい動物が彼女に近寄ってくると彼女は敵意を見せずに優しく接する。ご飯を与える事は彼らの生活を考えればできぬことだが、それでも敵意のない人間を教えてもバチは当たらないだろう。
そうして、森を進んでいくとふとあるニオイに気づいた。それは刺激臭とわずかな腐卵臭がし、もしやと思いそちらの方に向かうと、暖かな水が湧き出すところがあった。アイリスはその水に顔を近づけて見てにおいを嗅ぐ。間違いない、これは温泉だ。
アイリスは、この地点に一つのマギスフィアを埋めると、家へと戻っていく。方向感覚を失いやすい森の中でもマギテックがあればへっちゃらだ。
家につき、アイリスはトレに温泉が湧き出す場所があると告げ、出来れば入れるようにしたいと告げると、トレは魔法を行使し始める。
詠唱が終わると小さな鳩が姿を現した。
トレはさらりと一筆したため、その紙を鳩に渡す。
鳩は紙を受け取ると飛び立っていく。その方角はハーヴェス王国の方だった。アイリスは誰に手紙を送ったのか聞くと、トレは数日後のお楽しみとだけ言った。数日後、久しぶりにソルムが家に顔を出した。アイリスが家へと初めて来た日以降、ハーヴェス方で生活をしていたためだ。
ソルムは、事情は聞いているといい、場所を案内するように伝える。アイリスは言われた通りの場所に案内すると、ソルムは巨人を召喚する。彼は巨人に何やら話しかけると、ぶつぶつと巨人が何かを詠唱し始める。詠唱が終わると突如地面が揺れ始める。揺れは数秒もすると収まり、代わりに温泉が出来上がっていた。どうやら地を動かして、温泉が溜まる場所を作ってくれたのと共に、この水の塩素が地に悪影響を及ぼさないように鉱物で覆ってくれたようだ。
ソルムは、巨人にお礼を言うと巨人は姿を消す。
さて、終わったぞとソルムはいい、そそくさと帰ってしまった。
アイリスも高揚する気分を抑えつつ家へと帰る。
家でのお風呂も良いが、天然温泉というのは心を惹くものだ。トレに温泉が出来たことを伝えると、なら入りに行きましょうかと言った。まだ日は高く、長風呂をしたとしても湯冷めすることはないだろう。
トレが何かを書き留めて、それをテーブルの上に置くと、2人で着替えと湯浴み用の手拭いの準備をして温泉へと向かった。
温度は少し暑いがゴダの森自体が涼しくちょうどよかった。また、木々に囲まれたこの場所は不埒なものに肌を見られる心配もなかった。
2人は桶で体にお湯を掛けたのちゆっくりと浸かる。
体の芯から温まるような暑さ、ゴダの森を吹く少し肌寒い風とに晒され、心地よさを感じる。
2人でゆっくりと温まり、気分が良くなり話をする。彼の話や彼の子どもたちの話、これから何人の子どもを持つかや体の話など、熱に浮かされて色々な話をした。トレは話の最中にしきりに家の方を確認する。気になって聞いてみると
「早く来ないかなって」
っと言われる。誰を?と思っているとすぐに答えを合わせとなった。仕事終わりのネスがここへと来た。
彼も疲れているだろうし一緒に入れるように気を回していたのかとトレに感心すると共に、現状の自分の体に気がついた。まだ日は高い。
自分は一糸纏わぬ姿でいる。
途端に恥ずかしくなり、体を隠すとトレは彼女を揶揄うように
「いつも見せ合っているのだから大丈夫よ」
と言った。しかし、いつもは月が出ている時間であり、夜の暗闇が多くの部分を秘匿してくれていた。が、今は太陽の光が自身のあらゆる部分を曝け出してしまっている。それが羞恥となって彼女を襲った。そんな彼女を2人は少し笑ったあと、彼も服を脱ぎ一緒に入る。彼の体を意識してしまい顔を背けると、ネスは彼女の腰に手を回し、自身の上に座らせる。見ないように、意識しないようにと考えていた彼女は与えられた肌の感覚にドギマギさせられると、彼は腰に回した手を上へと移動させ、彼女を弄ぶ。突如与えられた感覚に意識が追いつかず、なす術なく彼の横暴を許してしまう。
トレに助けを求めるように目を見つめると、トレは彼を助けるように彼女を責め立てる。
トレは彼女の唇を奪い、指を彼女の秘部に隠された小さな核へと這わせる。
自分の弱点を同時に何箇所も攻め立てられ、彼女は幾分も持たずに達してしまうと、トレは指で彼女の秘部を広げる。そして、ネスの怒張したモノを後ろから受け入れさせる。まるで獣のようにうしろから体をまぐわさせると、そのまま彼は行為へと向かう。そして、行為と共に震える胸にトレが吸い付き、もう一方を空いている指で刺激すると、彼女はもはや理性を保てず、言葉にならない声をあげる。押し上げられるたびに中を巡る熱い水がさらに体に熱を持たせ、打ち付けられて少し水面を出ると吹く風が体を冷やし、そして自分の体を大切な2人が貪っている事実が心を昂揚させる。
耐え難い悦びが混然一体となって彼女を襲い壊す。
彼女は小さい波を何度も感じ、それによって生じる大きな波の到来を予期した。2人は止まらず彼女を責め立て、その時が訪れる。
せめてもと、彼女はトレに唇を押し付け嬌声を上げないように努め、それに耐えようとした。
しかし、トレはさらなる責苦として口吸いをすると、それが決定打となってしまう。アイリスは大きく震えるとそのまま意識が混濁してしまう。
目が覚めると、夜が更けておりベッドに寝かされていた。ベットの脇を見ると2人が座っており、自分が起きると安堵の表情を見せ、謝罪した。
アイリスは本当に恥ずかしかったんだからと2人を少し叱責し、最後にたまにしてよねと告げると2人はにこやかに笑った。

その他:

彼は自身の事を語ることは無くなった。もし彼がまたそれを語る時があるのなれば、それは自身の家族に対してかはたまた心を許した友か。

本名:

「さあね、忘れちゃった」
「なんでフォレストなのかって?、森で会ったからだってさ」

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 ガメル 名誉点 成長 GM 参加者
キャラクター作成 3,000 2,000 0
1 前回セッション 2,620 -30 ルンバ
2 8/19 チュートリアルセッション 3,000 1,557 14 器用
敏捷
敏捷
敏捷
敏捷
敏捷
敏捷
生命
生命
生命
精神
精神
器用
筋力
筋力
ルンバ レフィリアソルムフォレストサーラナ
3 8/22 チュートリアルセッション続き 5,000 10,000 32 知力
知力
知力
生命
器用
ルンバ レフィリアソルムフォレストサーラナ
4 8/25 魔導機文明遺跡探索 5,440 8,205 48 器用
精神
知力
知力
生命
精神
知力
ルンバ レフィリアソルムフォレストサーラナ
鉄道ふせつ 知力
精神
敏捷
知力
敏捷
器用
生命
知力
器用
生命
5 セクシー村防衛線 6,440 9,632 44 生命
精神
知力
生命
知力
知力
ルンバ フバルルーネンカイサフォレスト
6 魔神の館 15,000 20,533 52 精神
精神
生命
精神
器用
精神
生命
知力
知力
知力
スエコ ルーネンカイサリタレフィリアメルクリー
7 愚者の舞 15,200 23,925 86 器用
知力
精神
精神
精神
精神
精神
精神
知力
スエコ ユリアンメルクリーノーラレフィリア
8 蠢く陰謀 17,770 24,280 知力
知力
知力
生命
精神
知力
精神
知力
知力
ルンバ フォレストベニグスユースティナレフィリア
9 復活のアイリス 20,690 31,655 器用
生命
精神
敏捷
知力
精神
精神
器用
精神
ルンバ レフィリアトレソルムティナルーネンメルクリー
10 救国の英雄 26,020 48,333 372 精神
器用
知力
知力
精神
敏捷
知力
精神
精神
器用
ルンバ レフィリアトレフォレストノーラユース
11 代官求めて三千里(がくしゅうそうち) 15,000 30,275 66 精神
知力
生命
生命
生命
スエコ レフィリアメルクリーカイサリタ
心優しき龍 25,000 35,000 63 生命
生命
器用
器用
生命
生命
生命
がくしゅうそうち 30,810 39,700 115 敏捷
筋力
筋力
知力
精神
知力
知力
アビスシャード30個
追加分 9,010 14,935
堕ちた英雄 22,990 24,765 200
右腕と胴体を負傷(2ヶ月間)
がくしゅうそうち 37,380 52,000 103 知力
筋力
精神
精神
知力
精神
知力
知力
知力
がくしゅうそうち 35,400 53,275 182 精神
知力
器用
器用
34,000 55,000
取得総計 329,770 485,040 1,377 122

収支履歴

ヘビークロスボウ::-530
ヘビークロスボウ::265
閃牙の太矢10本::-2500
閃牙の太矢10本::1250
魔硝石2個::+200
補充の矢筒::-600
補充の矢筒::300
魔香水5個 ::-3000
軍師徴章::-100
マナコート::-28000
マナコート::14000
スマルティエのアイガード::-12000
セービングマント::-8000
魔香水2個::-1200
正しき信念の指輪::-30000
通話のピアス::-20000
魔香水13個::-7800
ロッセリーニの魔導筆::-2000
ロッセリーニの印形絵具*6::-600
ロッセリーニの調声器::-1000
アウェイクンポーション5個::-500
夢幻の薬3個::-9000
夢幻の薬1個::750
知力の腕輪::-1000
光のシンボル::-2200
Sランク赤のマテリアルカード2枚::-4000
Sランク緑のマテリアルカード2枚::-4000
Sランク白のマテリアルカード2枚::-4000
マナコート+::-52000
勇者の証・心::-10000
野伏せ::-1000
多機能グリーンベルト::-36000
セーフティメット::-2000
Sランクの赤のマテリアルカード4枚::-8000
アンチマジックポーション3個::-9000
熱狂の酒::-980
デクスタリティポーション::-2000
月光の護符3個(+2)::-4500
陽光の護符3個(+2)::-4500
魔香水10個::-6000
ロッセリーニの印形絵具*6::-600
聖王の冠::-10000
::>+15000
バトラースーツ::-24000
::>+65000
::>+20000
::>+50000

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