「全てを包む闇、とでもしておこうか？」
影から生まれた物。
彼は終、あるいは休息、あるいは果て。
誰もが目にする暗闇が、彼の故郷だ。

「正直、あまり思い入れはないよ。」
ゼノスに死亡の報告をされた一人。
UGNへ転向した際に名と姿を変え、久峨と同じ支部にいる。
ゼノスに在籍していた頃の姿は女性だったらしい。

「別段特別な感情はないよ。綺麗な舞をするヒトだなってくらい。」
久峨の説得を受け、ゼノスを出た理由は「声をかけられたから」
名と姿を変えたので、わりと自由に動いている。

「ヒトがこれを「好意」と認識するのなら、命あるものが好きだね。」
ただし何かに対して必死になることはなく、故に怒りも悲しみも存在しない。
憐れみ、儚み、慈しみ、ひとかけの命の行く末をただ眺めている。
そうして終わりのその時、彼は暗闇(両の腕)にその命を優しく包む。

彼が導くは底根國(そこつねのくに)。静かな永遠を約束するだろう。