「僕は…｜夢羅雲八芽《ムラクモヤツメ》です。コードネームは…【｜勿忘草《ワスレナグサ》】だったと…思います。」
「えっと…メモしたはず…」
「あ…はい。覚えてます。」

マイペース。

UGNに拾われる以前の記憶が無く、覚えているのは自分の名前だけだった。
不眠症であるが故に、深夜は射撃系ゲームをよく遊んでいる。
ゲームで知り合った、ハッカーがいる。
ここに来た時から忘れっぽく、事実のみを書き記したメモ帳を常に持ち歩いている。
何処でもふとしたら寝てしまう。
任務の途中で寝る事も度々ある問題児。
集中すれば、1日起きている事が出来る。
右目はずっと閉じている。本人曰く、開くと痛いんだとか。

思い出だそうとすると、なんだか懐かしくもあって。
でも思い出してはいけないってどこかでそう思うんだ。

"｜万象記憶《オールリコレクト》"トカク

ブリード：ピュアブリード
シンドローム：ノイマン
「我が求むるは人という種の、未来へと進む足跡を観ること」
　100年以上前から人間を観測し続けているレネゲイドビーイング。社会という関わり合いの中で生まれる個体差――人格に対して強い関心を抱いており、人格形成のプロセスを間近で観察するために八芽の後見人を買って出た。……が、思っていたより条が移ってしまい、今は八芽が望む未来を得られる手助けをしようと考えている。

【｜虚空幻影《コクウゲンエイ》】
【｜幻影ノ宣告《ゲンエイノセンコク》】

何もない、喪失、嘘、蛇、眠り、封印

2025/6/29
【トゥルースオアフィクション】KP:まっきぃ

KP:まっきぃ「永見スバル」「トカク」
PL:小林PC2「馬飼牧」、koota110PC3「花山院珀雷」、れふPC4「ヴィルヘルミーネ•シャルロッテ・フォン・リンドベルク」

▶︎前半
あの日の事は忘れられない。忘れてはいけない。
友人になってくれた永見スバルの死を。

あの日の事は僕の記憶に爪痕を残した。
そんな彼女が今、目の前にいる。

無惨に消えてしまった彼女が…。

君は一体…？

▶︎後半
みんなに色々問いただされた。正直何を言っているのか意味が分からなかった。
感情的な馬飼さんに、冷静に「それでもいいのかい」と聞いてくる花山院珀雷さん。
トカクさんまでもが、僕に「何をしたい」と聞いてきた。
でも、そんなこと僕にだってわからない。彼女は生きている。でも、それは僕が見た記憶でしかなくて、曖昧でしかなくて。
僕にとってメモに書いてあるのは事実で、自分の曖昧な記憶よりもずっと信用出来て。

怖かったんだ。何もないかもしれないという可能性があることを。確信が欲しかった。
辛かった。それを認めてしまうのが嫌だった。から、形でしか受け止めることができなかった。

でも、彼女はそこにいて困っている。メモの中にいる彼女よりも鮮明に。
少なくとも、そんな彼女を僕は殺せないし、殺したくもない。
だから、僕はトカクさんにメモを預けた。

一度だけ自分の見ていたい未来を、信じることにした。

▶︎エンディング
トカクさんから「もうメモに頼ることはないだろう」と返された。預けていたほうが安心ではあったけども、それに縋っているのもよくないんだろうなと思ったから、僕は受け取った。きっと、このメモはもう使わない。から、最後に【未来を生きる】。そう書き残して、お守りとして持ち歩くことにした。全部忘れちゃいけない大切なものだから。

スバルと買い物をした。横にいるスバルは以前のスバルとなんら変わらない。僕の大切なお友達。
そうお友達。お友達なんだけど。こうしてもどってきた今、なんだか少し違うような気がしている。
僕は彼女にずっとそばにいてほしいと思ったんだ。彼女のために何かしたいとも思った。
彼女を眺めながらそう考えていたんだけど、どうやら口に出ていたみたいで。
だから、そのまま伝えた。彼女の反応からして、嫌ではなさそうだったからよかったんだと思う。
ちょっと、うれしかったし安心した気がする。

▶︎メモ
永見スバルを救った。

実験体であった。