ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

稲白 永遠 - ゆとシートⅡ for DX3rd - ゆと工公式鯖

桜歌絢爛(サクラ・ブランニュー/The Tower)稲白 永遠(いなしろ とわ)

プレイヤー:かなめ

自由登録 基本ステージ Garden_of_Lily

年齢
17
性別
星座
牡羊座
身長
151
体重
44
血液型
A型
ワークス
UGNチルドレンA
カヴァー
日本支部直轄【Garden of Lily】 Garl's Arcana No.16「塔」/高校生/元FHチルドレン
ブリード
クロスブリード
シンドローム
エグザイル
ブラックドッグ
HP最大値
+105=136
常備化ポイント
8
財産ポイント
0
行動値
5
戦闘移動
10
全力移動
20

経験点

消費
+54
未使用
0
フルスクラッチ作成

ライフパス

出自 表向きは何の変哲もない一般家庭。実際は浮気癖のある父親、酒癖の悪い母親の下で生きてきた。
安定した家庭(偽)
経験 桜井若歌との死別。現在はしっかりとお別れをして、若歌の分も生きていくと誓った。
永劫の別れ
邂逅 ピンク髪の少女によりスカウトされる。/何一つ欲望もなく、淡々と教育をこなすだけの存在だった。
少し先の未来/虚無
覚醒 侵蝕値 最愛の親友の死によるショックで覚醒してしまった。
犠牲 16
衝動 侵蝕値 FHで受けた教育や自身の力、UGNに敗北して助けられた事から、自身の身体を顧みずに他者を庇おうとする。
自傷 16
その他の修正7異形の刻印、適合体
侵蝕率基本値39

能力値

肉体5 感覚2 精神1 社会1
シンドローム2+2 シンドローム1+1 シンドローム0+1 シンドローム1+0
ワークス1 ワークス ワークス ワークス
成長 成長 成長 成長
その他修正 その他修正 その他修正 その他修正
白兵5 射撃 RC1 交渉
回避1 知覚 意志+1=1 調達3
情報:UGN2

ロイス

関係 名前 感情(Posi/Nega) 属性 状態
Dロイス 亜純血 雷鳴の申し子を取得
固定 桜井若歌 純愛 不安 「私頑張るから、見守っててね」
固定 綿貫 一歌 好奇心 猜疑心 「えと…代理支部長…がんばり…ます」
兆橋 陸 友情 不安
忍冬 暁音 友情 劣等感
キングバッドアス 執着 嫌悪
カツカレー 執着 疎外感

エフェクト

種別名称LVタイミング技能難易度対象射程侵蝕値制限
リザレクト 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 効果参照
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇
ワーディング 1 オートアクション 自動成功 シーン 視界 0
非オーヴァードをエキストラ化
異形の刻印 20 常時 自動成功 自身 至近
あなたの最大HPを+[LV*5]する[+100]。侵蝕率基本値を+3する。濃縮体による効果適用済。経験点修正:-50点]
雷鳴の申し子 1 メジャーアクション シンドローム 対決 5 ピュア
このエフェクトを組み合わせた攻撃の攻撃力を+[最大HP-現在のHP]する。ただし、このエフェクトを使用したメインプロセスの終了時にあなたはHPが0になる。このエフェクトは1シナリオにLV[1/2]回まで使用できる。
アタックプログラム 3 メジャーアクション 〈白兵〉〈射撃〉 2
組み合わせた攻撃の命中判定の達成値を+[6/8]する。
コンセントレイト:ブラックドッグ 3 メジャーアクション シンドローム 2
組み合わせた攻撃のクリティカル値-LV
環境適応 1 常時 自動成功 自身 至近
あらゆる過酷な状況でも順応できる。
セキュリティカット 1 メジャーアクション 自動成功 自身 至近 1
建物などのセキュリティや電子ロックを解除できる。
マグネットフォース 1 オートアクション 自動成功 自身 至近 2
ダメージロールの直前に使用する。あなたはカバーリングを行う。行動済でも行え、使用しても行動済にならない。1メインプロセスに1回まで使用可能。

コンボ

雷牙絶襲刃(スパークディザスター)

組み合わせ
《アタックプログラム》+《コンセントレイト:ブラックドッグ》
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
4
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
5+3
7
5+6
10
100%以上
5+3
7
5+8
10

武器データ適用済。

崩壊のバベル(ボルテック・ダムネーション)

組み合わせ
《アタックプログラム》+《コンセントレイト:ブラックドッグ》+《雷鳴の申し子》
タイミング
メジャーアクション
技能
白兵
難易度
対決
対象
単体
射程
武器
侵蝕値
9
条件
ダイス
C値
達成値修正
攻撃力
100%未満
5+3
7
5+6
10
100%以上
5+3
7
5+8
10

武器データ適用済。

雷鳴の申し子により攻撃力+0~135まで変動
最大値は10+135=145

このコンボを使用したメインプロセス終了時にHPは0になる。

武器常備化経験点種別技能命中攻撃力ガード
射程解説
雷霆刀「ケラウノス」 20 〈白兵〉 0 10 6 元データ:雷霆棍
あなたが行うブラックドッグのエフェクトを組み合わせた攻撃の判定ダイスに+3個する。
妖刀「村雨」 -4 20 3 元データ:神木の丸太
普段は何の変哲もない日本刀。永遠のレネゲイドを刀身に注ぐ事で紫色に変色、帯電する。
サクラ・デイドリームの一件にて破損。
一般アイテム常備化経験点種別技能解説
適合体 15 大規模な事故や実験で唯一生き残ったことをあらわすエンブレムデータ。同じ境遇で死んでいった者達のレネゲイドが集まり、特異な性質を発現した。
取得時に、あなたが取得している[最大レベル:10]のエフェクト一つを選択する。そのエフェクトの効果を計算する時、エフェクトのレベルを2倍にして扱う。この時、LVの上限を超えてもよい。ただし、あなたの侵蝕率基本値に+4する。
対象:異形の刻印
ウェポンケース 1 対象:雷霆刀「ケラウノス」
オートアクションで対象の武器を装備する。
思い出の一品 2 <意志>の達成値+1
若歌と二人で買ったお揃いのキーホルダー。
コネ:普遍機関 2 判定の直前に使用するその判定ではダイスを振らず、達成値は10になる。1シナリオに1回まで使用できる。
コネ:綿貫一歌 1 元データ→コネ:UGN幹部
<情報:UGN>の判定ダイス+2個。
ドロップアウト 0 あなたはストレンジャーズやFHなどの組織を離脱し、UGNへ転向したUGNイリーガルである。離脱した理由は、GMと相談して決める事/取得時に、UGN以外のエンブレムデータを一つ選択する。あなたは経験点を消費してそのエンブレムデータを取得する。GMの許可が必要なエンブレムデータを選択した場合、取得にはGMの許可が必要となる。
対象:濃縮体(エンリッチド)
→GL加入により消失
濃縮体(エンリッチド) 0 エンブレム/その他 あなたは多数のチルドレン同士で戦わされ、生き残り、選抜された存在であることを表すエンブレムデータ。命をかけた戦いの中で、あなたへの能力は研ぎ澄まされ、強力なものへと磨かれた/取得時に、あなたが取得している[最大レベル:10]のエフェクト一つを選択する。そのエフェクトの効果を計算する時、エフェクトのレベルを2倍にして扱う。この時、LVの上限を超えてもよい。
対象:異形の刻印
→GL加入により適合体へ変更
高性能治療キット 4
ハードボディ 5 HPの最大値に+5

経験点計算

能力値 技能 エフェクト アイテム メモリー 使用総計 未使用/合計
0 13 129 42 0 184 0/184
侵蝕率効果表

現在侵蝕率:

容姿・経歴・その他メモ

「私は…守ってみせます。それが…私の成すべき事…です」

プロフィール

年齢:16
身長:151
体重:44
B/W/H:89/54/80
足のサイズ:23cm
体力測定データ:オーヴァードのため一般人基準での測定不可
イメージカラー:銀
イメージソング:死にゆく季節のきみへ
一人称:私
二人称:○○さん(目上の人)、○○ちゃん(親しい人→いないけど)、若歌のみ呼び捨て
好きなもの:なし(本人は気付いていないが甘いものが好き)
嫌いなもの:なし(イージーエフェクト《環境適応》による影響)
得意科目:現代文、日本史、世界史、化学、数学
苦手科目:英語(特にリスニング)、芸術(壊滅的な絵心)

能力測定

【物理強度】A+■■■■+圧倒的な耐久力
【生理耐性】A■■■■圧倒的な耐久力
【戦闘技術】A■■■■非常に高い破壊力
【戦場機動】C■■
【戦術立案】C■■勉強中
【レネゲイド適正】B■■■亜純血を発現


得意…というほどではないが、この一年で料理の腕はそれなりに上がっている。最初こそほぼ冷凍食品だったが、最近はおかずを自分で作るようになった。
出汁巻き卵はかなり上手。出汁巻き卵の真ん中にカニカマを入れるのが最近のマイブーム。
最近、先輩の皇夕都がコロッケが好きと聞いて、お礼にコロッケを作ろうと勉強中。


偽名:青山雛(あおやま ひな)→オーヴァードとなって以降、通常の学校に通うために偽装された戸籍。
「えっと…青山…雛…?です。高校生です。その…よろしくお願いします」
偽名がしっくりこないのか、よく自己紹介に詰まる。
出席番号は2番。1番は学級委員長の葵さん(ただの一般人)。



性格(現在):大人しく、礼儀正しい。ぼーっとする事も多く、やや不思議キャラと思われている。FHにいた3年間の影響で口数がやや少なめになっているだけで、決して他人と関わりたくないということは無い。むしろ友達と遊ぶという事に憧れている所もある。
性格(3年前):明るく優しい。好奇心旺盛でいつも笑顔を見せていた。
その他:16歳に見えない容姿(意味深)。高校1年生で共学。男子からは(見た目だけで)人気があるが、その性格等もあり女子からはあまり好かれておらず友達もいない。本人としても、オーヴァードであることを隠している事もあり、友人がいないことは諦めつつ受け入れている。とはいえ、友達と放課後に遊ぶことには憧れている。
年齢に対して体つき等が中々凄いことになっているが、これは《異形の刻印》による影響。《異形の刻印》により、永遠は常に全盛期の肉体となっている。いくら食べてもこのプロポーションを維持できる。



「私は一度死んだはずでした。助けられたこの命、皆のために使い…ます」



元FHチルドレン、直前までUGNイリーガルのチドレンだった。FHから抜けて約1年間、スパイの可能性を考慮された等の理由から経過観察を受けていたため正式にUGNの支部に所属していなかった。
現在はUGN日本支部直轄【Garden of Lily】に所属している。

3年前、大切な友人を事故で失い、そのショックからオーヴァードへ覚醒。喪失感を抱きながら街をうろついていたところにFHに拉致され、教育を施される。この時のチルドレン同士の殺し合いが原因で『濃縮体(エンリッチド)』の特性に目覚めてしまう。
1年前、東京都某区で発生したUGNとFHの抗争に投入される。その際、二人の少女(およびGarden of Lily)により倒され、保護された。
その少女は自分たちの居場所に連れて行きたいと言ったが、元FHであることから本部の許可がおりず、経過観察として扱われることとなる。その期間は約1年。もうすぐ経過観察は終わり、正式にチルドレンとして所属が決まる予定。

UGNの経過観察となるにあたり、戸籍が偽装されている。そのため、UGNの管理するマンションで一人暮らし中。セキュリティはバッチリ。
ストーカー紛いの事をしたクラスメイトの男子が数人、このマンションの管理人(オカマ)に『教育』されたらしい。アッー!!!!
自分が住む場所のこだわり等は一切なく、必要なものを布団しか申請を出さなかったため、オカマの管理人が永遠の部屋をコーディネートした。シンプルでありながら利便性もあり、見た目も落ち着いたデザインとなっている。

戸籍上、稲白永遠という人物は死亡扱いとなっている。そのため、家族と会うことは叶わない。しかし、やや虐待に近いものを受けていた事もあり、永遠自身も家族に会いたいとは考えていない。ちなみに、両親は永遠の行方不明により、お互いの悪い部分を反省し、浮気癖も酒癖もなりを潜めた。今では永遠がいない事を除いて円満な家庭になっていることを永遠は知る由は無い。

学力は平均よりやや上程度。しかし、入学当時は3年間のブランクがあったため最下位レベルだった。友人が出来ず、遊ぶという事をせず、勉強しかやることがなかったので勉強だけした結果、1年で中学~高校1年までの内容を全て理解することができた。

高校に通うことになったのは、UGNからの提言を受けてのもの。その高校に皇夕都(サクラ・デイドリームPC2)というオーヴァードがいることもあり経過観察は可能であることや、学校に通うことで社会復帰できるようにとの計らい。
永遠自身は、最初はやや渋々という感じで通っていた。
案の定、友人は出来ないしいじめも受けた。周囲の男子からの目線はいかがわしいものだった。
それでも、少しずつ勉強が分かるようになってきて、少しずつ3年前の日常が戻ってきた。その事に心の奥底では嬉しさを覚えている。

今はまだ不安で行けていない若歌のお墓に、卒業したら墓参りに行こうと思っている。その際に成長した自分を報告できるようになろうと思っており、それこそが彼女の学校に通う一番の理由である。ただし、ここ最近(サクラ・デイドリームの半月ほど前くらいから)は精神的に不安定。頻繁に若歌との思い出等がフラッシュバックするようになっている。実際、自宅等ではここ数日、毎日のように泣き出してしまっている。
ちなみに、この不安定な精神状態は疾患やストレスによるものではない。UGNに保護されて1年近くが経過し、日常生活や皇夕都・綿貫一歌らと接した事で「人間らしさ」を取り戻してきたからである。人間らしさが戻ってきたことで、悲しみや寂しさといった感情も戻ってきた。それにより若歌のことを思い出して悲しんでいたりする。
精神が不安定なことそのものは決して放置してはいけないが、少なくとも永遠は人間らしさが戻ってきている証拠である。
この情緒不安定な部分も、サクラ・デイドリーム以降は解消されている。



入学して最初の数ヶ月はいじめっ子グループにより陰湿ないじめを受けていた。ただし、いじめ程度、FHにいたときの命の賭け合いとは遠く及ばない『ぬるい』ものだったので、そもそもいじめられているという実感すらなかった。そしてある日。いじめっ子グループの女生徒は永遠の狂気を垣間見てしまった事により、その後はいじめはパッタリと無くなった。むしろ、いじめっ子グループは露骨に永遠に関して言及するのも、見るのも避けるようになる。誰かがその事を指摘しても「アイツには絶対余計なことをするな」としか言わない。
当時はFHから抜けて日も浅かったからこそのものであったため、1年近く経った今では流石にやりすぎたかも…と反省している。
一時期、先輩の皇夕都と付き合っているのでは?という噂があった。だがそれも上記の一件や、皇夕都が上手くいなしたおかげで数日の内に収まっている。

恋愛対象については不明。少なくとも若歌に対しては特別な感情を持っているが、同性しか好きになれないのか等は永遠自身も理解していない。

戦闘スタイル

FH時代に支給された妖刀「村雨」を用いる近接アタッカー。驚異的な破壊力を秘めているもの、それをまだ上手く扱いきれている訳ではない。自身に蓄積されたダメージを電力に変換した一撃は、異常ともいえる破壊力を持つ。ただし、反動も尋常なものではないので、彼女が全力で戦う=命を削るという事である。
刀の使い方はFH時代に教育を受けてはいるものの、ほぼ我流。

永遠の最大火力技は電力を一点集中させた「崩壊のバベル」と銘打たれたもの。敵の頭上に大きな雷の塊を作り出し、ブラックドッグとエグザイルの特性を組み合わせて自身を雷に変化しその塊に移動する。そうすることで塊が破裂し、その力が全て村雨に凝縮される。そうして集まった膨大な電力を纏った刀を真下にいる敵に振り下ろして直撃させるというもの。破壊力は桁違いではあるものの、肉体への負荷を一切考慮していないため、反動もかなり大きい。

UGNの経過観察下に入ってからは、N市支部にて自身の力をセーブした戦い方を学んでいる。少しずつ成果は出ているものの、今までやったことのない戦い方のため馴れるのに時間がかかっている。
また、異常なまでの生命力を保持しており、かなりタフ。その影響と、彼女の生かされたという気持ちからか、自らの命を省みずに他者を庇おうとする。
クライマックス戦闘では最初に来るであろう範囲攻撃と先手の攻撃をカバーリングする予定。
「その…私よりもあなたの方が生きるべき…なので」

サクラ・デイドリーム以降

サクラ・デイドリームでの戦いにおいて全力の一撃を叩き込んだ際に、その力に耐えきれず妖刀「村雨」は破損してしまった。
GLの上挙母深華の手により、新たな武器である雷霆刀「ケラウノス」が開発される。
妖刀「村雨」の時よりも最大出力は落ちたものの、レネゲイドコントロールの容易さや耐久力で勝っており、取り回しが利きやすくなった。

パーソナリティーズ

サクラ・デイドリームについては下記の折り畳みを参照。折り畳み無しはサクラ・デイドリーム以降の時系列となる。
綿貫一歌
UGN日本支部直轄【Garden of Lily】の支部長。
1年の経過観察の後、GLへの所属となった為、上司にあたる存在。
色々気遣ってもらっているので、しっかり働いて恩を返したいと思っている。
うっかりまきなに一歌の本心をバラしそうになったりするも、毎回何とかなっている。
GL所属になったことや、一歌からの希望もあり、一歌のことは「一歌さん」と呼ぶようになった。

皇夕都(サクラ・デイドリームPC2/しましょーさん)
GL所属後もN市公立高校に通っているため、先輩と後輩であることには変わりない。
先輩にお礼をしたいと思い、GLの食堂のおばちゃんから料理を学んでいる。いつかしっかり感謝の気持ちと共に、作ったお弁当を食べて貰おうと奮闘中。
「…先輩、喜んでくれる…かな…美味しいって、言って貰いたいな」

輝尚人(ミナフジさん)
若歌と離れ離れになってしまうと永遠に伝えた人物。きっと輝尚人も言うのは辛かったはずなのに隠すことなく伝えてくれたこと、彼との語り合いのおかげで若歌と笑顔でお別れできたこともあり、純粋に尊敬している。
後日、「Cafe&Bar Unstoppable」という彼の支部に足を運び、人生初のカフェオレを飲んだ。
その支部にいたぶっきらぼうな青年に脅えてしまう。最終的には無事に和解したとのこと。
「これが…カフェオレ…すごく、落ち着く味です。その、美味しい…です」

井玖珠まきな
GLの副支部長。一歌との関係性を毎日のように見ている。優しく接してくれているので懐いている。
「…あの、まきなさんは…一歌さんと…お付き合いしてる…んですか?」

上挙母深華
GLの古参。ちょっとツンツンした所はありつつも何だかんだで面倒を見てくれているので懐いている。
サクラ・デイドリームにて破損した妖刀「村雨」に代わり、 雷霆刀「ケラウノス」を開発した人物でもある。
「これが…私の新しい力…なんですね。この力で…皆さんと戦います」

サクラ・デイドリーム関連

・各PC及び味方陣営のNPCに対しては、積極的に話しかけようとはできないが、ちゃんと仲間(および良い人)と認識するので頑張ってコミュニケーションを取ろうとする。
・上手く話ができなかったら自室かトイレの個室で一人で反省会をする。
・皇夕都と輝尚人にコミュニケーションのコツを聞く会話ができたらいいなぁ。


皇夕都(PC2/しましょーさん)
・学校の先輩であり、N市支部で訓練をする際にも手伝ってくれている。永遠目線でもすごく良い人と思っている。そういう意味では、現在最も信頼している人物かも。
・学校でもすれ違ったら挨拶するし、屋上前の踊場でご飯を食べる時に出会ったら一緒に過ごしたりする。
・タイミングがあれば、気にかけてくれたことにお礼を言いたい。
「先輩は…私のこと心配してくれるんですね。…きっと、支部の任務だからかもしれませんけど…その、嬉しい…です」


輝尚人(PC4/ミナフジさん)
・面識はないと思うので多分最初は「おじさん」と呼ぶ。その後は「輝さん」と呼ぶ予定。あだ名で呼んでくれと言われたら素直にあだ名で呼ぶと思う。
・どうやったら上手く会話できるのか、そのコツを聞きたい。
・もし冗談を言ってきたとしたら普通に真に受ける。
・ロマンに対しては理解してない…というよりもそもそもそういったものに触れる機会が無かったため分からない。
・多分ガンプラとか貰ったら黙々と家で作りそう(???)
「兵器なのに…かっこいい…?ロマン…?ロマン…よく分からない…です」


桜井若歌
・かつての親友。亡くなった事を今となっては受け入れているものの、淋しさは無くなっていない。
・当時はまだ13歳だったため、自身の感情に気付いていないが、友達以上の感情を持っていた。
・再会したら最初は間違いないなく驚く。
・今度こそ、ずっと一緒に居たいと思いつつも、きっとそうはならないだろうと思う流れになりそう。
・若歌といる時は普段よりたくさん喋る。口調やトーンも若歌といるときだけは変わるかも。
・「ありがとう」と「さようなら」を言えずにいたことを後悔している。
・シナリオ名がリリー・デイドリームになる(ならない)
「ずっと…ずっと会いたかった」


ソードキャッスルニキ
・親友のお兄さんで、若歌からはよく兄自慢を聞かされていた。実際に会ってみて、嘘ではない事を知り、すごくいい人と思っている。
・とはいえ、オーヴァードとして活動していたようなのでそんなに会う機会はなさそう。
・ソーキャニキも小学生時代の永遠は知ってると思う→現在については多分知らないと思う
・オーヴァードとして対面したら流石にびっくりするかも(多分お兄さんも妹の親友がオーヴァードになってたらびっくりするわな)。
・もしかしたら若歌の事でお互い分かりあえるかもしれないし、それが原因で決裂するかもしれない(お兄さんの性格次第。味方ポジなら多分大丈夫)。
「私…ほとんど話したこと無いのに、多分お兄さんのこと世界で三番目くらいに詳しいかも…です」


シャドウカインド
・不明。敵?
・若歌を利用し、弄ぼうとするなら絶対許さないというスタンスになりそう。


姫宮百里香、都築京香
・流石に面識は無い
・そもそも都築京香は今回出ないっぽい。
・姫宮はなんかずっといるらしい。よくわからない。絡まれたら困惑しそう。


ピンク髪の少女について
・UGN日本支部直轄【Garden of Lily】支部長の綿貫一歌のこと。
・FHに拉致され、無理やり戦わされていた境遇を知り、スカウトしようとしている。
・UGN日本支部からは、戦力にはなると判断されつつスパイであることも考慮し、1年の経過観察で問題無ければ承認すると判断された→GLがある程度本部から戦力になると信頼されつつあることの証左。そのため、スパイによるGLの崩壊という可能性を考慮し、経過観察と判断された経緯がある。
・たまに永遠がN市支部での訓練に参加する際には一歌も足を運んでいる。
・永遠の訓練後に一歌がガールズトークに誘っている。そのため、何だかんだで色々話している。
「綿貫さんは…何で私なんかの事、気にかけるんでしょう…?」

読み物

彼女の人生

3年前以前は明るく、誰にでも優しい少女だった。幼なじみであり親友の桜井若歌とはいつも一緒。ずっと一緒にいて、きっとお互い結婚しても親友。そのことに少しだけ胸がズキンとする気もしたが、その理由には気付くこともなく楽しく過ごしていた。
しかし、3年前。事故により若歌が死んだと聞いて、ショックを受ける(この時に覚醒)。気がついたときには身体から今までとは違う『力』を感じ、怖くなり家から出て行った。
その際にFHに拉致され、オーヴァードとしての教育を施される。彼女の特異的な力を見たFHは、その力を限界まで引き出すための過酷かつ残酷な訓練を行わせた。
かつての明るい表情は、この日失われた。
FHにいた2年の間、その大半が教育に費やされてきた。永遠に発現した能力の内、希有な耐久力にFHは目を付けた。その力を極限まで引き出すために、チルドレン同士の、文字通り命懸けの訓練が行われた。結果、永遠は生き残ってしまった。この極限状態の時にDロイス『亜純血』が発現し、《雷鳴の申し子》という力を身に付けた。

1年前、都内某区。FHとUGNによる大規模抗争の切り札として投入される。全てを破壊するその力に、UGNは為すすべもなく崩壊する──はずだった。

そこに表れたのは複数人の少女。ある少女はその叡智により仲間たちに力を与えた。ある少女たちはその力を以てFHの牙城を破壊した。ある少女は遠く離れた場所から針の穴を通すかのような正確な弓を放った。ある少女は対地射撃により制空権を奪い去った。 そして、ある少女たちは戦場を駆け抜け、永遠の眼前に迫る。彼女達の統率のとれた猛攻に、永遠は倒れた。意識を失う中で浮かんだのは若歌の姿。涙を浮かべ、そのまま意識は失われた。

数日後、目覚めた永遠は病室にいた。そこにいたのはUGN日本支部の支部長である霧谷雄吾と、ピンク髪の少女。
霧谷からはFHからUGNに来ないかという事、FHに戻ってもただ始末されるだろうという事、UGNに来るとしても1年間の経過観察を行う事を説明される。
生きる事への希望もなく、ただ流されるままに永遠は頷く。
ピンク髪の少女は大まかに説明を入れ、経過観察が終わったら自分たちの所に来てよ、と告げた。
永遠は肯定も否定もしなかった。

それから1年。生かされた意味は相変わらず分からない。ただ、少しずつ生活は3年前のように近付いてくる。ただ一人、大切な人がいないことを除いては。

よく若歌と二人で遊んだ思い出の浜辺で一人、彼女は風に吹かれて空を見上げる。無くしたはずの、それでも心に残る想いを胸に。

教育という名の狂気

学生として復帰して1ヶ月程。放課後、永遠は呼び出しを受け廃墟に来ていた。周囲には誰もいない…ようには見えるが、おそらく男が複数人潜んでいる。

「アンタさぁ、まじムカつくんだよね」
「男子に色目使っちゃってさぁ」

「はぁ…そですか」
永遠からしてみれば全く持って意味不明であった。何故なら、永遠はその力を活かすために戦闘部隊としての教育を受けたのであり、美人局としての教育等は無かったからだ。

「そですか…じゃねーんだよ」
「こいつ、一発シメとく?」
「それな。ウチらの男共にやってもらっちゃおっか」

「シメる…ですか?」

「そうそう。二度と生意気な真似しないように、一発痛い思いをしてもらっちゃおうってね」

「一発……そですか」
「それは…ダメ…ですよ」

女生徒達は腹を抱えて笑う。
「ダメだって?あはははは!ばっかじゃないの?」
「だったら泣いて土下座でも──」


そんなの、甘すぎますよね?


「…………………は?」
女生徒達の笑いが消える。何言ってんだコイツ、というように永遠を見る。
目が合った。
感情を何一つ与えさせないほどに虚無の目。その目からは、なにもない。だからこそ、女生徒達は息をのむ。

「甘すぎますよ。そんなの、一発だなんて」
「だって、一発で気を失ったりしたらどうするんですか?」
「…そうなったら、それ以上の苦しみを与えられないじゃないですか」

一歩、永遠が女生徒達に近付く。
相変わらずその目は虚無だ。だというのに、口元は母親が子供をあやすかのように柔らかく笑んでいる。

「そんなんじゃダメですよ…もっともっと、苦しめないと」
「ゆっくり、ゆーっくり痛みを与えるんです。一瞬の痛みなんてすぐ通り過ぎちゃいますよ」
「そうですね…まずは小指から、ゆっくり折っていきましょう。もちろん、枝を真っ二つに折るような勢いはダメです」
「ゆっくりと…曲げてはいけない方向に曲げましょう。関節が、骨が悲鳴を上げる様を相手に見せながら」
「そして、途中でゆるめましょう。息をする時間をあげて、再び曲げましょう」
「苦痛というのはゆっくり、持続的に。そして少しずつ強度を上げていくんです」
「そうして、たっぷり時間を取って指の骨を折っていくんです」

「ち、ちょっ…アンタ何言って……」

「指を折ったら強度を上げましょう。次は爪です」
「爪をゆっくり剥ぎましょう」
「もちろん一気にはダメですからね」
「蜜柑の皮を剥くかのように、皮膚と爪が剥がれる所を見せるんです」
「痛みは触覚だけではありません。視覚からも与えることができるんですよ?」
「そうして、爪を剥がしたら、剥がれた部分の肉を剥ぎ取った爪で抉りましょう」
「ぐりぐりと…丁寧に」
「あとはこれを繰り返すだけです。簡単でしょう?このくらいでも大体の人は精神がやられます」

「いいですか…?苦しみを与えるのは肉体だけではダメなんですよ。心を、精神も苦しめるんです。肉体の損傷なんて割とどうとでもなるんですよ」
一歩、また一歩と女生徒達に近付く。
──あれは、なんだ?
ただのズブい女だと思っていたはずなのに。
ちょっと怖い思いをさせればいいと思っただけだったのに。

目の前にいるあれは、なんだ?

「心は一度壊れたら、修復するのが難しいんです」
「だから心を折りましょう。そのための手段として、肉体を傷つけるんです」


「──さぁ、やってみましょう」
「…は…?」

永遠は自分の手を差し出した。
「やってみてください?私に」
「ものは試しですよ?」
「ほら…痛い思いをさせるんでしょう?」
「ねぇ…私に見せて下さい。あなた達は、どうやって私を苦しめてくれるのかな…?」


数分後、そこには誰もいなかった。
女生徒達は恐怖に取り付かれたかのように、悲鳴をあげながら走っていった。
周囲に潜んでいた男達は、その異様な光景を見て、散っていく。

ただ一人、きょとんとした表情を浮かべる永遠だけが、そこに立ち尽くすだけだった。

稲白永遠のとある一日

0558 アラームの二分前に目が覚める。あくびをして、うーんと体を伸ばす動作をしてから身支度を始める
0600 シャワーを浴びる。朝シャン派
0630 朝食と弁当を作る。その後朝食。
0800 学校へ。徒歩5分のためこれでも十分間に合う
0840 授業開始。真面目に受けている。
1230 お昼休み。一緒に食べる友達もいないので、屋上手前の踊場で、隠れるようにして弁当を食べる。皇夕都(PC2)と鉢合わせて一緒に過ごすこともあるとかないとか。
1330 午後の授業開始。クラスメイトは眠そうだが永遠は平気。
1530 授業終了、放課後。
1615 N市支部へ行く。メディカルチェックや訓練を行う。
1830 訓練終了。見学に来ていた綿貫一歌と雑談。彼女の支部にはエルフがいるらしいと聞いて混乱する。
2000 帰宅、お風呂に入り、夕食を食べ、予習と復習を行う。
2330 就寝。


稲白永遠と綿貫一歌①

ある日のこと。
UGNのN市支部で定期的に行われている、稲白永遠の訓練。支部のメンバーからの手ほどきを受け、その通りに訓練をこなす永遠を、遠くから眺める少女がいた。

訓練時間中、その少女は一切の発言を行わない。ただ、永遠の訓練を見ているだけ。

(…あの人、いつも来てます…何ででしょう)

ふと、そんな疑問を抱きつつ少女を見ると目があった。少女はそれに気付くと、満面の笑みで手を振った。永遠は会釈をして、再び訓練に戻る。

「…支部長、あの人いつも来てますけど…何で…ですか?」
「あぁ、綿貫一歌さん?何でって…そりゃあ稲白さんに会いに来てるんだよ」
「…私、ですか…?理由が分からない…です」
「スカウトされてるんでしょ?【Garden of Lily】から。稲白さんに来て欲しいから、稲白さんが訓練でここに来るときに必ず来てるんだと思うよ」
「…そですか…」
「あそこは稲白さんにも合ってると思うよ。ここの支部にいてくれるならもちろん歓迎するけど、君自身で決めるといいよ」
「私自身…わかりました…」


「おっつかれー、永遠ちゃん!」
訓練が終わり、シャワーを浴びて着替え、更衣室から出る。そこで待っていた綿貫一歌が話しかけてくる。
「今日も頑張ってたねー、はいこれ」
そう言うと、彼女はコーラを手渡した。
「あ、ありがとうござい…ます……えっと…私を待ってた…んですか?」
「そうだよー、永遠ちゃんとお話したくってさ。ガールズトークってヤツ、楽しいよ~ふふっ」
「はぁ…そですか……あの、明日の予習とかもあるので、そんなに長時間は難しい…です…けど」
「もちろんそれで大丈夫だよー、つき合ってくれてありがとね」
「い…いえ…大丈夫…です」
ここまでグイグイ話しかけてくる人は、少なくとも彼女の人生ではあまりいないタイプだったこともあり、やや押されるような形となりつつも、永遠は一歌と近くの談話室で話をすることになった。

話の内容は他愛ない世間話だったり、永遠の学校生活について等。彼女は熱心にスカウトするのではなく、永遠の話を聞くことが多かった。
(そういえば、私の話聞いてもらってばかりだな…)
「そっかー、あんまり友達できないかー…ずっと一人は淋しくないの?」
「その…慣れた…ので…」
「それに…お昼はたまに…先輩が来てくれる…ので」
「先輩…あぁー、さっき訓練に来てた人か。皇さんだっけ?かっこいいよねー」
「かっこいい…かどうかはよく分からない…です。けど、とてもお世話になって…ます」
「それが任務だから…だとは思います…けど、学校で話しかけてくれるのは先輩くらいなので…とても感謝して…ます」
「そっかそっか。確かに皇さん、ぱっと見は軽そうな感じだけど、訓練見てるとしっかりしてるしね。それに、きっと皇さんは任務だからってだけじゃないと思うよ」
「そう…なんですか?」
「確信があるわけではないけどね。皇さんも、永遠ちゃんの事を心配してるんだと思う。少なくとも、永遠ちゃんの事を警戒してたり、疑ってるから見張ってるって訳ではないと思うなー」
「んー…妹的な?お兄ちゃんは永遠ちゃんの事放っておけないぜ!そんな感じかもね」
「…そですか…お兄ちゃん…ですか」
「…あ、それ皇さんには言わない方がいいかもよ~。こーんなに可愛い子にお兄ちゃんなんて言われたら、照れちゃうかもね」
一歌は悪戯っぽくそう言った。
「…照れる先輩…ですか…ちょっと見てみたいかも…です」
その日、珍しく永遠は笑った。

稲白永遠と綿貫一歌②

また別の日。
綿貫一歌は同じように訓練を見学し、終わった後に声をかけてくる。

何度もこのような流れを見てきた永遠も、慣れてきたのか特に断ることもなく談話室で一歌と向かい合う。

だが今日は、いつもとは違う話をしたのだった。

「その…綿貫さんがいる【Garden of Lily】ってどんなところなんですか」
「おーっ?永遠から聞いてくれるなんて嬉しいなぁー!いいよー、何でも教えてあげる!」
こうして話をするようになって数ヶ月。一歌は呼び捨てで永遠のことを言うようになった。

それから、一歌はGLについての説明を行った。
「…って感じ。要は他の支部からの任務に参加するのがGAで、他のチルドレンの子達は訓練とか教育が中心って感じだね」
「なるほど…」
「GAのメンバーもねー、みんな良い子だし個性的なんだよー」
「それにね、GAには何と、エルフがいるんだよー!」
ふふーん、とややドヤ顔で一歌は言う。永遠は疑うような目で見ていた。
「エルフって…長寿で耳が横に長くて弓とか魔法を使うっていう…あれですよね…?そんなの創作の世界です…よね?」
「本当に耳は長いし弓も使うんだよ。魔法も…まぁレネゲイドの力ってそんな感じじゃない?ほら、これが写真」
写真を見て、永遠は流石に驚いた表情を見せる。
「…ほんとに…エルフだ…エルフに見えます」
「でしょでしょー、それに、すっっっごく美人だよねー。でも、意外と話し方とかはおしとやかって感じでもなくて、そのギャップが良いんだよねー!あと、言動は結構刺々しかったりするのに何だかんだで付き合いもいいし、そこも最高」
「同室の子には中々苦労してるみたいだけど、何だかんだでいいコンビなんだー」
「そ、そですか…」

こちらの話に頷いたり、しっかり聞いてくれている時の一歌は、見た目に反して大人のようなイメージだった。しかし、GLについて話している彼女は、どこか子供っぽさもあり、普段とは違う印象を永遠は受けた。

「その…綿貫さんは、GLの事、好きなんですね」
「そりゃあもちろん。だって、私達の居場所だもん」
「居場所…」
「そう。元々はね、他の支部に出向してた時に出会った子と始めたんだ。放っておけない子でさ」
「放っておけない…ですか。二人で始めたってことは…その方が副支部長さんなんですか」
「そう。まきなって言うの。私の一番大切な人」

一番大切。そう言う一歌は、嬉しそうに微笑んだ。
「苦楽を共にしてきた、私の相棒。そして、これからもずっと隣にいてほしい人」
「私は、まきなと一緒に、これからも歩んで行きたいんだ。一人だったらきっと無理だった。途中で折れてた。でもね、まきながずっと側にいてくれた。だから私は頑張れる。まきなの笑顔に、あたたかさに、いつも助けられてきたんだ。だから、私はまきなのことが大好き」
「………………」
「…永遠もさ…永遠だけじゃない。私はGLの皆にも、幸せになって欲しい」
「私はその手伝いがしたい。だからさ、この経過観察が終わったら、GLに来て欲しいんだ」
「私達と一緒に、未来を見に行こうよ」

そう言って永遠の手を取った。温かさが、熱意が、希望が伝わってくる。
「…その、えっと」
「まだよく分からないです………けど」
「綿貫さんの想いは、受け取りました」
「だからその…前向きに検討…します」

「うん、ありがとね。永遠が来てくれること、楽しみに待ってるから」

永遠はどこか気恥ずかしそうに俯きながら、頷くのだった。




「……あ、さっきの話だけど」
帰り道。永遠の住むマンションまで一歌が一緒について行くこととなり、マンションが見えてきた頃に一歌が話す。
「まきなのあの話、本人にはしないでね?」
「…?なんで…ですか?」

一歌はうー、と少し唸りながら、頬をかく。
「そのー…なんというか、恥ずかしい…じゃん?」
「思ってることは嘘じゃないし、間違いなく本心なんだけどー…ほらぁ」
「……???」
「と、とにかく恥ずかしいから!絶対言っちゃダメだからね!絶対まきなは恥ずかしがりながらもめちゃくちゃ喜んでくれるだろうけど!」
「でもー、こう、私がそんな事言ってたってのが伝わったらもう歯止めが利かなくなりそうで…」
「歯止め…?」
「あーーーー!今のは無し!聞かなかった事にしてー!」
「とにかく!内緒だからね!!!」
いつもの一歌とは違う、顔を真っ赤にして慌てた表情は、永遠には新鮮だった。
とりあえず永遠は頷き、二人は別れた。

部屋に戻り、ベッドに腰掛ける。
「…大切な人…」
「………若歌…」
「…私は、幸せになっていいのかな…そんな価値、あるのかな。若歌なら教えてくれるのかな」
「……若歌………会いたいな…」

はじまりの1ページ

小学2年生の秋、一人の転校生が来た。
その少女は緊張した面持ちでクラスメイトに挨拶をした。

「桜井若歌です…よろしく、おねがいします」

どこか暗い、影のある表情。他者と接するのが苦手なのか、はたまた緊張しているだけなのかは分からなかった。

転校生ということで周囲は興味と奇異の目で若歌を見ていた。
転校というのは環境も大きく変わる。小学2年生の少女が背負うには、やや大きかったのかもしれない。
上手くクラスに溶け込めなかったようだった。
休み時間になるといつもどこかに行ってしまう。
永遠はそれを、特に気にすることもなかった。


転校してから2週間ほどが経ったある日の放課後。

もうすぐ家に着くというタイミングで、うっかり算数の宿題のプリントを忘れた事に気付き、永遠は急ぎ足で教室に戻った。
誰もいない校内、どこか非日常で、どこか怖くなる。
そんな廊下を、不安を消すように永遠は走る。

教室に入ると、誰もいない──はずの教室には、一人の少女がいた。
桜井若歌、クラスに馴染めない転校生だった。
彼女は一人、自分の席で泣いていた。

こんな遅い時間に、教室で一人泣いている少女。
いくら小学校低学年とはいえ、その異常さはよく分かった。

「…どうしたの?」

永遠は若歌に近づき、そう声をかけた。

「うっ…うぅ…」

若歌は相変わらず泣いたまま、永遠を見上げる。

「…ないの」
「……?」
「わからないの…さんすう…ぜんぜんわからない…うぇぇぇん」
机を見れば、明日までの算数の宿題があった。
最初の方ですでに躓いていたようで、空白だらけだった。

「宿題…やってたの?おうちでやればいいのに」
「おうち…だれもいないの…おにいちゃん、がっこうのおとまりでいないから」
風の噂で聞いた事があった。若歌は兄しか家族がいないため、二人で暮らしていると。その兄が、学校の宿泊学習で不在らしい。
寂しさで泣いていたのだろうか。
そういえば、いつも休み時間になると若歌はどこかにいっていた。
もしかすると、兄の教室に行っていたのかもしれない。

「そっかぁ。じゃあ私がおしえてあげる」
永遠はどこか得意気に、若歌に言う。
幸い、永遠は勉強は得意で、算数はクラスで一番だった。
「…ほんとう?」
「うん、私、算数得意だから!」
「うぅー…ありがとう…うぇぇぇん」
「な、泣かないでよ。何で泣くの」
「わたし…ぐすっ…てんこうしてきて、こわくて…ともだちできなくて…どうしたらいいか…わかんなくて」

若歌は泣きながらも、ゆっくりと素直な思いを口にした。
「じゃあ、私が最初の友達になるよ」
「そうしたら怖くなくなる?」
「おともだち…なって…くれるの…?」
「うん!」
「あり…がと…えへへ」

「じゃあ…はい!」
そう言うと、永遠は右手を差し出した。
「…?」
「握手だよ、握手!なんかえらい人はね、仲良くなった人に握手するんだって」
「だから握手しよ!」
永遠はそう笑顔で言う。若歌は緊張した面持ちで、その手を握った。そして、左手も永遠の右手に重ねる。
「おともだち…おともだち!」
そう言って、泣いていた目を赤くしながらも若歌は満面の笑みを見せた。

「名前、覚えてる?私、いなしろとわだよ。よろしくね、若歌ちゃん」
「とわちゃん…とわちゃん…うん!」

その日、二人は手をつないで、色んな話をしながら歩いた。
自分の家に泊まるように言い、寝るまで色んな話をした。
一生忘れることのない、大切な記憶の1ページ目。






今でも鮮やかに思い出す記憶。

たとえこの手が血に汚れても。
たとえあの時の日常を失っても。

それでもなお、心の内を照らす光。
そう、あの出会いは、きっと、運命だ

──そう、思っていた

残響する記憶

初めて何かをしたとき、それが己の人生において特別であればあるほどに、その感覚は、感触は、記憶は強く残響していく。

であれば、初めて人を殺したあの感触は──





内から抑えきれないほどの感情から逃げるように家から飛び出して、どのくらいの時間が経っただろうか。
永遠は何者かによって攫われた。現在どこにいるのかさえも分からない。
どこかの施設で、毎日のように装置に入れられ、様々な凶器を握らされた。
今まで学校で勉強してきたことが、まるで偽りの世界だったのではないかとさえ思わされる程に、永遠の頭に叩き込まれるのは戦い方、人の殺し方ばかりだった。

同じような境遇の子供も何人かいた。皆恐怖に震え、肩を寄せ合っていた。いつか、この恐怖から解放される事だけを願って。



ある日のこと。
永遠を含めた数人の子供たちが集められた。永遠達を見る大人は告げた。
「今から君達には殺し合いをしてもらう」
その言葉の意味を、子供たちは理解できなかった。つい昨日まで、肩を寄せ合ってきた仲間を殺せと言うのだ。
一人の子供が震えた声でできないと言い、詰め寄る。
その直後のこと。周囲の大人達は、その子供に躊躇うことなく銃の引き金を引いた。
何回も、何発も。
オーヴァードはそう簡単には死なない。その驚異的な回復力があれば。
だが、無尽蔵ではない。いくら肉体を修復すると言っても、それもまたレネゲイドの力を用いる。
ついにその子供は、力を使いすぎた。肉体修復にレネゲイドの力を行使しすぎた結果、『戻れなく』なった。
男は銃撃を止めさせる。そして、不要となったものを捨てるかのように、手にした刃物で首を跳ねた後、他の大人に告げる。
「そこのゴミ、捨てておいてくれ」

そして、男は再び永遠達を見る。
「さて、こうならないように君達は殺し合いなさい」
「生きていて良いのは一人だけだ」
「あのゴミみたいになりたくなければ…」
「──やれ」

一人の少年が、恐慌状態に陥り、暴れ始める。
一人の少女が、絶望しながら自らの命を絶った。
誰かが動く度に、室内が少しずつ赤く染まっていく。
子供たちの叫び声が残響する。
そこは、地獄だった。

永遠は何も出来なかった。ただひたすら後ずさりをして、いつしか壁にもたれかかっていた。
足がすくんで動かない手に持たされた刃物を握り締めたまま、震えていた。

いつしか、残っていたのは一人の少年と永遠だけだった。身体中は自分の傷と、先程殺した少女の返り血で染まっている。
もはや心は砕かれ、ただ生存本能だけで動くモノと化していた少年が、永遠に近付く。
悲鳴にも似た叫び声を上げ、少年は永遠につかみかかり押し倒した。
馬乗りになり、少年は手に持ったナイフを──










「おめでとう、被検体Eよ。君は選ばれた」
倒れ伏している少年の心臓に突き刺さった刃物を見て、男は満足そうに永遠に告げる。

「よくぞ生き残った。よくぞ殺した」
「君は才能がある。素晴らしい才能だよ」

「素晴らしい──殺人の才能だ」

記憶が、感覚が残響していく。心臓を突き刺したあの気持ち悪い感触。つい昨日まで、一緒にいた仲間に、ただ死ぬのがこわくて突き立てた殺意。
その事実が、彼女を地獄へと突き落とす。

「おやおや…吐いてしまうとは」
「まぁ、初めてだから仕方ない。すぐに慣れるとも」
「諸君、被検体Eをフェーズ2へ。明日より次の教育を開始せよ」




その日、稲白永遠は壊れた。
それからの日々、永遠はただひたすらに刺し(ころし)砕き(ころし)刻み(ころし)嬲り(ころし)斬り(ころし)続けた。
そのたびに大人達は狂気にも似た笑みを見せ続ける。


かつて、幸せだった日々があった。
あった、気がした。
もう思い出せない事も多かった。

──それでも
それでも、心の中に残りつづける想いだけは、それだけは手放したくなかった。




「被検体E…いや、滅びゆく原罪(シン・ダムネーション)よ」
「いよいよ実戦だ。君の成果を見せたまえ」
「UGNを君の命と引き換えに滅ぼせ」
ついにその時が来た。この残り火が完全に消える前に、全てを終わらせる時が。

永遠は無表情のまま、何も答えることなく戦場へと向かう。
ゆっくりと歩き、ふと、少女達の集団が見えた。
アレが、永遠の最初で最後の任務対象だ。
「……やっと終わるよ」
「あ…でも、きっと私は、地獄に行っちゃうからもう会えないか」
「でも、それでいいや」
「こんな私、見られたくないもん」

「殺してよ。私の全てを、何もかもを忘れさせてよ」
永遠は淡々と、独り言のように呟き、ゆっくりと刀を抜いた。

 

果たせなかった約束

「ね、永遠」
入学式を終え、帰路についている途中、少し寄り道をして浜辺を歩いていた時。高校生とすれ違った後に若歌は永遠の肩を叩いた。
「ん、どうしたの?」
「あの制服、N市公立高校の制服だよね」
「あー…そうかも。多分?若歌、よく知ってるね」
「だって、すっごく可愛くない?」
チラッと後ろを振り返る。たしかに可愛い。自分が着ることは想像もつかなかったが。
「確かに。若歌、すっごく似合いそうだよね」
「えー、そうかなー?えへへ」
「きっと、可愛すぎてモテそうだよね」
少しだけ、胸がズキッとする。それが何故なのか、この時の永遠は分からなかった。
「そんなことないよー。永遠もすっごく似合うし、絶対かわいい!」
「そ、そうかなぁ…?でも、若歌に言われると嬉しいな」
「私達二人が一緒にあの制服着て歩いてたら、芸能界にスカウトされちゃうかもね!」
なーんてね、と言いながら若歌は笑う。それに釣られて、永遠も笑った。

「あ、そうだ!」
「…?」
「約束しようよ。高校は一緒にN 市公立高校行こう!」
「それで、たくさん遊んで、たくさん思い出作ろうよ」
「もちろん、中学校でもね。中学、高校って二人で数え切れないくらいの思い出、作ろう!」
突拍子もない提案。いつもの事だった。だが、その突拍子のなさも若歌の魅力だった。
「相変わらずだなぁ…中学生になったばかりなのに、もう高校の話?」
「けど、いいよ。私も若歌と一緒の高校がいいもん」
環境が変われば、交友関係も変わる。少なくとも、高校生になるとそれが顕著だ。中学まで仲が良かった友人と、高校生になってしばらくしたら疎遠になる。そういった話も少なくない。
もちろんそれが間違っているわけではない。世界は広いのだから。広がった世界で、関係が変わることは悪ではない。

それでも、永遠は願っていた。
たとえ今後の将来でいろんな人と出会っても、若歌とはずっと一緒にいたい、と。

「やったー!ね、高校の制服を初めて着る時は、二人で見せ合いっこだからね!」
若歌は嬉しそうに、永遠の手を取り握って、満面の笑みでそう言う。
永遠はその笑顔を見て、指を絡ませる。
「うん、分かった。私も、若歌の制服楽しみにしてるからね!」

「じゃあ…いつものだね」
「ふふっ、いつもの、だね」
二人は笑いあって、お互いの小指を出し合う。
二人は約束をすると決まって指切りをしていた。
出会ってから一度も違えたことのない、必ず叶う約束のおまじない。二人はこの約束も絶対叶う。そう信じていた。






ある日。もうすぐ桜が咲き始めるという時期。
永遠は浜辺のベンチに腰掛けていた。
右手を前に突き出し、小指を立てる。
二人の約束のおまじない。けれど、一緒にそれをやってくれる大切な人は、いない。
「……約束…したのに」
「ずっとずっと、この約束をしたら叶ったのに」
「何で…叶わなかったのかな…」
「ねぇ…若歌…また約束しようよ…ぉ…」
「二人で学校行きたいよ…」
「また、お勉強教えるから…っ」
「側にいてよぉ……」
ぽろぽろ、と涙が溢れて止まらない。
日常が戻ってきて、もう少しで一年。人知れず泣き出す事が増えた。
それはきっと、永遠が『人間』に戻ってきたから。失ってしまったものの大きさを、理解できるようになったからこそだった。

しばらく俯いて泣き続けた後に、海風が吹いた。
涙を拭き、視線を前に戻す。
綺麗なはずの、夕焼けにそまる大海原がどこか寂しい。

ベンチから立ち上がり、ゆっくり浜辺から立ち去る。その目の前に、見知った人が走って近寄ってきた。


「あ…先輩」
「…………そういえば、今日は訓練…でした」
「忘れてました…ごめん…なさい」
永遠の前に立つ高校生の男は、心配そうに永遠に声をかける。
「はい…大丈夫…です」
「うっかりしていただけ…なので」
「ちゃんと訓練には…いきます…ので」
「その…行きましょう」
先輩と呼ばれた男と永遠は、支部へと向かう。海風に背中を押されながら。


稲白永遠と不審者①

とある日、永遠はいつものように訓練の為にN市支部に来ていた。
いつもと変わらない支部の事務員に会釈をし、中に入っていく。

その途中だった。
目の前に、壁にもたれかかりメガネをクイッと上げる男がいた。
見たことがない人だと思いつつも、永遠は軽く会釈をするだけで通り過ぎようとする。

ちょうどその男とすれ違う時だった。
「……成程、君が…」
そう言うと、男は永遠に目線を移す。

不審者だ。少なくとも永遠には不審者にしか見えなかった。
永遠は足を止め、振り向く。警戒するように、距離を取る。

「…ふふっ」
「……ハハハハハ!」
突如、男は高笑いをする。永遠はビクッと体を震わせ、一歩後ろに下がった。
「怯えることはないぞ、稲白永遠よ!」
「何故ならこれは…そう、運命だからだ」
「俺と君は、邂逅する運命にあった。"機関"の導きによって!」
そう言うと男は手を広げ、永遠に一歩、二歩と近づいていく。
永遠はあまりにも意味不明なこの状況に混乱し、動けない。
そうして男は永遠の目の前に来た。
「さぁ、永遠よ!君も受け入れるといい。我らが"機関"の意思を…そうすれば君も──」

「なぁーーーーーーーにやってんだ八坂ァ!!!!」
瞬間、男の姿がその場から消える。
いや、違う。消えたのではない。ただ吹き飛んだだけだった。
吹き飛ばされた男は、ゴミ箱に頭から突っ込んでいった。

「永遠!大丈夫?八坂に変なことされてない?」
目の前に現れたのはUGN日本支部直轄【Garden of Lily】の支部長、綿貫一歌だった。
「ごめんね、怖かったよね」
そう言うと、一歌は永遠をそっと抱き寄せ、頭を撫でる。
柔らかい感覚が、あたたかい感情が、永遠を落ち着かせた。
「あの…だ、大丈夫…です…」

「……一歌、まーた女たらし?いい加減まきなに怒られたら?」
永遠と一歌の側に、小柄な少女が近付いてくる。まるで呆れていると言わんばかりの表情だ。
「深華…誤解を招くこと言わないでよ」

「お、女たらし…?その、綿貫さんは…私をそういう目で…見てた…んですか」
永遠はそっと一歌から離れ、少し怯えたような目で一歌を見ている。
「ちっがーーーーう!もー、深華、ほんと誤解招くからやめなさいって言ったでしょー!」
その光景を見ていた、深華と呼ばれた少女は愉快そうに笑う。
「ぷぷっ…あはははは!いやー、ほんと面白いわ」
「ごめんね、稲白永遠」
「アタシは上挙母深華。一歌と同じGL所属の技術者よ」
そう言い、深華は永遠に近づき、右手を差し出した。
「あ…はい…上挙母…さん。えと、稲白永遠…です…よろしくお願い…します」
永遠はその握手に応じる。見た目は自分よりも年下に見えるも、どこか大人びた雰囲気を永遠は感じていた。

「……んで、コイツどうすんの?」
ゴミ箱から足だけ出ている状態の男を指差して、深華は言う。
「そうだった」
「八坂!アンタ永遠に何してんのよ!」
一歌はゴミ箱から八坂を引っ張り出す。
「ぐっ……一歌か…中々手荒い挨拶だな。全く、君の愛情表現には困ったものだ」
「アンタも誤解を招くこと言うな!ほら立って!」
男は立ち上がり、スーツの襟を正す。
「改めて、稲白永遠よ。俺は八坂十字。日本支部の"切り札"にして綿貫一歌の恩人……そして」
「この世界の真実を知る者さ!ハハハハハ!」

永遠はチラリと一歌、深華を見た。その怒りと呆れが入り混じった二人の表情は、それはそれは見事なものだった。

稲白永遠と不審者②

稲白永遠と不審者②

永遠と一歌、深華、八坂は談話室に来ていた。
一歌からはちゃんと説明するからと言われたからである。

「えーっと…改めて。コイツは八坂十字。日本支部所属のエージェントなの」
「それと……」
「………………一応、GLの顧問役って立場でもある」
「一歌よ。恩師を紹介するときはもう少し堂々としたらどうだ?」
「そーですね。堂々と紹介したい人だったら良かったんですけどねぇー」

「えと…八坂…さんですか。その…なんで八坂さんは…ここに?」
「ふむ、一言で言えば"機関"の意思だ」
「…"機関"?」
「そうだ。この世界を影から支配する者達。それが"普遍機関"なのさ!」
高笑いをしながら、八坂は普遍機関について語り出す。一歌はそっと、永遠に耳打ちをする。
「…って妄想。まぁあんまり気にしないで」
「は、はぁ…そですか…」

「まぁ、こんなだけど、これでも顧問役よ。というか、コイツがいなきゃGLは設立出来なかったみたいだし」
コーヒーを飲みながら、深華はボソッと言う。
「そう…なんですか?」
「…悔しいけど、事実よ。アイツは日本支部の優秀なエージェントなのは間違いないから。色々致命的な所は多いけど」
「…まぁ、性格は終わってるけど悪人ではないから」
「そ、そですか」

それからしばしの間、三人は八坂の妄想をBGMに、世間話等をしていた。
しばらくして、一人の男子高校生がやってきた。
永遠の先輩であり、永遠の保護観察を担当している。
「…あ、先輩。そっか、もう訓練の時間…ですね」
「すぐに準備して…きます」
「その…今日も、ご指導よろしく…お願いします」
「皆さんも、ありがとうございました…その…」
「…た…楽しかった……です…」
永遠はどこか気恥ずかしそうにしながら、一同にお辞儀をし、着替えのために立ち去っていく。
先輩とよばれた男もまた、一歌達に頭を下げ談話室から出ようとしていた。

「皇さん」
一歌は立ち上がり、先輩とよばれた男──皇夕都に近付く。
「もうすぐ永遠の経過観察も終わります」
「私達は、あの子がGLに加入するように動いています」
「…けれど、最後にどうするか決めるのはあの子です。そこだけは変えません。永遠の未来は、永遠自身が決めるべきですから」
「永遠がどのような選択をしても、私達は受け入れます。GLにあの子が来たなら、私達は永遠がGLに加入してよかったと思ってもらえるように全力を尽くします」
「もしこの支部に残ると決めたなら、皇さん」
「どうかあの子の事、よろしくお願いしますね」
そう言って、一歌は頭を下げる。

「それと…もしGLに加入したら、皇さんもGLに遊びに来てくださいね。永遠は、皇さんのこと凄く信頼してます」
「永遠がどのような選択をしても…皇さん、あなたは永遠にとって大切な先輩です。どうかこれからも、よろしくお願いしますね」

「…って、なんかお母さんみたいな事言っちゃいましたね。すみません」
一歌は苦笑しながら、皇夕都が去るのを見送った。





「……んで?」
「八坂、本当にアンタ何しに来たのよ。永遠に会いに来たなんて」
談話室には三人だけとなった。一瞬の静寂の後、一歌は八坂に問う。
「さっきも言っただろう。一歌よ。人の話にはしっかり耳を傾けるのだな」
「………………」
「…やれやれ」
「いずれあの花園に来るかもしれないのだろう。ならば顧問役としても、一目見ておく事は何らおかしくないだろう」
「それで、顧問役として永遠はどう映ったの?」
その言葉に、ふむ…と少し考えた後、八坂は告げる。
「今はまだ、夢に囚われている。何かを失って、時間がそのまま止まったかのようにな」
「……」
「だが──風向きが変わったな」
「近い内に、大きな嵐が来る。」
「きっと、彼女の答えはそこにある」
八坂は、普段の胡散臭さを感じさせない、真剣な目をしていた。それを見て、一歌は目を伏せる。
「…そっか」
ふふっ、と一歌は笑う。そして、一歩前に出る。
「んじゃー、永遠の訓練見にいこっか、深華」
「おい、何故俺の名前は呼ばない!?」
「は?アンタは来なくていいんだけど。永遠が緊張して訓練になんないでしょ」
一歌と八坂は、子供のような口喧嘩をしながら訓練所へ向かっていく。
それを見て深華は、深いため息をつきながら後を追うのであった。

追憶、あるいは消すことの出来ない後悔

ある雨の日。

同じ制服を着た多くの同級生。黒服を身に纏った大人達。
重苦しい空気の仲に私はいた。

誰もが悲しい表情をしていて、誰もが言葉を発さない。

列を作り、その列が少しずつ進んでいく。

階段を上り、右へ。そこからまっすぐ。開かれた扉を抜ければ、開けた空間へ。
白と黒の世界。一人の男性が、なにかを叩きながら、よく分からない言葉をつぶやき続けている。
椅子に座る、見覚えのある人がいた。
若歌のお兄さんだった。あまり会ったことがなかったけど、会った時はいつも笑っている人だった。
けれど、今は違った。まるで見たことの無い、虚ろな表情。

進む。進む。
大きな箱のようなものを見て、前にいる人たちは泣いていた。
どうして泣いているんだろう。



箱の目の前に来た。
見覚えのある顔。
──違う
つい先日まで、隣で一緒に笑いあっていたはずの、若歌がいる。
目を閉じて、おめかしをしている。

何で?

いつも見せてくれた笑顔はどうしたの?

なんでそんな所で寝ているの?

はやく起きて、遊びに行こうよ。


その答えは返ってこなかった。
小学校からのクラスメイトが、私に抱き付いて泣いていた。

なんで泣いているの?



そうだ。私は理解できていなかった。


──違う。


理解したくなかったんだ。
何年も一緒にいて、毎日のように見てきたあの笑顔が。
これからもずっと続いていくと思っていた日常が。
ぜんぶ失われてしまったことを。

「また明日ね」
と二人で笑って、手を振り合って別れたあの日から、私の世界は止まってしまった。



「今までありがとう」
そう言えれば良かったのに。

「さようなら」
そう言えれば良かったのに。

私の時計はあの時から止まったまま、針は動かない。

大切な、大好きな人だったのに。
私は何も言えなかった──






「……………ッ!!!!」
ある春の日の朝。永遠は勢いよく起き上がった。
身体中から汗が噴き出し、呼吸が荒くなっていた。
「…夢……」
ゆっくりと息を吸い込む。そしてゆっくりと吐き出す。少しずつ、呼吸が落ち着いていく。
こんな夢は初めてだった。いや、夢ではない。かつての追憶、あるいは消すことのできない後悔の断片。

「……何で」
「…何で、いなくなっちゃったの…」
ぽつり、と永遠は呟く。
「…言いたいこと、まだ残ってるのに」
「…会いたい…会いたいよ…若歌…っ」 
自室でただ一人、彼女はすすり泣いていた。


言えなかった言葉がある。
──ありがとう
感謝の言葉。
──大好き
自分の想い。
──さようなら
そして、別れの言葉。
今はただ、後悔だけが残り続ける。








桜舞うこの日、彼女の運命は動き出す。

「昨日と同じ今日、今日と同じ明日に意味なんて…ない…です。変わらない日常なら…生きていく理由なんてないです…から」


「昨日と同じ今日、今日と同じ明日を…私は笑顔で歩いていきます」

履歴

サクラ・デイドリーム

若歌と奇跡の再会を果たす。
原因となった千年桜、シャドウカインド、そして利用された桜井暁都。これらの事件を先輩の皇夕都、他支部の輝尚人と共に解決した。
途中、再び若歌と別れる事になってしまうという事実に泣き出してしまうも、若歌と笑顔で別れることを約束した。
最後は笑顔で若歌と別れの言葉を告げる。大好きな人に、最高の笑顔で。

その数日後、UGN日本支部直轄【Garden of Lily】に加入。Garl's ArcanaのNo.16『塔』を請け負った。

君ともう一度

なんか求婚されるらしい。なんでやねん。
詳細不明。GMに大まかな流れを確認する。

DEEP FRONT

N市が任務場所、かつ自身の通うN市公立高校での活動を必要としているという事もあり、永遠に白羽の矢が立った。
GL支部長の綿貫一歌は、永遠に代理とはいえ支部長の経験を積ませたいという考えがあったため、永遠に任せることにした。

セッション履歴

No. 日付 タイトル 経験点 GM 参加者
フルスクラッチ作成 54
1 2023.9.24 サクラ・デイドリーム 20 いくさん しましょーさんミナフジさんかなめ
最&高
2 2024.5.26 君ともう一度 36 ミナフジさん しましょーさんいくさんざきおさんかなめ
3 2024.8.9 ユナイテッドデイズ かなめ ミナフジさんしましょーさん

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