容姿・経歴・その他メモ

弟、師匠、幼馴染。キラキラ光る大切なすべてを、私はどこか遠くから見ていた

火事現場、厨房、校舎裏にて―――

一人称

私(時々俺)

二人称

〇〇さん、キミ

特別な人

来斗、師匠、葵

髪

落ち着いた赤

瞳

薄紅

戦闘

近接！炎！ワー！

今月のクールチャレンジ
左利き

履歴

輝希には年の離れた弟と、自分の子供でストレスを発散する親がいた。
母は早くに見切りをつけて逃げている。
残った父は目立たないところを殴る蹴るは当たり前であったが、弟にだけは手出ししないようにとの輝希の頼みをまぁなんとか聞いてくれた。
ある夜、父が酔っ払って輝希の布団に入ってこようとしたので弟を連れて家出をした。
しかし結局親戚も役には立たず、どこにも隠せなかった弟の手を引き家へと帰った。もちろん殴られた。

そんな生活をしていたためか、高校に入る頃には輝希自身が真面目とは言い難いオーラをまとってしまっていた。
輝希が絡む連中は幼馴染である少女を除くと、所謂不良共だけだ。
喧嘩ばかりする輝希を幼馴染は心配してくれる。しかし輝希もストレス発散になっていたし、何より喧嘩で怪我をしたかった。

「最近、親父…命令聞かないと顔も殴ってくるから」

親父に殴られた傷って言うより、喧嘩の勲章って言ったほうが弟も怖がらないだろ。
呟く輝希の顔を、幼馴染が治療してくれる。この時間も含めて怪我をしたかったと言ったら、彼女は怒るだろうか。
幼馴染がUGNなる組織に自分を誘ってきた卒業式の日。誘いを断られて去っていく彼女の背中を見て、声をかけられず過去のやり取りを思い出し力なく微笑む。
その日から、幼馴染とは会っていない。

高校卒業と同時に、輝希は弟を連れて家を出るための金を稼ぎ出す。
怒られないよう父の満足する程度の家事をして、弟を送り出した後はカフェでバイトし、家に帰り家事をこなし、また深夜に別のバイトをして金を稼ぐ。
不良行為をしている暇もなく、外見も行いも落ち着いていった。

そんな生活が数年続いたある日。
弟のために稼いだ金を、父が使い込んでいる事に気づいてしまった。
怒りのあまりレネゲイドの力を暴走させ、家に火をつけてしまう。
燃え盛る家の中、騒ぐ父を無視して弟を探す。さっき帰ってきていたからきっと1Fに居るはずだ。
ああ、必死に守ってきたのに、俺が殺してしまうのか！
絶望した次の瞬間。強いレネゲイドの反応があり…世界が凍る。
氷像のリビング。抜け落ちた天井。青空。綺麗だ、と呟く弟がいた。
氷を踏んだ音が響く。人の気配を察してその場から去る弟を、輝希はなぜか追えなかった。力なくその背中に微笑む。
その日から、弟とは会っていない。

その後、火事の件からUGNに追われていた輝希は逃亡した先で一人の男に拾われる。

『居場所がないのかい？』

レネゲイドの扱い方や戦い方を教えてくれた彼を、輝希は師匠と呼んだ。
幼馴染からUGNに誘われた時に、UGNやFHがどんな組織か、どんな関係かもなんとなく聞いていた。
きっと自分の思想や考え方は、UGNに近い。それでも。
師匠と一緒に作ったケーキを試食しながら、守りたい、と思った。
自分の居場所じゃなくていい、ただ師匠の居場所を守りたい。
時々垣間見える寂しさのようなものを、なんとなく師匠の背中から感じる気がするのだ。
しかし気がするだけなので、明るい師匠のその背中を輝希は撫でてやることすらできない。
力なくその背中に微笑む。

「師匠、このケーキ美味しい」

こんなに近くにいるのに、きっと彼の背中も、いつか遠くなるのだろう。

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