伊織がオーヴァードとしての力を自覚したのは、転んでできた傷から零れた血を傷口に戻すところを母親に見られた時だった。
大嫌いな虫でも見たような顔で戸惑う母を見て、伊織は「こうすれば早く治るのに」と思いつつもそれが普通ではないことを自覚した。
それ以来血を操ることをしなくなったためか、母が自分をあの目で見ることは二度となかった。

転機になったのは母方の実家である経ツ祈町に家族で出かけたときのこと。
家族三人の乗った車は居眠り運転の車と衝突、両親は即死。
伊織は「血を戻せば両親が助かる」と考え自分の血を母へ注ぎ、母は生き返りはしたものの死の経験と再び伊織の血を操る能力を目の当たりにしたことで発狂、伊織を拒絶してしまう。
泣き叫ぶ母は自分と父から伊織を遠ざけ、伊織は父親へ力を使うことができなかった。

父親は死亡、母親は「血が、血が」としか言わなくなってしまい精神病院へ。
養育者がいなくなった伊織は経ツ祈町にいた祖父母に引き取られた。

祖父母は伊織の力を知らない。母は人と口をきける状態ではないからだ。
伊織も力のことを誰かに言うつもりはない。またあの目で見られることが怖いからだ。

三木杏と共に東京へ進学（杏は専門学校、伊織は大学）。
経ツ祈町での事件以降レネゲイドに興味を持ち、東京のUGN支部にて資料閲覧の許可を取っている。

・母　　　　：　Ｐ懐旧　/☆Ｎ悔悟
・祖父母　　：☆Ｐ誠意　/　Ｎ不安
Ｓ三木杏　　：☆Ｐ庇護　/　Ｎ疎外感
・久世菜乃葉：☆Ｐ信頼　/　Ｎ猜疑心
・三木青丹　：　Ｐ誠意　/☆Ｎ罪悪感
※拍龍　　　：　Ｐ誠意　/☆Ｎ倒す　※ﾀｲﾀｽ