キズナ

設定・その他メモ

中学三年生。少し年の離れた兄がいた。
音楽を生業にする家庭に生まれ、自身も幼いころから楽器を習いながら育った。
しかし昴としてはもっと別のことに打ち込みたくて反抗し、遠くの進学校を受験し見事に合格。春からそこに通うはずだった。
音楽は嫌いではなかった。敷かれていたレールが嫌だった。
家族仲は悪くなかった。昴の気持ちを汲んでくれた。
肌寒い日だった。少し運が悪かった。
合格通知を受け取り、お祝いにと兄がお気に入りのお店でケーキを買ってくれた帰宅最中にキセキ使いに遭遇、殺害された。

ハウンドとして製造の段階で人を殺す術を徹底的に刷り込まれている。ただ本人は荒事と無縁の生活をしていたので知識と理論だけ。動きはまだまだ技術に振り回されている状態である。

自分が殺害されたキセキ使いの事件で共にいた兄が心配だったが生きていることは知らされている。
生前の生活区域には近づけないが、家族や友人が自身の死を乗り越え元気に暮らしていると聞かされ、自らの生も、死も、いつかは忘れ去られていくのかと少し落ち込んでいる。結局自分は誰かの一生の傷にすらなれなかったのだと思っている。

ピアノやヴァイオリンの演奏が得意。頼めば演奏してくれる。