シングルマザーの家庭で育つ。所謂ヤンママであり、お世辞にも落ち着いた家庭環境ではなかった。
はじめてロックに触れたきっかけも母親であり、幼いころからライブに連れ回されていた。
母親のことは慕っていたが周囲から浮いているのも理解しており、覚醒する前の雲雀はあまり口を利かず目立たないタイプだった。
そのせいでいじめにも遭ったが、堪えていた。

中学の頃、とあるインディーズバンドにハマる。素行の悪いグループだったが、理不尽へ中指を立てて歌にぶつける様に惹かれた。
そのバンド目当てにライブハウスに通い、投げられたピックは宝物になった。
もうすぐメジャーデビューできると喜んでいたバンドメンバーは少し後に事故で亡くなり、メンバーの欠けたバンドは解散してしまった。

中学卒業を前に、いつも自分に突っかかってくるクラスメイト達からカツアゲを受ける。
ネックレスにしたピックを取られそうになった瞬間、頭の中で声が響いた。
『膝抱えてるだけじゃなんにも変わんないぜ』『理不尽にはちゃんと怒れって！』
声に従って怒りを爆発させ覚醒、クラスメイト達を半殺しにする。
レネゲイドを感知して来たFHのエージェントに勧誘され、そのままFH入りした。

覚醒時に聞こえた声の正体。
雲雀の日頃のストレスが、憧れていたロックバンドのメンバーのような人格を持って発現したものと思われている。
口は悪いが基本的には雲雀がやりたいことを応援している。
現在の雲雀が乱暴な口調なのはだいたいこいつのせい。
『もっと素を出してこうぜ！　怒りはちゃんとぶつけンだよ』

実は元の持ち主であるバンドメンバーはFHマーセナリーであった。亡くなった原因も任務に失敗して自爆したためである。
マーセナリーであった理由は音楽を続けるための資金稼ぎであり、彼の音楽に対する愛は本物だった。
ピックに僅かに残っていたレネゲイドが雲雀のものと合わさり、本人そのものではないが本人そっくりな人格になった。
本人ではないためこのときの記憶もない。

力の大部分は雲雀のレネゲイドに依存しているため、離れると自我を維持できずただのピックになる。

理想を語る限り思想がわかる刻はこない。
思想を量る限り理想が叶う刻はこない。
齟齬は確定的で、衝突は決定的。
赤い果汁が土に舞い、匂いにつられた土竜が目覚める。
双眸に宿った炎は
穢れた理想に塗りつぶされていた。

ダブルクロス The3rd Edition
「潜移暗化のスレイバラー」
ダブルクロスーそれは裏切りを意味する言葉

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ロイス：“乾闥婆（けんだつば）”（ほうしど なおいち）
推奨感情：P任意/N隔意
カヴァー/ワークス：指定なし/FH所属

あなたは理想へのこだわりが強いFH所属のオーヴァードだ。
あなたは日々の任務で、とある企業のエージェント“乾闥婆”芳士戸 直一とその相棒“アプサラ”とぶつかることが多く、度々「思想バカ」と彼らにからかわれていた。
ある日、あなたが山中でレネゲイド促進剤散布の任務についていると、いつものように芳士戸と“アプサラ”が現れる。
（所属セルは自由に決めて良い。指定がない場合は“ジャンブルバブル”伊丹 レイカ（いたみ - ）のセル『カストレア』所属とすること）