容姿・経歴・その他メモ

『狂気のエフェクター』
使用したものが狂うと言われるエフェクター。
中には近づいただけで気が狂ってしまう人もいるという。
とあるリサイクルショップで見つかったものであるが出自が不明。
誰かに購入されても自分の意思があるかのようにまた、店に戻ってくるという。
一人また一人とそんな噂を聞きつけ、そして狂っていく。

そんな中一人の青年がエフェクターを購入する。
彼は呪いの噂などは知らなかった。
ただ、小遣いを貯めて購入したエレキギターをよりカッコよく引きたかっただけなのだ。
彼はギターをエフェクターにつなぐ。
そして勢いよく弦をかき鳴らした。
エフェクターは彼の音を歪め、そして彼に歪んだ音を返す。
その歪みは彼に伝わり、彼自身を歪ませ、狂ってしまう...はずだった。
彼はこれまでの人間とは違った。
その歪みを受け入れ、それを新たな音に変えた。
その歪みはやがて魅力的な音楽に変わっていく。
彼、ジャック・スケアーには才能があった。
ジャックはそのギターで世界を歪ませ、彼自身の存在を示した。
ジャックは自身の才能に気づかせてくれたエフェクターを愛していた。
しかし、日本でのツアー中エフェクターは消えてしまう。
あのエフェクターはどこへ___？

ある日私は気がついた。
自分が意思を持った存在であることを。
彼の奏でる音を聞いて思ったのだ。
私はもっと音を知りたいと。
気がつけば、機械の塊であった私の身体は、四肢を持つ周りの存在と似た形になっていた。
私は気がついていた。
私自身が何者、すなわちレネゲイドビーイングであることに。
生まれた意義もわかっている。
人の音を知りたい。
そのために生まれてきたのだ。
私は、幽神響と自分に名づけ、様々な音楽を聴く旅に出た。
どれも素晴らしいものであったが、私が生れ落ちた、いやその前から聞いていた、彼の音を超えるものは存在しなかった。
再び彼の音を聴きたかった。
しかし、彼は人気のギタリストだ。
そう簡単に会うことはできない。
私があのエフェクターであると説明しても信じてもらえないだろう。
私は苦悩した。
が、すぐに思い出す。
私はヒトにない力を使えることを。
私は過去の経験から音を歪ませる力があると思っていた。
しかし、力の使い方を学んですぐに気がつく。
私の力は音波を自由に操る力であると。
この力を利用して私は音楽アーティストとしての道を歩み始めたのだ。

ジャックは不思議な気分であった。
このアーティストの歌声を聴くと、なぜだか懐かしいと思うからだ。
一緒にセッションしたい。
そう思ったジャックは、彼、幽神響にコンタクトを取る。
そして二人は再開した。
何よりも熱い、ステージという舞台にて。
熱狂的なライブを完遂した彼らには、友情が芽生えていた。
次に会うときはお互い成長して、もっと素晴らしいライブをしよう。
どちらが言ったかはわからない。
しかし、二人とも同じ気持ちであった。

私は苛ついていた。
なぜなら、彼、ジャックが自身のバンドを解散し消息を絶ったためだ。
なぜ彼が表舞台から消えたのか。
考えても答えは出ない。
もう一度ライブをする。
その願いを叶えるために私は努力をしてきたのだ。
彼との約束が私の人生の楽しみであったのに。
そんなある日、ジャックからの突然の連絡が来る。
ライブの招待状だ。
安堵と、一抹の不安を覚えつつ私は会場であるスカイブルータワーに向かうのであった。

名前の由来
幽神⇒歪みから。悪霊っぽいので幽という字を入れたい気持ちもありました。
響⇒音が響くから

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