元ヤクザ。当時は他の若い衆とともにカチコミを掛けるような血の気が多い男だった。
組同士の抗争の際に乱入してきたヨハンによって尊敬していた組長や舎弟達を喪い、自身も瀕死の重傷を負ってしまう。
しかし、その死に際にオーヴァードへと覚醒し一命を取り留めた。
その後、UGNにて身柄を保護されたこと、所属していた組が解散してしまったことから、消去法的にUGNのエージェントとなる。

エージェントになってからの彼は、ヤクザ時代と打って変わって後方支援役に渋々ながら従事していた。
これは発現したシンドロームのエフェクトが悉く支援向きだったためである。
作戦の最前線に向かう仲間たちへの憧れ、それを見送ることしかできない歯がゆさ、それらを呑み込み続ける毎日。
そんな彼の思いに反して、身に付くエフェクトは支援と自身の生存に秀でたものばかり―――それはまるで、その目で数多の死を見届けさせ、且つ彼自身には死という『逃げ』を許さないという罰のようだった。

そうして数多の作戦に参加しその悉くから還ってきた彼を、周囲の者たちは「いかなる作戦においても必ず成果を上げ帰還する男」と褒めたたえた。
しかしそんな賛辞の声に、彼は苦笑いを返すだけだった。

『サバイブ・ワン』―――それは共に征き、されど共に還ることは叶わない。散りゆく魂を見送る男の罪条<コードネーム>

「偽りの王権事件」から1年の間、今まで通り支部長としての業務を粛々とこなしていた。
途中で情報収集PC①が失恋で1週間引きこもる事案が発生した際は、支部長業務と並行して彼女の穴埋めで調査の方も行う等、苦労は絶えなかった模様。
おかげで裏方業務にも多少慣れた（アレクサンドリア等の取得理由）。

「女の子がねぇ、『カチコミ』とか言うもんじゃありません」
最近は自分の悪影響を受けてしまった若い衆に頭を悩ませている。
めきめきと腕を上げる部下も覚悟ガンギマリ過ぎてちゃんと帰ってきてくれるか心配。
相変わらず掴みどころのない外部協力者の彼女はまぁ……仲良くやっていきたいと思っている。

昨日と同じ今日、今日と同じ明日。何時もの友人たちと、何時ものように過ごす、そんな日常が当たり前だと思っていた。
けれど、君の隣にいる友人は、本当に昨日と同じ人物なのだろうか。
誰もが気づかぬうちに、世界はそっと入れ替わる。
囚われたのは一体誰だったのか。捕らえていたのは一体どちらだったのか。
少女の嘆きが空を震わせ、隠された真実が露わになる。
全てはその出会いから始まった―――。

ダブルクロス The 3rd Edition 「Release a wing caught in a cage」

ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

HO

HO3　カバー/ワークス：指定なし/UGN支部長
シナリオロイス　ローザ・パスカヴィル　　推奨感情　尽力/不信感

君は3年前からUGN 荒土市（すさど）の支部長を務めている。
ここ最近、荒土市では得体のしれない事件や事故が多発し、行方不明者も多数出ている。
その上、FHも荒土市で暗躍しているとの情報までもたらされた。
そんな折、UGN本部監査役：ローザ・バスカヴィルから連絡が入る。なんでも、10年前に他地域に移籍したオーヴァードの少女をこの支部に帰還させるらしい。
どうやら彼女は今現在起きている問題と関りがあるらしいが…

「貴方には、裏切り者を見つけ出してほしいのです」
「裏切り者を許すな、必ず探し出して始末しろ」
奇しくもほぼ同時に放たれたその言葉が、新たなる火種となって燃え上がる。
再び破られた日常を背に、裏切り者たちは互いに疑い、踊り、そして激突する。
想いも立場も信条も、全ては過去を断ち切るがため。因縁奇縁は折り重なって。

ダブルクロス The 3rd Edition
Cross way, Across border 第１話　「Cover the creed, Over the stance」

ダブルクロス、それは裏切り者たちが選んだ運命の交差点。

HO

HO3　カヴァー/ワークス：なし/UGN支部長
シナリオロイス　＜リヴァイアサン＞霧谷雄吾　推奨感情　尽力/不信感

君はUGN荒土市支部を束ねる支部長だ。既に4年ほど支部長を務めており、内外からの信頼も厚い。
ある日そんな君の元に、UGN日本支部長：霧谷 雄吾から通信が入ってくる。深刻そうな彼の表情に君も自然と襟を正すことだろう。
霧谷の話では、現在日本各地で裏切り者による情報漏洩や破壊工作が発生しており、日本支部はその対応に追われているとのこと。
恐らくは洗脳の類と思われるが原因は未だ掴めず、辛うじて入手した情報の中に荒土市の名が浮かび上がってきたのだそうだ。
内容が内容だけに彼の言葉は歯切れが悪く、しかし組織の長として、裏切り者を野放しにいておくわけにはいかないと断言する。
君はUGN荒土市支部を管轄する支部長として彼の依頼を受け、荒土市内に潜む裏切り者を探し出すべく調査にあたることとなる。

「どうして私は裏切ったんですか？」
「どうして私を裏切ったんですか？」
表裏に分かたれた彼女たちの言葉は奇しくも鏡合わせのようだった。
悪魔の声に導かれるままに、眠れる少女は禁断の雫を聖杯へと零す。
許されぬことであったとしても。閉じた目蓋の裏に、微かな希望を抱いていたから。

ダブルクロス The 3rd Edition
Cross ways, Across border 第２話 「Ever seen, Never face」

ダブルクロス、それは報われぬものが犯した許されざる一線。

経験点：1話から継続。1話クリアの経験点による成長可。経験点を消費せず、シナリオ中で成長することも可とする。
補足：フォーカス判定あり。

HO

HO3　シナリオロイス　霧谷 雄吾　推奨感情　連帯感/疎外感
今日も君はUGN荒土市支部長として忙しい日々を送っている。
先日の事件の傷痕も癒えぬうちに、君の元に日本支部支部長、霧谷雄吾から連絡が届いた。
曰く、表裏 誠一が残した実験施設を、日本民生党の議員たちが確保しようと動いているとのこと。
彼は君に、彼らに先駆けて荒土市近郊にあるであろうその施設の破棄を求めてくるだろう。

昨日と同じ今日、今日と同じ明日。
それは人類という種に共通する望み。平穏と言う名の得難き幻想の営み。
だが―――ある日を境に、世界はその真実の姿を晒し始める。
これは神話に至る物語。人と人外と、そして裏切り者達の紡ぐ御伽噺<Fairy tale>
誰も気づきはしなくとも。前奏曲はとうの昔、流れ始めていた。

ダブルクロス The 3rd Edition
Resonance your neighbor as yourself 第１話 「The overture of a mythology」

ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

ステージ：基本ステージ（UA)
経験点：250点＋EE6点。
想定プレイ時間：1,2,3話：12～14時間。4話：14～18時間(RPによる)。
補足：3話、4話はFS判定有り。4話は長期戦の可能性あり。全編を通して全員に難易度高めの<意志>判定が発生します。
注意：前作「Release a wing caught in a cage」「Cross ways, Across boeder」の続編となるため、HOからネタバレがあります。

HO3　カヴァー/ワークス：指定なし/UGN支部長
シナリオロイス　マスターリンク　推奨感情　感服/脅威
君はUGN荒土市支部を束ねる支部長だ。ここ1年と少しの間に幾つもの事件が発生し、その全てを解決に導いてきた。
そのその過程で君は、FHのマスターエージェントであるマスターリンクと対立するに至り、常に彼の動向を警戒していた。
そんなある日、＜リヴァイアサン＞霧谷 雄吾から君に緊急の連絡が入り、君は遂にマスターリンクが動き出したことを知る。
彼の狙いは君の保護管理下にある支部員たちだ。君はすぐさま対処をすべく、行動を起こすこととなる。

それは哀れな人形劇。演者も知らぬ道化芝居。
絡まる糸に操られ、重ねた絆は脆くも崩れ落ちた。
羽をもがれた妖精は、それでもなお自らの存在を高らかに叫ぶ。
仮に消え去る運命だとしても。決して奪われるべきではないはずだからと。

ダブルクロス The 3rd Edition
Resonance your neighbor as yourself
第２話 「A sorrowful fake's puppet show」

ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

HO3　シナリオロイス　叛意する俗衆<エクスチェンジャー>　推奨感情　執着/脅威
オーバーレゾネーターの事件から3か月。君は日常を守るため、＜リヴァイアサン＞霧谷 雄吾と共に暗闘を続けていた。
表面上は収まったかのように見えたマスターリンクの攻勢は、その実裏ではこれまで以上に激しさを増して来ており、
君は遂に荒土市に、FHエージェント：叛意する俗衆<エクスチェンジャー>の侵入を許してしまう。
敵の目的が古代共鳴種の3人であることは間違いない。短いモラトリアムの終了を告げる為、君は端末を手に取ることとなる。

時は来たれり。
世に投じられた一石は波紋を産み、瞬く間に人々の間へと広がっていく。
染まりつつある世界で、誰も彼もが隣人を疑い、恐れ、そして排斥する。全ては人類という種の存続の為に。
消えゆく少女の願いの果てに、裏切り者達は彼方の地で邂逅を果たす。

ダブルクロス The 3rd Edition
Resonance your neighbor as yourself 第３話
「Sing resoundingly the hymn to humanity」

ダブルクロス、それは裏切りを意味する言葉。

HO3　シナリオロイス　藤崎弦一　推奨感情　感服/疎外感
前回の事件から僅か3日。世界は大きく変貌し、新聞やニュースの端々にマスターリンクの影がちらつくようになった。
世界中に広がったオーバーレゾネーターは、自覚症状のない感染者たちを蝕み、その影響範囲を広げているようだった。
そんな中、不意に君の元にUGN本部エージェント、＜聖なる瞑想者＞藤崎弦一から連絡が入る。
彼はマスターリンクへの対抗手段として古代共鳴種の二人を活用することが中枢評議会で決定されたことを通達してくる。
更にはそれに呼応するかのように、荒土市近辺に無数の操られたオーヴァードが集結しているとも告げてくるだろう。