“舞い踊る花園”綿貫 一歌
プレイヤー:かなめ
「ずっと隣にいてね。そうしたら私はいくらでも頑張れるから」
エテ茶様
- 年齢
- 17
- 性別
- 女
- 星座
- 牡牛座
- 身長
- 157
- 体重
- 48
- 血液型
- AB型
- ワークス
- UGN支部長A
- カヴァー
- UGN日本支部直轄【Garden of Lily】支部長/Garl's Arcana No.21『世界』
- ブリード
- クロスブリード
- シンドローム
- モルフェウス
- ブラックドッグ
- HP最大値
- 35
- 常備化ポイント
- 16
- 財産ポイント
- 11
- 行動値
- 7
- 戦闘移動
- 12
- 全力移動
- 24
経験点
- 消費
- +222
- 未使用
- 1
ライフパス
出自 | 物心ついたころから施設で暮らしていた。両親は不明。そのため大切な人と過ごすということにどこか一種の憧れがあった。 | |
---|---|---|
天涯孤独 | ||
経験 | 一人で東京ドーム占拠事件を制圧した実績を持つ。 | |
大勝利 | ||
邂逅 | 八坂十字にGL設立で多大な協力を受けた。 | |
恩人 | ||
覚醒 | 侵蝕値 | 施設にいた頃に何らかの原因で覚醒。詳細不明(FHによる誘拐事件を発端とするが、一歌は覚えていない)。 |
感染 | 14 | |
衝動 | 侵蝕値 | Garden of Lilyを傷付ける者達への嫌悪感 |
嫌悪 | 15 | |
その他の修正 | 5 | 秘密兵器 |
侵蝕率基本値 | 34 |
能力値
肉体 | 7 | 感覚 | 3 | 精神 | 1 | 社会 | 3 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
シンドローム | 1+2 | シンドローム | 2+1 | シンドローム | 0+1 | シンドローム | 1+0 |
ワークス | 1 | ワークス | ワークス | ワークス | |||
成長 | 成長 | 成長 | 成長 | 2 | |||
その他修正 | 3 | その他修正 | その他修正 | その他修正 | |||
白兵 | 1 | 射撃 | RC | 交渉 | |||
回避 | 1 | 知覚 | 意志 | 調達 | 5 | ||
運転: | 12 | 情報:UGN | 2 |
ロイス
関係 | 名前 | 感情(Posi/Nega) | 属性 | 状態 | |||
---|---|---|---|---|---|---|---|
Dロイス | 秘密兵器 | ― | ストライクモービルを取得 | ||||
Sロイス/固定 | 井玖珠 まきな | 純愛 | / | 偏愛 | 「ずっと隣にいてね、まきな」 | ||
固定 | 八坂 十字 | 信頼 | / | 食傷 | 「一応、信頼はしてる……ほんっとーに悔しいけどね!」 | ||
― | |||||||
― | |||||||
― | |||||||
― |
メモリー
関係 | 名前 | 感情 | |
---|---|---|---|
居場所 | Garden of Lly |
エフェクト
種別 | 名称 | LV | タイミング | 技能 | 難易度 | 対象 | 射程 | 侵蝕値 | 制限 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
リザレクト | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | 自身 | 至近 | 効果参照 | ― | |
(Lv)D点HP回復、侵蝕値上昇 | |||||||||
ワーディング | 1 | オートアクション | ― | 自動成功 | シーン | 視界 | 0 | ― | |
非オーヴァードをエキストラ化 | |||||||||
アンテナモジュール | 1 | 常時 | 自動成功 | 自身 | 至近 | ||||
深華特製の高性能通信用インプラントチップを体内に仕込んでいる。通信の困難な局地であっても通信に支障は出ない。 | |||||||||
タッピング&オンエア | 1 | 自動成功 | 効果参照 | 視界 | |||||
無線電波の傍受や送受信を行える。ケーブルに触れていれば有線での送受信も可能。 | |||||||||
コンセントレイト:ブラックドッグ | 3 | メジャーアクション | シンドローム | 2 | |||||
組み合わせた攻撃のクリティカル値-LV | |||||||||
リフレックス:ブラックドッグ | 3 | リアクション | シンドローム | 2 | |||||
組み合わせたリアクションのクリティカル値-LV | |||||||||
鋼の馬 | 3 | メジャーアクション リアクション | 運転: | 2 | |||||
組み合わせた判定の判定ダイス+LV個[3/4]。 | |||||||||
サポートデバイス | 5 | セットアッププロセス | 自動成功 | 自身 | 至近 | 6 | 80% | ||
ラウンド中、判定ダイス+LV*2個(10/12)、シナリオ3回 | |||||||||
朧の旋風 | 1 | オートアクション | 自動成功 | 自身 | 至近 | 10 | 100% | ||
ドッジ成功時にメインプロセスを実行。行動済でも使え、行動済にならない。追加メインプロセス終了時にHP10点を失う。1シナリオ1回。 | |||||||||
雷神の降臨 | 4 | セットアッププロセス | 自動成功 | 自身 | 至近 | 7 | 100% | ||
ラウンド中、自身が行う攻撃の攻撃力+LV*5(25)、行動値0へ変更。 | |||||||||
エレキフィールド | 1 | メジャーアクション | シンドローム | 範囲(選択) | 2 | ||||
このエフェクトを組み合わせたエフェクトの射程を至近、範囲を範囲(選択)に変更する。1シナリオLV回。 | |||||||||
セキュリティカット | 1 | ||||||||
電子使い | 1 | ||||||||
コンボ
朧風の疾走
- 組み合わせ
- 鋼の馬+リフレックス:ブラックドッグ
- タイミング
- リアクション
- 技能
- 運転:
- 難易度
- 対決
- 対象
- 射程
- 侵蝕値
- 4
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 7+3+2
- 7
- 12+4+4
- 0
- 100%未満(デバイス)
- 7+3+2+10
- 7
- 12+4+4
- 0
- 100%以上(デバイス)
- 7+4+2+12
- 7
- 12+4+4
- 0
- 7+3+2
サポートデバイス適用コンボ有
我が道を往く蹂躙
- 組み合わせ
- 鋼の馬+コンセントレイト:ブラックドッグ
- タイミング
- メジャーアクション
- 技能
- 運転:
- 難易度
- 対決
- 対象
- 単体
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 4
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
- 100%未満
- 7+4+3+2
- 7
- 12+4+4
- 10
- 100%以上
- 7+4+4+2
- 7
- 12+4+4
- 10
- 100%以上(デバイス)
- 7+4+4+2+12
- 7
- 12+4+4
- 10
- 100%以上(デバイス+雷神)
- 7+4+4+2+12
- 7
- 12+4+4
- 10+25
- 7+4+3+2
Sモービル適用
サポートデバイス・雷神の降臨適用コンボあり
別途リーダーズマークの補正有
ライダースーツ購入成功の場合は更に判定ダイス+1
舞い踊る花園
- 組み合わせ
- 《サポートデバイス》+《雷神の降臨》
- タイミング
- セットアッププロセス
- 技能
- 難易度
- 対象
- 自身
- 射程
- 至近
- 侵蝕値
- 13
- 条件
- ダイス
- C値
- 達成値修正
- 攻撃力
- ダイス
ラウンド中の【行動値】を0にする(上書き不可)。
ラウンド中の判定ダイスを+[10/12/14]個する。
ラウンド中の攻撃の攻撃力を+[25/30]する。
防具 | 常備化 | 経験点 | 種別 | 行動 | ドッジ | 装甲値 | 解説 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
カメレオンクローク | 20 | +4 | 2 | 秘密兵器で取得。 ①<知覚>判定の達成値に+4する、 ➁あなたが行う<知覚>判定かドッジの判定の直前に使用する。その達成値に+10する。この効果は1シナリオに1回まで使用できる。 |
ヴィークル | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 行動 | 攻撃力 | 装甲値 | 全力 移動 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
ストライクモービル | ヴィークル | 〈運転:〉 | -1 | 10 | 13 | 〈運転:二輪〉として計算。 搭乗中、あなたが行う攻撃の判定ダイス+4個 後ろの席はまきな専用 |
一般アイテム | 常備化 | 経験点 | 種別 | 技能 | 解説 |
---|---|---|---|---|---|
思い出の一品 | 2 | 意志判定の達成値+1 初めて買った「お揃い」の犬のキーホルダー 「お揃いかぁ…初めてだな、こういうの…ふふっ」 | |||
コネ:普遍機関 | 2 | コネ | 効果参照 | ダイスを使わずに判定達成値10にする。 1シナリオ1回。 「まーーーーたクソリプかい!」 | |
パトロン | 0 | カスタマイズ(コネ) | 対象:「コネ:普遍機関」 選択したコネがあなたを経済的に支援してくれていることを表すカスタマイズデータ。 財産点を2点取得し、侵蝕率基本値を+2する。 IA環境は適用無し。 八坂「『機関』は常に君の歩みを支えるだろう!」 | ||
デモンズシード | 3 | 対象:雷神の降臨 最大LV+1、侵蝕率+1 「天地開闢悉くを征す」 | |||
リーダーズマーク | 5 | コネ/その他 | 支部長として強い影響力を持つことを表す、バッジやペンダントなどの証。また、この証はあなたの支部長としての強い使命感を表す。 選択能力:運転 選択した能力を使用した判定の直前に使用することで、その判定の達成値を+5する。この効果は1シナリオに3回まで使用できる。 「これが私の覚悟の証」 | ||
情報収集チーム:女教皇 | 2 | コネ | 情報:の達成値+2、シナリオ3回 「深華、ちょーっと協力してほしいな!」 | ||
携帯電話(私用) | 0 | ピンクのスマホカバーを着けたAndroid搭載スマートフォン。待ち受けはまきなとのツーショット写真。 「よく撮れてる。まきな、すっごく良い表情(かお)してる」 | |||
携帯電話(仕事用) | 0 | GAメンバーが共通して持っている白を基調としたスマートフォン。 クライマックスフェイズに顧問役からクソリプが送られてくる。 | |||
GA専用SNS『Lilynet』 | 0 | カスタマイズ(一般) | 対象:携帯電話(仕事用) 元データ:ソーシャルサービス GLメンバーのみが閲覧可能なSNSであり、GL内での情報共有等をここで行っている。 GAメンバーは更に、GAのみが閲覧可能なページがあり、そこで機密情報のやり取りを行っている。 深華「顧問役はアク禁にしてやったわ」 | ||
制服(GA) | 0 | 高機能都市迷彩服。 季節にあわせて夏服と冬服が存在する。 「いやぁ、慣れてるからこれ着てると落ち着くなぁ」 | |||
高機能腕時計 | 0 | 元データ:アクセサリー GL設立後に八坂十字から貰ったお祝いの品。支部長たるもの時間はしっかり把握せよとのこと。 「デザインも機能も良いのが腹立つ…」 | |||
コネ:手配師 | 1 | コネ | 購入判定のダイス+3個、シナリオ1回 | ||
ペンダント(S-Ophia) | 0 | その他 | 元データ:アクセサリー 一歌のストライクモービル《S-Ophia》のバイクに変身する前の形態。何の変哲もないペンダント。 | ||
デディケイデット | 0 | カスタマイズ(一般) | 対象:携帯電話(仕事用) このスマートフォンは本人および上挙母深華のみ操作可能。 他の人物では操作方法なども一切不明となり、GAの機密保持能力の高さを示すもの。 IA環境では適用なし。 深華「何人たりともアタシ達の聖域には踏み込めない」 | ||
†コマンダーズマーク | 25 | 対象:【肉体】 取得にはリーダーズマークが必要。あなたがリーダーズマークで選択した能力値に+3する。 | |||
アレクサンドリア | 20 | エンブレム/一般 | シーンに登場している任意のキャラクターを対象とする。 技能を一つ選択する。シナリオ中、その技能を用いる判定の達成値に+4する。1シナリオ1回。 | ||
サラウンドレポート | 5 | エンブレム/一般 | シーンに登場しているキャラクターが行う<情報:>の判定ダイスに+1個する。 | ||
ロボカー | 5 | 対象のヴィークルに搭乗している状態で行う<運転:>の判定ダイスに+2個する。 対象:ストライクモービル | |||
ハンドルホルダー | 20 | エンブレム/一般 | シーンに登場しているあなた以外のキャラクターがBSの暴走を受けた際に使用する。その暴走を打ち消す。シーン1回。 |
経験点計算
能力値 | 技能 | エフェクト | アイテム | メモリー | 使用総計 | 未使用/合計 |
---|---|---|---|---|---|---|
20 | 33 | 178 | 105 | 15 | 351 | 1/352 |
侵蝕率効果表
現在侵蝕率:
容姿・経歴・その他メモ
「私達と、未来を見に行こうよ!」
プロフィール
一人称:私
年齢:18
身長:158
体重:49
B/W/H:88(E65)/55/81
足のサイズ:23.5cm
覚醒年齢:7歳
好きな食べ物:カレー(毎週金曜日はカレー)、コーヒー
嫌いな食べ物:茄子
No.21【世界】
東京都文京区某所にある支部『Garden of Lily』の支部長。
元UGNトップチルドレンの一人。かつて発生した東京ドーム占拠に関する事件を一人で制圧したという伝説が残っている。
その際に少女が複数人オーヴァードとして覚醒してしまった事が心に残っており、数年後に少女のオーヴァードを保護するための機関【Garden of Lily】(通称GL)を設立。その設立にはUGN日本支部のエージェントである八坂十字も協力している。その際に名前を普遍機関にしようと提案され一悶着あったとかなかったとか。
元々は射撃アタッカーだったが、東京ドームの一件で傷を負い、精密射撃を行えなくなったため戦闘方法を変更している。
相方のまきなが正確な射撃を行える事から、自身はストライクモービルに乗り直接攻撃を行うようになった(たまたま才能があった)。
かつてはチルドレン育成施設「シグナス」に所属していた。
非常に高い成績で、当時から実戦にも投入されていた。
黒歴史を清算するためにシグナスに赴く直前、部下の上挙母深華に渡されたライトニングピストルを持って行った。
現在はGLの支部長として、保護したチルドレンの教育、(渋々)事務作業や他支部との連携を行っている。事務作業はあまり得意ではなく投げ出したいと思うときも多々あるが、まきなが見ているのでそうもいかず、謎の悲鳴を上げながらこなしている。
朝は早起き。着替えて、外の花を見て、まきなの淹れるコーヒーを飲む。この何気ない日常を心から大切に思っている。
コーヒーは砂糖+ミルク派だがブラックでも普通に飲める。飲んだことのない豆を用いる時はブラックで飲み、二回目以降は砂糖+ミルク。
酸味よりも苦みのある豆の方が好き。
紅茶は飲めなくは無いが好きでもない。出されたら飲む程度。
二輪、4輪どちらの運転もできる。18歳になったことで正式に免許を取得した。
バイクの後ろはまきなしか乗せない。これはまきなへの配慮でもあるのだが、一歌自身もまきなしか乗せたくないと思っている。風を切って進む心地よさ、背中から感じるまきなの温もりを感じられるこの時間を彼女は大切にしている。
基本的には気さくであり、特にGLのメンバーに対しては心から大切な存在だと思っている。
しかし、年齢の割にどこかリアリストな一面もあり、武力による制圧・殲滅を暴力的だと認識しつつも、必要なものであると認識している。だからこそ、GLはUGNの戦力として、そして人として生きるためという、矛盾を内包しつつ成立しているのである。
相方である井玖珠まきなの事は特に信頼している。GLの設立にあたっては、まきなも絡んでいる。同じ支部でペアを組んで彼女の脆さ、危うさを知った。そのこともあり、一歌はGLの設立を決意した。
「チルドレンってさ、心の拠り所がないんだよね。なりたくてオーヴァードになったわけでもないのに、帰るべき居場所も、待ってくれる人もいない。訓練って言って、暴力を振るわれて、恐怖に怯えて過ごす……そんなのさ、寂しすぎるよ」
「だから私が作るんだ。あの子達が笑顔で帰ってこれるように。世界は嫌なことばかりじゃないんだよって」
戦闘スタイル
シグナス~東京ドーム占拠事件解決まで
突出したレネゲイド適合率により、その視力は極限まで高められていた。まるで周囲が止まっているかのように。
未来視とまで言えるようなその視力による精密射撃等を得意としており、かつては射撃アタッカーだった。また、その視力等を活かしたヒットアンドアウェイ…ドッジアタッカーとしての一面も持ち合わせている。
主にハンドガンやショットガンといった近距離射撃を中心としていた。
東京ドーム占拠事件の際に左目を負傷。幸いかなりの軽症だったため、通常戦闘に支障はなかったものの、その特異的な視力は両目の奇跡的なバランスにより成り立っていたため、その力は失われてしまった。それでも銃撃戦は問題なくこなせるレベルだったため、しばらくは銃を使い続けていた。
S市支部への出向直前に秘密兵器が発現。ストライクモービルを手にすることとなる。
最初は困惑していたものの、乗ってみると想像以上に手に馴染んだ事もあり、ヴィークルによる攻撃を確立した。
S市でまきなとバディを組んだ折に、後ろにまきなを乗せて射撃と攪乱を行うスタイルを完成させた。
(ハトハトにて)
流石に母校でバイクを使うのは…という思いもあり、事前に上挙母深華から渡されていた雷銃「鵺」を使うこととなる。
久し振りの拳銃による戦い方を行う予定。
パーソナリティーズ
井玖珠 まきな
呼び方:まきな
相棒。かつてS市支部に出向していた際に、支部から教育を依頼された事で出会った。
とある事件をキッカケとしてGL設立を共に目指した。
公私共に一番大切に想っている人物でもある。
ちょくちょく他の女の子をスカウトしてきてはまきなをヤキモキさせる。そうなった場合は必ず休みを取って1日二人で遊びに行っているらしい。
「まきなと一緒なら、何だってできる。私はそう信じてるよ」
上挙母 深華
呼び方:深華
GL設立後、最初の任務でFH研究施設から救出した人物。現在はGLのシステム関連を担う、GLの頭脳。
「深華の頭脳に、私達はいつも助けられてる。ありがとね、深華」
橋真 良夢
呼び方:良夢
かつての東京ドーム占拠事件の際に救出した少女。
数年後に虹房支部で発生した事件の際に偶然再会。任務後にGLにスカウトした。
「あのとき助けた子が、こうして同じ場所にいるなんて…なんか不思議だね。ふふっ」
稲白 永遠
呼び方:永遠
FHとの大規模抗争の際にGA総出で倒した人物。その後はUGNに保護され経過観察となる。
かつての境遇を知り、GLにスカウトしている。もうすぐで経過観察も終わり、永遠が加入するかどうかが決まる。
→経過観察が終了。永遠は自らGLに加入する意思を示した。
「永遠の未来、私達が一緒に歩いていくよ」
八坂 十字
呼び方:八坂、アンタ、八坂ァ!!!!
UGN日本支部エージェント。一応GLの顧問役でもある。
見た目も行動も言動も胡散臭い。よくコントのような口喧嘩をしたりする。
もちろん恩義もあるので、本気で嫌ったりはしていない。GL設立を常に支えてくれた人物でもある。
よくクライマックスフェイズでクソリプを送ってくると評判(?)
シグナス卒業後、UGN日本支部に配属となった一歌の教育役でもあった。最初はやや演技っぽい話し方等は感じつつも一歌を導く人…と思っていたが、段々と雲行きが怪しくなった。一年経つ頃には現在のような接し方になっていた。
「胡散臭いしデリカシー無いし胡散臭いし胡散臭い…けど、感謝はしてる」
英 傑
呼び方:英
チルドレン育成施設「シグナス」時代の同僚。
当時の一歌が気を張らずに話せた数少ない人物の一人。
卒業試験で大怪我を負った事に対して引っかかっており、GLがそういった過剰とも言える訓練をしない理由にもなっている。
「久しぶりじゃん、英。元気でやってた?怪我の後遺症とかは大丈夫?」
「シグナスのやり方は間違ってた。今ではそう思ってる。オーヴァードだって人間なんだ。だから私は…『私達』は、人間としても生きていくんだ」
いつかの未来
如月 湊
マスターエージェントの『強欲』と因縁のある男性。部下の稲白永遠とも因縁のある人物だったため、永遠と湊に『強欲』の捕縛を依頼した。
「湊さん。私は今の貴方だから依頼しました。復讐のためではなく、大切な人との未来の為に。その一歩を歩み出してもらうために」
資料関連
UGN日本支部直轄【Garden of Lily】
東京都文京区某所にある支部。他支部などからの要請により出撃する実働部隊『Garl's Arcana(通称:GA)』、チルドレン育成機関の二つが存在する。育成機関は専門のスタッフと一部のGAが教育を行う。教育方針は「UGNの一員として、市民と世界を守る」・「普通の人間として生きていける」の二つが柱となっている。この方針は支部長の一歌が強く推したことで成立した。オーヴァードになってしまった以上、民間人と全く同じ生活は送れないかもしれない。それでも、少しでも人間として生きていてほしい。そういった思いからこの二つを柱としている。
ここに所属するのは一人を除いて全員が女性である。これは、彼女自身がチルドレン時代に「日常的に暴力を受けてきた」、「過酷な訓練でチルドレンを使い潰す」という光景を見てきた事から、そういう被害を無くそうと考えた為(補足:基本的にはスパルタ教育の一環であり、公式シナリオのWEJのイメージに近い…が、一部そうではない可能性も…?一歌は既に実戦投入もされていたりで比較的優遇された立場だったため被害は受けていない)。特に一歌が在籍していた当時のシグナスにおいて、卒業試験において同期が生死を彷徨う程の大怪我を負った事が発端。
ちなみに一人は顧問役の八坂十字。ほぼ顔を出すことは無いが、何故かクライマックスフェイズにて一歌にクソリプを送りつけてくる。
入口から30m程に渡り、色とりどりの花が咲く道、その先に白を基調とした建物がある。地上3階、地下1階。
正面右側がチルドレンの教育施設、左が寮となっている。寮は基本的に二人で一部屋。これは、孤独を怖がるチルドレンの少女が多いということもあっての配慮。
地下には訓練場があり、戦闘訓練や射撃訓練施設がある。
基本的に女性しかいないが別に男が敷地内に入ることを禁じてはいない。GAに任務を依頼する際など、男性がくることもある。ただし、視線を感じてあまり居心地は良くないとか。
実働部隊『Garl's Arcana(通称:GA)』
22人のチルドレンから成る実働部隊。それぞれが優秀な力を持つオーヴァードである。
No.0-21まで存在し、21が支部長、0が副支部長。それ以外のNoは経歴や役職、実力などの優劣は存在しない。ある程度訓練を積んだチルドレンは任務に出ることもあるが、特に重要な任務はこのGAが担当する。
戦火の中に行くというよりも、それが始まる前に敵対戦力の殲滅をすることが主となっている。
Arcana Girlsの方が違和感は無いのだが、略してAGは何か広告機構(A○)だったり、銀という元素をイメージしてしまうこと、エージーよりジーエーのほうが発音がしっくりくるとかいうちょっとアレな理由でこの名称に決まった。
GL自体は東京都文京区にあるが、要請があれば他の地域にも出動する。
判明分GA
愚者:井玖珠まきな
魔術師:符ノ森える
女教皇:上挙母深華
教皇:橋真良夢
吊された男:朝霞満弦
死神:有坂ありさ
運命の輪:永田心愛
塔:稲白永遠
世界:綿貫一歌
チルドレン養成機関
GAに所属となっていないチルドレン達を教育する機関。専任の講師が主に教育を行うが、出撃のないGAも講師として参加する。
その教育は多岐に渡る。日常的な学問教育、UGNチルドレンとしての戦闘教育、少女達のメンタルケアの三つが中心となる。特に直近で加入した少女達は心に傷を負っている事も多い。そういった少女達の心をケアすることは特に重要である。
その後は各自の適性に合わせて戦闘・諜報・その他の教育を重点的に行う。
一歌も出撃がない時は頻繁に顔を出している。
コネ:普遍機関
八坂十字が存在を信じる機関。八坂との関わりを経て、一歌はこの機関に気に入られている…らしい。
GL設立にあたっては八坂の全面的な協力もあったため、一歌にとっては恩人とも言える存在…なのだが、言動があまりにもアレなので胡散臭い人と思っている。あまり表には出す事はないが、一歌が恩を感じている数少ない人物の一人。
クライマックスフェイズの戦闘前にクソリプを送ってこられている。
似たような人が二人ほどいるが面識は無い。
井玖珠まきなについて
とある支部にいた際に出会い、バディを組み任務に当たった事が最初の出会い。
当初は周囲から落ちこぼれと言われていた彼女と出会い、任務を共にする中で周囲の評価は当てにならないという事を知る。
まきながチルドレンの訓練をしていた際に暴力等を受けたのかは不明だが、彼女にもチルドレン特有の孤独感に近いものを感じ取っていた。
まきなの助けになりたい。支えになりたいと思うようになり、それがキッカケとなりGL設立を考案した。
まきなの、一歌に対しての想いを一歌は気付いている。それを嫌だとは思わないし、内心喜んでいるが、ちょっと気恥ずかしいので口には出さない。
まきなが一歌を強く想っているように、一歌にとってもまきなは誰よりも大切な存在なのだ。
個人用のスマホの待ち受けをまきなとのツーショット写真にしているあたり、一歌も大概クソデカ感情を持っている。
「私はずっと、まきなと一緒にいたい。辛い時も、楽しいときも、隣にいてほしい。世界で一番大切な人だから」
「…流石にまきなに言うのは恥ずかしいなこれ…!」
ライバル?
関西にある男子チルドレンのグループ【Boy's Legion】のリーダー、校倉剣。GL設立直前に彼と顔を合わせることとなる。
彼にとっての居場所は戦場であり、チルドレンとして育てられた自分にとっては戦うことこそが生きる意味であると考えている。
その理念は人としても生きるという一歌とは相容れない。立場上は同じUGNではあるものの、その思想からあまり仲良くはない。とはいえ、共に戦線に立てば妙に噛み合うのか、GLとBLの共同戦線は非常に高い戦果を上げることも多々ある。
基本的に仲が良くないのは一歌と剣だけなので、GLとBL個々のメンバーは交流がある人もいるようだ。ただし、恋愛感情とかは互いに無い模様。
リーダーズマーク
「その道は、きっと茨の道だろう。幾多もの困難があるだろう。好意的に見ない者もいるだろう。綿貫一歌、それでもやるというんだな?」
綿貫一歌の目の前に立つ一人の男。日本支部のエージェント、八坂十字はいつもとは違う、真剣な表情で尋ねる。
一歌は、八坂から受け取ったピンバッジを左胸に着ける。それに触れ、彼女は告げた。
「これが私の覚悟の証。理想論だなんて分かってる。剣にも、そんなの矛盾してるって言われた。それでも、私はこの道を貫くんだ」
「私にとっても、皆にとっても。そして…私の一番大切な人、まきなにとって心から大切な場所にしていくんだ」
──その表情に、迷いは一つも無かった。
自立型AI搭載ストライクモービル《S-Ophia》
一歌の駆るストライクモービル。Dロイスの発現と共に現れた。普段は一歌のペンダントとして存在しているが、一歌の意志によってストライクモービル形態へと変身する。
一歌のブラックドッグとしての能力に適応したスペックであるが、フルスペックを発揮すると出力が過剰となってしまうため、基本的に戦闘時においてもリミットがかけられている。
リミット解除については、一歌の意志(オーダー)の元、AIが承認を行い、承認完了と共にリミットが解除される。
バイク形態への変身は一歌の意志および生体認証で行われる。そのため、変身前のペンダントを奪ったとしても他者がバイク形態にさせることは出来ない。
後部座席は一歌がまきな専用だという意志を示しているため、まきな以外が乗ると思いっきり座席から吹っ飛ばす。一歌はそういったプログラムをしている訳ではないので、完全にS-Ophiaの独断である。
一応の意志疎通は可能だが、事務的な事しか話そうとしない。
スペック(市販バイクに照らし合わせたもの)
全長×全幅×全高:2080×755×1145mm
ホイールベース:1410mm
最低地上高:130mm
シート高:785mm
車両重量:192kg
総排気量:399cc
シート高:785mm
車両重量:192kg
最高出力:46PS/9000rpm
(ただし、出力はブラックドッグの能力によりこれ以上に上げることも可能)
ハトハトに関して
覚醒して少し経った後にチルドレン育成施設「シグナス」に所属。
当時は今とは違い寡黙で、淡々と訓練に明け暮れていた。また、レネゲイドの適合率が極めて高く、他のチルドレンよりも圧倒的な速度で実力を上げていった。そのため、シグナスに所属しながらも実戦投入されていた。
卒業試験の折、英傑が大怪我を負ったことによって、シグナスのやり方に疑念を抱くようになる。その疑念は、数年後に一歌がまきなと共に作った花園の教育方針にも繋がっている。
英傑との関係性について
シグナス時代の同期。英の性格によって変動はあるものの、英の方から話しかけられたりしていた。一歌は当時無愛想だったこともあり、一見すると塩対応に見える。だが、邪険に扱うことはなく、心の奥底では話しかけてくれることに感謝していた。
そんな彼が卒業試験で大怪我を負った事で、シグナスという育成機関のやり方、即ちチルドレンの扱い方に疑問を抱くようになる。シグナスはスパルタ教育によりチルドレンを使いつぶすつもりなのか、オーヴァードは使い捨ての駒なのか、と。
再会後について。数年ぶりに会うという事や、一歌が明るい性格になったことで英は驚くかもしれない。というか一歌と認識してくれるのか…?
一歌は英の体調を気遣ったりすると思われる。
英側が、一歌がGLを立ち上げた事や、GLの支部長をしていることを知っているかはGMにお任せ。
シグナスが関東圏内であれば知っていてもおかしくない。逆に地方であれば、女性チルドレンのみの支部があると風の噂になっている位かもしれない。現段階でのGLの知名度は、関東圏内では多少認知されつつあるというくらい。
PCおよびNPCとの関係性
PC2人に対しての基本方針
・二人の話をまず聞く
・説教臭いことは言わない
・「大人」とは何であるかの、一歌なりの答えを言う
・二人が決めた未来に向けて踏み出す一歩を支える
一歌にとっての「大人」とは?(見たい人だけ見てね)
大人とは、「自由であることに責任を持つ」存在である。
子供のうちは、好き勝手やっても大人が責任を肩代わりするし、教育を受ける権利と義務がある。いわば、「与えられたものに対して行動する」者である。
だが、大人はそうではない。何をするか、どうするか、何を成すか。それらは全て自分の意思と判断によって行われるものである。
故に、大人とは「自由」な存在だ。会社に勤めて生活の糧を得て安寧に暮らすことも、夢を追い求めて茨の道を行くことも自由。だが、同時に、自分の行動は他責にはできない。行動の結果がどうであれ、それは自分自身で受け止めなければならない。故に、大人とは「責任」がある存在でもある。
だからこそ、大人とは自分でやることを自分で決め、それに責任を負う。それが「大人とは何か」について、一歌なりに導き出した答えである。
ユイ(いくさん)
呼び方:ユイちゃん
すり合わせして決定
一歌が12歳の頃に救った。その頃は一歌は寡黙な性格だったので、ユイちゃんが今の一歌を見たらちょっと驚くかも?
明山 武壱(しましょーさん)
呼び方:武壱くん
すり合わせして決定
バイクの乗り方を手取り足取り教えて上げるかもしれない(?)
万代 永良
呼び方:万代さん
シグナス時代からお世話をしてくれた人。当時は一般職員だったとのこと。
一歌は淡々と訓練を行い、規律を乱すこともなかったので鉄拳制裁はくらっていない。
もしかしたら、その無愛想さ等は心配されていた…かもしれない。
(以下、後日追記予定)
雷銃「鵺」
ある日、一歌はGLの一角に存在する研究室に呼び出され、足を運んでいた。
「深華、用事って何?」
一歌が研究室に入る。そこにいたのは、GLの頭脳であり武器開発等も担当している上挙母深華がいた。
「あぁ、一歌。来てくれてありがと。ちょっと渡したい物があってね」
「渡したい物?」
深華は、ホルダーを一つ、一歌に渡す。一歌はそれを開けた。
中には一丁のハンドガンが入っていた。
「これ…銃だよね?」
「そりゃそうよ。その見た目で鉛筆削りな訳ないでしょ。いや、あるらしいけど」
「私の戦い方知ってるよね?銃ならそれこそまきなに渡した方がいいんじゃないの?」
一歌はかつて銃を使っていたが、現在はストライクモービル「S-Ophia」に乗り、戦場を駆ける戦い方をしている。
「そりゃね。メンテしてるのもアタシだし」
「まぁ、これはあくまでサブウェポンよ。いくら一歌がS-Ophiaに乗ってるとはいえ、狭いところとかじゃ流石に無理でしょ。そういう時に使うの」
「これはその試作品。もちろん試作品と言っても基本的なテスト運用は永遠とありさにやってもらったわ」
「ふぅん。じゃあ使う上でのトラブルは無さそうだね」
「もちろん。ありさにも使ってもらったけどこの通り無事よ。耐久性はピカイチね」
「この銃はブラックドッグの力をより効率的に機能させるものでもある。だから永遠とありさにテストしてもらったって訳」
「なるほどね」
そう言い、一歌は拳銃を握る。そして気付いた。
これは、一歌のために作られたものだ。握り込むグリップの大きさ、指の位置、トリガーまでの長さ。その全てが一歌のサイズに合わせて作られている。
「…これ、私専用に作ったの?」
「そうよ。ちょっと前に身体検査したでしょ。アレはそういうこと」
「わざわざ私専用に作るなんて…なんか悪いなぁ。他の子の武器開発とかもしてるんでしょ」
「アンタはGLのトップでしょ。アンタを優先しないでどうすんのよ」
「GLってのはね…一歌も気付いてるだろうけど、一歌がいないと成立しないのよ。少なくとも『今』はね。今は一歌の力・立場・実績という威光によって成り立ってる。だから一歌は倒れちゃいけないのよ」
「なら、アタシは一歌がそうならないようにする。このGLの屋台骨を支える者としてね」
深華はたまにこういうことを平然と言う。それは本心であり、深華がこのGLという居場所を大事に想っているからこその発言であった。
「…そっか。ありがとね、深華」
「…別に、ここが無くなったらアタシの行く場所がなくなるだけ…だし」
ふいっと、深華は目線を反らす。そして一度咳払いをしてから続けた。
「その銃は雷銃『鵺』よ。世界的に使われているベレッタM92Fをベースにしたの。一歌の手に馴染むように、そして乱戦の中でも滑らないようにフィンガーチャンネルを着けたわ」
「装填数は14発。弾薬は9×19mmパラベラム弾。まぁ一般的に普及してるものね。元々のベレッタとも同規格よ。これは、銃撃戦になった時に倒した相手の銃から弾薬を抜き取って使い回せるようにって事。だからこの弾薬を使う銃が何かってのは覚えておくといいわね」
「そして、その銃最大の特徴は、ペンダント形態のS-Ophiaとリンクできる。つまり、S-Ophiaのサポートを受けられるって事」
「おー、それは助かる」
「S-Ophiaのサポートを受けられるから、命中精度とか、威力の増強も調整可能よ。けどそれだけじゃない」
「S-Ophiaとリンクしているからこの銃は現在、一歌にしか使用できない。一歌以外じゃロックがかかって撃てないわ。だから、普通のセーフティー機構はオミットしてる。乱戦時に敵によってロックがかかることはない。ただし、セーフティー機構の形はそのまま残してるから」
「相手にロックを掛けたと思わせるように?」
「そういうこと。まぁあまりにも限定的な状況だけど、有るのと無いのじゃ話が変わるからね。だから一歌は、乱戦中に相手に鵺に触れられても気にする必要は一切無いわよ」
「ふむふむ。それにしても…本当に握りやすいね。ちょっと試し撃ちしていい?」
「えぇ。こっちに試し撃ちできる場所あるから」
二人は研究室の奥、射撃場へと入る。
肩の力を抜き、自然体の体制となりながら銃を握る。まるで自分の体の一部になっているかのように思えるほど、握ったときの違和感が無い。
ふっ、と一度息を吸う。そして、銃を的の方向に向けてトリガーを連続で引き、14発の弾丸を放った。
それは全て的に的中した。銃を使う機会が減り、多少ブランクがあるとは思えない射撃だった。
「お見事」
「…うん、バッチリ。凄いねコレ」
「そりゃそうよ。アタシが作ったんだから」
「それにしても、一歌の撃ち方って独特よね。しっかり構えて撃つって感じじゃないし」
「そう?とは言っても構えるときはちゃんと構えるよ。けどさ、乱戦時はそんな余裕無いし」
「何より構えるって動作でタイムラグがあるじゃん?」
言うのは簡単だ。だが、できるかは別である。
構えというものは、最適化された動きだ。その後の行動の結果をより良いものにするための最善のポーズとも言える。
だが、その最適化を行うという所で一つの動作が発生する。一歌はそれを排除した。その場その場で、最速で敵を撃つ。一つの理論ではあるが机上の空論でもある。
「…その机上の空論を実現するなんて、頭おかしいわね」
「ま、ケースバイケースだよ。戦いはセオリーだけじゃ成り立たないからね」
一歌は銃をホルダーにしまうと、深華の方を向いた。
「ありがと、深華。いつも深華には助けられてるよ」
「……別に。アンタに倒れられたら困るってだけだし」
「素直じゃないなー」
「ま、とにかく本当にありがと。有効に使わせて貰うよ」
それは、黒歴史の清算を行う前日の話。まさかそんなことをする時に使われるとは、深華は思ってもいなかっただろう。
ハトハト導入譚~タイムカプセル奪還作戦~
とある日。UGN日本支部直轄【Garden of Lily】、通称GLの支部長室。綿貫一歌は事務作業を終えて一息ついていた。
何気なく開いたデスクの引き出し。そこにふと、一枚の写真があった。
笑顔でピースをする少年と、無愛想な表情の少女が写っている。
「うわー、懐かしいなぁ」
かつてのチルドレン育成施設「シグナス」の卒業試験二日前に撮ったものだった。
この頃の一歌は寡黙で、淡々と任務や訓練をこなすチルドレンだった。写真を見ても明らかな程だ。
「この頃の私、めちゃくちゃ無愛想だったなー」
「…そういえば、英は元気にしてるかな。怪我治ったのかな」
英傑(はなぶさすぐる)、かつての同僚だ。卒業試験の際に大怪我を負って以来、一歌は彼と会っていない。卒業試験後すぐにUGN日本支部へと引き抜かれたからだ。
「写真撮ってたの忘れてた。万代さんが撮ったのかな」
「あとタイムカプセルも埋めたなー…」
と、タイムカプセルのことを思い出したとき、写真を持っていた右手がピクッと動く。
「…………………………あれ」
「…………私、何埋めたっけ…?」
写真を置き、腕を組み、冷静になる。
なったところで、ハッキリとは思い出せなかった。だが何となく心当たりがあった。
「あ……ああああアレもしかして…アレか、アレかぁーーー!?」
当時の一歌には物欲もなく、手持ちの物などほとんどなかった。そんな一歌が唯一持っていたもの。
それは日記だった。
それならばただの文章だ。だが、残念ながらそうではなかった。
寡黙だった一歌も、当時は何だかんだで多感な時期だった。たまたまシグナスの図書室で見た詩集等にインスパイアを受け、ポエム調の日記を書いていたのだ。
それも、まだ文章力の無い少女が。あまりにもクサい単語の羅列で。
「……いやいやいや、流石にそんなもの入れないだろ私…」
「…………………いや、それしか入れるもの持ってなかったかも…!?」
冷や汗が止まらない。
あんな物がこの世に出てはならない。
あれがGLの皆に知られたらどうなる?
一歌は目を閉じ、イメージする。
まきな「一歌はロマンチックな日記も書けるんだね。素敵だと思う」
駄目だ。まきなはきっと全肯定してくる。
深華「ぷっ…あっははははは!一歌、こんなに可愛い日記書いてたの?傑作じゃん!印刷して売っちゃえば?ぷぷっ…」
深華は間違いなくからかってくる。
永遠「えと…その…あまりよく分からないです…けど…その、こういうのは…個人の好みだと…思い…ます…」
永遠は否定しないけど理解もしてくれない。駄目だ。これは心にくる。
「…まずい」
「いや、あれは本当に見せたくない……………回収しなきゃ」
一歌は冷静さを失っていた。
普段の一歌なら、流石に母校に忍び込んでタイムカプセルを掘り起こすなどと言う蛮行はしない。
だが、埋めた物が特級呪物なのだ。冷静でいられるはずが無かった。
思い立ったが吉日。一歌はすぐに出かける準備をした。
そして支部長室から出ようとした時。
運悪くまきなが入室してきてしまった。
「…一歌?どこか行くの?」
「え?あ…う、うん。ちょーっとね…別になんでもないよーアハハ…」
「…仕事は?」
「ちゃんと区切りはついたよ。ほんと、すぐ戻ってくるから」
「じゃあ私も行きます」
予想通りだ。まきなは間違いなく着いてこようとしてくる。だが着いてきてはならない。少なくとも、まきなには見られたくなかった。
「い、いやー…その、ひ、一人でいきたいなーってね」
「…私と一緒は嫌って事?」
「ち、違うってー」
普段とは違う雰囲気の一歌に違和感を覚えたのか、まきなはジッと一歌を見ている。
このままではマズい。そう思った一歌は、まきなの手首を掴み抱き寄せる。
「い、いいいい一歌!?」
「…まきな。ここで私の帰りを待ってて。おかえりって言って欲しいから」
耳元で囁く。まきなは耳を真っ赤にしながら
「は…はい…」
とだけ言い呆然としていた。
「じゃあ行ってくる!」
心の中でまきなに何度も土下座をしながら、一歌は花園を後にする。
自身の黒歴史を清算するために──
Another Story
Episode.Yasaka
チルドレン育成施設「シグナス」を卒業した綿貫一歌は、日本支部に配属の命令が下った。卒業から間をあけることもなく、一歌は日本支部へと赴く。
日本支部、支部長室。一歌はノックをし、中に入る。
中にいたのは二人の男だった。一人は真面目そうでありながらも人柄の良さそうな見た目。もう一人は、一言で言うなら「胡散臭い」男だった。
「綿貫一歌さん。来てくださってありがとうございます。日本支部支部長、霧谷雄吾です」
「元シグナス、綿貫一歌です。辞令により参りました」
無表情のまま、一歌は軽く頭を下げる。
「隣にいるのは本部エージェントの八坂十字さんです。八坂さんには綿貫さんの教育役をやっていただきます」
「ふっ…成る程。支部長殿の勅命と言われて来てみたがそういうことか」
「綿貫一歌よ。俺が日本支部の切り札にして、『機関』の意志を担う男。八坂十字だ。よろしく頼む」
八坂と呼ばれた男は、まるで演劇のように大袈裟な身振り手振りを交えつつ、一歌に告げた。
「…はい。よろしくお願いします。命令であれば何なりと。それが私達チルドレンの役割です」
その言葉に、霧谷と八坂は互いに目を合わせた。
「チルドレンは……いえ。それは私の役割ではありませんね。八坂さん、よろしくお願いします」
「あぁ。任せておけ。これも『機関』の意志。何、大船に乗ったつもりでいたまえよ。ハーッハッハッハ!」
そう言うと、八坂は一歌に「では行くぞ」と言い、支部長を出た。
一人残った霧谷は、二人がいなくなると溜息をつく。
「…大丈夫でしょうか」
「…綿貫さん。チルドレンは決して、そのような存在ではありませんよ」
日本支部の建物を出て、八坂は一歌に振り返る。
「さて、向かおうか」
「…どこにですか。任務ですか?」
「破壊工作、潜入、殲滅。どれであっても私は従います」
「…使い捨てであっても」
一歌は一度も八坂に目を合わせない。八坂を見ているようでいて、八坂を全く見てはいなかった。
「いや、任務ではない」
「はぁ…では何をするんですか。訓練ですか?私はそれでも構いません」
「学べというのであれば、この身が壊されようとも学んで見せますから」
その言葉を聞くと、八坂は腕を組む。
「綿貫一歌よ。まるで君は自分が壊れる前提の話をするのだな」
「……違うのですか?所詮チルドレンなど、過酷な訓練を強制して使いつぶすための存在なのでしょう」
初めて、一歌は八坂の目を見る。その目は無表情に見えて、どこか怒りさえ感じさせるような気配だった。
「……シグナスの影響か」
ぼそりと呟くと、八坂は眼鏡をクイッと動かす。そしてニヤリと笑った。
「違うとも。俺達がこれからやるのは──」
「そう!親睦会さ!」
日本支部から徒歩10分。
とある一流ホテルのスイーツビュッフェだった。
「………?あの、これは…?」
「うん?これはモンブランだ」
「いえ、そうではなく…」
「言っただろう。親睦会だと。俺達は今日初めて会った。俺は君の情報そのものには目を通したが、君自身を知っているわけではない」
「そして君は、俺を全く知らない」
「ならばやるべき事は一つ!そう!親睦会だ!」
テーブルには八坂が取り分けてきたケーキが並べられている。一歌は何一つ理解が出来ずに困惑したような表情を見せていた。
「今は任務のことなど忘れたまえ。ここのケーキは実に美味だ。さぁ、食べてみたまえよ」
「…それが今日の任務ですか?」
「全く…俺の話を聞いていたか?任務は忘れろ。俺の奢りだ。食べたいモノを食べるといい」
一歌は状況を飲み込めないまま、八坂の言に従う。手前のショートケーキを、八坂に警戒しながら口に入れる。
「…………………………おいしい」
ケーキ等の間食はシグナス時代にもあった。だが、彼女はそれに興味もなく、ただ糖分だからと摂取するだけだった。味を気にすることもなかった。
だが、このケーキは一歌のこの短い人生において、格別な美味しさを与えた。訓練や任務に明け暮れていた彼女にとって、食べるという娯楽を初めて知ったのだ。
「そうだろう!そのショートケーキは俺のオススメだ。こっちのレアチーズケーキもオススメだぞ」
八坂はレアチーズケーキの乗った皿を一歌の方に動かす。一歌はそれを口に入れる。
「…おいしい」
無表情のまま、だが口元は僅かに緩んでいた。
しばらくの間、一歌は無言で様々なケーキを食べ続けた。
「どうだ。美味いだろう」
「それが、食べるという事の楽しさだ」
「チルドレンだとか、エージェントだとか、そんな立場など関係ない」
「俺たち人間が…いや、生物が当たり前のように享受していいものだ」
「……チルドレンは、使い捨ての駒なのに…ですか?」
「ふむ…確かに、チルドレンに過酷な訓練を施す所が無いとは俺も言えん」
「だがな、俺達はチルドレンを駒として見ていない。同じUGNに属する仲間だ」
「何より、オーヴァードであったとしても俺達は人間だ。人間が人間らしい生き方をするのは当然の権利だ」
「綿貫一歌。君は使い捨ての駒でいたいのか?」
その言葉に、一歌は何も返せなかった。淡々と言われたことをこなす。それだけだった彼女にとって、八坂の言葉は信じがたいものだったからだ。
それから一日中、八坂は一歌を連れまわした。初めて観たスカイツリーの景色、初めて行った浅草寺。いわば観光。そのどれもが、一歌にとって初めての体験だった。
日も暮れ、再び日本支部へ戻ろうと歩く中だった。
「どうだね、綿貫一歌よ。これが、日常というものだ。いや、日常にしては賑やかすぎたかもしれんがな」
「…よく、分からないです」
「でも…つまらなくはなかったです」
「…フハハハハ!そうだろう!」
「もっと世界を知るがいい。世の中は嫌なこともあるがな、楽しいのだよ!」
「………そう、なんですね」
「綿貫一歌よ。俺は君が気に入った。なるほど…だから霧谷は…これも『機関』の意志か!実に良いな!」
「…あの、たまに八坂さんが言ってる『機関』って何ですか」
「この世界を裏で支配する…世界の意志さ。どうやら『機関』も君のことを気に入ったようだな。ならば俺が今後もたくさん教えてやろう!綿貫一歌…いや、一歌よ!これから君はたくさんの初めてを知るだろう。それら全てが君の糧だ。俺に任せておけ。俺が君を──」
「お兄さん、ちょっといいですか」
八坂が手を広げた直後、二人の警察官が近付く。
「今、この子に危険な言動してましたね。それと、お兄さんみたいな怪しい風貌の男が少女を連れ回してるって通報があったんですよ」
「…ちょっと署までご同行願えます?」
「む?いや、待て。俺は別に何もしていないだろう。ただこの少女に色んな初めてを教えてやろうと──」
「やっぱやべぇなこいつ。おい、連れてくぞ」
数分後、八坂はパトカーに乗せられ連行されていった。一歌も他の警察官に保護され、二人は離れ離れになった。
「…八坂さん。大船ではなくてこれでは泥船です」
翌日、日本支部の支部長室。召集された一歌と八坂を前にして、霧谷雄吾は呆れたような表情を見せる。
「今回は我々が何とかしましたが…できればこういったことはもう無いようにしてください」
「いや、支部長殿よ。俺は何も間違った事は言っていないぞ」
「世の中には言っていいことと悪いことがあるんです」
「頭の固い男だな。それでは『機関』に見離されるぞ」
成人男性二人のやりとりを、一歌はきょとんとした顔で眺めていた。
「綿貫さん?どうかしましたか?」
「…いえ、大人がそんな会話をするのかと」
「…綿貫さん。大人も子供も、等しく人間です」
「…そう、なんですか。大人は子供に指示を出す人だと思っていました」
「確かに、そういう側面もあることは否定しません。大人の方が、長く生きている。その経験もありますからね」
「綿貫さん。あなたにとっての『大人』とは何でしょう。あなたはどんな『大人』になりたいですか」
霧谷の言葉に、一歌は俯く。考えたこともない問い掛けに、一歌は応じることができなかった。
「では、この日本支部でぜひ綿貫さんなりの『大人』について、ゆっくり考えてみて下さい」
「いつか、あなたの考える『大人』について、聞かせてくださいね」
「……………はい」
支部長室から出て、八坂と並んで歩く。一歌は無言で考え続けていた。
「何も今答えを出す必要などないさ」
ふと、八坂はそう告げる。一歌はまるで内面を見透かされたかのようにピクッと反応した。
「…八坂さんにとっての『大人』ってなんですか」
「俺か?ふむ……いや、秘密だ」
「なんでですか」
「それでは俺の意見に引っ張られるかもしれん。一歌なりの答えを、自分で探すべきだ」
「まぁ、本当に困ったら聞くが良い。我らが『機関』の意志をな!」
「ならやめておきます」
「おォい!即答するな!」
「……私、正直困っています」
「今までは別に考えたりなんてしなくても良かったのに」
「でも、ここに来て色々考えてばかりです」
「考えても、よく分からないことばかりです」
「……でも、何となく悪い感じはしないです
「…そうか。ならば一歌よ、君が日本支部に来たのは正解だったな」
「たくさん悩め。悩んで、悩み抜いて、その悩み抜いた答えが自分にとってのベストであるようにするのだ」
「…私にとっての、ベスト…」
一度俯き、そして顔を上げる。一歌は八坂を見た。
「分かりました。心掛けます」
「うむ、そして俺をたくさん頼るといい!さすれば『機関』は君に道を示してくれるとも!ハーッハッハッハ!」
「それはいいです」
「また即答するんじゃない!」
一歌は気付かなかった。今、まさに。自分が笑ったことに。
それは、彼女の人生を変えた出会いの一つ。
いずれ巡る、大切な…世界で一番の存在と出会うための一歩を踏み出した日だった。
Episode.Yasaka -信用失墜編-
一歌が日本支部に配属になり数ヶ月が経ったある日。一歌と八坂は訓練場にいた。目的は一歌の射撃訓練だ。
まずは静止した的を撃つ訓練。
次は的が動き始める。それらを一つたりとも外すことなく、一歌の弾丸は的を貫いていく。
最後の訓練。学校の体育館ほどの空間が蠢く。まるで迷路が自動で生成されるかのように、周囲の景色が変わった。
一度目を閉じ、ゆっくりと息を吸う。そして目を開くと、一気に駆け出した。
右へ。左へ。方向を変える度に現れる的を見て、一歌は銃を構え、撃ち抜いていく。
「的中率100%、計測時間3分28秒…レコードタイムです」
ゴール地点に到達すると、測定時間を告げる。その訓練を見ていた他のエージェントからは、驚嘆の声や歓喜の声が漏れ出ていた。
「よくやった、一歌。今日も絶好調ではないか!」
八坂はスポーツドリンクを渡す。一歌は受け取り、一口飲んだ。
「これくらいは普通です。ただ、このような狭小空間を移動する訓練はあまり経験が無いので、少し手こずりました」
「手こずってアレか…末恐ろしい」
「それで、どうだ。この狭い道を駆け抜けて射撃するというのは」
「……少し、やりづらいです」
「ほう?」
「常に死角が存在するので普段以上に警戒を強化しなければいけません。その上で素早く的に向かって構え、撃ち、そして再び進むのは中々やりづらいです」
その言葉に八坂はふむ、と少し考える素振りを見せる。
「一歌。もう一度やれるか?」
「必要であれば」
「ならば、次は撃つときに構えるな」
「…?」
「体を向けて構えるという動作を意識するな。可能な限り最速で的を撃ってみたまえ」
「…はぁ…?それでは的を外すかもしれませんが」
「ふむ、一歌よ。君の射撃はそんなに的に当てられないのかね?」
八坂は少し挑発するように一歌に言う。一歌は表情こそ変えないが、耳をぴくっと反応させた。
「………私は外しません。分かりました。八坂さんの指示通りに動き、全ての的を撃ち抜いて、最速でクリアしてみせます」
無表情のまま、されど言葉には感情が乗った状態で八坂に答えた。
「フハハハハ!負けず嫌いだな一歌!良い…実に良いな!それでこそ『機関』が見定めただけある!さぁ、全力を見せてみよ!」
「条件は変更なし。地形パターンはランダム生成。これより、測定を開始します」
一歌は再びスタート地点に立つ。八坂は訓練場を囲む特殊強化ガラスの外から、一歌の動きを見ようと立っていた。
「…八坂、彼女はさっきもこの訓練をしていたたわね。再びやらせる理由はあるの?」
そんな八坂の隣に、一人の女性が近付く。
「やぁ椿。久し振りだね椿。会いたかったぞ」
「私は別に会いたくなかったわ」
隣に現れたのはUGN日本支部エージェント、"シルクスパイダー"玉野椿だった。エージェントとして活躍しつつ、チルドレンの教育も行っている。
「元シグナスの優秀なチルドレンが訓練していると聞いたから来てみたけど…そう、八坂の部下なのね。可哀想に」
「おいおいおいおい、椿よ。ずいぶんに冷たいな。仲良くしようじゃないか」
「……綿貫一歌さん。あなたの実力、見せてもらうわね」
「おォい!無視するな!」
測定開始のブザーが鳴る。同時に一歌は駆け出した。
左に曲がる。一歌の左上に的が出現した。
一歌はそれを一瞥すると、走る脚を止めずに銃だけを向ける。そして、銃先が的と一直線になった瞬間にトリガーを引く。
その弾丸は的の中央を貫いた。
「──ふっ、計画通り…いや、それ以上だ」
八坂は得意気にメガネをクイッと上げる。
「…あの子…」
椿は驚いたようにその動きを見ていた。
「八坂、綿貫さんに何を吹き込んだの?」
「何、簡単な話だ」
「構えるなと言っただけさ」
その言葉に、椿は息をのむ。
「…簡単に言ってくれるわね。銃を撃つのはそんなに簡単じゃないのよ」
「あぁ、俺は確かに銃に明るくはないが、それくらいは知っているとも」
「だが、構えはタイムロスだろう?」
「…それは机上の空論よ。乱射ではなく、的に当てる必要がある。的確に当てるにはしっかり構えないと当たらないわ」
「あぁ、普通ならばな。だが一歌は普通等ではない」
「いわば奇跡のような存在だ。机上の空論すら成し遂げてしまうほどにな。俺はそう信じている。だからやらせてみた」
「…少し、予想を超えてはいたがな」
右後方。一歌は一度体を翻す。そしてほんの一瞬、身体の向きが的と一致するタイミングで的を撃つ。その反動をそのまま体勢変更に活かし、再び体を翻し前進した。
「…て、的中率100%…計測時間…に、2分5秒…」
周囲がざわついた。つい先程計測したレコードを、更に1分も縮めてみせたのだ。
「フハハハハ!どうだ椿よ!俺の教え子の力、俺の指導力!」
八坂は得意気に高笑いをした…が、そこには椿はいなかった。
「おおーーーーーい!椿ィ!!!!」
一歌はゴール地点から訓練場の外に出た。軽く息を整え、八坂の元へ向かおうとする。その目の前には、椿が立っていた。
「綿貫さん、お疲れ様」
「…ありがとう、ございます。えっと…」
「あ…ごめんなさい。私は玉野椿。日本支部のエージェントよ」
「凄い動きだったわ」
「…ありがとうございます。私は指示に従っただけですが」
「八坂の部下なんだっけ。大変ね」
椿は心底同情するかのような目線を向けていた。
「いえ、別に…たまに変ですが、悪い人ではなさそうですし」
「何より、八坂さんの指示は的確でした。それが無ければ、私はここまで動けてはいません」
その言葉に椿は目を丸くする。あの純度100%よ胡散臭さしかない男をここまで悪く言わない事に、椿は驚いていた。
「…どうやら八坂さんの言う『機関』の意志は本物みたいです」
「………へっ?」
普段の椿を知るものであれば、椿のその反応を見たら驚いていたかもしれない。それほどまでに素っ頓狂な声を上げたからだ。
そして少しして、彼女は耐えられずに笑い出した。
「…ふっ…………あはははは!」
「綿貫さん、機関の意志って…あはは!」
「…ど、どうしたのですか」
「綿貫さんって以外とピュアね…ふふっ」
「八坂の言う『機関』とやらっていうのは八坂の妄想よ。そんなのあるわけないじゃない…ふふっ」
「……………え」
「八坂の言うことを真に受けるなんて、綿貫さんって意外と可愛いところあるのね」
「も…妄想……」
一歌は目を丸くした。そして、表情は崩さないまま、今までにしたこともないほどに、顔や耳を真っ赤にさせながら肩を震わせていた。
「一歌、準備できたか。さぁ、今日の訓練は終わりだ。撤収するぞ」
しばらくして、着替え終わり更衣室から出てきた一歌に、八坂が声をかけた。
一歌はその言葉を無視し、早足で出口へと歩いていく。
「おい、一歌。無視するな。おーい」
「一歌よ、どうしたのだ。疲れたのかね」
「……い」
「む、どうした?」
「うるさい!うるさい!うるさい!うるさい!馬鹿!馬鹿!八坂の馬鹿!もうあなたなんて知りません!バカ八坂!」
顔を真っ赤にしながら、一歌は初めて大声で怒鳴った。八坂は体を仰け反らせ驚いていた。
「い、一歌よ、どうしたのだ」
「うるさい!バカ!アホ!妄想癖!おたんこなす!もう知りません!」
一歌は八坂に思いつく限りの罵倒をし、更に歩く速度を早める。
一歌は気付いていない。物心がついてから、初めてここまで感情を爆発させたことに。
……誰もが意図していないことではあるが。
この日を境に、一歌は八坂を呼び捨てにするようになったのだった。
また、一歌を宥めるために八坂は諭吉が複数人消えるほどの高級スイーツやディナーをご馳走したのだが、それはまた別の話。
Episode.Hanabusa -思い出の写真編-
UGNチルドレン教育施設シグナス。その訓練場に一人の少女がいた。
綿貫一歌、当時12歳。シグナスの卒業試験を2日後に控えたある日のこと。卒業試験に向けての最終調整を行っていた。
「射撃訓練、パターンΔ」
「到達目標…命中率80%、制限時間90秒」
「行動パターン、エネミー『ベオウルフ』」
「訓練、開始」
ブザーの音と共に、一匹の二足で立ち上がる狼が現れる。狼は膝を曲げ、前脚を地面につける。
人間で言うクラウチングスタートのような動作で一瞬のうちに一歌に詰め寄り、その強靭な前脚の爪を立たせ、一歌を抉ろうとする。
だが、それは空を切る。一歌はそれを素早い身のこなしで避けると同時に、構えていたショットガンを放つ。それは狼の右前脚に当たり、曲がってはいけない方向にねじ曲がる。
間髪入れずにナイフを取り出し、それを狼の目に向かい投げた。だが狼はそれを左前脚で弾く。
──それが一歌の狙いだとは気付かずに。
ナイフを弾き、狼が再び一歌に視線を移す。だがそこには一歌はいない。
代わりに、狼の目の前にはグレネード。一歌はナイフを投げると同時にショットガンを捨て、後退しながら拳銃を構えていた。そして、その拳銃から放たれた弾丸はグレネードを貫通する。
狼の眼前でグレネードが爆発し、狼は吹き飛ばされる。
手を止める事もなく、一歌は装填されている残りの弾丸を全て撃ち、狼の4つの脚を撃ち抜いた。
そして、背中に携えていたスナイパーライフルを構える。
狼は激痛に耐えながらも立ち上がろうとする。
だが遅い。立ち上がろうとした時点で、一歌は6発の弾丸を放つ。撃ち終わった直後にスナイパーライフルを捨て、ショットガンを回収しながら狼に詰め寄る。
一歌はポーチから先程放ったものとは別の弾倉を装填した。そして一度、弾倉に自身の能力である雷の力を込めた。
一切の表情を、感情を変化することなく、一歌はショットガンを放つ。
その弾丸は狼に直撃すると、雷鳴を轟かせた。
既に狼は動かない。一歌は拳銃を取り出し、その動かなくなった狼の脳に、複数回発砲した。
「訓練終了。目標、完全達成」
アナウンスが響くと同時に、一歌は無表情のまま訓練場を後にする。
「お疲れ様、一歌」
訓練場から出た直後、一人の少年が話しかけてくる。
「……英」
英傑(はなぶさ すぐる)、一歌の同期だ。自分から話すことのない一歌にとっての数少ない話し相手だ。
他のチルドレンは一歌のその実力や無愛想な所に一歩引いているのか、基本的に話し掛けてこないが、英だけは何故か話しかけてくる。
「相変わらず凄いね。これなら卒業試験も問題なさそうだね」
「……そうだね」
一歌はそっけなく返す。嫌っている訳ではない。ただ、どう話せばいいのか分からないだけだ。
「…あ、そういえば万代さんからクッキーを貰ったんだ。今日は天気が良いから広場で食べない?」
「…分かった」
訓練場から宿舎に向かう途中の広場、そのベンチに二人は座る。
英からクッキーを受け取る。少しの間クッキーを眺め、英が食べたのを見て自分も口に入れる。
「んー、美味しいね」
「…美味しいとか、分からない」
「あれ、一歌って味覚無いとかだっけ?」
「…別に、無い訳じゃない」
「…食べ物なんて単純に栄養とかカロリーとかを補給する手段」
無愛想にそう告げる一歌に、英は答える。
「えー、勿体ないよ。美味しい物は楽しまなきゃ」
「…楽しいとか、分からない」
「…英は、ここが楽しいの?」
「んー…訓練とかは確かに大変だから楽しいとは思わないよね」
「でも、ぼくは一歌と話すのは楽しいよ」
英は柔らかい笑顔で告げる。それを見た一歌は顔を伏せた。
「…そんなことない」
「…私、話すの苦手だし」
「…よく黙るし」
「ふふっ…確かにね。一歌は昔からそうだもんね」
「けど、一歌は悪意が無いよね」
「たまに辛辣な時もあるけど、わざとじゃないでしょ」
「なら、ぼくはそれでいいんだ」
「………」
一歌は口下手で、無愛想だ。だが、英に対して悪意がある訳ではない。嫌悪しているという事もない。そもそも、普段から英に話しかけられて拒絶していないのだ。
英が色々話をして、一歌が相槌をうつ。何年も続いてきた流れ。一歌は表情に出さない上に口にこそしないものの、内心ではそれを喜んでいた。そして、こんな無愛想な自分に話しかけ続けてくれる英には感謝していた。
「…卒業試験、クリア…しないとね」
「だね、頑張ろう。一歌は卒業したら日本支部だっけ?すごいね」
「…別に、凄くはない」
一歌は既に日本支部から配属の打診がある。シグナス側も卒業試験が終われば許可する方針だった。
英は日本支部配属ではなかった。つまり、二人がこうして頻繁に話せる機会も無くなってしまうということを意味している。
「英くん、綿貫さん。ここにいたんですね」
二人が座るベンチに、一人の女性が近付いた。
「あ、万代さん。クッキーありがとうございます。すごくおいしかったです」
万代永良(もず ながら)、この当時は一般職員だった。時に優しく、時に厳しくチルドレン達の世話をしている。やんちゃなチルドレンにはデコピンが飛んでくる事もあるらしいが、一歌は問題行動を特に起こさない為、その光景を見たことはほぼ無かった。
「お口に合ったなら良かったです」
「…あれ、それなんですか?カメラ?」
英は万代が首にかけている機械を見て尋ねる。割と立派なデジタルカメラのようだ。
「えぇ。皆の卒業アルバムでも作ろうかなと思っているんですよ」
「…そうだ。せっかくだし、英くんと綿貫さんの写真、撮らせてもらえないかしら?」
万代はカメラを持ち、笑顔で二人に尋ねる。英は嬉しそうに目を輝かせていた。
「えっ、そのカメラで撮ってくれるんですか?ぜひお願いします!」
「ね、一歌も一緒だってさ!」
「…私は別に…」
「そんな事言わないで撮ろうよ。きっと思い出になるよ」
「そうですよ。ほら、綿貫さん、英くんと並んで下さいね」
万代はカメラを構え二人に手振りを交えながら寄るように伝える。
英は笑顔で、一歌は無愛想にカメラに目線を向けた。
「はい、綺麗に撮れましたよ」
「卒業アルバムにするのとは別に、二人にもプリントしてあげますね」
その日の夜、万代からプリントしてもらった写真を一歌は眺めていた。
おそらく、初めて誰かと記念に撮った写真だ。
しばらく写真を眺めた後、万代から写真と一緒にもらった手帳に挟み、鞄にしまった。
「……もうすぐシグナスに着くのかぁ」
GLから出てバイクを走らせ数時間。
あと30分も走ればシグナスへ着く所の高台で一度バイクを停める。
「あの時とはだいぶ変わったとは聞くけど…今思うとちょっと気まずいよねー…」
「喧嘩別れみたいに出て行っちゃったもんなー…」
「……いやいや、でも流石にあのタイムカプセルは回収しないと」
ヘルメットを外し、手帳を開く。中にある写真を見て、高台から見える景色に目線を移す。
「英、怪我治ったかなぁ」
「タイムカプセル回収したらちょっと調べてみるかぁ」
再びヘルメットを被り、バイクに跨がる。
シグナスへ向けて、一歌は再びバイクを走らせた。
数年越しの再会と、数奇な出会いまであとわずかに迫っていた──
綿貫一歌という名前
自分の名前は好きかと聞かれたら、私は特に好きでもないと答える。
自分の名前とは何だろうか。苗字というものは、代々受け継がれているものだから、そう簡単に変えられるものではない。私の場合は、結婚して嫁入りすれば変わるけれど、そうでない限りは変わらない。そもそも、最近は夫婦別姓というものもあるし、苗字を夫婦で合わせるという概念も、少しずつ過ぎ去った時代の遺物になりつつあるのかもしれない。
でも、名前は違う。「こういう人間に育ってほしい」という親の気持ちが込められたものだ。もちろん、それを名付けられた本人が気に入るのかどうかは別の話だけど。
私は、自分の名前に特段思い入れがあるわけではない。そもそも、私は両親の顔や声はおろか、名前すら知らない。それに、幼少期の記憶というものは、得てして成長すると共に思い出せなくなっていくものだ。実際、私は小さいころから孤児で、施設で育っていたらしい。その施設が事件に巻き込まれて私はオーヴァードとして覚醒し、UGNに保護された。UGNの養育施設「シグナス」で育ち、卒業して日本支部付けのチルドレンとなった。
このシグナスまでの間で覚えている事は、同期の英傑(はなぶさ・すぐる)と、シグナスの職員だった万代さんくらいのものだ。
私は、それほどに小さい頃の事は覚えていないことばかりだ。そんな私が、自分の名前の由来なんて知る由もない。それに、知ろうとも特には思わない。そもそも、この綿貫一歌という名前が本当の名前かどうかすら分からない。気が付いたら綿貫一歌と呼ばれていたから、自分の名前は綿貫一歌だと認識しているだけだ。つまり、私は私の名前の正当性に確信がないのだ。
だから、もしかしたら本当は鈴木園子だったのかもしれない。田中英子だったのかもしれない。
…流石にそれと比べたら綿貫一歌の方がいい。いや、園子さんや英子さんを馬鹿にする意図は全くないけど。
それよりも、綿貫という苗字は正直縁起が悪い。別に世界中の綿貫さんに非があるわけではない。単純に、FHに綿貫という名前の研究者がいるらしいというだけだ。もちろん、血縁関係なんてものはない。UGNがつかんでいるその研究者の年齢も嚙み合わないし。けれども、だからといって今更苗字を変えるのも変な話なので、結局現状維持だ。
皆の名前は、どんな意味があるのだろうか。ふと気になって聞いてみたことがある。深華は「知らない。興味もない」だった。まぁそう言うだろうなとは思った。境遇が私と少し似ているから。あの子も家族の事をよく知らないらしい。学者の家系だったらしいという事くらいしか知らないみたいだ。でも、深華は科学者で現実主義者に見えて情に絆されるところはあるし、意外とロマンチストだ。興味ないとか言ってる癖に名前の意味は調べているんじゃないかな。精神世界「エデン」から帰還してからの深華はロマンチストに拍車がかかっている気がする。きっと、いい出会いがあったんだろうね。
永遠は、一応覚えているみたいだった。永遠が言うには「自分の周りの人にずっと覚えていてもらえるような、素敵な女の子になってほしい」という意味らしい。うん、いい名付け方だと思う。いや、私は名付け親になったことがないから断言は難しいけれど。
八坂は…聞かなくていいや。どうせ「機関の意志」とかいう意味不明な事しか言わないだろうし。
まきなは、どんな意味なんだろう。結局聞いてなかった。名前の由来は全く分からないけれど、私はまきなという名前が好きだ。まきなの名前を口にするたび、心があたたかくなる。私にとって、世界で一番特別な名前だ。
結局のところ、私にとっての綿貫一歌という名前は、私という個人を他者が識別する記号でしかない。だから私は、自分の名前が好きでもないのだ。
「一歌、準備できました。行きましょう」
うっかりソファーでうたたねをしていたようだ。まきなに声を掛けられ、私は目を覚ます。以前に一緒に買い物をしたときに買った私服姿のまきながそこにはあった。
そうだ、私たちは今日はオフで、水着を買いに行くんだった。最近忙しくて、二人で買い物に行ける時間がなかったから、久々のお出かけというやつだ。
「ごめん、ちょっとうたたねしてたみたい。起こしてくれてありがとね」
「任務続きだったから仕方ないよ……一歌、今日は一歌を一人占めしていいんですよね?」
「うん。そのつもりだよ」
まきなは嬉しそうに頬を緩ませる。
「ではいきましょう、一歌」
自分の名前は好きかと聞かれたら、私は特に好きでもないと答える。
そう思っていた。でも、まきなから…私の大好きな人から名前を言われるのは、心があたたかくなる。意味のない記号に、意味が宿る。私が私でいるための、そして私のまきなが愛してくれる名前。
だからそう――私は、綿貫一歌という名前が好きになった。
Episode.Kiritani①
その日、UGN日本支部直轄【Garden of Lily】は大忙しだった。もちろん私もだけど。
理由は至極単純で、日本支部支部長、霧谷雄吾さんがこのGLに訪れるからだ。とはいっても、別に監査が入るわけではない。数年前の霧谷さん…監査局時代の霧谷さんが来るという事であれば、様々な書類などの再確認でてんやわんやどころの騒ぎではなかったと思う。
GLは、私たち実働部隊のGarl’s Arcana(GA)だけではない。事件に巻き込まれて覚醒してしまった少女を引き取り、オーヴァードとして生きていけるように、そして人間として生きていけるような教育を行う教育機関が存在する。レネゲイドコントロールから始まり、シンドローム毎の特徴といった、オーヴァードとして生きていく上で必要な知識や技術を学んでいく。それと同時に、小学校~高校までの一般教育も行っている。もちろん認可された学校ではないので学歴には入らないけれど。それでも、少女達がちゃんとした教育を受けて前を向いてほしいという思いからこの教育機関も同時に設立した。
そんな教育機関に、霧谷さんが特別講師として来ていただける事になったのだ。霧谷さんは非常に多忙だ。噂によると秒刻みのスケジュールらしい。秒刻みて。日本支部長という役職、さすがに過酷すぎないかな。あまりにも意味不明だし、働きすぎじゃないだろうか。その霧谷さんが、GLのために40分の授業の講師として参加する。まるで奇跡のようだ。更に、授業後に私と少し話をしたいという事だった。おおよそ1時間半はこのGLにいるんだと思う。
GLの活動開始から2年。この間で霧谷さんは2回このGLに来ている。タイミング的に、ある程度人数が増えたタイミングで来ている気がする。私がシグナスを卒業して日本支部に来てからというもの、霧谷さんは私の事を気にかけてくださっている。頼れる大人がいるというのは、非常に心強い。八坂は…恩は確かにあるけど頼りになるかと言われると怪しい。いや、怪しいというレベルじゃないな。
12時45分。霧谷さんを乗せた車が、GLの門の前に止まった。私とまきな、永遠、深華、良夢、満弦の6人が出迎える。ありさはえるが足止めしている。
「ようこそ、GLへ。霧谷さん、お待ちしておりました」
霧谷さんに近づき、お辞儀をする。私は霧谷さんを見慣れているし、まきなも後に続く。永遠は何度か話しているはずなのにやたら緊張している。
「お出迎えいただきありがとうございます。本日はよろしくお願いしますね」
「はい。こちらこそ、お忙しい中お時間を割いていただきありがとうございます。うちの子たちも喜びます」
「そう言っていただけると私も緊張がほぐれますよ。チルドレンの子達のためになるような話ができるよう、全力を尽くします」
霧谷さんはその後、まきな達にも声をかけ、ねぎらいの言葉をかけていた。永遠は「はわわ」という声が聞こえてきそうだ、良夢も結構緊張しているっぽい。深華は普通。満弦は得意げに鼻を伸ばしている気がする。
霧谷さんを学習棟の教室に案内する。私と共に、教室に入る。
霧谷さんが部屋に入った瞬間、一瞬の緊張が走る。でもほんの一瞬。着席しているチルドレンの子達はGLでは珍しい男性の姿に少し興味を持っているようにも見える。
教壇に霧谷さんが立ち、チルドレンの子達を見る。
「皆さん、こんにちは。UGN日本支部の支部長を務めている霧谷雄吾です」
霧谷さんは話が上手だ。教室の端で私は霧谷さんの言葉に耳を傾ける。
UGNのこと、オーヴァードのこと、そしてこのGLのこと。小難しい話し方をせず、かといって簡単な事だけではなく、霧谷さんの熱い思いが伝わってくる。
上に立つ人間というのは、伝え方が上手だなと思う。どのように伝えたか、というよりもどう伝わったかを意識しているというのだろうか。
チルドレンの子達も、真剣に霧谷さんの言葉に耳を傾けている。40分という時間は、まるで一瞬であるかのように過ぎ去った。
霧谷さん、すごい。私も、もうちょっとそういうスキルが身につくといいなぁと思ったりなんかもした。
霧谷さんの講習が終わり、私と霧谷さんは支部長室で向かい合って座っていた。霧谷さんの希望もあり、私と霧谷さんの一対一だ。
「霧谷さん、本当にありがとうございました。皆も霧谷さんの言葉に聞き入っていましたし、終わった後の皆の表情もすごく明るかったです」
「良かったです。皆さんの人生の道標の一つになれたのであれば、これ以上の喜びはありませんよ」
「お忙しいかとは思いますが、また来てくださると嬉しいです」
「えぇ。もちろんです」
二人そろって、ティーカップに口をつける。カップをテーブルに置いたところで、霧谷さんが口を開く。
「さて、綿貫さん。気になっているのでしょう?なぜ私が綿貫さんと一対一で話したいと言ったのか」
「…えぇ、まぁ」
実際、心当たりはない。私自身が不祥事を起こした訳でもなく、GLで問題が発生しているわけでもない。もしかしてありさが何かしたのだろうか?
「そんなに緊張しないでください。お説教するわけではないですよ」
ははは、と冗談っぽく霧谷さんは笑った。どうやらネガティブな話ではないようだった。そこは本当に安心。
「まずはお礼を。コード・エデン作戦では上挙母深華さん。対オペレーション:ディープフロントでは稲白永遠さん。この事件解決に多大なる貢献をしていただきました。コード・エデンでは多くの子供たちを救ってくださいました。オペレーション:ディープフロントではマスターエージェントの撃破。UGNや世界にもたらした貢献度は計り知れないほどです」
霧谷さんは深々と頭を下げる。部下が褒められて私も嬉しくなる。
「ありがとうございます。深華も、コード・エデンの一件以降色々といい方向に変わりました。永遠もまだ人見知りは治ってないですけど、責任感が強くなったと思います。頼もしくなりました」
「そうですね。本当に見違えました。そして、これからもGLの皆さんには力をお借りしたいと思っています」
「もちろんです。お任せください」
霧谷さんは、GLへの感謝の言葉を告げ、笑顔を見せる。そしてその後、私の目をしっかりと見据えた。
「それでは本題に入りましょう。綿貫さん、私とあなたが出会った当初の事を覚えていますか?」
「…はい。もちろんです。今にしてみればだいぶ失礼な事ばかり言っていたなと反省しています」
初っ端にチルドレンは使い捨ての駒なんでしょう、なんてめちゃくちゃ失礼な事いってたな私。思い出すだけで恥ずかしくなる
「そんな綿貫さんが、今ではこのGLの支部長です。成長しましたね」
「そして、最初の頃に私が一つ宿題を出したのを覚えていますか?」
「……あぁ、あの事ですか」
「はい」
霧谷さんは私から目をそらさない。
「綿貫さん、あなたにとっての大人とは何か。その答えは見つかりましたか?」
「昨日と同じ今日、今日と同じ明日を皆に過ごしてもらう。それが私たちの役割」
履歴
参加予定シナリオ
・オンリーロンリーヒーローズ
・ニセモノたちの存在証明
時系列
2年半前:Destiny for You→2年前:オリジナルシナリオ(GL設立に関するシナリオにしたいなぁ)→現在
Destiny for You
2022年10月25日通過。まだまきなと出会って日が浅い。
事前に一歌は「落ちこぼれの教育をしてくれ」と依頼されている。その際に解体された「正義極光」についても聞かされており、その実態に激怒している。それと同時に、恐怖心で戦えなかったという事も聞いており、少しだけ安堵していた。
実際に顔を合わせ、任務を行って、少しではあるが彼女の事を知ってきた。射撃のセンスはある。あとは彼女がどう戦うか。
一人で戦うのが怖いなら、一緒に戦えばいい。そう考えた一歌はまきなに告げるのだった。
「私さ、こう見えてバイク乗るの好きなんだよね。後ろ、乗ってみない?」
S市支部での一件で、一歌とまきなは強い絆で結ばれた。
まきなの本心を聞き、その心に触れ、彼女の傍にいたいと思うようになった。
「私が作るよ。まきなの居場所を」
それが茨の道であっても、どれだけの挫折があろうとも。
一歌の目に映るまきなの姿を思い出せばいくらだって頑張れる。
その想いは揺らがない。
Resolution of Lily
Garden of Lilyの設立に関わる話。
GL設立を目指す一歌だが、UGN日本支部からは賛否両論だった。霧谷は設立に前向きな姿勢ではあるものの、霧谷の一存で決められる訳ではない。17歳の少女が支部を作るなど、世間知らずすぎるという声もある。
最大の協力者たる八坂十字も、日本支部で強大な発言力があるわけではない。だからこそ、実績が必要だった。一歌とまきな、この二人が日本支部を納得させるだけの実績が。
そんな中で、かつて東京ドーム占拠事件を引き起こした秘密結社【レイヴンズ】が、再び動きを見せているとの噂が日本支部に届く。
八坂と霧谷は一歌とまきなに、この任務を解決することによって実績を示すよう指示する。
絢爛炉心と空を仰ぐ翼たち
2023年2月12日通過予定。
GLの活動を順調にするためには、実績が必要である。
そのためには、GLが有用であることを知ってもらう必要がある。その一環として、一歌は他支部とのコネクション作りに注力していた。
そんな中で、どこからかGLの噂を聞きつけたのか、一つの依頼があった。
虹房支部。その支部長…『絢爛炉心』輝尚人からの依頼があった。
曰く、「レネゲイドの力で空を飛ぶ機械を作る」とのこと。
彼女自身、機械の手入れをしているという事もあり多少の知識はあったが、専門家ではない。
そのため、最初はGAの上挙母深華を向かわせるつもりでいたが、わざわざ支部長自ら依頼をしてきた。
輝尚人は変わり者と聞く。しかし、それでも支部長だ。
であれば、こちらも一歌自身で行くべきだろうと判断した。
深華に様々な知識を聞き、それを元に輝支部長の研究に貢献できればと思っている。
──まきなからの反応はすこぶる悪く、説得には苦労したが。
また、今回はもう一つの依頼も受けており、そちらも調査するためにありさと同行することにした。
ありさに対しては、その戦闘力を買っている。暴走しないかと多少心配はしているものの、今回はGAメンバー複数人による任務と言うこともあり問題ないだろうと思っている。
橋真良夢との接し方(予定)
・一歌自身はかつて助けた少女だと当初は思っていないが、どこか既視感を感じているっぽいようにしたい
・合流したら普通にほぼ同年代なのでフレンドリーに接したい
・かつて助けた少女ということを知った後→クライマックス戦闘で道を示したい(意地でもドッジに成功する事!!!!)
・クライマックス後orエンディングでGLに誘いたい
符ノ森えるとの出会い
・とある任務、まきなと参加していた際にえると出会う。親に勘当されてしまった事等を聞き、任務終了後にスカウトした。
・面接後、同じく新しく加入したありさと良いライバル関係になるのではないかと思い、有坂ありさと同室にした。
・今回はまきながいる場所でスカウトしたので安心している。
GLのえるとありさ、そして虹房支部の実験協力者である良夢と共に事件を解決。クライマックスボスの行動理由には苦笑いをしていた。
その一件において出会った良夢が、かつての東京ドーム占拠事件の被害者であり、一歌が助けた人物であることを知る。
事件解決後、良夢をスカウトし、彼女はGLに加入することとなった。
そのあとに一悶着あったかもしれないしなかったかもしれない。
(データ調整)
・情報収集チーム採用
・イージーエフェクトを壁抜け→アンテナモジュールに変更
・制服→潜入任務ではないためGA制服を着用
・その他カスタマイズアイテムを取得
・コネ:手配師を取得、ライダースーツ購入狙い
Coffee House Overture
2023年3月14日実施予定。
とある任務を相方のまきなと共にこなして帰宅中、上挙母深華から連絡が入る。
MM支部管轄内にて、とあるカフェに何らかの反応があるらしい。
MM支部は、つい先日、遺産『エレウシスの秘儀』による事件が発生したばかりで、その後始末に終われており、他に回せる人員がいなかった。
それにより、たまたま近くで任務を行っていた一歌とまきなに任務を依頼したいと、GLに連絡があったとのこと。
「カフェかぁー、最近行ってないよね」
「任務終わったらさ、二人でゆっくりコーヒー飲もうよ。最近忙しくてそういう時間取れなかったし」
そう言い、一歌は件のカフェへ、バイクを走らせるのだった。
データ→絢爛炉心から変更無しの予定
オーヴァード趣味レーター
UGN本部で行われた会議後に貼り紙を発見。興味を示して秋葉けみ子に連絡して参加の旨を伝えるも、けみ子の絶叫に似た悲鳴と共に電話は切れた。
やや不安に思いつつも会場へと向かうのだった…
データ→IA適用のためパトロンとデディケイデットは適用無し。
オンリーロンリーヒーローズ
・2024年2月20日通過予定。
・パトロンおよびデディケイデット適用無し
・184点環境
たった一人のオーヴァードになるらしい。
一歌にとっての『正義』とは何か…の答えが見つかるといいな
決めポーズ
人差し指を自分の唇に当てる
「ナイショだぞ」
とある任務の際、何かに巻き込まれレネゲイドの存在しない世界に連れ込まれた。
そこで織田正義と出会う。その後に発生したジャームの被害を助けて回るが、かつての歴史をなぞるようにレネゲイドの存在が広がっていく。決定的に違うのは、UGNという組織がない状態で。
いつしか、一歌がウイルスをまき散らしていると石を投げられるようになる中で、一歌はこの世界の秘密を探っていった。
原因はとあるジャーム化オーヴァードによるものだった。
ヒーローと呼ばれるそのジャームを打ち倒し、彼女は現実世界へと帰還していった。
一歌はこの事件の中で、皆のヒーローにはなれない。けれど、大切な人のヒーローになりたい。大切な人を、居場所を守りたいと強く願うようになった。
彼女と行動を共にしたヒーロー、孤独に戦ったヒーロー。2人のヒーローとの出会いは、まぎれもなく彼女の心に残った。
「ありがとう、私のヒーロー」
ニセモノたちの存在証明
まきなと共にRラボの依頼を受ける。
何が起きるんや…?
出会った人たち(GL以外)
・七星真切
たまたま手伝いにいった支部にてひよこ集めを一緒にした。その後、マリンスノーに関する質問を受けた。
(以下、RPしたかった発言)
「真切くんは、命を賭けてでも守りたいものってある?」
「命を賭けてでも守ろうとする時は、きっとすごく重要な決断になると思う」
「その時が来たら、いくら迷ってもいい。どれだけ悩んでもいい。でも、必ず後悔の無い決断をしてね」
「キミのその決断が、自分にとってのベストであるように、ね」
「真切くんの選び出したその決断は、きっとキミの人生で輝かしいものになると思うから!」
・輝尚人
共に虹房支部のピンチを解決した。Gは平気だったが他のGLメンバーはダメだった。輝尚人もダメだった。
一番平気な一歌だけ無傷だった。
「輝支部長…か」
「確かに奇抜な格好だし、言動も…まぁ特徴的だったなー」
「けど、その想いは本物だった」
「私も見習わなくちゃ。仲間を、友達を大切にする気持ち」
・皇夕都
(サクラ・デイドリームシナリオ外)
稲白永遠について、学校でどんな感じなのか、N市支部のメンバーとはどうか等をこっそり聞いている。
永遠にはGLに加入してほしいとは思っているものの、N市支部に残りたいと言うのであれば無理に引き抜くつもりはないと思っている。その際は夕都に見守って欲しいと考えている。
「私としては、永遠にはGLに来て欲しい。けど、永遠の未来は永遠自身が決めるべきです」
「もし永遠がこの支部にいたいと言ったときは…夕都さん、永遠の事を見守っていて下さいませんか?」
・一守レンヤ
UGN日本支部で行われた会議後、シミュレーション体験にて出会う。
その会議では『童話遺産』と呼ばれる遺産が議題となっており、その一種である『不思議の国の鏡』の事件の解決者として彼の名前が挙がっていた。
めも
世界
宇宙、帰還、真実、大地、地球、導師、ソフィア、完成、約束された成功、旅、黄道十二宮
セッション履歴
No. | 日付 | タイトル | 経験点 | GM | 参加者 |
---|---|---|---|---|---|
フルスクラッチ作成 | 4 | ||||
1 | Destiny for You | 20 | りゆさん | いくさんかなめ | |
2 | 02/12 | 『絢爛炉心と空を仰ぐ翼たち』 | 20 | ミナフジさん | しましょーさんいくさんcondoさんかなめ |
3 | 03/14 | Coffee House Overture | 20 | かなめ | いくさん |
いつか二人で学校潜入任務やりたいね!!!! | |||||
4 | オーヴァード趣味レーター | 20 | しましょーさん | かなめミナフジさんcondoさん | |
5 | 02/11・02/18 | Too young to halt - My heart! | 35 | りおさん | いくさんしましょーさんかなめ |
1年後の世界線のお話。 | |||||
6 | 2024/2/20 | オンリーロンリーヒーローズ | 20 | いくさん | かなめ |
「ありがとう。私のヒーロー」 | |||||
7 | 2024/2/25 | ニセモノたちの存在証明 | 20 | ミナフジさん | いくさんかなめ |
通過予定。 #いちまきの存在証明 | |||||
8 | 2024/3/12 | Resolution of Lily | 28 | かなめ | いくさん |
9 | 2024/7/22 | Divergence of Lily | 35 | かなめ | いくさん |