ある犯罪の冤罪により一家心中に巻き込まれた少女。
死にかけていた所をUGN関係者の手によってオーヴァードに覚醒した。
それ以降はUGNエージェントとして活動している。
功績が認められ本人の志望もあって現在はクロドヴァと呼ばれる東欧の小国付近の支部長となっている。
戦争孤児や奴隷の子などを保護しつつメンバーとして育成。
その傍ら、エージェントとして他支部の応援に駆け付けてもいる。

自分を助けてくれた黒鉄とはよく連絡を取り合っている。

長女で妹や弟の面倒見がよく、しっかりしたお姉さんタイプ。
冤罪事件と一家心中という経過を経て擦れてしまっていたが、紛争地域など世界中を渡り歩き、学びを得てやや落ち着いた。
基本的に落ち着いているが、所々に歯に衣を着せぬ物言いが多い。
売られた喧嘩は買うタイプで負けず嫌いな面もある。

彼女の本名は「雪永 花鶏(ゆきなが あとり)」。
両親と弟と妹の5人家族。平凡だが家族仲が良く幸せだった。
しかし、ある事件のスケープゴートとして罪を被せられてしまった。
「悪」を憎んだ「正義」の市民たちに徐々に追い詰められ、無理心中に巻き込まれる。
この一件は日常に対する彼女の価値観に大きな影響を与えた。

「今の日常は本当に守る価値が本当にあるのか？」と彼女は自身に問い続ける。

自分達の様な犠牲を出しながらも保っているのがこんな程度のものなのか、と。

彼女はオーヴァードの力を使い家族の冤罪を晴らした。
その上で家族に罪を着せた関係者をその手で殺めている。
そうしなければ先に進む事が出来なかったから。彼女の根幹にあるのは怒りだった。

UGNの立場を利用して世界中を視てきた。
その結果、この世界には常に一定数の救われない存在が出てしまう事を思い知らされた。
争いを嫌い、争いのない場所を勝ち取る為に争う...そんな事を繰り返すのは本末転倒だ。
この地球上でどんなに逃げても争いから逃げることは不可能だと理解した。
だったら・・・という様に彼女は宇宙に新しい場所を創る事を決意した。

かつて「生きてどうになる」という家族の訴えに答えを示す事が出来なかった。
生きた先にある未来よりも眼前にある死が家族にとって唯一の救いだった。

「どうして生きなきゃいけないの？」
「生きていても苦しいだけなのに」

答えを示したいと思った。
この世界でかつての自分達の様に生きる事に意味を見出せなくなった人達に。
生きたいと思わせる何かを、自分の手で。

家族の冤罪はオーヴァードの力を使えばすぐに晴らす事が出来た。
オーヴァードの力を大っぴらに使う事を防ぐ機関であるUGNではそのような行為を認めていない。
秩序を守るUGNは無くてはならない存在。それを彼女も理解している。

しかし自分達の様な人間が見過ごされている事実は受け入れられないし見過ごせない。

「UGNは多くの人を助けて、少しの人を虐げる。これまで世界と同様に」
「私にはそれが正しいか分からないし責める資格もない」

だから彼女はこの世界を去る決意をした。
UGNの創る世界では生きていけない人達が生きていける世界を創る為に。

彼女はオーヴァードの力をもっと世の中に役立てるべきだと考えている。
ただし、FHの様なテロ行為は認めていない。
彼女は現在のルールや体制と実情を現場を通して学ぶ為にあらゆる場所を巡った。
基本的に一つの支部に留まる事はせず、紛争地など治安の悪い所を活動先に選んでいた。
オーヴァードと人間が共存するのであれば、必要な規定や設備が何かを学び、知識を蓄え、備える為。
与えられる側ではなく創造する側へ至る為。

そうして雌伏の時を経て、彼女はかねてからの計画を実行する事を決意した。

一方でFHエージェントと繋がりを持っている。
日常側での犯罪や事件を独自に調査し情報を収集。
現在の一般的な法律や自衛手段では防ぐ事が出来ないものであれば、その情報をFHへ流している。

FHエージェント
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/dx3rd/?id=aeOqoV

FHセルリーダー
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/dx3rd/?mode=edit&id=qdIXnj

マザーオブエラの教主の言葉には実は賛同している。
「悼む事すら奪われた」。それは確かに事実である。
UGNが自分達の都合の良い様に裏から世界を弄っている事は否定しようがない。
記憶を操作し、真実を偽り自分達の都合の良い社会を秩序というのは支配と何の違いがあるのか。
そんなものはFHと変わらない。

彼女には友人が居た。
ある事件で家族事憎まれていた時でも彼女を信じて庇ってくれていた。
ほんの少し世間知らずで、感情が分り難かったけれどいい子だった。

その正体はUGNチルドレンであり、彼女を一連の騒動をレネゲイドの力を使ってでも守ろうとしていた。
しかし行き過ぎた行動にチルドレンを彼女から引き剝がし、記憶処理によって彼女の記憶を消されている。
この世界の中で最後まで自分を案じて、最後まで彼女の味方だった人なのに。

友人
https://yutorize.2-d.jp/ytsheet/dx3rd/?id=BlhEbG

エージェントとなって戦う事ばかりをして来た。
ふと振り返って自分を見直した時、疑問に思った。

「どうしてこんなに人を傷つけて、人を殺して平気でいられたんだろう？」

臆病者だと言われるだろう。けど、自分はそれでいい。
誰も死なずに誰も傷つけず誰に済むように。
暴力は最後の手段。そこに至る前にこそ最善を尽くべきなのだ。

太陽系から外れた星の元に、自分達の手で生きる環境を創る。
既存のシステムが邪魔をするなら、誰に手も届かない何処かに生きる場所を作り出そうというもの。
平和の為に戦っていては意味がない。そんな事ではこの地獄からは抜け出せない。

UGNのラインやFHも含む個人のコネを駆使してプロジェクトのメンバーを集めた。
この世界での自分と同じ様な「仲間外れ」達。
オーヴァードと非オーヴァードのメンバーが半々くらいの割合で規模は200人にも及ぶ。
緊急避難としてポケットディメンションを使用した亜空間への避難の手段も確保した。

世界の秩序が強固なら世界から逃げるしかない。戦うのはもっての外だ。
オーヴァードの力があれば、宇宙進出も不可能ではないだろう。
争いが嫌なら争いがない場所へ逃げればいい。場所がないなら作ればいい。
争いを必要としない場所を作る。いつか死を超えた答えを示めす為に。