幼い頃から寺に育ち、仏教思想と向き合ってきた智火は、元々内向的で無口な少年だった。
多くの人々の“煩悩”や“欲望”に触れる中で、彼の心に芽生えたのは「欲を否定するのではなく、正しく理解し、受け入れることこそが救いになる」という信念だった。
しかしその過程で、人間という存在の滑稽さに惹かれるようになり、やがて彼は人々を観察することに楽しみを見出していく。
その奇妙な趣味は周囲に疎まれ、智火は次第に孤立していった ――本人は気にしていなかったが。

13歳の頃、智火の人生は大きく変わる。
彼の好奇心はFHに利用され、暴走する形でオーヴァードとして覚醒してしまう。
その暴走を止めたのは、同年代のUGNエージェントだった。
正義感が強く、頭は悪いが前向きで、どこか薄っぺらい、くだらない欲にまみれた俗人――
それは智火にとって“最高に面白い観察対象”だった。
力を認められたのか、なぜかライバル扱いされ、正反対の性格ながらも二人は次第に信頼を育んでいく。
いつしか彼は“友人”と呼べる存在を手に入れ、UGNの任務でも背中を預け合う相棒となっていった。

だがその青春は、長くは続かなかった。
たまたま別任務に出ていた相棒は、帰らぬ人となる。
周囲が涙を流す中で、智火は表情に出すことなくその死を受け止めようとした。
しかし内心では、耐えがたい喪失と孤独に襲われていた。
予定していた高校進学を辞退し、UGNからも離れた智火は、修行の旅に出ることを決意する。

そして3年後。
二十架に戻ってきた智火は、サングラスとスーツを身にまとい、飄々とした雰囲気を纏っていた。
そのどこかで見たことのあるような軽薄な笑みの裏には、消えぬ痛みが宿ったまま。

ＰＣ３：まとめ役
シナリオロイス 識名翠 任意/任意
UGNの研究員が研究資料を持ち逃げして二十架市に潜伏したという情報を得たが、
確証がないと識名翠は言う。
あなたの役目は、その情報の真偽を確かめること、そして彼らの目的によっては捕縛することだ。

ＰＣ３
シナリオロイス ジャーム 懐旧/○任意
貴方はふと、過去のことを思い出す。
守れなかった仲間、そして仲間を殺したとあるジャームのことを。
しかしその過去はもう整理はついている、はずだ。
貴方は今日も平常心で仕事に取り組む。

ＰＣ３：まとめ役
シナリオロイス 識名翠 任意/任意
あなたは二十架市支部長、識名翠より、今回の調査チームのリーダーを任命された。
メンバーであるＰＣ１/ＰＣ２を刺激する情報が多く、その手綱を握ることも期待されている。
また、あなたの友人や同僚も今回の事件の被害を受けており、あなた個人としてもこの事件は解決したいと考えている。