S市のUGN支部を纏め挙げている少年。
ホームと呼ばれる施設で育てられていたがUGNにリーダーの適性を見出され、支部長に任命されている。
チルドレン達には、守っている日常を理解する様に任務以外での友人との交流や趣味に勤しむ事を推奨している。
本人は周辺支部との連携維持やチルドレンの日常サポート、上層部への擦り合わせ等に専念し、学校へ行っていない。
UGNに引き取られた際に名前や戸籍を失くしており、便宜上、黒鉄と名乗っている。
名前を与えられないままに散ってしまった仲間達のお墓を私的に作っている。

S市支部は多くの支部がそうである様に独立行政法人(国立大学、国立病院等)及びランカスターグループ企業の企業の体裁を取っている。(基本1p.279の様々な支部参照)

言葉遣いが丁寧で礼儀正しい。
ものの見方や価値観は立場の所為か、歳の割にかなり老成している。
ただ、時折歳相応に無邪気で明るく人懐っこい一面を見せる事がある。

親の病気を治す為に都市伝説に縋った結果、オーヴァードに覚醒した。
※何でも願いを叶えてくれる都市伝説は起源種と呼ばれるレネゲイドウイルスだった。

残念ながら覚醒した彼の能力は誰かを治療出来るものでなかった。
それでも覚醒した際に接触してきたUGNにオーヴァードの力で両親を治す様に頼んでいる・・・が断られている。
(オーヴァードの力は日常に干渉するものではなく、病気の治療は現代の医療に任せるべきだと)
そうして両親は帰らぬ人となった。

父親はバスの横転事故で自分を庇って大怪我を負い、植物人間になった。
母親は元々身体が弱く、入院しがちだった。
父親の植物人間化で精神的にも参ってしまい、病状が悪化。
両親は日に日に衰弱して行き、自分を残し、帰らぬ人となった。

父は母親の治療の為、忙しそうにしていた。母親は病気がちだった。
だから彼は親を心配させまいと家事や勉強を人一倍頑張っていた。
歳の割にしっかりした受け答えが出来ていたのは生きる為に必要だったから。

同級生が遊んでいる時間に彼は家事と勉強に時間を費やしていた。
勿論、両親に心配させまいと友人から最近の流行りを聞き、子供らしさを見せる様にしてもいた。

こうした生活を送り続けていた事が支部長として必要な交渉と調達の能力の下地を培っていた。
実際にUGNに引き取られてから受けた訓練も彼にとってはそう厳しいものではなかった。

彼の両親はUGNに見殺しにされている。
その後孤児となった彼はUGNに引き取られた。
彼にとっては自分を手に入れる為に見殺した様にも見えたかもしれない。

彼のUGNに対する評価は『日常という秩序を守るが、日常の中で苦しんでいる人を助けない組織』だ。

それなら自分だけは日常に苦しんでいる人を守ろうと決意した。
両親を思うとUGNに対する憎悪が沸き上がるが、その形を他者を守る事で昇華する事にした。

個人でやれる事よりも組織として出来る事の方が多いと考え、成果を上げて支部長の立場を手に入れた。
支部長という立場を得た彼はギリギリのラインで日常に干渉する事にした。

学園島の存在を知らされており、そこへ編入を誘致する権限も持っている。

以下は彼の日常への干渉の一例。

・現在の医療では治せない患者をオーヴァードに覚醒させることによって治療する。
・現在の技術では発見できない犯罪の証拠をオーヴァードの力で入手し、冤罪を防ぐ。

彼には助けられる人を見過ごす事ができなかった。
レネゲイドウイルスを世界から隠匿しているUGNからするとこれらの行動はグレー。
戒めとして関係者の了承を得てから実行する事で一方的にならないようにしている。

意図的にFHを誘導し、オーヴァードの覚醒を促酢こともある。

彼の両親が生き返る事はない。
それでも二度と自分の様な子供を作らない様に行動し続けている。