～生誕～
　「なにもない　だれもいない　からっぽのわたしはどこにいくの」
～逃避～
　「どうしておこるの　どうしていたいの　にげてもにげてもにげられなくて」
～従順～
　「いうこときけばこわくない　いうこときけばいたくない　こうすればいいんだ」
～歓迎～
　「たこさんたいへん　みんなしくしく　たのしいはどこにあるの」
～激闘～
　「わいわいおまつり　こわいひともいて　いろんなたのしいあるんだね」
～舞台～
　「みんなのまえでうたっておどって　みんなわいわい　みんなハッピーがいいんだね」

-P20017WP1
私有地にて観測された対象 P20017W はレネゲイドビーイングであることが認められました。
P20017W は接触を試みた民間人に対して攻撃的で危険性があり、意思の疎通が困難であると確認されています。
しかしこのケースでは民間人が武器のような玩具で対象を刺激し、発生したインシデントのようです。

-P20017WP2
民間人への影響を危惧した■■■によって、P20017W の捕縛作戦が試みられました。
しかし、戦闘の規模が大きくなった事により私有地の責任者によって■■■に抗議があり、試みは中断されたようです。
P20017W は私有地の責任者に対して無警戒であり、まったく攻撃性を示しませんでした。

-P20017WP3
上記ケースを踏まえて、P20017W に戦闘の意思がない者を接触させたところ、攻撃性は認められませんでした。
私有地の責任者と交渉し、対象を◆◆◆に輸送する事に成功、P20017W をオルクスとウロボロスのクロスブリードと確認しました。
◆◆◆の方針として迅速な処分が試みられたところ、肉体の消滅と共に古びた石片のようなものが残されました。
翌日、保管していた石片を持ち出した職員の前で、P20017W は再び人間の姿に戻り、攻撃性を示したため戦闘が発生しました。
その力は以前より弱い数値を示しており、極めて軽度な損害で再処分を実行しました。再生の原因を調査する必要があります。

-P20017WP4
度重なる処分の試みと、攻撃性を失わせるための記憶処理によって P20017W は接触した人間の認識によって変化する事が判明しました。
◆◆◆のリーダーによると P20017W に強い信仰(ロイス)を持つ人間がいると、レネゲイドの変質と活発化が発生するようです。
憑代である欠片は、既に人々の記憶から忘れ去られた神に関するものであり、P20017W は直ちに信仰を集めなければ消滅するものです。
◆◆◆の方針としては願ってもない事ですが、リーダーは信仰による進化の可能性がどれ程のものか、観測の必要性を提示されました。

-P20017WC1
Staff：何度も消滅した際の事を教えてください。また、自らの意思で蘇っていますか。
P20017W：痛み、暗くて深いところにいる。消滅？ 蘇る？ 何を言っているのか分からない。
Staff：理不尽だと感じますか。痛みから逃げたいと。ここに来たことに後悔はないですか。
P20017W：なにも。それが君達の望みなら、私はそうするだけ。私に消えて欲しいと望んでいる？
Staff：そういう方針が当組織にあることは確かです。ですが同時に、観察対象でもあります。
P20017W：そう。皆の望みが不安定、どうすればいいか分からない。不安定だと消えていくしかない。
Staff：確かに、身体が透けているようです。観測対象に消滅される訳にはいきませんね。
P20017W：好きにすればいい。私は君達の望みを叶えるよう努める存在。それ以外にはなれないんだから。

-P20017WP5
P20017W を憑代である欠片に定着させるため、◆◆◆が保有する技術を駆使して安定化させましたが、予断を許さない状況です。
直ちに信仰を供給するため、多くの存在に認知させる必要がありますが、P20017W は一般社会に馴染ませるには歪な存在です。
リーダーは P20017W の身元保証人である責任者から、■■■に依頼して頂く形でのアカデミア編入を提案しました。
編入後、P20017W は島民の信仰を集める特性からアイドルとして祭り上げられているようで、興味深い進化を始めています。
また、著しい知能の低下が見受けられます。大衆が求める偶像に知能は必要ないというのでしょうか。

――以上『プラン・ワーシップ』経過報告より抜粋

～浪漫壱～
　「みんなでわくわく　いたいのはだめ　こわいをハッピーにしよう」
～迷夜～
　「みんなでたべて　みんなでおはなしきいて　このハッピーおわりたくない」
～仮面～
　「おめんおこってる　アンハッピーはだめなの　みんなであそんでなかよし」
～戻日壱～
　「ともだちとおくで　おきゃくさんもとおくで　でもハッピーのためにがんばるよ」
～夜闇～
　「よるはべっどからおちて　あさはハッピーのひだ　なのにとおくてざわざわなの」
～犬猫～
　「とりさんごはんはおいしくない　しかくまきつねががるがるがる　ハッピーばーべきゅー」
～戻日弐～
　「ともだちとおくで　ちょっぴりさみしいけど　うちゅうでハッピーおとどけだ」
～守護～
　「ちいさなとりさんたべられない　おおきなたまごだめだまやき　みんなでハッピーまもったよ」
～起電～
　「みんなでおでかけうれしいな　またまたたまごだめだまやき　こんどもハッピーまもれたね」
～浪漫弐～
　「みんなでろまんをみつけにきたよ　でもひとりでまっくらでだめだめで　きらいになってわすれないで」
～記始～
　「あいどるふれんずきらきらしてて　いちばんになればきらきらかな　いちばんぼしまぶしくてめがいたい」
～滅白～
　「きらきららいちばんのあいどる　めざしてがんばるけどわからなくて　きょうもちがくてざわざわするの」
～白憶～
　「すてーじだけじゃないあいどるだけど　そのことわたしのハッピーはちがくて　なみだがでてじわじわするの」
～砡験～
　「わすれることはハッピーなのかな　わすれられることはアンハッピーじゃないのかな　こたえはどこ」
～枉験～
　「みんなでいっぱいおねがいして　わすれるをわすれないにしたよ　わたしはこのハッピーがいちばんすき」
～浪漫参～
　「みんなでろまんをみつけにきたよ　あのこはハッピーなかんじがしなくて　どうすればわらってくれるかな」
～牢崩～
　「いっしょにおやすみ　いなりも"おやすみなさい"をすれば　ハッピーになれるのかな」

-P20017WP6
P20017W の憑代である欠片は、把握しているだけでも５つ現存しており、そのうち１つに興味深い傾向が起こりました。
神職を務める少女の意識を乗っ取った欠片は、黒狐の面を被って●●の下部組織幹部となり「不死巫」を名乗りました。
「不死巫」はアカデミアのある島を襲撃する計画に加担し、遥か上空よりP20017W の信仰心を島全土から奪い去りました。
その際、欠片の完全なる状態“宝玉”が再現された物を用いたことで、顕現した存在は完全なる人造の神格にまで昇華しました。
信仰心を奪われたP20017W は消滅を余儀なくされ、観察対象ロストの危機でしたが、リーダーは不干渉の判断を下しました。
個人的な所感ですが、■■■や●●に宝玉を完全再現する程の技術は有り得ないのです。その情報は当組織しか持ち得ません。
あるいはリーダー自らが「不死巫」に情報を渡したとも考えられ――[ *** data is corrupted *** ]――
――[ *** 関係性の薄い所感に話が逸れています。多少なら目を瞑りますが、皆さんは以後気をつけるように *** ]――

-P20017WP7
「不死巫」によって顕現した完全なる人造神「大冥神威成」は、しかし信仰心を奪われたはずのP20017W に敗北しました。
不可解なことに信仰が失われてもなおP20017W には人が集まりました。これが絆(ロイス)の生む不確定要素なのでしょうか。
当組織の方針としては、ウロボロスでない人造神を新たな観察対象として、P20017W を消滅させるべきでした。
結果としてP20017W は消滅を免れましたが、しかし人造神も消滅の間際にP20017W-X なる小さな存在を残しました。
今後はP20017W およびP20017W-X を共に観察していく必要があるでしょう。信仰による進化の行きつく先は、果たして･･･？
P20017W は◆◆◆によって施された記憶処理を無効化したようですが、観察を続けるには再度処理を施すことは困難でしょう。
これにより信仰による影響を受けない自我を取り戻し、知能の低下がある程度緩和されたように見受けられます。
幸いにも戻った記憶により消滅を望むといった兆候は見られず、以後、観察対象をロストする可能性は低いと推察できます。
また、P20017W-X には近いうちに接触を試みる必要があるでしょう。成功した場合、音声ログを残します。

-P20017WC2
Staff：お初にお目にかかります。◆◆◆の者です。P20017W、いえ、稲荷さんは眠っているようですね。
20017W-X：（沈黙）
Staff：あなたに稲荷さんを害する意思は残っているのですか？ 観察対象を攻撃するのは控えて頂きたいのです。
20017W-X：（沈黙）
Staff：まさか意思を伝えるほどの知能は残っていませんか。これではただの獣、気まぐれで観察対象を攻撃されては･･･
20017W-X：ふぅ
Staff：はい？
20017W-X：ふぅーーーーーーーー！！！！！！！！！（スタッフに威力のない体当たりを繰り返す）
Staff：気分を害したなら謝ります。えっと、その気はないと、なるほど、待ってください、待って･･･
教職員：誰かそこにいんのか？ コラ！（音声ログはここで途切れている）

――以上『プラン・ワーシップ』経過報告より抜粋

～幸奪～
　みんなの想いが、わたしに明日を諦めない力をくれたよ。本当にありがとう。本当に幸せ･･･ハッピーだよ！
～赤星～
　わたしは色んなことを忘れちゃった子のハッピーを見つけてあげたかったの。ちゃんとできたかな？
～喪失～
　みんなでハッピーな約束！ 仲直りすれば大丈夫だと信じてたけど･･･できなかった。できなかったんだよ。
～複語～
　もっとわがままでいで。それが聞きたい。それを叶えたいから。わたしは、わたしにしかできない事をするよ。
～特別～
　憧れ。友達。特別。全部欲しいって手を伸ばして見えなくなってるのかな。ハッピーはもうそこにあるよ。
～絵画～
　やさしいアイドル、またひとつハッピーの形だね。消えそうなとき、不愛想なあの子が手を貸してくれたよ。
～失木弐～
　新しいお友達、一緒にいたいって言ってくれたけど、遠くに連れていかれちゃった。アンハッピーはダメだよ。
～赤星弐～
　話し合って、譲り合って、そうすればどっちもがハッピーになれる道が見えてくるはずなんだよ。
～妖痕～
　みんなでおまつり！ 屋台にクイズに妖精さんに、みんな大変だけど今日はひとやすみでハッピーだね。
～選者～
　友達になりたいって言ってくれたけど、よくない気がして迷っちゃった。不愛想なあの子が意地悪してたよ。
～深海～
　眠い。深い。このまま何処までも沈んでいくのかな。だぁれ。わたしの手を引いてくれたのは･･････？
～協奏～
　３つの約束、ぜんぶ叶えてハッピーエンドだけれど、そうじゃない人もいて、わたしで力になれたらいいな。
～因縁～
　忘れていたあの子、友達だったはずの子、けれど皆を不幸にするなら、わたしが止めなきゃ。友達なんだから。
～覚命～
　とても痛くてアンハッピーで、それは皆には起きて欲しくないこと。起こさずに済むのなら力になりたいよ。
～浪漫終～
　あなたが嫌だって言っても、わたしは“友達”のあなたと一緒に帰るって決めたよ。だから迷いたくない。
～近光～
　それがキミにとってのハッピーなの？ 分からないけれど、辛い時は支えてあげるのが友達だよね。
～九九～
　あのこが笑ってくれるかもしれないんだって。それってとってもハッピーだよね。よし、頑張るぞ！