常に笑みを携えていて、愛想が良いように思うが、実際は飄々として掴み所がない。
火川傑、並びに一つ下の後輩達とは数年ほどの付き合いがあり親しい。
現在に至るまで共に過ごし、幼馴染と言える関係になった。
皆と過ごす日々に不満があるわけではない。ただちょっぴり退屈に感じることもある。
でも、そういう多少の退屈を感じることも、また尊いことなのだろうと思う。

　ずっと、綺麗でありたかったんだ。訳のわからない超常の力を得て、訳もわからず戦うことになっても、人殺しにはなりたくなくて、俺は逃げていた。ヴェノメノンは、殺さないと殺されると言った。無理に決まってるだろ、そんなの、でも二人は、一瞬の逡巡の後に、敵を、人間を切り殺し、焼き殺した。こんな世界は間違っている。だが、現実は現実である。きっとそういう世界なんだ。俺たちは、そういう世界に入ってしまったんだ。
　キンダーガーデン、UGN、そしてアズール、取り巻く環境は刻々と俺を追い詰めていく。埋め込まれた“種”、あの日失ったものの大きさ、元凶の登場から戦闘。そして、ヴェノメノンの死は、俺の心に確実に影響を残した。誰も死なない世界を作る。そのためなら、誰だって、何人だって、何度だって、殺してやる。この壊れた世界を作り直すために、全部壊してやる。それが、欲望(ねがい)を持ってしまった俺が持つべき責任と覚悟なんだろう。

　ヴェノメノンの遺したノートには、俺たちが生き残る術が記されていた。個々の戦闘能力に応じた肉体・能力強化法に、俺自身の心の迷い、弱さについても言及されていた。よくもまぁ、あの短期間で多くのものを見極めたものだと感心する。彼女曰く、俺は現実的で、危機に陥れば、抵抗することなく、強大なものに踏み潰されることになるのではないかと、賢くなって仕舞えば、抗うという行為が無意味だと考え、死を許容することを彼女は危惧していた。最年長のチルドレンになってしまった今ではあり得ないことだ。
　時折考えてしまう。彼女がノートを遺したのは誰のためなのだろうか。と、後輩を思う素敵な人、であるなら話は簡単に終わってしまう。俺は彼女の欲望が深く関わっているのだろうと考えた。それを知る術はないが、だからこそ知りたいと強く思う。もう少し、ヴェノメノンのことを知りたかった。
　ノートの最後には、「思いは力に成る。決して諦めないで」と書かれていた。

希望砕き(アバドン)、いつかその言葉の呟きを耳にした気がした。それは破壊をもたらすもの。それはあらゆる希望を打ち砕き、世界に絶望をもたらす悪魔の存在なのだ。ピッタリだった。俺の覚悟と、他者の畏怖が含まれた完璧なCNだろう。そして、自分自身で名乗るようになって一層、畏怖と敵愾の眼差しを向けられるようになった。今の俺は、生きるために戦うのではなく、欲望のために、そのために殺していく。いつか止められるかもしれない。だがそれは今じゃない。それだけで十分だ。

　櫻井青葉の欲望を聞いたとき、俺はそれに共感できなかった。3人は俺よりも多くのものを失ったから、俺との間に決定的な溝がある。俺は捨てることができた。過去とその延長線上にあったであろう未来のことを。でも彼らはそうじゃないのかもしれない。捨ててなんかなくて、ただ前を向いているようにして、振り返らないようにして、実際心は過去に置いているんじゃないか。だとしたら俺の欲望は、彼らと対称的なものなのかもしれない。
　俺は、誰も死なない世界を作りたい。ここで疑問が湧く、なぜそう思ったんだ？俺たちのような被害者を生み出さないためか？理不尽な悲劇を許せなかったからか？それとも単に俺が悲しくならないようにか？多分どれも正解だろう。だが何かが解せない。そこで思う。きっと俺は誰も死なせたくないわけじゃないんだ。と、俺は大切な人たちを苦しませたくなかった。ただそれだけだったんだ。ようやく気がついた。俺は大切な人たちとの思い出を捨てて、捨てた気になって、過去のことと処理して、そうして未練を断ち切ったんだ。過去を振り切って、希望に満ちた未来さえ切り捨てたんだ。引っかかるわけだ。今まで気づかなかったことが、今やっと、思考に至るまで到達した。とても清々しい気分だ。だとすれば、ようやく俺の欲望が明確な形を取っていく。俺の欲望(ねがい)は…

俺の本当の欲望は、明日を取り戻すこと。過去も未来も全部背負って、希望ある明日を迎えること。未来への希望を失って、それでも過去に執着していた俺が出した答えだ。俺の罪も過去も未来への希望も、全部全部持って生きて行くこと。その先で嘗ての日々を取り戻すこと。俺は全てを手に入れる。そう決めた。そのために力を求め、日々を送る。非日常さえも、俺の大事な日常だから、あの日に失ったものも、手に入れたものも、全部俺は未来へ持っていく。だから待っていてくれ、傑。いつかお前に、俺たちの見ている世界を見せてやる。

　ある春の日。キミは櫻井青葉とPC②、PC③と共に春休みを満喫していた。
これから始まる生活にああでもないこうでもないと夢を描き、友達や家族に囲まれて笑い合う。
ちょっぴり退屈を感じてはいるけれど、こんな日常がずっと続くと…そう思っていた。

　PC①達の入学式を見に来たキミは玩具の怪物に襲われ、武装した女性に助けられた。
アズールと名乗る彼女はキミ達が既に人間では無くなったことを告げ、兵士として働くように命じる。
キミが何を言おうと、彼女から返されるのは暴力のみだった。

ワークスが中学生からFHチルドレンAに変更された。
ワークスの制限により、Dロイスを取得した。
●能力値
【肉体】+1　ワークス変更によるもの
●技能
白兵、意志をそれぞれ6に成長させた
●エフェクト
咎人の剣、戦術をそれぞれlv2で取得
生き字引、砂塵の帳をそれぞれlv1で取得した。
●アイテム
思い出の一品を常備化した。
●固定ロイス
D:起源種
1.ヴェノメノン　P好意/◯N隔意　GR
2.アズール　◯P尽力/N嫌悪　OR
以上82点分の成長

　"ティエラアリア"を追い峰同市へ潜入したキミの目の前にアズールが現れる。
彼女はキミにこの任務中の指揮権を託すとまたすぐどこかへと消えた。
そんな諸連絡にわざわざ足を運んだことに違和感を覚えるが、この任務に一体何があるというのだろうか。

●技能
白兵と、意志をそれぞれ7に成長。
●エフェクト
インスピレーションをlv1で取得。
咎人の剣、煉獄魔神、戦術のlvを最大まで成長させた。
●アイテム
失敗作、クランサイン、強制起動者、悪魔の淡麗を取得した。
●ロイス
D:起源種
1.ヴェノメノン　P好意/◯N隔意　GR
2.アズール　◯P憧憬/N不信感　OR
以上71点分の成長

　青葉の足取りを追い、キミは故郷である朗是市を訪れた。しかし足を踏み入れた瞬間、キミの視界は桜吹雪に覆われる。
再び目を開いたそこは見知らぬリビング。長髪の女性が心配そうにキミを見つめる。
…いや、よく見れば彼女はアズールだ。何故かアズールは自分をキミの母親だと思い込んでいる。
それにヴェノメノンが姉？意味がわからない。一体どうすれば…。

●技能
白兵をlv11、情報:FHをlv2まで上昇させて、
知識:レネゲイドをlv2、情報:噂話をlv1で取得した。
●メモリー
火川傑とAIMのメモリーを取得。
●アイテム
専門家:レネゲイドと噂好きの友人を常備化。
●ロイス
ヴェノメノン　◯P慕情/N不安　WH
ヤマトナデシコ　◯P連帯感/N不安　RE
以上46点分の成長